太田述正コラム#10418(2019.3.8)
<皆さんとディスカッション(続x4005)>

<太田>(ツイッターより)

 「…法の支配の対義語は『人の支配』…」
http://news.livedoor.com/article/detail/16124332/
 嘘だ。
 大学じゃ、法治主義の対置語と教わったぜ。
 で、私見では、法の支配=慣習法または神の法による支配、に対し、法治主義=独裁者、(共産党等の)独裁集団、または(多数決等で認定された)社会全体、が定めた法による支配、だな。

<太田>

 註釈だ。↓
 これ見ても、反対語なんて出て来やしない。↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Rule_of_law
 無理やり、rule of Lawの反対語を調べると、二つ候補が出て来る。
 rule of power と rule of men だが、これだけでも、少なくとも、rule of menが(だけが)rule of Lawの反対語じゃないってことが分かる。↓
https://www.powerthesaurus.org/rule_of_law/antonyms
 しかも、rule of men のウィキペディアはなく、rule of man のしかない。
 そのrule of man のウィキペディアをを見てみると、 absence of rule of law と記されてこそいるけれど、 It is a society in which one person, regime, or a group of persons, rules arbitrarily. というんだから、要するに、法治主義(rule by law)のことってわけ。↓
https://en.wikipedia.org/wiki/Rule_of_man
 なお、下掲が参考になる。
https://www.quora.com/What-is-difference-between-rule-of-law-and-rule-by-law

<太田>(ツイッターより)

 「…大人になったらなりたいもの…男の子1位は「サッカー選手」、2位は「野球選手」、3位は「学者・博士」…女の子1位は「食べ物屋さん」、2位は「保育園・幼稚園の先生」、3位は「看護師さん」」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E2%80%9C%E3%81%AA%E3%82%8A%E3%81%9F%E3%81%84%E8%81%B7%E6%A5%AD%E2%80%9D%E7%94%B7%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%80%8C%E9%99%B8%E4%B8%8A%E9%81%B8%E6%89%8B%E3%80%8D%E3%81%8C%E6%80%A5%E6%B5%AE%E4%B8%8A-%E5%A5%B3%E3%81%AE%E5%AD%90%E3%81%AF22%E5%B9%B4%E9%80%A3%E7%B6%9A%E3%80%8C%E9%A3%9F%E3%81%B9%E7%89%A9%E5%B1%8B%E3%81%95%E3%82%93%E3%80%8D1%E4%BD%8D/ar-BBUvSoG?li=BBfTjut&ocid=spartanntp#page=2
 保育園/幼稚園・小学生の時に、既に、女の子って養育・介護指向なんだよねえ。

<um3D3mto>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 「「米国は三権分立に反する」華為が指摘する皮肉・・・
 ファーウェイは会見の中で、米国の対応が「三権分立」に反しているとの指摘を何度も繰り返した。
 中国では三権分立という概念が採用されておらず、数年前には日本の最高裁に当たる最高人民法院の院長が「三権分立、司法独立といった誤った思想の影響を断固として阻止しなければならない」と発言したこともある。
 その中国の企業から、米国がこうした指摘を受けることはいかにも皮肉ではある。」
https://business.nikkei.com/atcl/gen/19/00002/030700149/
 濡れ衣であっても反論しなければ罪を認めたことになる野蛮な米国を相手に行う反論としては立派なもんだと思うけど。
 翻って我が国のアメポチ首相の情けなさよ。

