太田述正コラム#12841(2022.6.29)
<皆さんとディスカッション(続x5214)/映画評論68:Mr. ノーバディ/映画評論69:シャーロック・ピンク色の研究>

<太田>

 ウクライナ問題。↓

 <火事場泥棒、お縄に。↓>
 「スウェーデンとフィンランド、NATO加盟の見通し トルコが同意・・・」
https://www.asahi.com/articles/ASQ6Y1VHCQ6YUHBI003.html?iref=comtop_7_05
 <このフレーズに尽きる。↓>
 Ukraine suffers, but Putin, and Russia, will be the loser・・・
https://www.latimes.com/opinion/story/2022-06-25/ukraine-russia-war-world-against-vladimir-putin
 <おもしろ。↓>
 To Counter Putin, Biden Tries to Assemble an Upside-Down Cartel–President Biden led his Group of 7 counterparts to agree on a plan that would cap the price of Russian oil, a daunting goal that risks the Kremlin restricting supply even further.・・・
https://www.nytimes.com/2022/06/28/world/europe/biden-russia-oil-cap.html

 それでは、その他の記事の紹介です。↓

 結末まで国際報道に。↓

 Lost and Found: USB Sticks With Data on 460,000 People–The plight of a technician tasked with transferring a city’s worth of personal data is a lesson in the risks of combining small, important objects with a night out drinking.・・・
https://www.nytimes.com/2022/06/28/world/asia/usb-japan-flash-drive-amagasaki.html

 あのさあ、日本が集団的自衛権行使ができないことが最大のネックなのよ、お利巧ちゃん達。↓

 「・・・「アジア版NATO」にはならない日米韓 ~アジア太平洋地域やインド太平洋地域で多国間の枠組みをつくると動けなくなる・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/d2eb14c19832f95b34700f656b252021d814ccf2

 枢密院もだらしなかったが、三国同盟案を上奏した(外務省出身の)松岡洋右外相こそ咎められるべき、帝国陸海軍は関係なし、というのが昭和天皇・・戦後日本の武装放棄の首謀者・・の判断で、このことと、対英米戦開戦を上奏した(外務省出身の)東郷茂徳外相もまた咎められるべき、との判断の下、昭和天皇は、外務省関係者が合祀されたことをもって、靖国神社親拝を中止したんだぜ。↓

 「・・・三国同盟は条約として締結されるため、枢密院での諮詢が必要となる。だが松岡外相は諮詢の回避をはかり、条約締結後に枢密院へ詔書を下して政府から事情を説明するという、かつてしばしば採られた収拾策で決着させようとした。
 松岡はなぜ諮詢を回避するのか。外務省外交顧問として松岡のもとで条約締結に関わった斎藤良衛(よしえ)は、秘密を要し、迅速に成立させなければならない条約は枢密院に諮るべきではないからだと説明する。秘密裡にドイツと交渉を進めていた政府は、枢密院を通さずに条約の迅速な成立をはかりたかったのである。
 松岡外相が枢密院への諮詢を回避しようとはかったのは、迅速性だけが理由ではない。枢密院が三国同盟条約案の通過にとって障害だったからである。
 枢密院内には、外務省出身の小幡酉吉顧問官が松岡に三国同盟反対の意見書を送るなど、批判的意見が根強いと見られていた。けれどもそうした松岡の思惑に反し、同盟条約案が枢密院へ諮詢されたのは天皇の意向による。
 9月19日の御前会議は三国同盟条約案を可決し、天皇はこの決定を即座に裁可する・・・。御前会議の後、枢密院へ諮詢の運びとなるが、この日御前会議を前に天皇は木戸幸一内大臣に、同盟案の枢密院への諮詢については詔書を発布して事後承諾とするよりも、二・二六事件の際の戒厳令のケースのように徹夜をしてでも審議すべきだとの考えを伝えた。
 さらに、もし枢密院が否決するならば、政府は反対上奏をすればよいではないかとの意向まで示した・・・。天皇は条約成立の手続きを重視するばかりでなく、松岡外相のいう、同盟を結べばアメリカは参戦しないとの見込みに確信をもてずにいたのである。天皇が不安に感じていたこの点こそが、枢密院での最大の争点となった。・・・
 8時間にわたった枢密院審査委員会ではあったが、結局、英米両国への刺激はできるだけ防止する手段を講じ、最悪の事態に充分準備すること、およびソ連との関係を円滑にすることを希望条件として<日独伊>同盟案を承認した・・・
 深井・・・英五<枢密顧問官>・・・は、次のように述べ<ている>。
 「顧問官が所見、または希望を表明せるのみにては、固(もと)より院議たるの重要性を有せずと雖も、これを本会議においてすれば一観点として直接上聞に達すべく、政府に対しては 警告を与うるの効果あり」・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E6%97%A5%E7%8B%AC%E4%BC%8A%E4%B8%89%E5%9B%BD%E5%90%8C%E7%9B%9F%E3%81%AE%E7%B7%A0%E7%B5%90%E3%81%A8%E6%9E%A2%E5%AF%86%E9%99%A2-%E7%AC%AC%E4%BA%8C%E6%AC%A1%E4%B8%96%E7%95%8C%E5%A4%A7%E6%88%A6%E4%B8%8B-%E6%9E%A2%E5%AF%86%E9%99%A2%E3%81%A7%E3%81%AF%E3%81%A9%E3%81%AE%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AA%E8%AD%B0%E8%AB%96%E3%81%8C%E3%81%AA%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%AE%E3%81%8B/ar-AAYYrls?ocid=msedgntp&cvid=862ca749327644a8b91ad2be9b151f98

