太田述正コラム#15109(2025.8.5)
<皆さんとディスカッション(続x6337)/映画評論402:アウトロー>
<ladqYjOv>
≫民主主義が花開いた輝かしい兵庫県。≪(コラム#15107。太田)
安倍問題に含まれているのは、民主主義の問題だからですよね。
兵庫で民主主義がどうして花開いていることになるのですか?
未だに46%%も愚劣な知事を支持しているからですか?
他の地域では花開いていないのですか?
太田さんは民主主義では愚民による政治に陥るという話をしていたと思います。
東京の参院選では「みなさんのお母さんにして」といって塩入さや氏が圧勝しましたが、これは民主主義が花開いていることになりませんか?
<太田>
民主主義というのは、対象社会の大部分を占める非エリート層・・それは相対的に判断能力が低い層でもある・・にその社会の基本的な意思決定を行わせる思想です。(典拠省略)
だから、古今東西、民主主義を標榜する大部分の社会では、実質的に(そんな「危険な」)民主主義を機能させない制度を国制に組みこんできました。
日本の場合、中央国制が間接民主主義・・反民主主義!・・であることがその一例です。
他方、そんな日本でも、地方では中央に比して重要でない意思決定しかできないことから、戦後は、地方国制においてのみ、その首長の選任を民主主義で行わせることになっています。
さて、その日本で、中央政府が脳死状態に陥ってしまっており、その「実感」に基づくなんちゃって危機意識が非エリート層の大部分にまで共有されるに至っています。
その結果、非エリート層の相当部分が、エリート層からの指示に従う・・組織票ってのがその典型です・・よりも自分の判断に基づいて投票するようになってきました。
その結果、首長が直接民主主義で選出される地方において、その限りで民主主義が機能し始める事例が出てきており、その典型例が一番最近の兵庫県知事選挙だったのです。
しかし、非エリート層は、自分で判断する能力が低いので、流布している噂話等に影響されがちであり、昨今においてはSNSで流布される噂話等を信じ込んでしまいがちであり、まさにその結果、既に甚だしく人格、能力共にオツることが客観的に明らかになっているにもかかわらず、斉藤君、が再選されてしまったのです。
よって、「安倍問題に含まれているのは、民主主義の問題だから」ではなく、「安倍らが漫然とついにその中央政府を脳死させてしまった日本の問題だから」ですし、民主主義が日本の全体でまだ機能していない以上、しかも、間接民主制である以上、中央においては、「民主主義が花開いている」とは言えません。
では今後は?
そんなこと、中央政府が脳死しちゃってる以上、どうでもいいのでは?
どっちみち、現在は米国、そう遠くない将来には中共、が、日本の中央政府機能を代替していくわけです。
しかし、地方公共団体全てが脳死しちゃったら、それこそ、町会だけで日本の地方を切りまわしていかなければならず、そんなことでは、日本が肉体死してしまいます。
ですから、脳死は、兵庫県だけで食い止めなければならないのですが、どうやら、それは不可能なようですねえ。
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<どうせ、艦体(鉄等)だけ提供すんだろさ。↓>
「豪州護衛艦、日本優先で交渉 「もがみ」型ベースに共同開発、総額9500億円の大型案件・・・」
https://www.sankei.com/article/20250805-L7MKWSPPURJVTK2DOOYKRNF4BQ/
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<中共をえこひいき?↓>
「トランプ米大統領は4日、自身のSNSへの投稿で、インドからの輸入品に対する関税を「大幅に引き上げる」と述べた。ウクライナを侵略しているロシアからインドが原油の購入を続け、ロシアの戦争継続を支えているとの認識を示してインドを批判した。・・・」https://www.sankei.com/article/20250805-M3GI2MDLWFPXZLPRTF22KFI2QA/
<そりゃそうだろよ、分かるー。↓>
「ガザの状況、ユダヤ系7割以上「苦痛でない」 イスラエル世論調査・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%AC%E3%82%B6%E3%81%AE%E7%8A%B6%E6%B3%81-%E3%83%A6%E3%83%80%E3%83%A4%E7%B3%BB7%E5%89%B2%E4%BB%A5%E4%B8%8A-%E8%8B%A6%E7%97%9B%E3%81%A7%E3%81%AA%E3%81%84-%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB%E4%B8%96%E8%AB%96%E8%AA%BF%E6%9F%BB/ar-AA1JTNnZ?ocid=msedgntp&cvid=b3dedac239564fd9b416881997b98436&ei=51
<むろんそれしかないさ。↓>
