太田述正コラム#12751(2022.5.15)
<皆さんとディスカッション(続x5170)>

<OF>

 近現代史家の林千勝氏をご存じですか。彼のビデオ講義を見た感想を綴ってみました。もしご興味があれば。
<こ>のビデオ動画ですが、原本は林千勝の著書『日米開戦陸軍の勝算ー「秋丸機関」の最終報告書』祥伝社新書、2015年です。・・・
 <以下、「感想」は省略。
 このシリーズ↓が扱っている時代の直前を扱ったビデオ講義なのだろう。
【林千勝先生の特別講義シリーズ】大東亜戦争からの近代史「日本の歴史の真実を知る」第一回 序章 
https://www.youtube.com/watch?v=u5BgFx-6osQ
 なお、林千勝(1961年~)は、「東大経卒、富士銀行を経た「歴史家、作家。昭和史、戦史を専門とする」人物
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9E%97%E5%8D%83%E5%8B%9D
らしい。(太田)>

<太田>

 レクチャー形式の動画は、事柄の性格上、殆どは典拠を付すことがなく提供されると思いますが、歴史に関心あらば、できるだけ、典拠付きの書物をお読みになり、若干はその典拠にもあたってみることをお勧めします。
 で、先の大戦・・私見では1931年~1945年・・についてですが、今回ご紹介いただいた歴史家も含め、それこそ米国留学の頃から私が不思議で仕方がなかったのは、みんなが、日本は負けたという先入観にとらわれていることでした。
 そんな誤った先入観にとらわれた主張は全てゴミだと当時から考えていました。
 というのも、日本は、一、ブロック経済打破、二、対ソ(露)抑止、三、(支那解放を含む)アジア解放、の三つを戦争目的としていたところ、一は対英米開戦前にそれを達成し、三は対英米戦期間中に概ね達成し、二は(敗戦ならぬ)終戦直前までに概ね達成して、戦争目的を全てほぼ達成した以上、日本は勝ったのですからね。
 (付言すれば、戦後日本は人口が爆発的に増えたし、経済も高度成長しましたよね。
 戦争によって失われた人命も財産も全て取り返して莫大なおつりがきたわけですが、それも、全て戦争中に計画された通りの結果です。)
 私は、一体どうしてそんな偉業を、戦った相手と比して・・ドイツやイタリアは敵であり、日本は味方のフリをしていただけです・・圧倒的に小さい国力の日本が成し遂げることができたのか、を、(そう思い立った理由までここでは立ち入りませんが、)解明しなければならないと思い立ち、ようやく、最近、自分なりに最終的な答えに到達できた次第です。

