太田述正コラム#15201(2025.9.20)
<皆さんとディスカッション(続x6383)/映画評論448:ダブルブッキング 奇跡の出会い>
<O2YlMTq5>
ここ数日、チャーリー・カーク暗殺に関する米国人の意見を眺めていたのですが、『リベラル派は保守派の事をナチスやファシスト呼ばわりしているが、自分達の言動こそファシズムそのものではないか。』という、よくある意見が散見されたのですが、その中で、『米国のファシズム化の起点は、フランクリン・ローズベルトがムッソリーニの経済政策を参考にして行ったブルーイーグル運動にある。』とする書き込みを発見し、それが事実かどうか調べてみたところ、実際にそうだとする説が有りました。↓
・・・In June 1933 Congress passed the National Industrial Recovery Act (NIRA), after which FDR created the National Recovery Administration (NRA). Modeled on Mussolini’s fascist economic system, it forced virtually all American industry, manufacturing, and retail business into cartels possessing the power to set prices and wages, and to dictate the levels of production. Within a few months over 200 separate pricing and production codes were imposed on the various branches of American business. The symbol of the NRA was a Blue Eagle that had lightning bolts in one claw and an industrial gear in the other. Every business in the country was asked to have a Blue Eagle sign in its window that declared, “We Do Our Part,” meaning it followed the pricing and production codes. Citizen committees were formed to spy on local merchants and report if they dared to sell at lower prices.
Propaganda rallies in support of the NRA were held across the country. During halftime at football games cheerleaders would form the shape of the Blue Eagle. Government-sponsored parades featured Hollywood stars supporting the NRA. At one of these parades the famous singer Al Jolson was filmed being asked what he thought of the NRA; he replied, “NRA? NRA? Why it’s better than my wedding night!” Film shorts produced by Hollywood in support of the NRA were shown in theaters around the country; in one of them child star Shirley Temple danced and sang the praises of big-government regulation of the American economy.・・・
Much of the urban youth of America were rounded up and sent off to national forests for regimentation and mock military-style drilling as part of the Civilian Conservation Corps (CCC). The Works Progress Administration (WPA) created make-work projects for thousands of able-bodied men, all at taxpayers’ expense. Since unemployed artists were “workers” too, they were set to work in government buildings across the land. Even today, in some o f the post offices dating from the 1930s, one can see murals depicting happy factory workers and farm hands in a style similar to those produced in Stalin’s Russia and Hitler’s Germany.・・・
https://fee.org/articles/when-the-supreme-court-stopped-economic-fascism-in-america/
このローズベルトが4つの自由を掲げてファシズムの抑圧体制への対抗姿勢を打ち出す事に成るわけですが、米国のリベラル派の民衆の、自らファシズムを推し進めながら敵である「ファシスト」勢力との闘いにも邁進するという勘違いねじれ現象が、その時から始まったのかもしれません。
