太田述正コラム#10985(2019.12.15)
<2019.12.14東京オフ会次第(その2)>(2020.3.6公開)

2 質疑応答(Oは私。順不同)

A:インドのチェンナイ(昔のマドラス)に2週間仕事で行っていたのだが、汚かった。
 なお、日本食レストランに行くとちゃんと日本人の女性授業員がいた。
 就業許可をちゃんと取っているのだろうか気になった。
O:例のPornhubの調査(コラム#10980)、アジアの中でインドだけがあっちの方角を向いている調査結果だったが、アジアの中で、インドは約一国、保護貿易にいまだに御執心でもある。
 ところで、最近はANAや日航の評判がいいが、その他の評判のいい航空会社には中東や東南アジアの会社が多いが、どうしてなのだろうか。
A:昔の(航空機搭乗が贅沢だったころの)航空会社的だからだろう。
 評判がいいとはいえ、ANAや日航のサービスの簡素化には著しいものがある。
B:このところ、「講演」テーマが大きい話ばかりで、ついていくのが大変だ。
 大きいテーマは5年に1回くらいでいいのではないか。
O:そんな調子では、私、死んでしまって、「講演」できなくなってしまうかも。
B:ヤフーニュースに各新聞社が戦々恐々としているらしい。
 各新聞社から届くニュース群からヤフーの担当者達がヤフーニュースに載せる記事を選び、見出しも書き直す。
 こうして記事が載ると、それに比例して、各新聞社自身のサイトへのアクセスも増えるからだ。
 ヤフーニュースに載ることだけでは、殆ど各新聞社の稼ぎにはならないのだが・・。
O:なるほど。
 (ちなみに、私が毎日見ているのは、Livedoorニュース、MSN、LUNA.TVニュース、の三つだ。)
O:玄関内に置いてある工事用コーンに気付いたと思うが、ウチの駐車スペースの端で私道からちょっと入ったところ・・先般一部壊された、燐家との隔壁のそばでもある・・に置いてあったのを、中に取り込んだものだ。
C:誰かの車が、またもや隔壁を壊すようなことを防止するために、誰かが気を利かせて置いてくれたってことか。
O:そうなんだろうが、一声かけろってんだ。
 植栽の刈込だって、勝手に誰かが、一声かけることなくやっちまった。
 あわてて、私、伐採機を買って、自分で更に刈込をやったわけだが・・。
C:美観もへったくれもない刈込をやったものだ。
O:伐採機なるものを使ってみたかったのであり、見てくれは勘弁してほしい。
 とにかく、こういう風に、近所の人か人々かが、我が家のために、色んなことを勝手に気を利かせてやってくれるってんだから、人間主義社会とは恐ろしいものだ。
 中共じゃあ、上海市民の多くは日本化、つまりは人間主義者化、しているというが、まだまだ先は長いであろうところ、日本のレベルにまで到達することが、彼らにとってホントにいいことかどうか、疑問なしとしない。
B:江戸時代に利根川の河口を江戸湾から外海へ付け替える治水工事を行ったが、その後、むしろ江戸の水害は増えたという。
 それはそうとして、この工事はいくつかの藩が幕府から命じられて行ったところ、幕府が図面を作り、工事だけを経費自己負担で各藩にやらせ、その過程で、各藩は幕閣等に賄賂も渡さなければならず、大変な苦労をさせられたようだ。
 こういうことをして、各藩に資金や労力を使わせることでその力を削ぐ一方で、「築城」を含む集団行動をさせることで、各藩の軍事能力維持もさせた、ということになる。
 治水の観点だけからでも、江戸時代は封建制(地方分権)ではなく、事実上中央集権制だったと言ってよいのではないか。
O:家康が、そんなひち面倒なことをせず、外様はもちろん、譜代も全部潰し、幕府直轄地だけにして、純粋な中央集権にしてしまわなかったのはなぜだと思う?
 日本はかつて、一応、中央集権だったんだし、支那における中央集権・封建論争についてだって、儒家を通じてインプットされていただろうから、家康は、考えた上で、あえて封建制(地方分権)を選んだ可能性が大だ。
 また、家康が、自らも、また、各藩にも、余剰武士達を倦ませないために、輪番制にしたりしてまでして、武士達の数を殆ど減らさずに維持したり、維持させたりしたのはなぜだ、と思う?
D:前者は、太田さんの言う、エージェンシー関係の重層構造ってことではないのか。
 後者は、(文禄・慶長の役があったばかりだし、)外国との戦争に備えるためではないか。
O:前者については、中央集権でもエージェンシー関係の重層構造は実現可能だ。
 実際、今の日本だってそうだ。
 後者については、判断を留保したい。
B:しかし、結局、そういった家康の決定の結果、自らの終焉をもたらす構造的要因を徳川幕府は抱え込むことになったわけだな。
O:イエス。天皇制を残したこともそうだ。