太田述正コラム#2564(2008.5.23)
<皆さんとディスカッション(続x143)>
<コバ>
豪州政府によるカンガルー駆除計画に反対するアボリジニの活動家たちが、政府の敷地に不法侵入したとして逮捕されました(携帯サイトですが、
http://keitai.cnn.co.jp/i/jp/top/K0200805210011.php?uid=NULLGWDOCOMO
)。
 増えすぎたカンガルーがトカゲや昆虫など他の固有種を脅かしているとして、豪政府はカンガルー駆除計画を打ち出したようです。
 この場合、絶滅に瀕するトカゲや昆虫がクジラ、それらを脅かしているカンガルーは日本と置き換えられるのでしょうか。でも、日本が捕鯨を正当化するなら、豪政府のカンガルー駆除も正当化されるのかも…?
<太田>
 私がコラム#2489でやった議論ですねえ。
<まこっちゃん>
コラム#2560(四川大地震と核)についてですが、太田さんの示された記事のソースが新華社なので安全そうなことが書いてありますが、下記のページを見る限り、安全どうか分からないみたいですよ。
http://www.iht.com/articles/ap/2008/05/20/asia/AS-GEN-China-Earthquake-Nuclear.php
<太田>
 この地域は、記録に残っている限り・・つまり少なくとも3世紀の三国志の蜀の時代以降・・大地震のなかった地域であり、にもかかわらず今回大地震が起こったことで、日本の地震専門家の間に衝撃が走っているといいます(
http://www.asahi.com/science/update/0521/TKY200805210150.html
。5月22日アクセス)。
 ここに核施設を中心的に設置したことはよく分かりますね。
 さぞかし、中共当局も衝撃を受けていることでしょう。
<ちんみ>
 朝なま出演とのことで・・
http://www.uedam.com/
↑律令/ボーンズ・植田さんと親交のある中田安彦氏の、ジャパンハンドラーズ~
http://amesei.exblog.jp/
テレビを見ると馬鹿に為ると言ったのは誰だったっけ~ から
(貼り付け開始)
 インターネットのブログランキングでは、左派や中道は概して不人気で、熱の籠もった右派(つまり、理由無き反中派系)のブログが人気らしい。彼等は、テレビのトークショーに登場する、中国系コメンテーターやリベラル系コメンテーターの「中国擁護」発言にマジで怒っているらしいのだが、このようなトークショー番組自体が「やらせ」であるということにはまったく気が付いていないようだ。TVタックルなんていうのはただのテレビ版のプロレスであって、やらせそのもの。
 保守系の岡崎久彦氏は以前、読売の「地球を読む」で、テレビ番組の「やらせ」性について実体験を書いていたことがある。「朝生」も全部仕組まれていて、キャラ立ちするパネリストが、自分にあてがわれた発言をするだけである。
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参考:岡崎久彦HPより引用
 もっとひどい例もある。これは民放四局のうち一つだけに顕著な傾向であるが、はじめから自分でシナリオを書いて出演者にそのシナリオどおりの役を演じさせようとする。その局だけであるが、「こういう番組に出演依頼を考えているがその前にお話を伺いたい」と面会を求めて来る。私はこういう面会依頼には応じない。私の考えなどは、そこいらへんの新聞や雑誌を見れば分かる話である。ひとの時間を取ってその上で出演依頼の可否を決めるなど時間のムダである。
 或る時などは、何を言って欲しいか見え見えだった。私がそれを言えばそれだけを引用することは見えているから、そうでない私の説明の部分を引用しろよ、と念を押したにもかかわらず、やはりその部分だけを引用して、それに対する反論を紹介していた。理由付けの部分まで引用したのでは私の主張に説得力が強くなりすぎるからであることは明らかだった。今後このチャネルとはよほど事前に念には念を押した上でなければ付き合わないことにしている。
まったく日本のテレビは!