<太田>

 ウクライナ問題。↓

 <ウクライナ情報当局、戦争は8月中旬に山場を迎え、今年末までには終わる、とさ。↓>
 The head of Ukraine’s military intelligence has said the war with Russia will reach a turning-point in mid-August and is likely to be over by the end of the year.・・・
https://www.bbc.com/news/live/world-europe-61441664 05:14:16:57
 <ウクライナ軍、イジュームで反攻作戦開始。↓>
 Ukrainian forces have launched a counteroffensive in Izyum・・・
https://www.bbc.com/news/live/world-europe-61441664 05:14:21:42
 <ホントかもねー。↓>
 「ウクライナ国防省の諜報(ちょうほう)部門トップのブダノフ准将は14日放映の英スカイニュースのインタビューで、ロシアのプーチン大統領に対する「クーデター計画」が進行しているとの見方を示した。ウクライナに侵攻したロシア軍の劣勢が引き金になっていると分析し、「計画は止められない」状況にあると述べた。
 ブダノフ氏は、ロシア軍が各地で敗北を重ねていると指摘。「それが最終的にロシアの指導者交代につながる。このプロセスはすでに開始されている」と述べ、プーチン氏の求心力低下を示唆した。
 また、プーチン氏が「がんやその他の病気」を患い、精神的・肉体的に「非常に悪い状態」にあるとも指摘した。ウクライナ側が情報戦の一環としてプーチン氏の重病説を広めていることを否定し、「確かな情報」と主張した。・・・」
https://mainichi.jp/articles/20220515/k00/00m/030/014000c
 <そこのけそこのけ、M777が通る。↓>
 「・・・ロシア軍が使う152ミリ榴弾砲「2A65」の重さは約7トン。ところがイギリスが開発した最新型の155ミリ榴弾砲「M777」は約3・1トンと重さが半分になった。「M777が登場する前、アメリカ軍はM198を使っていましたが、こちらも重量は7・1トンありました。これだけの重さだと、ヘリコプターなら大型機でないと運べません。ところが、M777が半分の重さになったことで、一般的な汎用ヘリでの輸送が可能になったのです。更に、M198は11人の砲員が必要でしたが、M777は5人と省人化されました。1人でも兵士が貴重なウクライナ軍にとっては、まさに朗報でしょう」・・・重量と砲員の削減だけでもメリットは計り知れない。だが最大のポイントは、砲弾の性能だという。「特筆すべきは、『エクスカリバー』という砲弾です。羽を持ち、外観はミサイルそっくりです。GPS誘導の機能を持っているので、目標との誤差は5メートルから20メートルと、まさにピンポイントの砲撃が可能なのです。おまけに飛距離も40キロから57キロまで飛ばせます。あらゆる面で、ロシアの榴弾砲を凌駕しているのです<。>」・・・
 M777は、アメリカ、カナダ、オーストラリアからウクライナに運ばれており、その数は100門を越えたという。「砲弾も14万発がウクライナに到着したと報じられています。全てがエクスカリバーかは不明ですが、M777で発射が可能な砲弾はNATO統一規格に準じていることも大きな利点です。NATO加盟国が砲弾を持っているので、複数の国がウクライナに供与することが可能です。一方、ロシアが使っている152ミリ榴弾砲の砲弾は、基本的に旧ソ連圏の国しか持っていません。具体的には、ベラルーシ、チェコ、スロバキアなどです<。>」・・・更に「自走式」の榴弾砲も、フランスやドイツが供与を決めている。例えばフランスの「カエサル」は、大きなトラックの上に榴弾砲が搭載されている。「ウクライナ軍の砲員も榴弾砲の扱いには慣れていますし、何より士気が極めて高いため、たちまちM777の操作方法を習得してしまったようです。一方の自走式榴弾砲は、さすがにすぐには使えせん。それなりの期間、訓練を受ける必要があります。この“時間差”が、東部戦線の作戦に影響しているように見えます<。>」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5748b36a5a45c57bd46580ec8639e52d15850860
 <日本人全員が軍オタ化しつつある? でもー、これまでの軍オタに碌なんいなかったから、新軍オタ達にも一切希望は持たないことにしよ。↓>
 「戦場で武器・弾薬を運搬 ニュース報道では分からない「軍事ロジスティクス」の深淵・・・
 有名な古戦場の位置を地図で確かめてみれば、ほとんどが河川や運河の近くである事実に直ちに気が付くであろう。大量の兵士や物資を移送するには昔は河川や運河に頼るしか方法がなかったからである。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/85cb8380c1835a789f1c25ce110c9bc7e9bc441a
 <戦争の長期化で踏みとどまるか露による戦術核行使の危険を冒して戦い抜くか、は、真剣に考えべき時が来てから考えりゃええ。↓>
 There Are Two Endgames in Ukraine. Both Carry Big Risks.・・・
https://www.nytimes.com/2022/05/14/opinion/ukraine-russia-putin-biden.html
 <判官びいきもあったんだろうが、いいねえ、おめでとう。↓>
 Stefania by Kalush Orchestra rides wave of public sympathy to claim Ukraine’s third Eurovision victory・・・
https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/may/15/ukraine-wins-2022-eurovision-song-contest-as-uk-finishes-second-in-turin
 <これがその歌だ。↓>
 Kalush Orchestra – Stefania・・・Grand Final – Eurovision 2022
https://www.youtube.com/watch?v=obZi8fbESWw

 それでは、その他の記事の紹介です。

 大ミステリーは解明されたが小ミステリー・・「父」?・・はまだ。↓

 「山梨県警「不明女児は死亡と判断」 道志村山中で見つかった肩甲骨とDNA型が一致・・・
  県警は14日、美咲さんを捜し続けてきた母とも子さん(39)と父に、死亡と判断したと伝えた。・・・」
https://www.theguardian.com/tv-and-radio/2022/may/15/ukraine-wins-2022-eurovision-song-contest-as-uk-finishes-second-in-turinhttps://www.tokyo-np.co.jp/article/177354

 このくだりの典拠はコラム末の参考文献中のどれやろ?↓

 「・・・岩倉が大久保と比較して述べているのが、なかなか面白い。「木戸は先見あるも、すねて不平を鳴らし、表面に議論をせず、陰に局外の者へ何角と不平恥をなすは木戸の弊なり。大久保は才なし、史記なし、只確乎と動かぬが長所なり」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/01aa2e95e90ae30a859d331f482b409f6a719f7e

