太田述正コラム#15131(2025.8.16)
<皆さんとディスカッション(続x6348)/映画評論413:ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像>

<太田>

 安倍問題/防衛費増。↓

 <これぞ見せ金。↓>
 「海上自衛隊の護衛艦「いずも」「かが」が空母化、中国を念頭にF35B戦闘機を艦載運用へ・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/12/2025081280033.html
 <石破首相も本望だったことだろう。やれやれ。↓>
 「日本の石破茂首相は15日、東京都内で開催された終戦80年の全国戦没者追悼式の式辞で日本の首相として13年ぶりに「戦争への反省」という言葉を使った。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/16/2025081680028.html
https://japanese.joins.com/JArticle/337649

ウクライナ問題/ガザ戦争。↓

 <便りがないのがいい便り。↓>
 「ウクライナ停戦合意できず 侵攻後初の米ロ首脳会談・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E5%81%9C%E6%88%A6%E5%90%88%E6%84%8F%E3%81%A7%E3%81%8D%E3%81%9A-%E4%BE%B5%E6%94%BB%E5%BE%8C%E5%88%9D%E3%81%AE%E7%B1%B3%E3%83%AD%E9%A6%96%E8%84%B3%E4%BC%9A%E8%AB%87/ar-AA1KBtNB?ocid=msedgntp&cvid=84a915cd8b29478aadd144e5cf656669&ei=13

 妄想瘋癲老人米国。↓

 なし。

 それでは、その他の国内記事の紹介です。↓

 ちょっと意外。↓

 「日本たばこ産業(JT)」今が買い?業績好調の3要因、増配にこだわる理由・・・」
https://www.mag2.com/p/money/1644573?utm_medium=email&utm_source=mag_W000000003_fri&utm_campaign=mag_W000000003_20250815

 なるほど。↓

 「・・・ポツダムはソ連占領下の地域です。ポツダム会談のホストはスターリンと言っても過言ではありません。本来、ポツダム宣言にスターリンの名前がないのは非常に不可解です。
 先述したように、ソ連は日ソ中立条約を破棄する正当化のために、連合国の共同宣言、つまりポツダム宣言に加入しようとしていた。実際に、ソ連は共同宣言案を用意していましたが、米国はソ連に無断で1945年7月26日にポツダム宣言を記者発表してしまった。ソ連のヴャチェスラフ・モロトフ外相は激怒しました。
 この背景には、核兵器開発の成功があります。ポツダム会談初日の前日である7月16日に米国はトリニティ実験で原爆開発の成功を確認。米国はソ連の参戦という諸刃の剣を使わずとも、核だけで日本を降伏に追い込める可能性があり、ソ連を宣言から外すことで戦後のソ連権益拡大を抑えようとしたのです。・・・」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/89857?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link
 「・・・軍事の素人が聞いても納得できる作戦こそ正しい。アリューシャンとミッドウェイの同時進行は、その原則に反するものでした。結果として、ミッドウェイは作戦計画の不備と戦力分散により「負けるべくして負けた」戦いとなったのです。・・・」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/89990?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link

 日・文カルト問題。↓

 <ご愛顧の方だけにだけど感謝。↓>
 「80年前、韓国が日本の植民地支配から脱した独立記念日(8月15日=光復節)を目前に控えたタイミングで、日本のアニメ映画『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』の“突風”が韓国で議論を呼んでいる。
 『鬼滅の刃』を“右翼アニメ”と評し、圧倒的な前売りチケット販売記録を批判的に眺める記事と、作品の完成度に絶賛を送る記事が同時にメディアにあふれ、韓国人の意見も二つに分かれているのだ。・・・」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/90018?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link
 <文カルト健在。↓>
 「ベルリンの少女像、韓国系市民団体が私有地への移設を拒否・・・
 ベルリン・ミッテ区・・・レムリンガー区長は声明で「非常に遺憾で、理解できない」と批判し、今後は「法的な枠組みの中で手続きを進める」と述べた。」
https://mainichi.jp/articles/20250816/k00/00m/030/026000c
 「韓国政府 日本政治家の靖国参拝・供物奉納に「深い失望と遺憾」・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250815001800882?section=japan-relationship/index
 「恩赦された元慰安婦支援団体前理事長「日本政府が謝罪するまで努力する」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958637-s39-c10-d0191.html
 <「過去を直視」しちゃダメよ。↓>
 「李在明大統領「韓国と日本はパートナー…過去を直視し未来へ」 光復節演説・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/08/16/2025081680032.html
 <「対日は信頼」のためにも。↓>
 「李大統領「対北は忍耐、対日は信頼」、そのすべての力は国民統合から生まれる・・」
https://www.donga.com/jp/article/all/20250816/5788981/1
 <こちらはよろしい。↓>
 「【社説】光復80年…未来志向的な韓日、韓米関係へ・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/337650
 <欧米・露の衰亡まで待たなきゃ。↓>
 「『新・未来をひらく歴史』日中韓が同じ歴史教材で・・・」
https://www.donga.com/jp/article/all/20250816/5788963/1
 <注目しなくてよろしい。↓>
 「韓国大統領室 石破首相の「反省」言及に「注目」・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250815001900882?section=japan-relationship/index
 <ありがたさに涙こぼるる。↓>
 「・・・「日本に好感が持てる」と回答した人は38%に上り、同社の調査では過去最高だった2011年の東日本大震災の発生直後(41%)に次ぐ高水準をマークした。・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250815001200882?section=japan-relationship/index

