太田述正コラム#11709(2020.12.11)
<皆さんとディスカッション(続x4649)>

<NtKurFXE>(「たった一人の反乱(避難所)」より)

 最近のコラム、また「第一次弥生モードの時代の曙」を拝読して思うのですが、源氏ってポンコツすぎないですか?
 なぜそこまでして武士の棟梁に源氏を据えようとしたのかが分からなくなってきました。
 天皇の権威を当然視する権力者集団として天皇の血をひく武家であることは必要なのだと理解しましたが、他の氏ではダメなのでしょうか?

⇒縄文的弥生人=縄文人から見てポンコツ、弥生人=縄文人から見てポンコツ過ぎ、というカンジかな。
 最初に武家化を目指すミッションを与えられたところの、藤原氏の北家魚名流の藤原豊沢、の孫の秀郷は、「下野国の在庁官人として勢力を保持していたが、・・・916年・・・隣国上野国衙への反対闘争に加担連座し、一族17(もしくは18)名とともに流罪とされた。しかし王臣子孫であり、かつ秀郷の武勇が流罪の執行を不可能としたためか服命した様子は見受けられない。さらにその2年後の・・・929年・・・には、乱行の廉で下野国衙より追討官符を出されている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E7%A7%80%E9%83%B7
と、「立派な」ポンコツ(半グレ)になっており、次いで武家化を目指すミッションを与えられたところの、臣籍降下した平高望、の孫の将門は早くもポンコツ過ぎ(反社勢力)に成り下がり、朝廷が刑の執行を追求せざるをえないような重罪を犯した挙句、日本分裂へと突き進んでしまい、
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B3%E5%B0%86%E9%96%80
「直前に下野掾兼押領使に任ぜられたと推察<する有力説があるところの>」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%97%A4%E5%8E%9F%E7%A7%80%E9%83%B7
秀郷に討たれている。
 日本において、秀郷は「良い」武家像を樹立したのに対し、将門は「悪い」武家像を樹立した、といったところだ。
 この「良い」武家になることは、容易なことではなかった。
 地方に本拠を置いた上で、(武術、武略の錬成目的も兼ね、)積極的に、いや、無理やりにでも、武力使用を伴う自力救済に馴染む紛争の火種を探し回り、自力救済を断行し、なおかつ、朝廷に対する挑戦、反逆の一歩手前で踏みとどまる、という綱渡りを続けなければならないからだ。
 何よりも、人を殺すことを躊躇してはならず、また、自分の死の恐怖とも戦い続けなければならない。
 縄文人が縄文的弥生人へと自己変革するのはまことにもって容易なことではなかったのだ。
 (なお、朝廷が刑の言い渡しに加えて執行を追求せざるをえないような重罪を犯した挙句、日本分裂へと突き進んでしまった、将門なる反社、を、朝廷は、(朝廷の武力を主力とする、ならぬ、)半グレの武力を主力とする討伐/殺害を行ったことにも注意。)
 一番最後に武家化を目指す(とともに最終的に武家総棟梁となる者を生み出す)というミッションを与えられた清和源氏中、河内源氏は、藤原秀郷流の「良い」武家化を目指しつつ、ポンコツ(半グレ)の域にとどまらずに、反社へと足を踏み滑らせ「悪い」武家化した者が時々出現したけれど、にもかかわらず、朝廷は、辛抱強く嫡流視を続けた、というわけであり、おかげで、ほぼ期待通りの理想的武家へと育った後、紆余曲折はあったものの、朝廷は、当初からの、ホップ(藤原氏)ステップ(桓武平氏)ジャンプ(清和源氏)、という予定通り、河内源氏の棟梁・・頼朝・・を武家総棟梁に指名した、ということなんだな。
 (当時は、天皇家からの距離が近いほどエラいって世界だったもんで、ホップやステップの中から武家総棟梁を指名するワケにはいかんかったのよ。)
 「ほぼ」なのは、河内源氏の棟梁家が、反社化こそかろうじて免れたけれど反社的家風を確立してしまったからだ。
 この家風が、頼朝家に2代での滅亡をもたらし、河内源氏の準棟梁家たる足利家にも悪しき刻印を残してしまった、と見ている次第。
 (念のためだが、保元の乱を惹き起こし、崇徳を流刑に処し、死刑を復活して為義等を斬刑にし、摂関家を大幅に弱体化し、平家を滅ぼし、頼朝を武家総棟梁に指名した、後白河は、超一流の縄文的弥生人に関する評論家ではあったが、縄文的弥生人じゃないからね。)(太田)