(2005年5月21日付平河総合戦略研究所メルマガ【甦れ美しい日本】NO.014掲載岡崎 久彦
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 例えば、「森永卓郎氏が竹中平蔵を持ち上げる」というのはキャラに反しているのであり、それは許されないというだけで、「青山繁治氏がモリタクを持ち上げない」というのと一緒である。ただ、それだけのことである。彼らが、カンペ(カンニングペーパー)を無視して「本音」を話したり、役回りに反した発言を繰り返すと、スタジオがしらけるのだろう。
 今のテレビは「楽しくなければテレビじゃない」という昔のキャッチフレーズを通り越して、楽しくもないし、見ていても俗悪な気分が乗り移るだけである。
 この番組には何人かレギュラー的に国会議員が出演しているが、本当に上品な国会議員はそういうくだらない番組には出演しないものである。だから、こういう場所で出て、名前を売ろうとする政治家はレベルが知れる。
 国会議員の活動の場所は議場だろう。
 最近、朝日の記者だと思うが若宮啓文という人の『忘れられない国会論戦』(中公新書)を読んだ。昔の国会論戦の史上再現なのだが、これがおもしろい。
 国会がつまらなくなったのは、国会法78条に規定された「自由討議」が廃止されたところからだったと若宮氏はいう。この78条は現在は削除されている。
 同じ趣旨を、小室直樹は『日本の敗因』で次のように解説している。…
(貼り付け終わり)
 忠犬ポチ…をっと失礼~岡崎久彦の言うことですが、ことTVに関しての見方は正しいのでしょう。
 (テレビ)映像や音声では、文字で表現するだけでは伝わらない、その人となりが とくに「討論番組」では、感情の起伏などの、紙媒体では絶対出来ない(テレビならではの)面白さを引き出すことが出来る・・と、テレビ東京を退社した当時の田原氏が言っていたのを今でも忘れません。 (←現在の、テレビにおける田原氏の出世の要因でつね…。)
 田原氏は当然出演者たちに、感情を表に出すよう(興奮させ激高させる)意図して司会をしています。
 太田さんがつい乗せられ熱くなる…なんてことは無いとは思いますが、こわい媒体でもありますね。  
 私自身も以前、(ローカルTVですが)絶対に使わないで~と頼んだコメントを、(局側が)承諾したにもかかわらず放映されたことが数回あります。 
 もー馬鹿らしくって…。
<太田>
 色々どうも。
 ただ、編集が入る番組(讀賣TVの「たかじん・・」や日テレの「太田総理」)と入らない番組(日テレの「ここがわからん!」や朝日放送の「ムーブ!」や「桜」の討論番組やテレ朝の「朝生」)とはかなり趣が違うと思いますよ。
<スワン>
 太田様のことは、防衛省守屋元次官の事件のときから注目しています。
 ブログも読ませて頂いています。
 私はパリ在住で○○をしています。
 フランスの報道を見聞きして、チベット問題に関心を持っています。太田様のチベットについての記事を拝読して、大変勉強になりました。
 太田様は今後、チベット問題、中共の今後について、更に執筆なさるご予定でしょうか。
 もしそのご予定でしたら、アマゾン・ギフトカードを用いて有料会員になりたいと思います。
 最後になりますが、太田様の主張に、私はとても共感しています。歴史認識についても、ほぼ同感です。
<太田>
 中共についてはもちろん取り上げ続けます。
 その中で、必要に応じチベット問題も取り上げることになります。
 (仏教を論じる際にチベット仏教を取り上げることもあるでしょう。)
 なお、アマゾン・ギフト券を使った支払い方法は、
http://www.amazon.co.jp/gp/gc/250-0633390-3593827?ie=UTF8&%2AVersion%2A=1&%2Aentries%2A=0
をご覧下さい。
<スワン>
 チベット問題については、いろいろな視点からの意見があることを調べました。
 その中で、一番心にすとんと納得できたのは、太田様の「チベット総攬続×4」にあった、英ガーディアン誌の「チベット人の反資本主義性向」の記事です。これを読んで、私がチベット人に共感する理由がわかった気がしました。私は拝金主義が大嫌いなので。
 私の知る限り、この記事は日本人では他に誰も指摘していないことだと思います。
 私は、この記事について、太田様の掘り下げたご意見を聞きたいです。中共が、チベット仏教をどう捉えているかも知りたいです。
 日本から取り寄せ中で、私はまだ読んでいないのですが「中国はチベットをいかに侵略したか」という本に、この30年で120万人のチベット人が中共に虐殺されたと書いてあるようです。この本は、欧米のプロパガンダと言う「国際評論家」もいます。太田様のご意見をお聞きしたいです。
「中国はチベットをいかに侵略したか」
http://www.amazon.co.jp/%E4%B8%AD%E5%9B%BD%E3%81%AF%E3%81%84%E3%81%8B%E3%81%AB%E3%83%81%E3%83%99%E3%83%83%E3%83%88%E3%82%92%E4%BE%B5%E7%95%A5%E3%81%97%E3%81%9F%E3%81%8B-%E3%83%9E%E3%82%A4%E3%82%B1%E3%83%AB-%E3%83%80%E3%83%8A%E3%83%A0/dp/477004030X/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1211442876&sr=8-1