「イスラエル、ガザ全域に作戦拡大か…ガザが脅威にならないよう首相が閣議で軍任務議論へ・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%A9%E3%82%A8%E3%83%AB-%E3%82%AC%E3%82%B6%E5%85%A8%E5%9F%9F%E3%81%AB%E4%BD%9C%E6%88%A6%E6%8B%A1%E5%A4%A7%E3%81%8B-%E3%82%AC%E3%82%B6%E3%81%8C%E8%84%85%E5%A8%81%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%89%E3%81%AA%E3%81%84%E3%82%88%E3%81%86%E9%A6%96%E7%9B%B8%E3%81%8C%E9%96%A3%E8%AD%B0%E3%81%A7%E8%BB%8D%E4%BB%BB%E5%8B%99%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%B8/ar-AA1JUcDO?ocid=msedgntp&cvid=b61a7cfdf7d94007a8d2ed5ba7f6a949&ei=10
妄想瘋癲老人米国。↓
なし。
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
今更だけど、こんなに恵まれない体格でこんなに大活躍ができる(遠くに球を飛ばすことが求められる)球技スポーツがこの世の中にあるなんて信じられないわあ。↓
「・・・山下美夢有(やました・みゆう) 2001年8月2日生まれ、大阪府寝屋川市出身の24歳。150センチ、52キロ。5歳でゴルフを始める。大阪桐蔭高1年で全国高校選手権春季大会2位、3年で全国高校選手権個人の部優勝。19年のプロテストに合格し、西郷真央と笹生優花とともに初の女子高校生プロとなる。21年4月のKKT杯バンテリンレディスで初優勝。22、23年はともに5勝ずつを挙げ2年連続で年間女王に輝く。23年12月の米ツアー最終予選会に1位で合格。日本ツアー13勝、米ツアー1勝。」
https://www.msn.com/ja-jp/sports/other/%E5%B1%B1%E4%B8%8B%E7%BE%8E%E5%A4%A2%E6%9C%89-%E5%85%A8%E8%8B%B1%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%97%E3%83%B3%E5%88%9D%E5%84%AA%E5%8B%9D-%E6%97%A5%E6%9C%AC%E5%A5%B3%E5%AD%90%E5%8F%B2%E4%B8%8A%EF%BC%96%E4%BA%BA%E7%9B%AE%E3%81%AE%E6%B5%B7%E5%A4%96%E3%83%A1%E3%82%B8%E3%83%A3%E3%83%BC%E5%88%B6%E8%A6%87-%E9%87%8D%E5%9C%A7%E3%81%AF%E3%81%82%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%81%8C-%E5%A5%B3%E5%AD%90%E3%82%B4%E3%83%AB%E3%83%95/ar-AA1JQ6NU?ocid=msedgntp&cvid=f62dddb2cc704f5b9edd877e46f945d2&ei=4
こういう記事載せるの、感心、感心。↓
What Happened at Hiroshima review – this rushed, flimsy look at a world-changing atrocity isn’t good enough–Thirty minutes simply isn’t enough time to do justice to such a colossal event. Let’s hope the BBC have something more fitting lined up to mark its 80th anniversary than Jordan Dunbar’s documentary・・・
https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2025/aug/04/what-happened-at-hiroshima-review-this-rushed-flimsy-look-at-a-world-changing-atrocity-isnt-good-enough
Disfigured, shamed and forgotten: The BBC visits the Korean survivors of the Hiroshima bomb・・・
https://www.bbc.com/news/articles/cp8zlwd3e42o
いつの間にかそういう時代になってたんか。↓
「GMOクリック、日本株の売買手数料ゼロ SBI証券・楽天証券に続き・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC302MP0Q5A730C2000000/
んなのムリだよ。↓
「《『日ソ戦争』麻田雅文氏×小泉悠氏対談》日ソ戦争の教訓は沖縄戦と同じく住民を守る戦いができなかったこと 中国を念頭置いた防衛議論でも欠かせぬ視点・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d7b6ab6b6b3716c9116ab79706103935fe3c7469
日本全体には殆ど影響を与えなかった点で、同じ頃からの島津氏の歴史とはダンチだが・・。↓
「・・・伊達<氏は、>・・・公式には藤原氏北家の流れを汲むとされるものの、その直接の祖は、常陸国真壁郡伊佐荘(現在の茨城県筑西市)を本拠とした武士、中村氏でした。・・・
「奥州合戦」において、中村朝宗(後に入道し「念西」と号す)は頼朝方として参陣し、目覚ましい武功を挙げます。