<太田>

 コロナウィルス問題。↓

 <えーぞえーぞ。↓>
 「・・・死者は12人増えて計2499人となった。・・・」
https://www.nikkei.com/article/DGXZQODL250V00V21C20A1000000

 それでは、その他の記事の紹介です。

 さもあらん。↓

 「・・・パナソニック復活に向けては、第一に大量生産・大量販売文化からの脱却。すなわち、創業者松下幸之助来の自前主義を捨てアウトソーシング、オープンイノベーションに積極的に取り組みつつ、企業文化を変えていくことが必要でしょう。
 そしてもうひとつ、会長に退く津賀社長の早期完全リタイア。9年という長期政権であっただけに、できればソニー平井氏と同じく引き継ぎ期間の1年での完全リタイアが望まれるところです。・・・」
https://blogos.com/article/502751/

 日・文カルト問題。

 <久しぶりの日本の、しかも大勝利。↓>
 「韓国の新型コロナ・・・死者8人増・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/12/11/2020121180026.html
 <定義によるわな。↓>
 「日本、「脱コロナ」主な先進国の中で最も遅れるかも=英国調査・・・」
https://www.donga.com/jp/home/article/all/20201211/2282464/1/%E5%B7%A8%E5%A4%A7%E4%B8%8E%E5%85%9A%E3%80%81%E5%85%A8%E8%83%BD%E3%81%AA%E5%85%AC%E6%8D%9C%E5%87%A6%E3%82%92%E5%BE%97%E3%81%A6%E6%B0%91%E5%BF%83%E3%82%92%E5%A4%B1%E3%81%86
 <カルトの使徒か偽装使徒か、なーんてどうでもええわ。期待するだけムダ。↓>
 「韓国与党代表の失墜、「親文」という服を着た罪…尹美香事件の時が本当の彼だ・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/273277
 <その手はくわんで。↓>
 「「徴用被害者の解決、韓国政府が賠償して日本政府・企業は謝罪を」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/273256
 <ご愁傷様。↓>
 「遠くて遠い国、日本・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/273264
 <もっと切実な狙いからだろが。↓>
 「「韓中に奪われたバッテリー主導権を取り戻す」…数千億円投入する日本・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/273260
 <ご苦労さん。↓>
 「KOTRAは9日から2日間日本大阪で3韓国スタートアップ38社が参加する「関西進出支援キャンプ」をオンライン開催すると10日、明らかにした。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/273284
 <アイゴー。↓>
 「“NO JAPAN”を追求すれば、「韓国の食生活」が崩壊する理由・・・」
https://news.livedoor.com/article/detail/19361734/