以上は主に経済体制に関わる事柄ですが、現在の米国の様に思想分野にファシズムが広がって行った切っ掛けは何なのかも調べてみたのですが、大統領が推進した政策と違って、民間主体故に確定的な情報は無く想像で埋め合わせするしかないのですが、アメリカ─自由からファシズムへ
https://www.hisour.com/data/america_freedom_to_fascism/
というドキュメンタリー映画の監督をしたアーロン・ルッソという人物のインタビューで
https://m.youtube.com/watch?v=hJS7hfv8qnY
彼の友人であるロックフェラー財団の人間から聞かされた事として、(1960年代後半から始まった) ウーマン・リブは、ロックフェラー財団を始めとした超富裕層がメディアに手を回して宣伝して行わせた運動だったのであり、その目的は子供を親から引き離して学校で洗脳し易くする為だった、という話が出てきます。
嘘か誠か分かりませんが、本当だとするなら、これまた彼らが政府に手を回した結果であろうシングルマザー支援政策も相まって、米国の未婚女性の出生割合は、1960年の5%から2008年の41%に劇的に上昇し、人種別では黒人の72%、ヒスパニックの53%、白人の29%
https://www.pewresearch.org/short-reads/2011/01/06/disapprove-of-single-mothers/という赫々たる成果を挙げています。
そして目論見通り、家庭教育を行う余裕のない彼女らの子供達は全面的に学校に委ねられるわけですが、そこでポリティカル・コレクトネス、DEI、LGBT、批判的人種理論・・・等々を植え込まれ、結果的に、自らファシズム的思想を推し進めながら、敵である保守派をファシストだと糾弾し、汎ゆる手段を用いて打倒しようとする一群が生み出されてしまったのではないか、というのが私の想像です。
正直、後半部分には自信が有りませんが、太田さんの米国のファシズム化への見解をお聞きしたいです。 (人種主義に関しては、建国から現在まで一貫してファシズムだったとしていた記憶があります。)
<太田>
私のファシズム観は、それがキリスト教のデフォルメであって、マルクスレーニン主義はファシズムの一種である、というものです。
(より詳しく言えば、ファシズムは、プロテスタンティズムのデフォルメであり、そのプロティスタンティズムは言うまでもなくカトリシズムのデフォルメです。
だとすれば、カトリシズムそのものが、広義のファシズムの一種である、と言っていいでしょう。
更に言えば、カトリシズムの親であるユダヤ教も、カトリシズムの兄弟であるイスラム教も広義のファシズムである、とも言えそうです。)
で、カトリシズムがプロト欧州文明を形成したところ、アングロサクソン文明は、このプロト欧州文明とは対蹠的な文明であって、古今東西の全文明中、相対的に日本文明に最も似ている文明であると私は思っています。
また、欧州文明は、プロト欧州文明がアングロサクソン文明を曲解して部分的に継受して生まれた文明である、とも。
さて、米国は、母国英国を捨てたところの、原理主義的プロテスタントとならず者的機会主義者たる英国人が北アメリカの地で野合して生まれた国であり、表見的にはアングロサクソン文明だが実体的には欧州文明であるところの、キメラ文明・・できそこないのアングロサクソンの文明・・の国であり、本質的にファシズムの国である、と、私は考えています。
なお、強いて言えば、米国の、リベラル/民主党は原理主義的プロテスタント系、保守/共和党はならず者的機会主義者系、であるところ、両者には殆どニュアンスの違いしかない、とも、私は見ています。
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<知ーらないっと。↓>
「USスチールの生産停止計画、「黄金株」で阻止…トランプ政権が権限行使・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0919/c94475-20368238.html
<日米双方に何もいいことはないよ。↓>
「トランプ大統領、日本の投資金5500億ドルで米製造業復興を構想・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/338896
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
なし。
妄想瘋癲老人米国。↓
なし。
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
引用前段については、ないよ。
引用後段は、そういうことにしておこう。↓
「・・・卑弥呼がヤマト政権の大王(天皇)であった可能性はあるのか・・・
男王が政治(俗権)を司り女性血縁者が祭祀(聖権)を司る「ヒコ・ヒメ制」は、ヤマト政権の初期の大王である崇神と倭迹迹日百襲姫命の関係をはじめとして古代に広くみられる政治体制であり、卑弥呼と「男弟」の関係もその一例とみなすことができるだろう。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/385fc5b547a51ba6225bc5040e8e8565bd8a101c
日・文カルト問題。↓
<健闘を祈る。↓>
「韓米間で合意済みの対米投資3500億ドル巡り韓国交渉トップ「米国側に日本とは与件が違うと可能な限り説明」–ビザ問題の早期解決を要求–「米国も深刻さを理解しているようだ」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/20/2025092080013.html
https://japanese.joins.com/JArticle/338876
<同意。↓>
