太田述正コラム#10482(2019.4.9)
<皆さんとディスカッション(続x4037)>

<太田>(ツイッターより)

 「悠仁さま、中学入学式で…114人の新入生を代表して…宣誓「可能性広げたい」…」
https://www.yomiuri.co.jp/national/20190408-OYT1T50214/
 戦前の軍学校じゃないんだから、首席入学ってことなんだろ。
 秋篠宮家、久しぶりの慶事だな。
 おめでとうございます。
 お健やかに。
 それにしても誰もこのことを書かないってのはどういうこっちゃ。

<o8mSeCnI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 日本がもう一度、経済成長するためには、弥生化への転換が必要、というのは、日本のスタンダードを世界共通規格にするべく、文化的・軍事的衝突を恐れず、世界にうって出よ、ということでしょうか?
 理解力の浅い読者なので、弥生化の意味を捉えきれていない部分もあり、すみません。
 長年の読者なら、すぐにピンとくるものなのでしょうか?

<.6f6sJtU>(同上)

 縄文モードというものは、いいもんだけど行き着くとこまで行ってしまうと、痴呆化、平和ボケが進んでしまうんだよ。
 世界が日本だけで出来ているなら問題ないけど、残念ながら世界はそうではなく容赦ない。
 仏教は世界三大宗教の一つという声もあるが、仏教がメインの国は現実には非常に少ない。
 これは、仏教の教えの中核に戦闘モードがないからで、狂信的な一神教の戦闘モードに駆逐されるからだ。
 縄文モードとは、仏教的世界でもあるわけで、どこかで弥生モードを取り込まないと自滅してしまうか、駆逐されてしまう。
 太田さんが指摘したように、徳川幕府の幕臣たちは、幕末の危機的な状況下の中で、侍からただの行政官になり果てていたわけで、郷中教育などで侍としての気風を失わなかった薩摩武士が維新の中核となったのは必然でもあるし、日本にとって幸運だったわけです。
 現代日本は、縄文モードが深化しすぎて危機的状況になっていることさえ見えない状況で、ある意味、自滅を受け入れているように思えます。

<太田>

 日本文明のデフォルトであるところの縄文性とは自足性の文化なのであり、他人や自然との調和を旨としているので、経済は停滞気味になりがちです。
 弥生性とは、日本が、このような縄文性の文化に対する実存的危機に直面した時に、顕在化し、抜本的対処を行おうとする、日本がもう一つ持ち合わせている文化なのです。
 この対処を行おうとする際には、自足性が打破されざるをえず、そこに新たなニーズが生まれ、そのニーズを充足しようとする結果、経済が再び成長を始めるわけです。

>長年の読者なら、すぐにピンとくるものなのでしょうか?

 「長年の読者」の方々、いかがでざんしょ?
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 昨夜、↑と書いて投稿しようとしたらエラー表示が出て失敗。
 その時、これが太田掲示板じゃないことに気付いた。
 (投稿出来ていたら、緊急入院した時以来の2回目の投稿になるところだった。)
 その後、.6f6sJtUクンが投稿したもの。
 .6f6sJtUクンは縄文性と弥生性の説明をしてくれたわけだが、残念ながら経済成長への言及がない。
 ところで、クンの文中に郷中教育(注)への言及があるが、薩摩藩の藩校では武道も兵学も教えられず、他方、薩摩藩の演武館でも郷中でも、武道ないし武道の重要性だけが教えられ、兵学は教えられなかった。

