太田述正コラム#12793(2022.6.5)
<皆さんとディスカッション(続x5191)>

<太田>

 ウクライナ問題。↓

 <ウクライナ、半年以内に勝利する、宣言。但し、人的被害は甚大なものになるとさ。↓>
 「ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、ロシアとの戦闘について「武器の蓄えを勘案すれば2~6カ月続く」との見通しを示した。・・・
 <但し、>侵攻直後はロシア側に1日当たり最大で千人の死者が出ていたが、最近は100~200人で、ウクライナの戦死者と同規模だと説明した。」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%A8%E3%81%AE%E6%88%A6%E9%97%98-%E5%8D%8A%E5%B9%B4%E7%B6%9A%E3%81%8F-%E3%82%A6%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%8A%E9%AB%98%E5%AE%98/ar-AAY52MG?bk=1&ocid=msedgntp&cvid=97c110a71d924c22b48973d4020abbd5
 <何せ相手は、ビョーキだもんね。↓>
 Russia Bets on ‘Medieval Attrition Approach’ as Ukraine Losses Mount・・・
https://www.newsweek.com/russia-bets-medieval-attrition-approach-ukraine-losses-mount-1712825
 <これぞ通説。↓>
 「ロシアがアピールする最新兵器は「はったり」? 50年前「骨董品級」戦車も引っ張り出す事情・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/16ee9f8db64b9a60c44b9f40bf6feacdba5ae570
 <焦点のセベロドネツクの状況。なんだぁ?↓>
 ・・・ Ukraine appears likely to withdraw from the city to reinforce its troops elsewhere, rather than mounting a desperate last stand as its forces did in Mariupol・・・
 ・・・some Ukrainian units were pulling back from Severodonets・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2022/06/04/ukraine-russia-severodonetsk-donbas/
 <オデッサで、本件について住民の意見が拮抗してるのが興味深い。↓>
 ・・・Peter Obukhov explained his plan to purge Russian names from the city of Odesa. ・・・
 Obukhov is a deputy in Odesa’s city parliament.・・・
 In a poll of Odesa residents, 44% supported de-Russification, 36% were opposed, and 7% voted to bring back communist-era names.・・・
https://www.theguardian.com/world/2022/jun/04/ukraine-campaign-de-russify-odesa
 <他方、ロシア語地域でのロシア語放棄はトレンドになってるらしい。↓>
 Enemy tongue: eastern Ukrainians reject their Russian birth language・・・
https://www.theguardian.com/world/2022/jun/04/enemy-tongue-eastern-ukrainians-reject-their-russian-birth-language
 <あのマクロンがまた日和った。↓>
 Russia must not be humiliated in Ukraine, says Emmanuel Macron–French president says door must be left open to allow for improvement in diplomatic relations after war・・・
https://www.theguardian.com/world/2022/jun/04/russia-must-not-be-humiliated-ukraine-emmanuel-macron
 <ウクライナ政府や米議員達がマクロンに反発するのは当然。↓>
 Ukraine Official Slams Macron for Saying Russia Should Not Be Humiliated・・・
https://www.newsweek.com/ukraine-official-slams-macron-saying-russia-should-not-humiliated-1712839
 
 それでは、その他の記事の紹介です。↓

 ヒキコモリは、少なくともれっきとした日本の風土病だったのね。↓

 「心の問題以外にも要因が。ひきこもりの人に特徴的な血液バイオマーカーが発見される・・・」
https://karapaia.com/archives/52313252.html

 おー、そーだっけ。↓

 「・・・パルスオキシメータは、医療機器メーカー日本光電に勤めていた研究者の青柳卓雄さんが1974年に発明したものです。もし、今の時代にパルスオキシメータがなかったら、コロナによる被害はより深刻なものになったに違いありません。・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E5%A4%A7%E7%99%BA%E6%98%8E-%E3%82%B3%E3%83%AD%E3%83%8A%E7%A6%8D%E3%81%A7%E6%B4%BB%E8%BA%8D%E3%81%97%E3%81%9F%E9%9D%A9%E5%91%BD%E7%9A%84%E3%81%AA-%E5%8C%BB%E7%99%82%E6%A9%9F%E5%99%A8-%E3%81%A8%E3%81%AF/ar-AAY5vDv?bk=1&ocid=msedgntp&cvid=97c110a71d924c22b48973d4020abbd5

