太田述正コラム#9411(2017.10.20)
<定住・農業・国家(その4)/私の現在の事情(続X97)>(2018.2.2公開)
 狩猟採集は<人間が>生きる良い方法であることが判明している。
 1966年の研究で、<ある狩猟採集者>が、十分な食物を見付けるのに、平均して、週約17時間しかかかっていない、そして、更なる19時間を家事と雑用に使っている、ということが発見された。
 狩猟採集者達の平均カロリー摂取量は2300であり、推奨量に近い。
 これらの数値が最初に確認された時点において、比較対象とされた米国では、<実に、>一週、48時間の仕事、と、36時間の家事、だった。
 <この狩猟採集者>は、諸余剰を貯め込むことはしなかった。
 彼らは、自分達が必要とする全ての食糧が得られたら、そこで<狩猟を>止めた<からだ>。
 彼らは、彼らの環境が彼らの需要を満たしてくれるという、スズマンが呼ぶところの、「断固とした信頼感」を表明していた。・・・
 スズマン<は、また、>狩猟採集者達が恐るべき平等主義<の下にあることも>示唆している。
 例えば、狩猟者が行いうる、最も貴ばれることは、肉を持って帰ることだった。
 収穫物が「いかなる厳格な共有制度の対象にもされなかった」諸植物とは違って、狩猟された肉は、儀典に則って、極めて注意深く分配され、与えられた肉を食べる人々は、そのことで礼を失してはならなかった。
⇒これは、狩猟採集社会が無土器の場合、植物は殆ど食用にはならない、ということから、植物たる収穫物の分配に、人々はさして関心を払わなかった、というだけのことのように私には思えるのですが、1966年の研究が取り扱った狩猟採集社会の具体像が示されていないので、断定するのは控えることにしましょう。(太田)
(続く)
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  –私の現在の事情(続X97)–
1 歯の顛末
 一本目の抜歯を先週火曜日に行い、二本目の抜歯を今週水曜日に行いました。
 二本目のは、五反田の逓信病院で行う予定で、歯科医師は紹介状まで書いてくれていたのですが、再度、X線を撮り、また、一本目の抜歯の結果を踏まえ、自らやってくれることになったものです。 
 (歯科医師は、私が大動脈解離を患ったことで、慎重を期していたようです。)
 結果は、二本目の方が、むしろ、軽く・・後刻の出血なし・・終えることができました。
 ところで、この間に、予期せぬ「うれしい」結果が生じました。
 先々週に、初めてこの新しい歯科医院に行った頃から、件の二つの歯の状態が更に悪化し、前歯でしかものを噛めなくなっていたのですが、その後も、抜歯に伴い、この状態が続いています。
 そのため、食事に著しく時間がかかるようになり、満腹中枢が働く前にたらふく食べてしまっていた悪習を維持できなくなり、かつまた、食べるのに疲れてしまう、というわけで、この両面から食べる量が減り、ダイエットができてしまったのです。
 何を隠そう、3週間前には82kg近くという自己史上最も重い体重になっていたのが、3週間で丸々3kg減少して、目出度し目出度しです。
 この方法を、体重増に悩んでいる皆さんにお勧めしたいところではあるけれど、全ての歯が使える状態で前歯だけで噛むというのは、強靭な意志の力を要するので、実行不可能でしょうね。
 もう一点。
 一本目の歯は割れてしまっていたのですが、それは硬いものを噛んだためだろう、と三週間前にこの歯科医院の歯科衛生士から言われたので、その後、つらつら考えてみたところ、サイコロ型のチョコレートを、時々噛み砕いていたことに思い当たりました。
 甘いもの好きの皆さん、加齢に伴い、歯もあらゆる意味で老化する、とりわけ、神経を抜いた歯の老化は早い、とのことなので、くれぐれもお気をつけください。
2 投資信託の初黒字化
 2015年3月に生まれて初めて投資信託を始めたのですが、その直後から値がずっと下がりっぱなしで、何と不運なことよと嘆いていたところ、ここへきて、黒字に転じ、先般、初めて、分離課税の源泉徴収(税率]20.3%)で所得税プラス住民税を支払わされました。
 黒字化したと言っても、始めた時に金融機関に支払った手数料も勘案すれば、2年半強でわずか0.8%という雀の涙ほどの利回りにしかなっていませんし、(解約の際にはまた手数料をとられることはさておき、)当然のことながら、再び赤字化する可能性だってあります。
 それにしても、この黒字化は、トランプ旦那と安倍チャンの経済「政策」を、それぞれ米国と日本の株式投資家達が評価していること、とりわけ、最近では、安倍自民党が総選挙で大勝利する見通しであること、のおかげだと言っても過言ではないところ、トランプを軽蔑し、安倍自民党を国賊・逆臣呼ばわりしている私としては、何とも複雑な気持ちです。