太田述正コラム#10263(2018.12.20)
<謝幼田『抗日戦争中、中国共産党は何をしていたか』を読む(その11)/私の現在の事情(続X120)>(2019.3.11公開)

 中共は抗戦中に二つの軍隊、八路軍と新四軍をもっていた。
 今日にいたるも中共は、新四軍の対日戦闘では、これといった戦果を数え挙げることができない。
 だが八路軍の対日作戦では、<前出の>平型関の戦いと百団大戦を挙げることができる。
 百団大戦が日本軍に与えた損失の規模は平型関の戦いをはるかに上回るものである。
 これこそ、中共八路軍の指揮官(中共中央ではない)がみずから作戦計画を立て、八路軍がみずから行った日本軍との戦闘である。
 だがこの対日戦闘は中共内部において一貫して批判を受け、その功罪に対しては長いあいだ公式の結論が出されなかった。
 百団大戦を実際に指揮した彭徳懐・八路軍副司令官はのちに粛清されたとき、百団大戦を行ったことが「毛主席に反対した」罪状の一つとなった。」(93)

⇒新四軍の対日戦闘での戦果はなきに等しく、八路軍の方の戦果は平型関の戦いと百団大戦だけであり、しかも、百団大戦は問題にされた、というのですから、ひどい話です。(太田)
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             –私の現在の事情(続X120)–

1 始めに

 (明日のディスカッションで明らかにしますが、結果としては、STB換装がなされず、従って録画が失われることもなかったところ、そんなことになるとは事前に予想できなかったので、)何を録画するかを深く考えることなく実験的に録画してあった、下出の2本の映画を、消去される前に一挙に鑑賞することにしたところ、鑑賞終了の直後にJ:COMの係員が到着しました。
 この一年近く、映画館はもとより、TVでも(もともとTVドラマ類は大河以外は見ませんが、)映画はほとんど見ていなかったので、新鮮な気持ちで、食い入るように見てしまいました。
 八幡市のレクの準備もあり、それだけ、この一年は忙しかったということですね。

2 ワイルド・バレット(Running Scared)

 「2006年制作の<独米>合作の<(カラー)>映画。・・・監督・脚本はウェイン・クラマー<(Wayne Kramer)> 。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%A4%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BB%E3%83%90%E3%83%AC%E3%83%83%E3%83%88

 最初に子役の顔を見た時に見覚えがあると思ったのですが、映画そのものは全く記憶になく、途中、2か所のシーンを覚えていたので、ようやく、前に、恐らくTVで鑑賞したことがあるな、ということに気付きました。
 ドイツとの合作なのに、典型的な、殺人場面満載の暴力的な米国映画でしたが、手に汗を握らせてくれたことは確かです。
 登場する悪漢達がイタリア系とロシア系という設定
https://en.wikipedia.org/wiki/Running_Scared_(2006_film) (上の<>内も)
であるところ、前者は陳腐ですし、後者は冷戦が終わり、ソ連も崩壊した後だというのに、かつて・・というか今でもそうですが・・、ナチスドイツ敗北後も、ドイツ人が英米の映画やドラマで貶められ続けてきた腹いせを、合作の一方のドイツ側が、今度はロシア人を貶めることで晴らそうとした部分がある、と私は受け止めました。

3 邪魔者は殺せ(Odd Man Out)

 「1947年のイギリスの犯罪<(白黒)>映画。監督はキャロル・リード<(Carol Reed)> 。・・・1948年の<第一回>英国アカデミー賞(BAFTA Award for Best British Film)>で最優秀イギリス映画賞を受賞している。また、1948年のアカデミー編集賞にノミネートされている。原作はF・L・グリーンの小説」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%82%AA%E9%AD%94%E8%80%85%E3%81%AF%E6%AE%BA%E3%81%9B

 IRAと思しき集団が、活動資金を得るために、アイルランド北部の都市で強盗を行い、脱獄中の地区指導者が、人を殺めてしまい、二重の意味で警察・・そのなかにも「IRA」に同情的な者がいる・・に追われる立場となり、それに、多くがアイルランド系で親「IRA」と思われる住民達が関わっていき、それに悲恋がからむ、というストーリーです。
https://en.wikipedia.org/wiki/Odd_Man_Out (上の<>内も)
 時代が全然違うとはいえ、ワイルド・バレットに比べて、俳優がイギリス人達らしく、いささか演技過剰気味とはいえ、また、舞台劇、就中シェークスピア劇・・のような印象を与えるとはいえ、問題なく名作である、と思いました。