 日・文カルト問題。↓

 <そういうの、「対話」じゃなく、「雑談」っての。↓>
 「日韓首脳が初対面、3~4分間の会話・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/186411
 <これならままいいかも。↓>
 「尹大統領と岸田首相、マドリードで会合の代わりに「遭遇」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292650
 <元日本人は、なまじ人間主義者的だもんだから過剰適応しちゃうんだよな。米国にフランシス・フクヤマありて、韓国に保坂祐二あり。↓>
 「保坂祐二教授「ドイツで少女像撤去デモ、歴史不正勢力の行動禁止法案を制定しなければ」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292651
 <とにかく、韓国/韓国人は、(北朝鮮/北朝鮮人も似たようなものだが、)何事によらず、いつもこうなんだよね。↓>
 「「プーチンが勝てば韓国も安心できない…なぜ日本と違い経済制裁しないのか」=ウクライナ国立大教授・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292646
 <年齢に免じて大目に見てもらえることを勝手に期待して、ポリティカルコレクトネスを完全に放擲してあえて書くが、男性と女性は犬と猫くらい異なった(互いに本来の意味での意思疎通など不可能な)ところの、前者は異常な動物、後者は正常な動物、なのであり、後者の脳は自己保存/自己中の動物的目的(だけ)に資するように作られているから、女性には天才も魯鈍も少なく、また、動物的能力しか基本的に測定できない学力試験で男性より高い点数を平均的にとることが可能。で、韓国(朝鮮)亜文明は、古今東西、世界で唯一と言ってよさそうな女性的な(亜)文明ではないか、というのが私の最近の見方だ。↓>
 「1988年に公開された宮崎駿監督のアニメーション『火垂るの墓』は主人公の清太・節子の兄妹が第2次世界大戦中に経験した避難生活を扱っている。日本海軍大尉だった父は戦死し、母も米軍の空襲で命を失う。その後、浮浪児になった兄妹が栄養失調で息を引き取るまでの過程を描いている。完成度が優れていて世界アニメーション史に残る名作に挙げられる。
 韓国国内では2005年に公開が推進されたが、配給会社側が「国民の感情に受け入れられない」として延期した。2014年の公開後にも注目を引くことができなかった。戦争を起こした日本が「被害者コスプレ」をするという批判のためだ。しかし原作小説の作家・野坂昭如は2015年に死去する直前まで「この国に太平洋戦争前の時期が徐々に近づいているのは確実だ」とし、日本の右傾化を批判した。日本が被害者ということを強調する意図はないとみられる。反日感情のために名作に背を向ける格好となった。・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292648
 <私がすぐ上で言ったことを念頭に置いて、下掲を、できれば、引用部分だけじゃなく、全文を読んであそばせ。↓>
 「・・・忠烈王<は、>元王朝の日本侵略を自らの王権強化のための材料として最大限利用したとも言えます。その意味において、忠烈王は政治的に大きな成果を挙げました。以後も朝鮮の王や為政者たちは忠烈王を模範として「虎の威を借りる狐」を演じていくことになります。  
 14世紀に編纂されたモンゴルの歴史書『集史』には以下のようにあります。  
 (忠烈王)はフビライに寵愛された王と知られているが、実際には王ではなかった。――ラシード・ウッディーン『集史』、フビライ・ハン紀」
https://news.yahoo.co.jp/articles/5e7d471ad4f3e6e9b0fa98b2827bdff7925e404b
 <だから、アイゴーは永遠に続く。↓>
 「韓国の「国産化成功」はうそだった?ノージャパンから3年の現状に韓国ネットも注目・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896736-s39-c20-d0191.html
 <日本政府も日本の企業も関わらない解決法しかないって、いい加減分かんなよ。↓>
 「「韓日「現金化時限爆弾」どのように止めるか[下]強制徴用21万人の一部だけ賠償?…代位弁済「悪魔のディテール」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/292627
 <もう、ここまでくると、文カルト健在としか言いようがないね。↓>
 「元徴用工問題、日韓企業の自発的基金で補償する「代位弁済」案が急浮上?=韓国ネットは否定的・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896759-s39-c100-d0191.html