⇒関連記事だ。
 安全保障に藉口すりゃ、米行政府も議会も何でもできるんだから、提訴したって敗訴に決まってるけどね。↓
 「ファーウェイ、米と全面対決 連邦地裁に提訴 中国外務省も支持・・・
 広東省深センで記者会見した郭平(かくへい)輪番会長は「制限の妥当性を示す証拠が提示されていない」と主張・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/world/list/201903/CK2019030802000159.html
 <ファーウェイ敗訴に決まってるって言っている。↓>
 ・・・Julian Ku, a professor of constitutional law at Hofstra University, said U.S. courts may not be swayed by the argument that Congress was unfairly targeting Huawei. Huawei’s suit echoes that of the Russian cybersecurity firm Kaspersky Labs・・・
 <いずれにせよ、このハナシ、関係ないじゃん。↓>
 The lawsuit comes as decades-old Chinese policies locking out American companies — from the financial to automotive to Internet sectors — lie at the heart of the current bilateral trade dispute.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/huawei-sues-us-government-in-growing-counteroffensive-against-purchasing-ban/2019/03/07/776fa5fa-40a2-11e9-a44b-42f4df262a4c_story.html?utm_term=.8fdb5bc2b628

<太田>

 USさん<、「ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む」シリーズの>未定稿の更に続きですが、相当粗削りではあるものの、私の考えの修正が盛り込まれています。
 この修正を踏まえ、<八幡市レク用>スライド#8から、松井石根を除いてください。

               記

<前略(太田)>
 杉山らの指示によるものであった可能性が高<くなってきたところの、>・・・柳川平助<らによって実行された>・・・南京事件に不快感を抱いた、松井石根(コラム#省略)は、島津斉彬コンセンサス信奉者ではあったけれど、予備役からの出戻りであり、杉山構想は聞かされていなかった、ということになりそうです。
<後略(太田)>

<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 いやあ、奇跡なんて起こってないのであって、6ちゃんの「ひるおび」で、ゴーンと家族が「制限住居」前にいるところを撮った動画が放映されてたぜ。
 成功するワケない企画を立てたこの弁護士がアサハカだったってこと。
 ゴーンの「名声に泥を塗」っただけじゃなく、ゴーンが釈放条件に違反する可能性があるという印象まで裁判官に与えちゃったじゃん。↓

 「カルロス・ゴーン氏の釈放に際して行われた「変装劇」はすべて私が計画して実行したものです。・・・
 それは失敗しました。しかし、その後に奇跡が起こり、どうにかゴーン氏とその家族は「制限住居」において自由人として再会することができました。しかし、私の未熟な計画のために彼が生涯をかけて築き上げてきた名声に泥を塗る結果となってしまいました。・・・」
https://blogos.com/article/362645/

 このコラム、面白いのはヘタクソなゴロ合わせした見出しだけで、後は、日本の刑事司法制度批判のみ。↓

 Oh my Ghosn: Nissan CEO walks on bail・・・
https://www.asiatimes.com/2019/03/article/oh-my-ghosn-nissan-ceo-walks-on-bail/

 こちらのコラムの方はかなり出来がよろしい。↓

 「・・・今回の事件は2種類の重要な問いを日本の企業統治に対して投げかけている。
 <そりゃ、日本が資本主義じゃないからさ。↓>
 最初の問いは、日産の経営陣はここ数年にわたり一体何をし、何をしなかったのかという問いだ。そして、なぜ会計監査人たちはここまで大規模な所得の過少申告に気づけなかったのか――もし気づいていたとしたなら、なぜ沈黙を続けたのか。
 <前段にはイエス、後段にはほぼノーだな。↓>
 そして次の問いは、果たして日本の企業社会が、強力な権力を持つ「経営者」という地位への扉を今後も外国人に対して開き続けるのか、また彼(または彼女)たちのような外国人に他の国々と比較しても見合った水準の報酬を与えるのかという問いだ。・・・
 <基本的には、日本の刑事司法制度が世界で比較優位を持ってるのよ。↓>
 だが、今回の事件は「第2の熱」をも帯びて注目を集めた。・・・ゴーン事件によって世界は、日本の刑事司法制度が極めて特徴的な形で運用されていることを「発見」したのだ。・・・
 このゴーン事件をきっかけに、日本での議論が深まり、個人の権利と公権力とのバランスを模索する緩やかな変化が日本の社会に実現すれば、ゴーン氏は日産を立て直したことに劣らない貢献を日本社会にもたらすことになるだろう。
 <司法取引制度の導入が、ゴーンの早期釈放を可能にしたのさ。
 次は、おとり捜査の大幅導入だ。↓>
 容疑者を延々と拘留することなしに、検察が強力な証拠を持っていた場合には速やかに有罪を勝ち取れるような仕組みづくりも求められる。」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/55691?utm_source=editor&utm_medium=mail&utm_campaign=link&utm_content=top

