太田述正コラム#11376(2020.6.27)
<2020.6.27東京オフ会次第(その1)>(2020.9.18公開)

1 始めに

 (1)注意事項の紹介

 出席予定者に、下掲の注意事項を事前に伝達しました。

・自分用のアルコール飲料の持ち込みは控える。(ソフト飲料は構わない。)
・各自、マスクを着けてきて、飲食時以外は着け続ける。(マスクを忘れた者には、使い捨てマスクを50円で提供する。)
・玄関を入ったところにある、ハンド用除菌スプレーを使用後、靴を脱ぎ、スリッパを履く。。
・トイレでは必ず便座を使用する。使用後、置いてある汎用除菌スプレーを吹きかけ、トイレットペーパーでふき取る。
・飲食が可能な時間帯になったら、テーブル上に置いてある使い捨て手袋をはめる。
・二次会出席者は、原則、自分用の食べ物を持ち込まないものとし、今回から、最寄りのドミノピザ店に(半額になるので)一人が代表して太田宅の自転車で買い出しに行き、後で清算するピザを軽食代わりとする。

 また、「講演」原稿に収録していない、下掲の話を、「講演」冒頭で行いました。

 (2)出席者

コロナ禍の影響もあったか、出席者は、私を除いて7名(うち1名はSkype参加)でした。

 (3)「講演」原稿に盛り込まなかった冒頭発言

 出席予定者に25日に配布した、「講演」原稿案に、今回は、その後の2日間でかなり手を入れたものをディスカッションに収録しました。
 本質的な修正はありませんが・・。
 「注」の連番が基本的に3つズレたことにご注意。
 大覚寺や仁和寺の宗派を間違えていることに気付いた時には赤面しました。
 そんなことは大したことではありませんが、日本史には、私が知らなかったことが山ほどある、と、今回、改めて痛感させられました。
 ところで、今回の「講演」原稿が、これまでと違って「である」調であることにお気付きでしょうか。
 実は、今回の「講演」、元々は、平安時代史を語る予定だったのです。
 で、その材料集めを始めていたのですが、突然、厩戸皇子が導入した冠位制って軍事的な狙いがあったんじゃないか、というひらめきがあり、それを囲み記事にするつもりで、文章にし始めたのです。
 御存じのように、これまでの「講演」原稿では、囲み記事だけは「である」調にしていたので、そうしたのですが、それがどんどん長くなってしまい、囲み記事じゃなく、本文で扱うことに切り替えた時には、今更、「です」調に戻すのは面倒なので、その部分を含め、全部、「である」調にしてしまえ、ということにあいなった次第です。
 そして、その時点で、聖徳太子コンセンサス中の軍事マターの補遺を取り上げるのなら、仏教マターの方の補遺もあった方がいいな、ということで、厩戸皇子創建/ゆかりの諸寺を通じて見えてくるものがないか、も追究することにしたのです。
 その材料集めの過程で、今度は太子信仰の存在を知り、広義の太子信仰を補助線にして日本の歴史上の著名人物達を切る試みもしてみよう、という気になりました。
 その折、不思議な思いをしたのは、太子信仰なるものは、私がたまたま知らなかっただけで、知っている人は多いはずなのに、どうして、今まで、聖徳太子コンセンサス的なことを言い出した人がいなかったのか、です。
 そうこうしているうちに、今度は、日蓮を避けて通れないことに気付いたのです。
 実のところ、日蓮はずっと前から、私の心の中でひっかかっていました。
 私は、そもそも、法華経には、はるか昔にその現代語訳を読んだ時以来、余り良い印象を持っていませんでした。
 社会に出てからは、創価学会会員の家から題目が聞こえてくるのが何ともあほくさく思えましたし、彼らが神社を嫌っているのもいかがなものかという気がしていましたし、創価学会/公明党が自民党と癒着していることも不愉快でした。
 その一方で、石原莞爾と宮沢賢治が、日蓮宗系の国柱会の会員であったこと、そして賢治の童話が、手塚治虫のマンガと共に、私自身の人間形成に大きな影響を及ぼしています。
 この両者の間の落差が埋められない、というもどかしい思いに、私は、ずっと前からかられてきました。
 そんなところへ、島津斉彬の日蓮宗帰依を知って、ますます訳が分からなくなって、現在に至っていたのです。
 というわけで、日蓮論にも取り組みました。
 その結果、出来上がったのが、従来にも増して、少なからず重複部分もあるところの、整理の悪い今回の「講演」原稿・・史上、並外れた最長・・なのです。
 そうそう、もう一点、改めて痛感させられたのは、島津家/薩摩藩の特異性です。
 現時点では、モード転換論、及び、聖徳太子コンセンサス/桓武天皇構想、と、島津斉彬コンセンサス/杉山構想、が、私にとって日本史の大補助線群だとすれば、鎌倉時代以降に係る小補助線群として、日蓮主義、と、島津家/薩摩藩、がある、ということになりそうです。

(続く)