 帝国海軍は、対英米戦の時、組織の体をなしていないだけでなく、指導的立場にあった個々人の責任感が希薄過ぎる。
 山本、南雲は予備役編入されるくらいでもおかしくなかったし、源田は、戦後、公務に就かないという意味での謹慎生活を送ってしかるべきだった。
 山本、南雲はその後「戦死」で償ったとも言えるからさておき、源田が、戦後、空自に入り、空幕長にまでなり、しかも、参議院議員を長く務めたとは・・。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%BA%90%E7%94%B0%E5%AE%9F ↓

 「・・・<「赤城」「加賀」「蒼龍」「飛龍」の4隻の主力空母すべてを失った>ミッドウェー海戦・・・敗戦にはいくつもの原因がある。
 一つは、<1942年>6月4日、山本聯合艦隊司令長官座乗の旗艦「大和」が敵空母らしい呼出符号の無線を傍受したにもかかわらず、先任参謀・黒島亀人大佐が「機動部隊の『赤城』でもこれを傍受しているだろう」と握りつぶし、機動部隊に伝えなかったこと。じっさいには、機動部隊ではこの敵電波をとっていなかった。また、「主力部隊」と言いながら、「大和」以下戦艦7隻を擁する大艦隊は、機動部隊のはるか後方にいたために、機動部隊を護衛することも敵艦隊を追撃することもできなかった。いわば、見かけ倒しで役に立たない「張り子の虎」である。
 もう一つは、作戦目的が機動部隊に徹底されていなかったこと。本来、山本長官が主目的と考えていたのは、〈敵空母部隊の誘出、捕捉撃滅〉だったが、作戦を実行する機動部隊の南雲忠一長官以下の司令部は、作戦の主目的は〈ミッドウェー島の攻略〉にあるとの強い先入観を持っていて、山本の意図は徹底されていなかった。
 この日、ミッドウェー島攻撃に出撃した攻撃隊指揮官・友永丈市大尉は、戦果が不十分と見て「第二次攻撃の要あり」と打電、機動部隊もそれに応じて、敵艦隊攻撃のために準備していた第二次攻撃隊の兵装(魚雷、および通常爆弾)を、地上攻撃用の陸用爆弾(威力は小さいが、断片の飛散範囲が広いため、飛行機の破壊や人員殺傷に適する)に転換する騒ぎになった。これは、作戦目的が明確にされていれば避けられたはずの事態だった。・・・
 南雲中将はもともとは水雷が専門だから、航空戦についてはいわば素人である。その判断のカギを実質的に握っているのは、航空参謀源田實中佐であった。艦隊の隊員たちが、自らの機動部隊を公然と「源田艦隊」と呼ぶほど、その影響力は強大だった。
 その源田中佐が、大切なときに判断を誤った。陸用爆弾でも命中しさえすれば敵空母機の発着艦を封じることはできる、あの時、兵装転換などさせずに即座に攻撃隊を出しておけば……というのは、戦後延々と言われ続けている繰言である。・・・
 日本側の損害に関してはわかっていながらあえて過少に、虚偽の発表をしたのである。
 ミッドウェー作戦を主導した山本五十六長官をはじめ、聯合艦隊司令部でこの敗戦の責任をとった者はいない。機動部隊を率いた南雲忠一中将も、新編された機動部隊(第三艦隊)の司令長官に返り咲いた。・・・」
https://gendai.ismedia.jp/articles/-/95834?utm_source=yahoonews&utm_medium=related&utm_campaign=link&utm_content=related
 <もとより、彼らだけの責任ではなく、(経済力、技術力等にわたる)国力不足、と、帝国海軍中央の無能さ、があったわけだが・・。↓>
 「・・・機動部隊の乗組員は真珠湾攻撃以来、西はインド洋、南はオーストラリア北部まで広範囲な作戦にほぼ出ずっぱりで、連戦の疲れを癒す暇もない。しかも飛行機搭乗員は補充、交替が完了したばかりで、その訓練内容は基礎訓練の域にとどまっていた。
 一例を挙げれば、零戦隊の訓練も、単機同士の空戦訓練と射撃訓練を実施しただけで、編隊空戦の訓練は一部の熟練搭乗員にとどまり、それも3機対3機までである。18機対18機の編隊空戦訓練まで行なった真珠湾攻撃前の練度にはほど遠く、戦力の低下は明らかだった。艦船部隊も同様である。見かけは変わらなくても、機動部隊の総合力が、じっさいには大きく目減りしていたのだ。
 それでいて、連戦連勝だったこれまでの戦果への過信が緊張感を失わせ、機密保持にも作戦実施にも緩みを生じさせていた。真珠湾攻撃のさいには徹底的に機密が保たれていたのにミッドウェー作戦のことは呉の芸者までもが知っていた、というのはよく知られたエピソードである・・・
 <また、>日本側が米機動部隊の動向を測りかねていたのに対し、米海軍は日本海軍の暗号をほとんど解読し、全力をもって反撃態勢を整えていた。・・・
 「エンタープライズ」「ホーネット」「ヨークタウン」の3隻の空母を主力とする米機動部隊は、日本艦隊の出現を、いまやおそしと待ち構えていた。5月の珊瑚海海戦で傷ついた「ヨークタウン」は、突貫作業で修復を行い、この出撃に間に合ったが、同じように損傷を受けた「翔鶴」はいまだ修理中、「瑞鶴」も飛行機、搭乗員の補充が間に合わず、ミッドウェー作戦には参加できない。このことからも明らかなように、日米の底力の差が、そろそろ目に見える形で現れつつあった。・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/feac17647ee559c73d30491fbde1be5c4a65aa47