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 日支戦争史を直視しちゃったら道を誤ることを百も承知でこう言っとるのよね。↓> 「王毅氏「歴史を直視してこそ、道を誤ることを防げる」・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0815/c94474-20353684.html
 <一応、日中交流人士モノ。↓>
 「日本の学者が旧日本軍の広東省侵攻の証拠となる写真集を広東省に寄贈・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0815/c94475-20353683.html
 <ハイハイ。↓>
 「「世界慰安婦の日」にフィリピンで日本に謝罪と賠償を求める抗議デモ・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0815/c94638-20353537.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 ご愛顧に深謝。↓>
 「中国のファンが「鬼滅」目当てに台湾・金門へ、盗撮や海賊版問題が深刻に・・・香港メディア・香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958603-s25-c30-d0193.html
 「中国上海で上演中の舞台「千と千尋の神隠し」の会場に人気俳優のシャオ・ジャンが訪れていたとの目撃情報が中国SNSで反響を呼んだ。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958636-s36-c70-d0190.html
 <総体継受、継続中。↓>
 「中国のSNS・小紅書(RED)にこのほど、「これは差別でしょ」と題する投稿があった。
 投稿者は福岡県のとある神社で撮影した写真をアップしており、写真には黄色い紙に中国語で「大声で話をしないで。マナーを守って」と書かれている様子が写っている。投稿者は「神社の入り口(で見つけた)。中国語だけ。皆さんに批判してもらうためにアップした」などとつづっている。・・・中国ネット「いや違う」・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b958484-s25-c30-d0052.html

 一人題名のない音楽会です。
 今回は、藤重侑宇小特集をお送りします。
 彼は、「2000年生まれ。兵庫県立姫路東高等学校、東京音楽大学作曲科(映画・放送音楽コース)卒業。小学生のころから独学で作曲を始め、ネットにも自作曲を投稿するようになる。音楽とは無縁の普通科の高校に通いながら音大進学を目指し、作曲理論を飯塚邦彦氏に師事。音大在学中はSNSで積極的に自作曲の演奏動画を投稿。クラシック作曲家の作風で書いた自作曲を解説付きで演奏する動画や、真夜中に蚊に襲われたときにひらめいた自作曲の演奏動画はX(旧Twitter)で100万回以上再生されるなど話題を呼んだ。現在はテレビ番組の楽曲制作などゆるりと活動中。」
https://www.tacticart-orchestra.com/240413
という人物です。

モーツァルト 2.20分
https://www.youtube.com/watch?v=bTb6UrOIejo&list=RDbTb6UrOIejo&start_radio=1
ベートーベン 2.20分
https://www.youtube.com/watch?v=w98tqtzm6w4&list=RDw98tqtzm6w4&start_radio=1
ベートーベン ピアノ協奏曲 2.19分
https://www.youtube.com/watch?v=r2QL97xIrrc&list=RDr2QL97xIrrc&start_radio=1
ショパン 2.20分
https://www.youtube.com/watch?v=pzZGE4pwr3k&list=RDpzZGE4pwr3k&start_radio=1
ショパン ワルツ 2.18分
https://www.youtube.com/watch?v=71-PyfoZrvU
チャイコフスキー 13.05分
https://www.youtube.com/watch?v=9fQ5z6HFDhA&list=RD9fQ5z6HFDhA&start_radio=1