(注)「<戦国時代から江戸時代初期にかけての島津氏の家臣の>新納忠元の作成した以下の「二才咄格式定目」を教育の根幹とした。
一.第一武道を嗜むべき事
一.兼ねて士の格式油断なく穿儀致すべき事・・・
<島津重豪によって、>安永2年(1773年)に藩校・造士館および武芸稽古場である演武館が創設されると、造士館・演武館以外の場における武術教授や郷中における集団的活動は禁止された<が、>幕末に・・・[薩摩藩の家老を務めたことがある]鎌田正純が郷中教育を活性化し<た。(最後のこの部分、典拠不明)>」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%83%B7%E4%B8%AD
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=933 ([]内)
 「造士館<の>・・・モデルになったのは江戸幕府の・・・昌平坂学問所である。隣接する・・・敷地には弓道場・剣道や柔術などの道場が設けられ、こちらは初め「稽古所」、翌年「演武館」と命名された。剣術及び居合の師範<や>・・・槍術師範<が置かれ>・・・た。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A0%E5%A3%AB%E9%A4%A8

 これは、幕臣の子弟達が、昌平坂学問所に通いつつ、私塾たる武道の諸道場に通ったのと大差はない。
 だから、私は、幕末の薩摩藩の家臣達は、(その諸藩校において兵学を身に着けたところの他の外様系の諸雄藩の家臣達とは違って、)世子時代と藩主時代の斉彬を通じて兵学的素養(安全保障感覚)を身に着けた、と想像している(コラム#10463。未公開)わけだ。
 
<太田>

 それでは、その他の記事の紹介です。

 嘘つきキャロル。
 似合いのご夫婦。↓

 「ゴーン前会長妻、聴取応じる用意 フランスラジオに「日本へ戻る」・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/16285902/
 <仏政府は少しは賢明になったようね。ゴーン夫妻も見倣いなさい。↓>
 「仏政府・・・関係者は・・・「日本と同じくフランスの司法当局でも捜査が進んでいる。(司法の問題に)政府が口を出すことはない」と語った。」 
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E4%BB%8F%E6%94%BF%E5%BA%9C%E3%80%81%E7%89%B9%E5%88%A5%E6%89%B1%E3%81%84%E3%81%AA%E3%81%97%EF%BC%9D%E3%82%B4%E3%83%BC%E3%83%B3%E5%AE%B9%E7%96%91%E8%80%85%E5%A6%BB%E3%81%AE%E8%A6%81%E8%AB%8B%E3%81%AB%EF%BC%8D%E5%A0%B1%E9%81%93/ar-BBVK7a3?li=BBfTvMA&ocid=spartanntp
 <日産ドロボーは、当然、税金ドロボー。↓>
 「ビルの1室に40社登記、実態なしか 日産資金の還流先・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASM485J7BM48UTIL041.html?iref=comtop_8_01
 「ゴーン容疑者の資金工作、弁護士助手のメール、立件決め手・・・」
https://www.sankei.com/affairs/news/190408/afr1904080011-n1.html

 プッ。小川サンって冗談うまいね。↓

 「軍事アナリスト激怒。防衛省・自衛隊が怠る「平時の戦い」とは?・・・」
https://news.infoseek.co.jp/article/mag2news_393620/

 よろしい。↓

 「経団連会長「電力は危機に直面」 国民理解前提に 原発再稼働求め政策提言・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/economics/list/201904/CK2019040902000143.html

 あのさ、それ、実際、階級がイギリスにゃ存在しないからなんだぜ。↓

 「・・・「階級(クラス)」という言葉はイギリス社会ではタブー語になっており、「誰それはxx階級だから」という表現は、してはいけないことになっている。・・・」
https://blogos.com/article/368929/

 まだ、宥和政策は間違ってた、とイギリス人達は思い込んでるみたいだな。
 杉山元が天国で嗤ってるぜ。↓

 Appeasing Hitler by Tim Bouverie review – the road to war・・・
https://www.theguardian.com/books/2019/apr/05/appeasing-hitler-chamberlain-churchill-road-to-war-tim-bouverie-review 