<太田>
 120万人虐殺説はデマです。
 私がコラム#2441で引用したニューヨークタイムス掲載コラムを読んでみてください。
<スワン>
 私は、中共が崩壊して早く中国が民主化することを願っています。
 でも、中共が崩壊すると世界経済が大恐慌になるとか、日本が大混乱に陥るとか、日中戦争が勃発するなどと書いている本もあるようです。「中国脅威論」が今、日本で話題になっているようですが、そのあたり、どうお考えになりますか。
 これは太田様の得意とされるところだと思いますが
・中国が、軍事力を強化している目的
・中国はどこを仮想敵国としているのか
・中国は台湾を併合しようとしているのか。将来的に日本も併合するつもりか。
・読売新聞主導で憲法9条改憲に世論を持っていこうとしている(ように私には見えます)のは、自衛権を明文化して、日本がどこと戦うことを想定しているのか
 以上が私が一番知りたいことです。
 もちろん、太田様が私の質問に答える義務はないと承知しています。もし、太田様が私の疑問点に触れる形で今後の執筆をなさってくださったら、大変光栄です。
 太田様の知識と勉強量に比べたら、私なんて全く足元にも及びませんが、私も最近、ミクシィ日記でチベット問題について書いています。でも、ほとんど反応がありません。理解してくれる人がほとんどいなくて、もう書くモチベーションがなくなってきました。
 太田様は毎日、膨大な資料を元に記事を書いていらっしゃっることに感服します。そのモチベーションはどこからくるのか、と考えるとやはり日本を変えたいという使命感なのかな、と思います。
 私には、共感してくれる友人がほとんどいません。だから、私は私が共感する太田様を支援しようと思いました。それが有料会員となった理由です。
<太田>
 天然資源や農作物の輸入元、日本の資本財、消費財の生産拠点かつ輸出先として、経済面では、日中は(少なくとも現状においては)補完関係にあり、中共は日本にとって脅威ではありません。
 軍事的にも、核の脅威を除き、(少なくとも現状においては)中共は日本の脅威ではありません。
 政治的には、ファシスト国家である中共は日本と相容れないものがあるところ、人口が13億人のその中共が高度経済成長を続けていることが、世界の自由民主主義化の阻害要因となっていることは否定できず、天然資源産出国に非自由民主主義国が多いこともあり、政治的には中共は日本の脅威です。
 以上は、「日本」を、その宗主国「米国」と置き換えても成立します。
 中共が軍事力の透明性が極めて低いので確としたことは言えませんが、経済が高度成長していて軍事力強化に相応のカネを回すことができるということでしょう。
 いずれにせよ、(まだ本格的な渡洋攻撃能力を持っていない以上、)中共の仮想敵国は全周辺諸国と米国に限定されているはずです。
 中共は台湾を併合しようとしていますが、当分の間は、非軍事的手段で画策を続けるだけでしょう。将来的に日本を併合するつもりなどは全くないと思います。
 なお、憲法を改正しようがしまいが、私は日本が、独英仏以上米国未満の自由民主主義大国として、独立の暁には、自由民主主義陣営の一員として、軍事力においても世界の平和と安定に貢献するのは当然だと思っています。
<スワン>
 コラム#2562のホロコーストの記事についての感想です。
 私は、子供の頃「アンネの日記」を読んで衝撃を受けて以来、ホロコーストの問題に関心を持っています。
 先月、アムステルダムに行った際、アンネ・フランク一家の隠れ家を見ました。
 隠れ家には、よく言われているような「狭い」とか悲惨さを感じませんでした。語弊があるかもしれませんが、むしろ恵まれた住環境だと思いました。日本の低所得者のほうがよっぽど悲惨な家に住んでいると思います。
 アンネ・フランクは父が会社経営者の裕福な一家に生まれて、良い教育を受けたからあんな感性豊かな日記を書けたんだと思いました。本当の悲劇は、アンネが息の詰まる潜伏生活を送ったことではなく、アンネのように良い教育を受けて頭脳優秀で将来のある少女が、ユダヤ人であるためにアウシュビッツに送られて、人生を強制終了させられたことだと思いました。
 次は強制収容所を見に行かなくてはと思い、今月上旬にドイツのミュンヘンに行きました。
 ミュンヘン近郊にある「ダッハウ強制収容所」を見学しました。
 ご存知のことと思いますが、ダッハウはナチスドイツが最初に作った強制収容所で、ユダヤ人も収容されていましたが、主にナチスドイツに反対する政治犯を投獄する目的の収容所です。
 ここで、1999年まで一般公開されなかったという「バンカー」と呼ばれる囚人の拷問のための独房を見ました。
 拷問の跡があまりにも生々しく、衝撃のあまり眩暈がしたほどでした。
 ダッハウ強制収容所で私が見たこと、感じたことをパリに戻ってからフランス語のクラスで話したところ、クラスメイトからいろいろな反応がありました。その中で一番ショックを受けたのは韓国人男性(おそらく50歳代?)が急に怒り出し、「日本も同じことをした。朝鮮人を収容所に入れて、拷問して殺したじゃないか」と私を責めたことです。
