太田述正コラム#11924(2021.3.28)
<2021.3.27東京オフ会次第>(2021.6.20公開)

1 始めに

 私を除き、8人が出席し、うち、2人がSkype参加だったが、初めて富士通旧パソコンをSkype用に使ったところ、こちらの映像と音は送ることができるが、相手の音は聞こえないという、このパソコンの障害が発見された。
 そこで、質疑応答の場面からは、急遽Skypeをインストールした私のスマホを用いた。
 (パソコンのSkypeとの併用はハウリングが生じて不可だった。)
 なお、このスマホのSkypeに関しては、今度はログインできないという障害が発生(存在?)。
 幸い、今回は、オフ会幹事の七氏さんが招待式にしてくれていたので、QRコードを読み取り・・どういう仕組みなのかいまだに理解していない・・、私のスマホで今回のオフ会に関してはSkypeを(十全な形で)使うことができた。

2 質疑応答(Oは私)

A:日本は、元寇の時に侵略を跳ね返すことができたのだから、コンセンサス/構想は完遂されていた、と言ってもよいのではないか?
O:その限りにおいてはその通りだが、武家総棟梁の座に不適格者が座っている、という意味では完遂されていなかった、ということだ。
B:元寇は侵略した側が不手際過ぎて自分で転んだように思う。
O:しかし、日本側が武力で抵抗し続けなければ席捲されていただろう。
 補足するが、武家総棟梁の座に天皇家の真正な子孫が就いていなければ、権力を手放したところの、天皇家そのもの、の存続が危うくなる、という状態では、完遂されたとは言い難いわけだ。
 (「国体=天皇制」を守るという観点からして、外からの敵にこそ対処できるようになったが、内なる敵には対処できない状態だった、と言おうか。)
C:清盛はどうして天台宗や真言宗に不満があったのだろうか。
O:えげつなく言えば、最澄のやったことは、支那に伝わっていた仏教の全てを持ち帰りました、ということであり、空海は、それに対し、最澄よ、最新の仏教である密教だけ持ち帰ればよかったのにお前はバカかと切り捨てた、といったところだったけれど、武家達にしてみれば、最澄の方は、だからどうしたらいいのよ、だし、空海の方は、密教なんて、仏教かよ、おまじないじゃないの、と、受け止め、どっちも、敬して遠ざけたのではないか。
 それに、天台宗は(ご存知のように)堕落してしまっていたし、真言宗の方は内輪もめ続きだった
< https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%9C%9F%E8%A8%80%E5%AE%97 >
し・・。
C:信長は、自分の前でキリスト教の宣教師と仏僧との間で宗論を行わせ、仏僧が負けている。
A:(スマホで調べたところ、)仏僧は日乗というらしい。<
https://crd.ndl.go.jp/reference/modules/d3ndlcrdentry/index.php?page=ref_view&id=1000137382 >
O:その仏僧、名前から、間違いなく日蓮宗だな。
 信長の事績には、何かというと、日蓮宗が顔を出す。
C:講演原稿中に、学部の卒業論文を褒めている箇所があるが、ウィキペディアの時代になったからこそ、そういうことが起り得るようになった、ということだと思う。
 誰でも専門の学者並みに、論文を書きたい分野の情報にアクセスできる、というのは画期的なことだと思う。
 太田さん自身が、ウィキペディアを駆使しているわけだが、そのウィキペディアが有料になったらどうする?
O:そうなったらカネを払う。
 いや、新聞記事だってそうだ。
 読者が色々知恵を授けてくれて、おかげさまで、まだ、大部分をタダを読めているが、(WSJのように、)それが不可能になったら、やはり、カネを払うことになるだろう。
D:播田安弘『日本史サイエンス』を提供する。
O:ありがとう。
 (息抜きになりそうなので、さっそく、シリーズにして取り上げるかも。)
 それにしても、この調子で、日本史を最後まで取り上げ終わったら、次に何をやったらいいのか分からない。
 もっとも、日本の戦後史を書くのはなかなかホネかもしれないが・・。
A:どうして、終戦で日本人が180度変わってしまったのかを是非解明して欲しい。
O:・・・。
 (実のところ、私の日本史に関する出発点は、そのことへの強い問題意識を持ったことであり、やがてモード転換説でそれが説明できた、と思ったものだから、次にこのモード転換説を拡大した結果が、私の縄文・弥生モード循環日本史観であり、そこから、次に、縄文性とは一体何かについて掘り下げることとなり、この掘り下げを行いつつ、前から私が関心があってその分野の知識経験を記してきていたところの、比較文明論、とを結び付け、その上で、日本通史の記述という現在、に至っているわけなので、すぐ、言葉が出てこなかった次第だ。)
 戦後史って、でも、面白くなさそうだな。
 脳死に至る過程だもんね。
C:それこそ、古今東西の誰それの戦略論を、太田さんが次々に解説していく、なんてのも面白いのではないか。