太田述正コラム#12331(2021.10.17)
<2021.10.16東京オフ会次第(続)>(2022.1.9公開)

 (音信不通になるなんてのはレアケースだが、)コラム読者じゃなくなったり、オフ会に出席しなくなったりする人はいくらでもいる、というか、(読者も関心がある対象が変わっていくものだし、)私自身の考えも変わってきているのだから、そういう人の方が普通だろう。
 そこへ行くと、極めて早い時期から、太田オフ会にほぼ皆勤、というBさんは珍しい。
B:最初から、太田コラムは、人間主義がテーマでそこに共感したので、毛沢東に対する評価が180度変わったりはしても、太田さんの考えの深化と受け止め、フォローし続けてこれたのだと思う。
O:でも、『アーロン収容所』のシリーズの頃までは、(人間主義を中核とする)日本文明と(個人主義を中核とする)アングロサクソン文明のどちらが優位なのか迷い続けていたので、基本的な部分すら、私自身も変ってきている。
 ところで、Youtubeで今年のショパン・コンクール、大賑わいだ。
 クラシック音楽は学歴の低い人は敬遠しがちだが、今回のコンクールでの日本のコンペティターのうち、角野君は東大院生との掛け持ちで有名だったが、もう一人、(沢田蒼梧
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%B2%A2%E7%94%B0%E8%92%BC%E6%A2%A7 という、)名古屋大学医学部生がいる。(角野、沢田両名とも、セミファイナルまで行ったが、ファイナル12名には入れなかった。
 やっぱり、超一流のコンサート・ピアニストになろうと思ったら、ピアノに、というか、少なくともクラシック音楽に、専念しなければならないのかも。)
C:コロナ・ワクチンを打たないのも、低学歴の人に多いようだ。
B:しかし、高学歴の上澄みにも打たない人が結構いるような印象を持っている。
C:しかし、日本の医師(・・高学歴!・・)はほぼ全員が打ったのではないか。
 (参考:「ワクチンを接種しないつもりと回答した人々は、女性、低学歴者、預貯金額の少ない人々、全般的な不安傾向がある人々、新型コロナへの恐怖の小さい人々、やせている人々で多く、高齢者、夫婦のみの世帯、高血圧か脂質異常症の人々、最重視する情報源がテレビ(NHK)の人々、他人を信用する人々で少なかった。」
https://www.rieti.go.jp/jp/publications/summary/21050005.html )
E:後陽成天皇は弥生モードから縄文モードへのモード転換をさせようとしていたわけだが、そのことと、日蓮主義との関係は?
O:(日本を、より厳密に言えば、日本国内を、)縄文モードに転換させることについては、秀吉とて、天皇と同じ思いだったはずだ。
 但し、(この点についても、後陽成天皇だって異存はなかっただろうと想像しているのだが、)秀吉は、モード転換によって余剰になってしまう兵力をすぐ武装解除によって縮小するのではなく、日蓮主義を遂行するために対外的に活用した後にそうしよう、そうすべきだ、と、考えたわけだ。
 (「秀吉自身は、まず北京(ペキン)に入り、ついで寧波(ニンポー)に居所を定め、進んで天竺(てんじく)(インド)を征服するという遠大な構想をも吐露してい<た>」
https://japanknowledge.com/introduction/keyword.html?i=65
ところだが、秀吉が寧波に居を定めた時点以降の秀吉の兵力は、数の上からは支那人等を中心としたものになり、日本、というか、日本人、の兵力は縮小することになったのではなかろうか。)
F:天皇家や近衛家にとって、どうして秀吉流日蓮主義ではダメだったのか。
O:日本において、聖徳太子コンセンサスを生み出したのも、日蓮主義を公認したのも天皇家であり、万が一にでも、秀吉流日蓮主義の遂行が失敗して天皇家が取り潰されてしまうようなことになったならば、もはや日本は・・世界は?・・そういうことを行いうる主体、中心軸、を失ってしまう、と危惧したのだろう。
 しかし、秀吉流日蓮主義を挫折させた後、天皇家も近衛家/島津家(・・彼らだけではないことに注意・・)も、次第に反省モードに入り、幕末に至って、ついに、彼らは、秀吉流日蓮主義を再度改めて遂行するとともに、今度は完遂することを決意し、そのために明治維新を成し遂げる。
 (やがて制定されたところの、天皇諸大権を規定した)大日本帝国憲法は、まさに、そのための国制だったのだ。
 ところが、明治天皇にその気(け)が既にあったのだが、明治天皇を尊敬する昭和天皇は、憲法違反を犯し続けることまですることによって(・・すなわち、あえて、外交大権を行使せず、統帥大権の行使もマクロ的には放棄し続けてまでして・・)、秀吉流日蓮主義を否定したところ、(近代国家化した日本には信長流日蓮主義を遂行する余地がないことから、これは信長流日蓮主義の否定をも意味したところ、大正天皇が無能力化した時点以降、)事実上の天皇と化していた貞明皇后によって、昭和天皇は(その摂政時代を含め、いわば超法規的に)棚上げされてしまい、貞明皇后と帝国陸軍が直結した形で、事実上の秀吉流日蓮主義が成功裏に遂行されることとあいなった、というわけだ。