 鼻くそと較べりゃ、目くそはキレイに見えるってことさ。↓

 Why ex-French colonies are joining the Commonwealth・・・
https://www.bbc.com/news/world-africa-61967842

 中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓

 <人民網より。
 そうなれればいいんだけど。↓>
 「日本は世界一の水素エネルギー国になろうとしているか?・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2022/0628/c94476-10115847.html
 <ここからは、レコードチャイナより。
 どうでもいいから、日本に移住を!↓>
 「日本のインターナショナルスクールに中国富裕層が注目?「近くて文化も似ていて安全」・・・香港メディアの香港01」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896726-s25-c30-d0052.html
 <ガンバレー。↓>
 「「朝鮮人は出て行け」と罵声浴びたことも……私が日本で高齢者を介護する理由―在日中国人介護士・・・中国メディアの三聯生活週刊・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896589-s25-c30-d0202.html
 <いつものことながら、サッカーに関心持ち過ぎ。↓>
 「<サッカー>南野拓実がモナコへ移籍、中国のリバプールファンも惜別=「残念」「彼の貢献は偉大」・・・リバプールの中国版ツイッター・微博(ウェイボー)アカウント・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896789-s25-c50-d0052.html
 <同じく。↓>
 「アジア人サッカー選手の市場価値、韓国のソン・フンミンが断トツ1位、トップ10に日本勢4人・・・中国のスポーツメディアの直播吧・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896663-s25-c50-d0192.html
 <お出になられました。↓>
 「羽生結弦の「汗」に中国ファン反応=「臭いはずがない!」「彼の汗は若返りの水」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b896727-s25-c50-d0052.html
 <気にしない、気にしない。↓>
 「日米豪英NZがまた新たな構想、やはり狙いは中国か・・・新浪新聞・・・」