 彼が何を指して収容所と言っているのか未だにわかりません。
 強制連行のことかもしれないし、単にフランス語能力の問題かもしれないし、韓国では反日教育であることないことを教えているのかもしれません。
 太田さんはどう思われるでしょうか。
 ちなみにこの韓国人男性は、高学歴の国連職員です。いつもはとてもいい人で親日家なので、こんな反撃をされるとは夢にも思いませんでした。
 私はナチスドイツの行ったホロコーストと、日本軍が韓国・中国で行った加害行為(中共の捏造が多いと思っていますが)は全く違うと思っています。
 太田さんのホロコーストについてのコラムをこれから読んで、もっと勉強しようと思います。
≫何度でも、私がとにかく強調したいのは、(ヒトラー個人の関与の有無いかんにかかわらず、)ドイツ人のコンセンサスを踏まえてナチスドイツ当局が組織的計画的に推進したホロコーストと、日本人が「旅先」における規律の弛緩によって引き起こした南京事件等とを、われわれは決して同列視してはならない、ということです。≪
 私も全く同感です。強制収容所を見に行ったこと、フランス語のクラスで韓国人に反発をくらったこと、でも英語のクラスでも話すつもりだとミクシィ日記で書いたところ、友人に「そんなことを話すと、日本もアジアで同じことをしたと責められるからやめたほうがいい」と言われてしまいました。
 私はそう言われると余計奮起する性格なので、英語のクラスでも話したところ、フランス人たちとアメリカ人から深い理解と共感を得られました。
 私の日記へのコメントの中で、日本人の中に、ナチスドイツのホロコーストと南京大虐殺(これも中共の捏造部分が多いと私は思っていますが)を同一視している人がいることに、落胆を感じずにはいられませんでした。
 私の疑問は、今のドイツ人はホロコーストをどう認識しているかということです。ドイツでは、日本の自虐史観のように、ひたすら過去を反省して罪悪感を持たされる教育をしているのでしょうか。
 ホロコーストについての更なるご執筆をお待ちしています。
<太田>
 私もアンネの家を訪問したことがあります。第一回目の留学(スタンフォード大学)から帰途についた1976年のことです。
 現在のドイツ人のホロコースト認識についてはコラム#2118を、日本の朝鮮半島における「ホロコースト」については、コラム#2166、2168をご覧下さい。
<バグってハニー>
コラム#2552と2556についてですが、米国税関が新制度を近くスタート、入国者が所持するPCのデータを丸ごとコピー
【Technobahn 2008/5/16 15:07】
http://www.technobahn.com/news/2008/200805161507.html
この記事はどうやらガセのようです(テクノバーンは与太記事を飛ばすことで有名)。 この記事で言及されているガーディアン紙のコラムニストのブルース・シュナイアーさんの記事はおそらくこれ↓
http://www.guardian.co.uk/technology/2008/may/15/computing.security
確かに15日付になっています。それでこれどう読んでも「米国税関が新制度を近くスタート、入国者が所持するPCのデータを丸ごとコピー(テクノバーン)」というふうには読めません。
米国税関が外国から米国に入国する全ての人が所持するPCに保管されているデータを入国審査時にハードディスクごと丸ごとコピーするという新制度を近く導入する方向で準備を進めている(テクノバーン)
というのは、
Customs and Border Patrol has not published any rules regarding this practice,and I and others have written a letter to Congress urging it to investigate and regulate this practice.(ガーディアン)
のまるっきり逆のことを書いていると思います。
 ガーディアンの記事は米国裁判所の判決から始まってますけど、これは2005年にフィリピンから米国に入国した際に児童ポルノの違法所持の廉で捕まった男性が、入管当局が事前の許可なしに捜査・押収したPC内の情報の証拠能力について争っていた事件で、加州の控訴裁判所がその適法性を認定して有罪判決を下した、というものです。
つまり、入管当局には入国時にPCをチェックする権限がありますよ、という判断をある裁判所が下した、というだけのことであって、「米国税関が外国から米国に入国する全ての人が所持するPCに保管されているデータを入国審査時にハードディスクごと丸ごとコピーする」というのはどう考えても拡大解釈しすぎです。
このテクノバーンの記事を詳しく検証したブログはこちら。
http://d.hatena.ne.jp/nofrills/20080518/p1#20080518fn6
<太田>
 コラム#2558の消印所沢さんの投稿といい、貴殿のこの投稿といい、さすが名誉有料読者でいらっしゃる。レスポンスが速いしよく調べてる!