この功により、朝村は頼朝から陸奥国伊達郡(現在の福島県伊達市周辺)を賜りました。
そして、この地の名をとり「伊達」を名乗った初代当主・伊達朝宗(ともむね)が、伊達家の歴史の第一歩を記したのです。・・・
9代当主・伊達政宗(まさむね)。
後の独眼竜と同じ名を持つこの当主は、文武に優れ、室町幕府との関係を強化することで伊達家の地位を飛躍的に高めました。
当時、鎌倉府と対立を深めていた幕府将軍・足利義満は、奥州の有力国人である伊達氏を味方につけようと動きます。
政宗はこれに応え、鎌倉府の勢力を奥州から駆逐。
その功績により、伊達家は奥州における幕府の代官的な地位を確立し、周辺の諸大名から一目置かれる存在となりました。
独眼竜・政宗の名は、この偉大な祖先にあやかって名付けられたと言われています。・・・
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/5baf7dc86f2e88e5f9c783f7e6eae7d247ad397d
「・・・稙宗<の>・・・「越後進出計画」に、嫡男・晴宗が牙を剥きました。・・・1542年、・・・6年にも及ぶ大内乱「天文の乱」が勃発しました。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/c667a6df2e37998424f92e73a806e91ab4cd0414
「・・・1548年、室町幕府13代将軍・足利義輝の仲介もあって、ついに和睦が成立。
稙宗は隠居し、晴宗が正式に伊達家15代当主となることで、大乱は一応の決着を見たのです。
天文の乱は、「勝者なき戦い」でした。
家督を継いだ晴宗は、幕府から奥州探題に任じられるという栄誉を得ました。
しかし、その称号は名ばかりで、実権は伴わなかったのです。
6年の内乱で伊達家の国力は著しく消耗。
稙宗が心血を注いで築き上げた巨大な同盟ネットワークは崩壊し、伊達家の威信は地に堕ちます。
さらに深刻だったのは、乱が残した「負の遺産」です。
伊達家の支配から脱した蘆名氏などの周辺大名は、この機に乗じて勢力を拡大。奥州は再び群雄割拠の時代へと逆戻りしました。
そして何より、乱で敵味方に分かれて争った家臣団の間の深い亀裂と遺恨は、その後も長く伊達家を蝕むことになります。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/7a575cab196f12e1335e7173b3a5161565fe79b2
「1570年(元亀元年)<の>・・・「元亀の変」こそ、後の独眼竜・政宗の時代へと繋がる、輝宗による治世の夜明けでした。
この内紛の根源は、輝宗の父・晴宗が勝利した「天文の乱」にまで遡ります。
あの大乱で晴宗を担ぎ上げ、勝利に導いた最大の功労者が、重臣・中野宗時(なかの むねとき)とその一派です。
彼らは、いわば晴宗政権の「キングメーカー」であり、乱後は絶大な権勢を誇りました。
その権力は、主君である伊達家をも凌駕しかねないほどに肥大化していたのです。
輝宗が家督を継いだ時、このいびつな権力構造はそのまま引き継がれました。
若き当主の前で、中野宗時とその子・牧野久仲(まきの ひさなか)らは、功臣であることを笠に着て専横を極めたとのこと。
輝宗にとって、彼らは父の代からの功労者であると同時に、自らの権力基盤を確立する上で最大の障害となっていたのです。
輝宗は、父・晴宗とは違い、自らの手で家臣団を統率し、中央集権的な支配体制を築こうと志していました。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/expert/articles/611307679f9412214217c2b252b08f960de8c687
日・文カルト問題。↓
<そいつは光栄なことでござんす。↓>
「日本の最低賃金、過去最高の6%引き上げで1118円に…韓国の1万320ウォンを上回る・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/337148
<ありがとさん。↓>
「日本で人気の韓国米、上半期に416トン輸出…過去最多・・・」
https://www.donga.com/jp/article/all/20250805/5767096/1
<日本人を引き合いに出しちゃアカンで。↓>
「<サッカー>トッテナム、20歳の日本人CB獲得へ…訪韓前に孫興慜移籍の可能性も・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/335429
<健闘を祈る。↓>
「日本でシェア伸ばすサムスン、自社ロゴを復活させ真っ向勝負=韓国ネット「日本でシェアトップに」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957924-s39-c20-d0191.html
いんにゃ、妊娠・出産・育児・教育、の全てを機械化/国営化するほかないよ。↓
・・・As life on Earth has come to offer more and more rich and interesting options for how to spend our time, the opportunity cost of parenting has become increasingly less attractive. There are now more ways to make a meaningful life with fewer or no kids, even if you did want them, as gen Z is well aware.