先生の負担が大きすぎる連弾曲リターンズ 2.18分
https://www.youtube.com/watch?v=-ju_GPM55_4&list=RD-ju_GPM55_4&start_radio=1
真夜中に蚊に襲われた時、脳内に流れた旋律で曲を作ってみた 2.19分
https://www.youtube.com/watch?v=BQaKAgEYAw4&list=RDBQaKAgEYAw4&start_radio=1
竹取物語原文そのまま歌詞にして、アニソンみたいな曲を作ってみた 2.19分

https://www.youtube.com/watch?v=Sf_uai9MebI&list=RDSf_uai9MebI&start_radio=1

 
       –映画評論413:ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像–

 今回の『ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像』(Tumma Kristus)は、2018年のフィンランドのサスペンス・ミステリードラマ映画
https://www.wowow.co.jp/detail/171273
で秀作。
 ところで、原題(フィンランド語)の意味は、ダーク・キリストであるところ、この際と思い、キリストのダークサイドについて調べてみた。ちょっと長いが・・。
 「『新約聖書』には含まれない、異端とされるグノーシス主義の『ナグ・ハマディ写本』所収の「トマスによる福音書」に書かれているというのだ。
 それによると、ユダヤ教で労働してはいけないと定められている安息日に働いていたことを子供に咎められたイエスは怒りを露わにし、子供とその父親に対して「あなたもまた、根のない木のようになるべきであり、実を結ばない」と言い放ち、子供はたちまち“枯れて”しまったという。
 米チャップマン大学の聖書・キリスト教研究の教授であるマービン・マイヤー氏は、「イエスは気性が荒く、短気です。彼が怒ったときは気をつけて下さい」とイエスのダークサイドに注意を促している。
 このエピソードはイエスがまだ子供だった時のものだというが、大人になってからも彼の残虐な気性は変わっていない。『新約聖書』所収の「マルコによる福音書」には、イエスがイチジクの木を故意に枯らしたエピソードがある。
 「そして、葉の茂ったいちじくの木を遠くからごらんになって、その木に何かありはしないかと近寄られたが、葉のほかは何も見当らなかった。いちじくの季節でなかったからである。そこで、イエスはその木にむかって、『今から後いつまでも、おまえの実を食べる者がないように』と言われた。弟子たちはこれを聞いていた。(中略)朝はやく道をとおっていると、彼らは先のいちじくが根元から枯れているのを見た」(「マルコによる福音書11章13~14、20節」・・・)
 季節外れなのだから、実がなっていないのは当たり前だ。それに怒って木を枯らしてしまうなんて、大人気ないにもほどがある。
 しかし、こうした古典は字義通り読まれることを想定していない。字面を追って理解できるだけの書物が2000年の歴史に耐えてきたと考える方が愚かだろう。まず疑うべきは自分の浅はかさである。前提としてこれは聖典であり、ここには真理が書かれてなければならない。理解できないのは有限な存在である自分の責任である。理解しようと努めること。ここに解釈が生まれる。
 『新約聖書』において、イチジクの木は古代イスラエルの民を指していると解釈される。イエスとって、古代イスラエルの民はユダヤ教を信奉し、神に背信し続けている存在だ。つまり、イエスが呪ったのは、神の御心を実らせることができなかった律法主義のユダヤ教なのだと考えられる。
 これは、イエスが子供を枯らしてしまったことにも当てはまる解釈だ。子供は安息日にイエスが労働したことを咎めた。『新約聖書』では折に触れて、イエスは安息日の本来の意味がユダヤ教律法主義によって歪められてしまっていると嘆いている。つまり、この子供は形骸化し、神の言葉の本質を見誤ってしまったユダヤ教の象徴なのである。
 『ナグ・ハマディ写本』にはこのようにいささか衝撃的な記述が見られるが、その言わんとしていることは『新約聖書』と通底している。また、イエスの磔に関する記述は、『新約聖書』よりもイエスの慈愛に満ちたものになっている。
 イエスはイスカリオテのユダに売られて磔刑になったというのが公式見解だが、『ナグ・ハマディ写本』では、イエスが自ら磔刑になることを望み、ユダに頼んで金銭と引き換えに磔になったと書かれているのである。誰も責められることのない優しい世界だ。」
https://tocana.jp/2021/01/post_194005_entry.html
 なお、監督のクラウス・ハロ(Klaus Haro。1971年)は、「アカデミー外国語映画賞のフィンランド代表にこれまで4度も選出され、数多くの受賞歴を誇る、同国を代表する名匠」(上掲)
https://eiga.com/person/87344/ ←ハロの名前の綴りと生年。

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太田述正コラム#15132(2025.8.16)
<丸橋充拓『江南の発展–南宋まで』を読む(その36)>

→非公開