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 そんなに真剣に日本から学ばないで・・。↓>
 「小学生52人全員が無事だった日本の小型船沈没事故に中国が注目・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2020/1210/c94475-9797981.html
 <ここからは、サーチナより。
 さよで。↓>
 「中国のポータルサイト・百度に・・・江西省の大学に日本に関する非常に個性的な氏名・・・くそったれ日本・・・を持つ学生が入学したとして注目を集めたとする記事が掲載された。」
http://news.searchina.net/id/1695108?page=1
 <同じく。↓>
 「日本人が発明したQRコード、完全に掌握したのは中国だった・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1695149?page=1
 <フェイクニュースだー。↓>
 「「結婚するなら日本人の妻」それって本当?–<イエス。>–日本人妻を持つ中国人男性が語る真実の姿・・・」
http://news.searchina.net/id/1695111?page=1
 <そこまで宣伝してくれなくても・・。↓>
 「米国在住の中国人が紹介、「米国人は中国人以上に日本車が好き」・・・中国の動画サイト・西瓜視頻・・・」
http://news.searchina.net/id/1695112?page=1
 <同じく。↓>
 「なぜ可能なんだ?・・・世界中で車を売りまくる日本人・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1695130?page=1
 <定番。↓>
 「値段が高いと言われる日本のタクシー、実際どれだけ高いのか・・・中国のポータルサイト・百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1695150?page=1
 <概ね定番。↓>
 「日本の建物は寿命が長い! 中国人「寿命が短い方が儲かるのに・・・」・・・中国の動画サイト西瓜視頻・・・」
http://news.searchina.net/id/1695114?page=1
 <間歇的定番。↓>
 「「日本人のルーツは・・・秦・・・にある」と信じて疑わない中国人、果たして本当か・・・中国メディアの快資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1695120?page=1
 <同じく。↓>
 「中国人が日本の海上戦力を恐れるのは「100年以上も前の出来事・・・黄海海戦・・・」が理由だった・・・中国メディアの百家号・・・」
http://news.searchina.net/id/1695121?page=1
 <視点が新しい。↓>
 「日本人はなぜ「ハンコ」にこだわるの?・・・
 中国メディアの快資訊・・・記事は、日本人がいつまでもハンコにこだわる理由を、「ルールと礼儀作法にこだわる国だから」と分析している。
 記事は、日本人について「変化を望まず、ルールを守るほうが好き」と紹介。ハンコを使うことは、日本人が大切にする「規律」そのものであると伝えた。外国人には陳腐に見えるとしても、むしろ「他人には読めない署名を、公式の場で使うほうが問題」と考えていると説明している。」
http://news.searchina.net/id/1695129?page=1
 <一軒の家に注目した点は新しい。↓>
 「これが100年前の家だと? 「日本人が建てれば100年は持つということか」・・・
 中国の動画サイト・西瓜視頻はこのほど、「大連に残る日本人の建てた住宅」を紹介する動画を配信した。
 これは、かつて南満州鉄道(満鉄)の工場があった場所の近くで、かつてはここに日本人が建てた建物が多数残されていたそうだ。今では2、3軒が残るのみとなっているとして、そのうちの1軒の様子を紹介している。・・・」
http://news.searchina.net/id/1695134?page=1
 <饅頭怖い記事。↓>
 「将来、日本は世界第3の核兵器大国になる?・・・中国のポータルサイト・百度・・・」
http://news.searchina.net/id/1695132?page=1
 <同じく。↓>
 「中国のポータルサイト・百度・・・記事は・・・日韓両国の関係がますます悪化していく中で、仮に両国が一戦交えた場合「どちらの勝算がより大きいと言えるか」とした。
 そして、その答えについて多くの人が「韓国は日本の相手にならない」と考えているとし、・・・日本は韓国と異なり、一見米国の前に恭しく跪いているように見えるものの、早い時期から在日米軍を国内から追い出したいという思いを持ってきたとの見方を示した。
 記事は最後に、歴史問題を吹っ掛けてくる韓国に対して日本が怒りを抑えているのは主に、韓国に手を出すことを米国が許さないからであるとし、「もし米国の顔色をうかがう必要がなかったなら、日本はとっくに韓国の『反日派』を懲らしめにかかっていることだろう」と伝えた。」
http://news.searchina.net/id/1695146?page=1
 <シー。↓>
 「悪化する豪中関係、オーストラリアは日本を手本にできるとの声も・・・中国メディアの快資訊・・・」
http://news.searchina.net/id/1695139?page=1
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<太田>(フェイスブックより)

 アマゾンプライムで『超高速!参勤交代』(2014年)鑑賞。ある意味、典型的な勧善懲悪チャンバラ映画だがオチャラケで面白い。
 悪い老中はいるけれど将軍は良い立派な人だったってお話。
 その背景には、日本における仁政の伝統がある、というか、仁政信仰がある。

 同じく、『のぼうの城』(2012年)鑑賞。傑作だと思う。武士の理想像を見事に描いている。

⇒こんな時に、ヤマハシステムが使えないのは残念至極、と一応書いておくが、実際映画を見だすと、音響のことなど忘れてしまう。(太田)

<太田>

 Firefoxが動かなくなり、あれこれやったが回復せず、IObit Uninstallerで完全削除し、再インストール後、既存のプロファイルを全て捨ててまっさらな状態から再度使い始めた。
 その過程で、初めてEdgeのお気に入りをFirefoxにインポートした。
 アドオンは最低限にとどめた。
 K.K方式で、過去のプロファイルに戻してもいいわけだが、上記方法でも、最短コースでやればそれほど手間はかからないので、今後は、上記方法で対処することにしたい。
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太田述正コラム#11710(2020.12.11)
<坂井孝一『承久の乱』を読む(その60)>

→非公開