If we agree that we ought to make life good for our descendants, and that this means supporting a stable, sizeable human population, how can we achieve this? The solution proposed by Spears and Geruso is no less than a total restructuring of society around care, in which parenting is so well supported socially, culturally, economically and medically that it is seen as a joy, not a relentless struggle. ・・・
https://www.theguardian.com/books/2025/jul/29/after-the-spike-by-dean-spears-and-michael-geruso-review-the-truth-about-population
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<英語媒体より。
そもそもからしてちゃう。習ちゃんは終身主席になることに決まってんの。↓>
The Succession Question Obscuring China’s Future—and Unsettling Its Present・・・
https://www.foreignaffairs.com/china/after-xi-jinping-jost-mattingly?s=ESPZZ005G1&utm_medium=promo_email&utm_source=fa_edit&utm_campaign=pre_release_after_xi_jinping_prospects&utm_content=20250804&utm_term=ESPZZ005G1#
<次に、人民網より。
日中交流人士モノ。↓>
「中日両国の若者が青海省博物館を訪問・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0804/c94638-20348971.html
<掲載意味なし。↓>
「「歴史を銘記し、未来に向かう」――抗日戦争勝利80周年記念交流会が名古屋で開催・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0804/c94474-20348864.html
<・・・。↓>
「「731部隊」を題材にした映画が9月18日に公開へ・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0804/c206603-20349005.html
<ここからは、レコードチャイナより。
そうだそうだ。但し、中共の対日戦略の一環。↓>
「台湾メディアの自由時報は4日、中国で公開され大ヒットを記録している映画「南京照相館(南京写真館)」について、中国当局が力を入れて推しているが、ネットユーザーからは「仇日」を吹聴する内容だとの指摘も出ていると報じた。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957905-s25-c30-d0052.html
「731部隊題材の中国映画、柳条湖事件の日の公開決定、反日感情懸念―シンガポールメディア・・・の聯合早報・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957903-s25-c30-d0190.html
<日中交流人士モノ。↓>
「<卓球>張本智和がTリーグを「痛烈批判」、中国でも大反響・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957947-s25-c50-d0052.html
–映画評論402:アウトロー–
今回の「『アウトロー』(原題: Jack Reacher)は、・・・クリストファー・マッカリーが監督と脚本を務め、トム・クルーズが主人公のジャック・リーチャーを演じるアクションスリラー映画」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%82%A6%E3%83%88%E3%83%AD%E3%83%BC_(2012%E5%B9%B4%E3%81%AE%E6%98%A0%E7%94%BB)
であり、秀作。
但し、美人は登場せず。
米国人のマッカリー(Christopher McQuarrie。1968年~)は、米ニュージャージー州生まれの高卒で、豪州の学校用務員、帰国後、探偵、警備員という異色の経歴の持ち主だ。
https://en.wikipedia.org/wiki/Christopher_McQuarrie
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太田述正コラム#15110(2025.8.5)
<丸橋充拓『江南の発展–南宋まで』を読む(その25)>
→非公開