 そりゃそうだが・・。↓

 「・・・仮に、日産の取締役会への出席が許可されないとしても、ルノーと三菱自動車の取締役会への出席は話が別だ。両社は、本件起訴事実と直接の関係はないのであり、三菱自動車の取締役会への出席、ルノーの取締役会への電話やビデオ会議システムでの出席が制限される理由はないだろう(三菱自動車の日産出身取締役が「事件関係者」に該当する場合には、日産取締役会と同様の問題が生じる。)。・・・
 大鶴弁護士が記者会見で予測していたように「第一回公判まで保釈が許可されない」ということであれば、ゴーン氏は、日産の臨時株主総会で取締役を解任され、ルノー・三菱自動車の定時株主総会で両社の取締役も解任され、3社への影響力を完全に失った後に、ようやく保釈されるということになっていたであろう。・・・」
https://blogos.com/article/362511/

 とにかく、宮内庁の事前調査の手抜きに全ての原因が。↓

 「小室圭さん母、夫と義父の死後遺産交渉 代理人の衝撃告白・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/16126825/

 ま、そんなこと言い出せば、墓の存在すら、「奇妙で真剣な信仰」の現れってことになりそ。↓

 「恨み言びっしりの絵馬、ロリータ服の水子地蔵……現代日本に息づく奇妙で真剣な信仰に迫る 小嶋独観「奉納百景」・・・」
https://book.asahi.com/article/12167677?cid=asadigi_culture_book

 そんなん常識でしょ。
 本郷センセ、「恋愛」オクテなのね。↓

 「中世の男女観(上)恋愛におおらかだった日本人・・・」
https://www.sankei.com/life/news/190307/lif1903070005-n1.html

 へー。↓

 「掘り下げた音、人物 アニメ「ピアノの森」 6キャラに演奏家6人あてる・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/entertainment/news/CK2019030502000205.html

 タマネギ、トマトは、切って残ったものに限り、冷蔵庫に入れてたけどそれもダメだったのか。
 また、シリアルがダメだってのは知らなかったなあ。↓

 「冷蔵庫に保存してはいけない10の食品・・・
 タマネギ トマト ジャガイモ コーヒー ニンニク はちみつ アボカド パン パイナップル シリアルとパスタ」
https://dailycatchers.com/ja/10-foods-you-should-never-store-in-the-refrigerator/?utm_source=taboola&utm_campaign=DC_JPN_D_JP_Etens&utm_medium=jkmmedia-daily-storyja&utm_content=183164711

 次の私の購入考慮対象はAIスピーカーとVRゴーグル。↓

 intendo Just Announced Cardboard Virtual Reality Goggles for Its Switch Console・・・
http://time.com/5546656/nintendo-cardboard-virtual-reality-goggles-switch/

 最後はチベット仏教に帰依しましたってんだから・・。↓

 The British woman who fought for India’s freedom・・・
https://www.bbc.com/news/world-asia-india-46943612

