太田述正コラム#14838(2025.3.23)
<2025.3.22東京オフ会次第(続)>(2025.6.18公開)

◎TSY投稿(21日夜)

※本日朝、Thunderbirdの迷惑メールフォルダに入っていたTSYさんのメールを発見し、その中の正誤表に若干付け加えたものを本日のディスカッションの冒頭でご披露したが、このメールの投稿部分を、ここでご紹介しておく。↓

 原稿、おもしろかったです。
 『信長公記』を読んだときに、なんで太田牛一は、こんなに詳しく武者揃えの場面を描くのか疑問に思いました。
 それが対外遠征への下準備(したがって非常に重要)だとすると、理由がわかります。ご教授ありがとうございました。
 「毛沢東の偉大さ」。杉山がどんな準備をしていたか、対毛沢東限定ですが、それが具体的に時系列に記述してあったので、なんだか杉山に近づけた気がしました。
 「習近平」。世襲制。それがベストかどうかはわからないのですが(天皇制という世襲制がほころびつつあるのも目撃しているので)、中国のあまりにあっけない王朝交代史をみると、今まで中国史になかった要素を入れるというのは、1つ方法だとは思いました。
3 質疑応答(Oは私。後は同一のアルファベットが必ずしも同一人を表さず。)

A:進撃の巨人、鬼滅の刃、と、比較的最近の日本の大ヒットマンガは、弥生性そのものの内容であることは面白い。
O:ワンピースはどうなのか。
A:縄文性の方だった。
B:中共人民の縄文人(人間主義者)化は進んでいるのか。
O:それが、どんなに容易でないことなのか、分かってもらうために、自分自身の経験をご披露しよう。
 (1988年、)英国の国防大学の同期生ZB君は中共からの同大学派遣初代学生・・当時陸軍大佐で、最後は海軍副参謀長!・・だったが、親しくなると、すぐ、週末の私の予定を聞くようになり、(彼は車を持っていなかったところ、)観光地への日帰り旅行に一緒させてくれと頼みこんできたので、少なくとも1回は、ZB夫妻を連れて行ったことがある。
 そのうち、今度は、恐らく同じような制度があるのだろうが、私に、日本大使館を通じてのアルコール飲料の無税購入・・滞在中上限が3回まで可能だったような・・を自分達のためにやってくれないかと頼んできたので、一度きりだぞと念を押した上で、購入してあげたこともある。
 そんな彼が、中共に帰国後、やがて、香港の中共返還前だったが、香港派遣軍<副>司令官になっていた時のこと、香港で(恐らくだが、派遣軍特権で、香港内で消費する限りは付加価値税免除、で買い込んだ)商品を満載した官用車で本土に渡ろうとし、本土との境界線の香港側の検問所で検査されそうになった時に、自分は英語ができないと言って、強行突破して逃げて問題になった、という新聞記事を目にして、いかにも彼らしいと思ったものだ。
 また、参院選で落選した後、(2002年に)日本人たる某日中友好人士に連れられて北京を訪れた際、中国共産党の日本担当だった、当時は既にOBの、人の世話になったが、彼が、帰国する私に、(梱包した)荷物を渡して、東京にいる彼の息子に渡してくれと頼むので、郵送すりゃいいじゃないか、さすがにそこまではしないだろうが禁制品が入っている可能性だって皆無じゃないし、と躊躇しつつも断るわけにもいかず、それを引き受けさせられたことがある。
 この両名とも、もちろん、中国共産党員であり、どちらも、その中でもエリートに属する人々であって、彼らは、中共人民一般に比べれば相当マシな方のはずなのだが、こういう体たらくだ。
 政権を奪取してから、毛沢東は、その大部分が普通人であったところの、支那人民、の人間主義化の道の余りの遠さに改めて頭を抱えたに違いないのだ。
 大躍進/人民公社化や文化大革命は、人間主義化を一挙に促進しようとの毛沢東のあせりの現われであり、その結果ウン千万人が亡くなったかもしれないが、それでもなおかつ、習近平・・腐敗した軍のお偉いさん達等を次々に牢屋にぶちこんできた・・が、そんなことをやらかした毛沢東を崇敬しているのは、彼には、そういうことが十分過ぎるくらい分かっているからなのだと思っている。