 日・文カルト問題。↓

 <こういう、日本の引き合いに出し方は許す。↓>
 「急激な最低賃金引き上げ後の未払い賃金は日本の14倍…「所得主導成長」の結果・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/04/2022060480009.html
 <同じく。↓>
 「あだ名といじめ・・・
 日本であだ名を禁止し、名前の後ろに「さん」を付けて呼ばせる小学校が増えている。・・・」

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/03/2022060380152.html
 <適切な記事。↓>
 「韓国人の日本旅行、もし現地でコロナに感染したらどうすればよいか・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/03/2022060380168.html
 <いい加減やめましょ。↓>
 「「韓国の観光ビザ取りたい」 日本で徹夜の行列–韓国大使館・総領事館2年ぶりにビザ発行再開…日本人数百人が行列・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2022/06/03/2022060380153.html
 <シンパめいたセンセーショナリズムはあかんで。↓>
 「「居直り」日本極右裁判に「悔しい」…慰安婦ドキュメンタリー上映日に何があったのか・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/291804
 <報道価値殆どなし。↓>
 「尹大統領と岸田首相会うか…日本メディア「NATO出席検討、韓国は首脳会談打診」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/291810
 <報道価値少しはあり。↓>
 「11年間、時間が止まった福島…帰ってくる住民は7千人中57人・・・」
https://www.donga.com/jp/home/article/all/20220604/3426106/1

 天網恢恢。↓

 Alexander Litvinenko assassination suspect dies of Covid–Dmitry Kovtun was one of two Russian men accused over poisoning death of ex-spy in London in 2006・・・
https://www.theguardian.com/world/2022/jun/04/alexander-litvinenko-assassination-suspect-dies-of-covid-dmitry-kovtun

 米国から逃亡したお尋ね者を摘発するメキシコのタスクフォースの紹介だ。↓

 A U.S. murder suspect fled to Mexico. The Gringo Hunters were waiting.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/interactive/2022/mexico-us-fugitive-gringo-hunter/

 イギリス内戦を見てると、17世紀日本の方が進んでたような・・。↓

 The Siege of Loyalty House by Jessie Childs review – the English civil war in all its fog and mess–The story of the clergymen, soldiers, architects, actors and apothecaries forced to rub shoulders during desperate times・・・
https://www.theguardian.com/books/2022/jun/04/the-siege-of-loyalty-house-by-jessie-childs-review-the-english-civil-war-in-all-its-fog-and-mess

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <英語媒体より。
 おめでとう、習ちゃん。↓>
 China Is Winning in Asia. Biden’s Plans Won’t Change That.・・・
https://www.nytimes.com/2022/06/01/opinion/us-biden-asia-china-economy-influence.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 さすがの分析力だわね。↓>
 「・・・日本はいまだ世界屈指の富裕国だが、政府は赤字なのに民間には貯蓄があったり、国内投資のお金は足りないのに海外資産の評価は高かったり、中小企業は青息吐息なのに大手企業は思い通りに成功していたり、若者には消費する財力がないのに、財力がある高齢者たちはお金を使わなかったりとさまざまな問題を抱えている。これらをどのように解決したり、バランスを取るのかが、岸田首相が提唱する『新しい資本主義』の実践すべき目標だろう・・・華字メディアの中文導報・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b895149-s25-c20-d0197.html
 <客観的分析。↓>
 「「富士総合火力演習の三つの注目点とは」、「日本人は軍事力強化を支持」・・・香港誌「亜洲週刊」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b895377-s25-c30-d0198.html

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太田述正コラム#12794(2022.6.5)
<鈴木荘一『陸軍の横暴と闘った西園寺公望の失意』を読む(その24)>

→非公開