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 見出しはなぞなぞみたいだが、なんちゅーことないのよね。↓>
 「日本のある企業が「家にいるまま気軽に出かけられる」動く住まいを開発・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2019/0307/c94689-9553690.html
 <ここからは、サーチナより。
 定番。↓>
 「中国人が日本のトイレは「かなり衝撃的」だと語る理由とは・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676432?page=1
 <これもだ。↓>
 「日本の文房具を見ると、「中国製品との大きな距離」を実感せざるを得ない・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676433?page=1
 <これもまたそう。↓>
 「なぜ日本では朝に屋台が出ないのか「日本人は朝食を食べる習慣がないのか?」・・・中国メディアの一点資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1676452?page=1
 <これもまたまたそう。↓>
 「大きな地震が頻発する日本がこれだけ経済発展できた理由を知って、承服した・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676456?page=1
 <これもまたx3そう。↓>
 「「お花見旅行」が経済を動かす! 行き先は色々あるけどやっぱり日本が人気、その理由は?・・・中国メディアの北京日報・・・」
http://news.searchina.net/id/1676470?page=1
 <取り上げてる材料は全て定番。↓>
 「中国人を驚かせる「日中の生活スタイルの違い」とは・・・中国メディアの捜狐・・・」
http://news.searchina.net/id/1676448?page=1
 <ほぼ定番。↓>
 「日本料理は「無限の創意工夫」があるうえ、安全面も「問題ない」のは凄い・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1676441?page=1
 <これもだ。↓>
 「日本車が世界で成功した秘訣を探ってみよう!・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676475?page=1
 <ついに、三宅島迄登場させて、日本へ行けキャンペーン。↓>
 「噴火と再生を幾度となく繰り返してきた三宅島、土地も人も美しく力強かった・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676447?page=1
 <エー! ついにそこまで来たかあ。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、日本を訪れた中国人の見解として「日本の八百屋で売られている野菜の価格を見て驚いた」と伝える記事を掲載した。中国の首都である北京のほうが、野菜価格は日本より高額だという。・・・」
http://news.searchina.net/id/1676451?page=1
 <確かにそういう見方もできるねえ。↓>
 「日本のコンビニは、まるで「24時間食堂」のようだった・・・中国メディア・東方網・・・」
http://news.searchina.net/id/1676465?page=1
 <ま、そんなところだな。↓>
 「・・・中国メディアの第一財経・・・記事は、「日本が近現代に2度台頭した最も重要な要因の一つ」が教育だと指摘し、明治維新や二次大戦後の教育改革の流れを紹介。2000年から2018年までの間に、日本のノーベル賞受賞者はすでに18名にのぼり、「50年間でノーベル賞30人」計画の実現はほぼ確実だろうと予測した。また、この背景には、日本政府がGDP比で先進国トップレベルの巨額の科研費を投じていることがあると分析した。
 その一方で、日本の教育に対する批判もある、と記事は指摘。「現在の中国で起こっている多くの問題は、日本の教育でも起こってきた」として、日本の教育の「負の面」には、厳しい試験競争、学歴主義、詰め込み式教育、画一的な教育、高等教育の質などがあると分析した。
 「負の面」の一つである高等教育の質に関して、記事は、米国プリンストン大学の研究者・ブライアン・J・マクヴェイ氏の著作『Japanese Higher Education As Myth(日本高等教育の神話)』(2002、邦訳未出版)を紹介。マクヴェイ氏の考えでは、大学教育の機能は「教育」「社会性の訓練」「人材のふるい分け」「見守り」の4つに分けられる。日本の大学は、このうち最も基本的な「教育」の機能が不足しており、教育の実質的内容を欠いた大学は「娯楽施設」や「就職前の息抜き」のような場所になっている、と氏は分析する。一口に日本の大学といっても千差万別だが、ある面では的を射た指摘ではないだろうか。
 「マクヴェイ氏の日本の教育に対する評価は、多くの人が厳しすぎると感じるだろう。とはいえ、教育に対する社会の複雑な意識を映し出している」と記事は述べ、「日本の教育に対する批判は、中国の教育に対する警告でもある」と考察。日本の大学が抱える問題の一因だと氏が指摘する、大学入学までの「試験中心教育」は、中国でも問題視されているが解決に至っていないと述べた。」
http://news.searchina.net/id/1676476?page=1
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太田述正コラム#10419(2019.3.8)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その9)>

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