https://www.recordchina.co.jp/b896658-s25-c100-d0193.html

                --映画評論68:Mr. ノーバディ--

アマゾンプライムで星4つ超だったので鑑賞。
 「『Mr.ノーバディ』(原題:Nobody)は、2021年の<米>国のアクション・スリラー映画。平凡で何者でもない存在(ノーバディ)として妻子と暮らしていた中年男の活躍を描いている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/Mr.%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%87%E3%82%A3
 日本のかつて勧善懲悪もの時代劇と同様に、超人的主人公が悪党どもを成敗する、という、結末が分かり切っているけれど、カタルシスが得られること請け合いの定番米映画の秀作。
 日本のとは違うのが、血生臭さがダンチってこともいつも通り。
 傑作なのは、この映画の悪党どもが、ロシアン・マフィアであること。
 ロシアン・マフィアって、こういう代物だ。↓
 「イタリア<で>は、ロシア国外に活動するロシアンマフィアの人員総数を30万以上と見積もっている。・・・ドイツ<では、>・・・<欧州>に活動するロシアンマフィアの人員総数はおよそ16万と見積もられ、イタリア系の7万を超える最大勢力となっている。・・・
 アメリカ大陸にあっては、南アメリカから北アメリカへの潜水艦を用いての違法薬物の密輸や、マリアナ諸島やグアムを用いての・・・資金洗浄・・・への着手などが確認されている。メキシコのいわゆる麻薬王らが米国への麻薬輸出から上げた利益のうちの3割はロシアンマフィアを通して洗浄されているという。南米コロンビアの左翼ゲリラ・FARC(コロンビア革命軍)に武器を供給する代わりに同ゲリラから麻薬を仕入れていると見られている。コロンビアから<欧州>へのコカイン流通の3割以上を掌握しているという。
 極東のウラジオストクは外国マフィアとの窓口であり、北東アジア諸国を相手に武器と麻薬を密輸している。サハリン州ではおよそ13の大規模な組織が活動しており、日本の水産関係者とのトラブルが確認されてきたほか、日本のヤクザと連携しているともいわれる。日本における活動の拠点は北海道で、盗難車の密輸出や、大麻・アヘンなどの違法薬物の密輸入、銃器の密輸入、オホーツク海で密漁したカニの密輸入などに着手してきたという。盗難車の密輸出に関しては、小樽港や石巻港、新潟港などを経由してこれを行ってきたという当事者による証言がある。・・・
 セミオン・モギレヴィッチ<は、>ユダヤ系ウクライナ人<で、>1990年代までに東欧地域最大の犯罪組織を築いた“ロシアンマフィア”の首領として知られる人物で、・・・FBI10大最重要指名手配にその名を連ね、FBIから「世界で最も危険なギャング」と呼ばれている。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%83%95%E3%82%A3%E3%82%A2
 まさに、ロシアは図体のデカイ北朝鮮なのであり、この映画は、米国がそんなロシア・・ウクライナ内の「ロシア的なもの」を含む・・を、近々ぶっ潰そうとすることを予告したもの、といった趣がある。
 で、出来過ぎた成行ながら、我々は、現在、ウクライナ戦争という名の、米国(と英、EU)による対露最終戦の只中にあるわけだ。
 私が、この映画とは違って、結末が、共倒れというか、ロシアを含めた広義の欧米世界の奈落への真っ逆さまの転落であることを期待していることは、皆さん、ご存知の通りだ。

                --映画評論69:シャーロック・ピンク色の研究--

 同じく、アマゾンプライムで星4つ超だったので鑑賞。
 つい最近、自分が和製ホームズを「演じた」こと、そして、舞台が私の勝手知ったるロンドンであること、が私の背中を押して、ダブルヘッダー鑑賞とあいなった。
 映画だと思い込んでいて、ウィキペディアを探すのに時間がかかってしまったが、「BBCが2010年に制作したドラマ『SHERLOCK』のシーズン1・エピソード1の・・・『ピンク色の研究』<(A Study in Pink)。2010年初放送。>」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%94%E3%83%B3%E3%82%AF%E8%89%B2%E3%81%AE%E7%A0%94%E7%A9%B6
だった。
 ホームズ・ファンにはたまらない、オリジナルのホームズもののもじり山盛り作品。
 「事件」そのものは、殆ど支離滅裂な内容なのが残念と言えば残念なのだが、そんなことはどうでもいいと言いたくなる傑作。

 それにしても、主演のベネディクト・カンバーバッチの演技力には鬼気迫るものがある。

<太田>

 本日朝、X299パソコンが電源が切れない状態で、3ディスプレイともブラックアウト。
 強制終了して、起動させ、修復しようとして、検索ワードを忘れていて、太田コラムファイルの修復方法記載の場所まで行き着くのにエライ時間がかかってしまった。
 ようやく実施できた3つの修復、いずれも修復が行われるという椿事に。

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太田述正コラム#12842(2022.6.29)
<伊藤之雄『山県有朋–愚直な権力者の生涯』を読む(その17)>

→非公開