太田述正コラム#10469(2019.4.2)
<2019.3.30東京オフ会次第(その4)>(2019.6.20公開)

A:最近、陸軍時代に、参謀本部戦争指導課長、杉山、阿南両陸相の秘書官、鈴木貫太郎首相秘書官、等を歴任し、戦後は自衛隊の陸将になった、松谷誠
< https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%BE%E8%B0%B7%E8%AA%A0 >
のことを知った。
 彼は、親ソであり、天皇制は維持しつつ、日本はソ連流の共産主義国家を目指すべきだ、と主張していた。<(上掲)>
 彼についての見解を聞きたい。
 もう一点、私は、このままだと、日本人達は、全員縄文人化してしまうどころか、阿Q化してしまうのではないかという懸念を抱いている。
O:どちらについても、これから、おいおい考えてみることにしよう。
A:北朝鮮が親日だという、太田さんの指摘は、その通りだと思う。
 昨年、北朝鮮に観光旅行に行ってきた友人が、全く自由度のないお仕着せの旅行だったという留保は付けなければならないけれど、現地の見聞を踏まえてそう言っていた。
O:当面、残された課題は、(先程の2点は別として、)どちらも余り気乗りしないのだが、より腰を据えた北朝鮮論、そして、帝国海軍がダメになった理由の解明、くらいかな。
C:そもそも、帝国海軍は、陸軍に比べて、政治に関心が希薄だったように思う。
O:その点は、万国共通なのだ。
 海に関心はあるが、陸上のことには余り関心はないということ。
 もっとも、その海での勤務はラクではない。
 私なんぞ、護衛艦に、半日、お客さんとして乗せてもらったことがあるが、出航してすぐ、ひどい船酔いにかかり、ベッドにもぐりこませてもらって、入港まで、そのままダウンしっぱなしだった。
 (しかも、私の提供されたベッドは将校用のものだったけれど、一般隊員は、文字通り蚕棚ようなところで寝なければならない。)
D:太田さんが見てきた俊秀達は、計数に明るい系、と、行間を読む系、のどちらが多かったか。
O:両方兼ね備えた人物が大部分だ。
 俊秀ではない私に関しては、前者がてんでダメなわけだが・・。
 さりとて、行間を読む能力では私がいい線を行っていたかといえば、全くそんなことはなく、前者はもちろん抜群で、後者についても、私の百倍は能力が高い、と思われるような官僚にも出会った。
 それにつけても、東大の文II合格者の成績があらゆる意味で文I合格者の成績を上回ったという、今年の入試結果は衝撃的だった。
 彼のような人物が、政府には入らず、民間に行く時代になった、ということを意味するからだ。
 首相に安倍チャンや麻生程度の人間が就くようになるほど政治家の質が低下してきているのに、官僚の質がそれほど下がらなかったことの方がおかしかったのだが・・。
 考えても見よ、有事においては、首相が、これを検討してみてくれ、と部下に命じ、部下が成案を持ってくるのを待つ(、甚しきに至っては、「これを検討してみてくれ」のところまで、部下におんぶにだっこで代行させる)、なんて悠長なことをやっている時間的余裕はなくなり、首相自身が、一人で、上がって来る山のような情報を猛スピードで処理し、決断しなければならなくなるが、それには、相当高い知力が不可欠だ。
 ところが、戦後日本では、(先般の大震災/原発事故のようなことも例外的にはあったけれど、)安全保障の放棄により、そういう場面に政府が直面する可能性がほぼないが故に、安倍、麻生並みの人物が不届きにも首相になろうなどと思い、また、実際に首相になり、それを周りの人間達も受認したり、甚だしきに至っては、そういう人物だからこそ、自分達がロボット的に動かせる、という魂胆で、積極的に首相に据えたりする、というわけだ。
E:どうして、第一次大戦後、英国は、日本を捨て、中国国民党政権を選んだのか。
O:軍人の質が低下してきていたところへ、第一次大戦後、労働党政権ができたり、保守・労働党連立(挙国一致)政権ができ、閣僚達の平均的レベルが低下したことが、軍事も絡む国策の立案・決定能力を低下させたのではないか。
 (官僚のレベルは下がっていなかったと思うが。)
 なお、そういったことが背景にあったからこそ、第二次大戦が始まってすぐ、チャーチルのようなダメ政治家を首相にしてしまったのだろう。

(一応完)