「金建希特別検察官に党員名簿を奪われた旧与党・国民の力、旧統一教会の集団入党巡る疑惑に真っ向反論「有権者の0.4%に過ぎない」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/09/20/2025092080022.html
<そのままにしておいた方がいいぜ。↓>
「韓国人の靖国合祀 遺族が取り消し求め再び提訴・・・」
https://jp.yna.co.kr/view/AJP20250919005000882?section=japan-relationship/index
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
報道価値なし。↓>
「在中国日本大使館は9月17日、中国映画「南京照相館(Dead To Rights)」の特別上映会を東京で行った。・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0919/c94638-20368297.html
<ここからは、レコードチャイナより。
民主主義の外観を装うとしない国に何言われてもねえ。↓>
「有権者も政治家も「浅薄化」する日本の政治・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b960778-s25-c10-d0193.html
<ハハー。↓>
「映画「731」が1日の興行収入で最高記録更新、日本人役に全員日本人を起用・・・環球時報・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b960785-s25-c30-d0193.html
一人題名のない音楽会です。
久しぶりにHimariの小特集をお送りします。
Beethoven Violin Sonat No.7 in C minor, Op.30-2, 1st movement ピアノ:Karlis Bukovskis 8.17分
https://www.youtube.com/watch?v=JwCfUGb2tPs&list=RD5FDY7EVwe18&index=8
Tchaikovsky Violin Concerto in D major, Op.35, 1st movement 指揮:? オケ:? 15.21分
https://www.youtube.com/watch?v=5FDY7EVwe18&list=RD5FDY7EVwe18&start_radio=1
Paganini Cantabile ピアノ:? 3.56分
https://www.youtube.com/watch?v=7woflvtz2eo&list=RD5FDY7EVwe18&index=9
Waxman Carmen Fantasy (After Themes by Bizet) (Version with Piano) : I. Allegro giocoso ピアノ:Chelsea Wang 6.48分
https://www.youtube.com/watch?v=hLhSieN3jt0&list=RDhLhSieN3jt0&start_radio=1
Kreisler La gitana ピアノ:Chelsea Wang 3.25分
https://www.youtube.com/watch?v=AZnNSU4l0X0&list=RDAZnNSU4l0X0&start_radio=1
–映画評論448:ダブルブッキング 奇跡の出会い–
今回の『ダブルブッキング 奇跡の出会い』(The Christmas Chalet)は、2019年のカナダの恋愛映画で、主要出演者は、エリカ・デュランス、ロビン・ダン、エルバ・マイ・フーバー、マイカ・カリッシュ、ステファニー・ベルディング」
https://filmarks.com/movies/94142
というものだが、結構、イケた。
主演のデュランス(Erica Durance。1978年~)は、「カナダ西部のアルバータ州で最大の都市カルガリーで、フランス系カナダ人の家系に生まれ」た無学歴のカナダと米国の二重国籍女優で、当時は美人で、慈善活動に熱心な人物だ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%83%BB%E3%83%87%E3%83%A5%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9
https://en.wikipedia.org/wiki/Erica_Durance ←慈善活動
https://www.bing.com/images/search?view=detailV2&ccid=Py4A9jjW&id=9F8E3D19C1928A5C2468B0B723516BD27A688D65&thid=OIP.Py4A9jjWAqB56NvDp7DKXQHaKy&mediaurl=https%3a%2f%2fwww.wallofcelebrities.com%2fcelebrity%2ferica-durance%2fpictures%2foriginal%2ferica-durance_153331.jpg&exph=2491&expw=1711&q=erica+durance+pictures&FORM=IRPRST&ck=05CCD05954F8C0ED02AD0D4280EDFB6C&selectedIndex=0&itb=0&idpp=overlayview&ajaxhist=0&ajaxserp=0 ←写真
助演のダン(Robin Dunne。1976年~)は、母親がアイルランド人のカナダのイケメン俳優にして、作家、制作者、監督で、トロントのEtobicoke School of the Arts卒。
https://en.wikipedia.org/wiki/Robin_Dunne
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太田述正コラム#15202(2025.9.20)
<古松崇志『草原の制覇–大モンゴルまで』を読む(その26)>
→非公開