太田述正コラム#11952006.4.20

<緊迫化する竹島問題(その2)>

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<最新情勢>

 本件で日本政府は、谷内正太郎外務事務次官を21日に韓国に派遣する方針を固め、潘基文外交通商相らと会談する方向で調整を進めています。これは、外交交渉を通じて円満解決を目指すためで、交渉継続中は海上保安庁測量船による調査は見合わせる方針であるということですが、韓国政府がどう対応するか注目されます(http://www.sankei.co.jp/news/060420/sei086.htm。4月20日アクセス)。

朝日新聞は、「20日付の韓国主要紙は、日本の測量船の詳しい動きを伝えながら「今日、独島近海で衝突可能性」(東亜日報)、「日本、一線を越えるか」(朝鮮日報)などと1面で大きく報じた。 社説では「日本の野望をくじく戦略に、すきがあってはならない」(朝鮮日報)などと、依然、日本の調査を断固阻止するという主張が目立つが、韓国日報は「日本は無理な調査を放棄しなければならないが、私たちも冷静に対応する必要がある」と呼びかけた。」と報じました(http://www.asahi.com/international/update/0420/005.html。4月20日アクセス)が、朝鮮日報に関する限り、これは誤報に近い、と思います。

この記事を書いた記者は、春秋の筆法なるものをご存じないのでしょう。

私は、防衛白書の編纂に二度も携わり、制約だらけの中で、何とか「真実」を眼力のある読者に伝えたい、と四苦八苦した経験を重ねたおかげで、反日ムードが蔓延する韓国において、読者減を回避するために反日的迷彩を施さざるをえない紙面の奥に潜む朝鮮日報の親日的ホンネを摘出・解読することができる、と思っているのですが、いかがでしょうか。

親日的な朝鮮日報の姿勢が一貫していることをお分かりいただくために、もう少し続けましょう。

19日付の朝鮮日報日本語電子版のある記事(http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/19/20060419000028.html。4月20日アクセス)は、「ソウル大名誉教授のイ・ギソク東海研究会会長は「IHO<(国際水路機構)>の資料を見ると、日本は対馬盆地という名前だけ登録しただけで、具体的な地形観測資料を提示できないでいる。韓国は精密な探査資料を持っているだけに、対馬盆地を鬱陵盆地に変えるべきだという主張を積極的に展開して行かなければならない」と話している。」を避雷針としつつ、「日本が先占(先に取得)した「対馬盆地」「俊鷹堆」の地名2つをそれぞれ韓国の名称の「鬱陵盆地」「異斯夫海山」に帰る<(ママ)>ことは容易でない、と海洋部関係者は18日話している。韓国政府が27年間も何ら異議を申し立てなかったことを、今になって国際社会に納得させるのは並大抵のことではないという指摘だ。ほとんど不可能だという専門家もいる。海洋部関係者も「海底地名の場合、既得権を認めるべきというムードがあるのは事実」と話す。政府はこうした面を考慮し、最悪の場合を念頭に置いた戦略的方策を用意している、とある関係者は述べている。」という真意を打ち出しています。

毎日新聞電子版では、19日にこの記事の全文を転載しており(http://www.mainichi-msn.co.jp/kokusai/asia/korea/news/20060419org00m030053000c.html。4月19日アクセス)、転載の趣旨は書いてありませんが、毎日には、春秋の筆法が理解できる記者がいた、と思いたいところですね。

 このほか、今後起こりうるシナリオを列挙した記事(http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/19/20060419000026.html。4月20日アクセス)の中で、「日本は「政府船舶<たる測量船>を捜索・拿捕することはありえない」と考えている。専門家の間でも「外国政府の船舶を拿捕することは戦争行為と全く同じ」との見解を示す人もいる。」」と韓国政府に慎重な対応を求めたこと、また、掲載漫画(http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2006/04/19/20060419000030.html。4月20日アクセス)の解説部分で、「戸籍泥棒日本: 日本政府、1978年に鬱陵盆地を対馬盆地と登録――国際水路機構(IHO)の前で座り込みを行う盧武鉉(ノ・ムヒョン)大統領 ――「独島(日本名竹島)は韓国の領土 鬱陵盆地も韓国の海」 ――登録証を持った日本人らしき人 ――「いくら歌ってみたところで」」と韓国政府のこれまでの対応を批判するとともに、今回の件では、韓国側が分が悪いことを指摘したこと、に感銘を受けました。

(続く)