太田述正コラム#2503(2008.4.23)
<皆さんとディスカッション(続x120)>
<ケンスケ2>
 コラム#2116「魔女狩り(その2)」を読みました。
 資本主義の力が,中性的社会秩序を崩壊させ始めたとき、中性的秩序を維持しようとする勢力が、最後の抵抗を試みたのが、魔女狩りの現実であったのではないかと思います。 若い女達の動向こそ、社会秩序の土台を掘り崩す先兵の役割を果たすものですから。いつの時代でも。
 今秋葉原や渋谷に集まっている少女達と、それを取り巻く男達のように。
<太田>
 「魔女狩り」シリーズ(コラム#2114、2116)を読み返してみました。
 #2114の冒頭部分が典拠にしている当時のウィキペディアに基づき、「魔女狩りで死刑に処せられた人々・・・の総数は、」「英国は4,000~5,000人」を「イギリスは300人~1,000人」と変更した方が話の筋が通るので、改めたいと思います。ついでに、「アイルランドでは」「4人」も「4~10人」に改めたいと思います。
 それにしても、#2114の冒頭部分が典拠とした記述が、2007年10月9日アクセスのウィキペディア(
http://en.wikipedia.org/wiki/Witch-hunt
)から、完全に消え失せている(4月23日アクセス)のには弱りましたね。
 イギリス至上主義的ニュアンスを嫌った人物がバッサリ削った可能性があります。
 私がインターネット上の典拠に「何月何日アクセス」と常に記している意義を改めて感じました。
 さて、ご指摘についてですが、「魔女」とされた人々の年齢を記した資料を目にしたことはありませんが、上記典拠には(昨年と今年とどちらも)魔女裁判の対象は助産婦だったのであり、黒死病によって減少した人口を回復させるために、伝統的にバースコントロールを担ってきた助産婦を絶滅しようとした、という趣旨の(やや眉唾物の、しかし)有力な説が紹介されており、魔女が「若い女性」であったという印象はありませんね。
 
<大>
 コラム#2501を読みました。
 法学って理系的なのですか?
 僕も法学を勉強してますけど、いまだ理系だと思ったことはありません。
 というか、どういうものが理系なのかあまりわかっていませんので、よろしければ教えてください。
<太田>
 私は自分自身が、科目が文系であるか理系であるかを判別するリトマス試験紙であると自負(?!)しています。
 人間や人間社会に係る具体的な事柄からのアナロジーで理解、習得できる科目は文系であり、そうでない科目、このような意味で抽象度の高い科目は理系なのではないでしょうか。
 大昔、C.P.スノーの『二つの文化と科学革命』を読んだことがあり、中身を覚えていませんが、読んでみられたらいかがでしょうか。
 この本は、1959年にスノーが行った「西欧、ことにイギリスにおける科学的文化と人文的文化の隔絶と対立が文化そのものはもとより、正常な社会の進歩までをも阻害しているとして、伝統的な教育制度の抜本的改革を断行すべきことを提言した」講演等を収録したものである、とアマゾン(
http://www.amazon.co.jp/%E4%BA%8C%E3%81%A4%E3%81%AE%E6%96%87%E5%8C%96%E3%81%A8%E7%A7%91%E5%AD%A6%E9%9D%A9%E5%91%BD-C-P-%E3%82%B9%E3%83%8E%E3%83%BC/dp/4622049708。4月23日アクセス)で紹介されています。
<コバ>
 米軍への思いやり予算の新協定案が参議院で否決される見通しです(
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2008042201000647.html
)。
 しかし、条約はガソリン暫定税率のようにはいかないみたいで、採決されれば衆院議決が優先され5月上旬には新協定案が発効する模様です。
 全駐留軍労働組合 (吉田ドクトリン勢力?)は民主党の思いやり予算新協定案反対に対して反発していますが、思いやり予算全廃に事が運んだら米軍基地で働いている人たちの雇用問題はどうなるのでしょう? 思いやり予算というムダを無くせば浮く予算で別の雇用機会が作れるでしょうか(SelfーHelpに反するかも)?
 いまだに自民党がぶっ壊れない属国日本でこんな心配ごとしても意味がないのでしょうが・・。
 税金のムダ使いとは何なのか、自分たち納税者はよっくと考え、思いやり予算を続け、米国の植民地であり続けようとする政府自民党公明党と戦わなければならないと思います。
<太田>
 思いやり予算中の在日米軍基地従業員の給与負担については、独立採算制の店舗等で働いている従業員の給与負担を止める、従業員給与で国家公務員より優遇されている部分を撤廃する、従業員給与の100%負担を止める、従業員給与負担を完全に止める、という順序で減額、廃止を図るべきです。
 廃止されれば、当然基地従業員の数は大幅に減るでしょうが、米軍にとって必要不可欠な従業員が残るということであり、それが自然な姿でしょう。
 とにかく、在日米軍はどんどん減るのに従業員はどんどん増えるという目も充てられない状況、恐るべき税金の無駄遣いによる宗主国米国への奉仕、に一刻も早くメスを入れるべきです。
 話は変わりますが、ペンシルバニア州での民主党大統領予備選で、開票率82%の現在、でクリントンがオバマを10%リードしており、この差を維持しそうです(CNN)。
 オバマが、かねてから予想されていた同州でのクリントンとの差を全く縮められなかったということであり、予備選の決着はどうやら全予備選終結まで持ち越されそうですね。
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太田述正コラム#2504(2008.4.23)
<ロシアの体制(その1)>
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