 エー、どっちも秀吉も祭神なのかあ。
 徳川幕府は祟りを恐れたんかしら?↓

 「・・・日光の東照宮は、徳川家康の霊廟としてまた江戸城の北辰守護として、二代将軍・徳川秀忠と参謀・天海によって建立された。祭神には家康のほか、豊臣秀吉と源頼朝が祀られている。
 久能山東照宮(静岡県)は、家康が死去した後に埋葬された場所である。埋葬から1年後に日光の東照宮へと改葬された。ただし、近年の研究では家康の亡きがらはこの地に残されたままだったのではないかともされている。家康は死してなお、徳川幕府安泰のために働いていたのではないかと考えられているのだ。こちらには相殿として秀吉と織田信長が祀られている。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/2023%E5%B9%B4%E5%A4%A7%E6%B2%B3%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%81%AE%E4%B8%BB%E5%BD%B9-%E5%BE%B3%E5%B7%9D%E5%AE%B6%E5%BA%B7-130%E7%A4%BE%E3%81%BB%E3%81%A9%E3%81%82%E3%82%8B%E6%9D%B1%E7%85%A7%E5%AE%AE%E3%81%A7%E7%A7%80%E5%90%89%E3%81%A8%E4%BF%A1%E9%95%B7%E3%81%A8%E5%85%B1%E3%81%AB%E7%A5%80%E3%82%89%E3%82%8C%E3%82%8B%E7%A4%BE%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%93/ar-AAXfyM7?ocid=msedgntp&cvid=79fa104506784a6cb0e2cd446b263d3a

 こんなの売ってたかなあ。
 (話は全然変わるが、13日に最寄りのガストに行った時に、配膳ロボットが使われていることを見っけ。私のところにはヒトが持ってきたが、向かいの席には何度かこのロボットがやってきていた。TVで配膳ロボットが紹介されているのを見たばかりだったが、こんなに早く、実目撃をするとは・・。こりゃ、あらゆる店で、店頭にいる従業員なんて、そう遠からずゼロという時代に、と感慨に耽ったなあ。)↓

 「・・・CGC「北海道産大豆ゆきほまれ氷温熟成木綿」のコスパが圧倒的だ・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E5%9C%A7%E5%80%92%E7%9A%84-%E3%82%B9%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%81%AB%E5%A3%B2%E3%81%A3%E3%81%A6%E3%82%8B%E6%9C%A8%E7%B6%BF%E8%B1%86%E8%85%90%E3%82%92%E5%85%A8%E9%83%A8%E9%A3%9F%E3%81%B9%E3%81%A6%E3%81%BF%E3%81%9F%E3%82%89%E5%91%B3%E3%81%8C%E5%85%A8%E7%84%B6%E9%81%95%E3%81%A3%E3%81%9F-%E6%9C%80%E3%82%82%E3%82%B3%E3%82%B9%E3%83%91%E3%81%AE%E8%89%AF%E3%81%84%E8%B1%86%E8%85%90%E3%81%8C%E6%9C%80%E5%BC%B7%E3%81%99%E3%81%8E%E3%82%8B/ar-AAXfPvi?ocid=msedgntp&cvid=79fa104506784a6cb0e2cd446b263d3a

 日・文カルト問題。↓

 <勝手にどーぞ。↓>
 「「日帝が移した『青瓦台美男仏』、故郷・慶州へ移転すべき」–市民団体、大統領室に請願へ・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/05/13/2022051380149.html

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 日中交流人士モノ。↓>
 「在日中国大使館、藤嶋昭氏に中国国際科学技術協力賞を授与・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2022/0513/c95952-10096451.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 客観記事。↓>
 「日本も我慢できず、ついに脱マスクの準備か・・・日本華僑報網・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b894101-s25-c30-d0193.html
 <同じく。↓>
 「日本の定年後再就職に学べること・・・中国新聞網・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b894061-s25-c30-d0192.html
 <盛り上がっとんな。↓>
 「山口県阿武町が給付金4630万円を1人に誤送金・・・
 中国のネットユーザーは、「ははは」「笑い死にするわ!」「私が同じ状況になっても返さないな」といった声や、「日本人は頭を下げて謝罪するのが好きだね(笑)」「ミスをしたら(日本人は)とりあえず謝罪するよね」と町による会見の様子をやゆする声が上がった。また、「最初の段階で(受け取った男性の)口座凍結をすることはできなかったの?」「日本の銀行は口座凍結の措置は取らなかったんですか?」と日本の法律に疑問を持つコメントも出た。・・・環球時報・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b894137-s25-c30-d0202.html

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太田述正コラム#12752(2022.5.15)
<鈴木荘一『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』を読む(その3)>

→非公開