 日本に胡麻する朝鮮日報。↓

 「「明洞に自分の作品の偽物」 村上隆氏のSNS投稿に反響続々・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2019/04/08/2019040880199.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <継続的に繰り返されてきたところの、記事の使いまわし。↓>
 「同じ中国なのに! 北はドイツ系、南は日系車好き・・・一体なぜ・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1677597?page=1
 <少し前の記事の使いまわし。↓>
 「10連休もあったら嬉しいだろうに! 日本人は「そうでもない」らしい・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1677617?page=1
 <これもだ。↓>
 「中国が日本のバイク産業に敵わない理由「差は30年以上だ」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1677650?page=1
 <へー。↓>
 「これはすごい・・・日本の4大バイクメーカーが、なんと手を組んだ!・・・中国メディア・東方網・・・
 ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの日本の4大バイクメーカーが4日、協同で電動バイク用のバッテリーモジュールや充電設備基準を統一し、世界における日本の電動バイク販売規模の拡大を目指すことを明らかにした・・・」
http://news.searchina.net/id/1677601?page=1
 <同じく。↓>
 「中国当局が「eスポーツ」を正式な職業に認定、後進国と言われる日本では?・・・中国メディアの新浪体育・・・」
http://news.searchina.net/id/1677606?page=1
 <どうでもいい?↓>
 「折りたたみ傘ではなく、長傘を使う日本人「利便性は重要ではないのか?」・・・今日頭条・・・」
http://news.searchina.net/id/1677621?page=1
 <リニア新幹線のことお忘れでは。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど、「新幹線はなぜ中国高速鉄道から世界一を奪い取ろうとしないのか」と疑問を投げかける記事を掲載した。中国高速鉄道にとってのライバルである新幹線が営業速度で世界一の座を奪還しようとしないのが不思議なのだという。・・・」
http://news.searchina.net/id/1677602?page=1
 <ま、そんなところだろうねえ。↓>
 「・・・今日頭条はこのほど明治時代に撮影された日本の写真を掲載して、「当時の日本の姿を見れば、日本が後に強国として台頭した理由が分かる」と論じる記事を掲載した。
 記事が掲載した写真は、明治時代にあたる1900年代初頭に横浜市で撮影されたものだという。白黒の写真ばかりだが、どれも普通に暮らす日本人の姿や街並みを写したものだ。
 現代の日本人にとっては、「牛が荷物を引いて運び、女性が着物姿の時代」は、すでに時代劇のなかの世界と化しているが、中国人がこれらの写真を見ると「確かに文明はまだ発達していないが、とても清潔で、整っている印象を受ける」と主張した。なぜなら、まだアスファルトなどで舗装などされていない地面が剝き出しの道路であっても「非常に平らに整備されているし、ごみも散乱してはいないからだ」と指摘した。
 また、すでに電柱が道路に沿って立っており、街に電気が供給されている様子を見ると、「日本がすでにアジアの強国としての道を突き進み始めていることが分かる」とし、明治時代に起きた日清戦争や日露戦争は日本の発展に何の障害をもたらすことはなかったと主張した。
 横浜は日本でも一早く海外との交易が始まった場所の1つであり、写真には人力車に乗った西洋人らしき人が写っているものもある。記事は、当時の日本を訪れた西洋人は日本の様子を目にして「未発展ながらも秩序があって、清潔な日本の文化に衝撃を受けるとともに、その美しさに感銘を受けたであろう」と主張した。」
http://news.searchina.net/id/1677625?page=1
 <同じく。↓>
 「訪日中国人が「日本を高く評価するようになる」のは偶然じゃない・・・中国メディアの捜狐・・・」
http://news.searchina.net/id/1677638?page=1
 <これもまたそう。↓>
 「新天皇の即位は、日本にどんな影響を与えるのか・・・中国メディア・北京日報・・・」
http://news.searchina.net/id/1677646?page=1
 <さあて。↓>
 「中国で商標登録された「令和」、権利者「値段次第で売っても良いけど」・・・中国メディアの捜狐・・・」
http://news.searchina.net/id/1677647?page=1
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太田述正コラム#10483(2019.4.9)
<ディビット・バーガミニ『天皇の陰謀』を読む(その27)>

→非公開