 お二人の投稿については、原則として無審査で掲載させていただいてます。
 有り体に申さば、検証をサボらせていただいてるってことです。
<バグってハニー>
コラム#2561、2563(どちらも未公開)ですが、日本語だとシェリー・ブレアじゃないですか?
http://book.asahi.com/news/TKY200710270233.html
<太田>
 やっぱりそうかあ。
 一度全部「シェリー」と書いてから、アップする直前に思い直して「チェリー」に書き換えたんですよ。直し忘れて一箇所だけ「シェリー」のままになっちゃったけど・・。
<読者A>
 –2557と2559への突っ込み–
≫米国人の私的債務は1987年と2007年の間に11兆米ドルから48兆米ドルへと約4倍に増えたのだ。≪(コラム#2557(未公開))
 四倍に増えたってのは書いてあるとおりですが、この増えた分(数字)は債務じゃなくて資産では?
 でないと、
≫2001年から2007年にかけてだけで、私的債務は8兆5,000億ドルから14兆5,000億ドルに増加した。≪(コラム#2559(未公開))
という説明と合わない気がします。
参考:http://www.jri.co.jp/thinktank/research/eye/2007/0702-2.pdf
 後、上記グラフを見る限り、資産の増加分は負債より若干多いように感じます。
 まだまだ大丈夫のような気が・・ってのは甘過ぎでしょうか?(w
<太田>
 ご指摘ありがとうございます。
roughly quadrupling U.S. credit-market debt between 1987 and 2007
http://www.latimes.com/features/books/la-et-rutten16apr16,0,4337030.story
Phillip’s adds how this switch and the resulting American “prosperity” was accomplished by creating a mountain of debt, which in the past two decades has “quadrupled from nearly US$11 trillion to $48 trillion.”
http://www.atimes.com/atimes/Global_Economy/JE10Dj02.html
In 20 years, debt has quadrupled to $43 trillion,
http://www.post-gazette.com/pg/08097/870372-148.stm
から、コラム#2557の
「米国人の私的債務は1987年と2007年の間に11兆米ドルから48兆米ドルへと約4倍に増えたのだ。」
は、
「米国人の債務は1987年と2007年の間に11兆米ドルから48兆米ドルへと約4倍に増えたのだ。」に訂正させていただきます。
 また、
From 2001 to 2007 alone, domestic financial debt grew to $14.5 trillion from $8.5 trillion, and home mortgage debt ballooned to almost $10 trillion from $4.9 trillion, an increase of 102 percent.
http://www.nytimes.com/2008/04/21/books/21gewen.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print
から、コラム#2559の
「ここで、もう一度米国における私的債務の増加問題に戻ろう。私的債務は8兆5,000億ドルから14兆5,000億ドルに増加した。そのうち、住宅抵当債務は4兆9,000億ドルから10兆ドル近くまで102%も増えた。」
は、
「ここで、もう一度米国における債務の増加問題に戻ろう。2001年から2007年にかけてだけで、国内金融債務は8兆5,000億ドルから14兆5,000億ドルに増加し、住宅抵当債務は4兆9,000億ドルから10兆ドル近くまで102%も増えた。」
に訂正させていただきます。
 経済通の方から見れば、まだ訳語が不適切なところもあるでしょうが、とにかく、私にとって不慣れな経済データを扱う時は、より慎重に訳すべきだったと反省してます。
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太田述正コラム#2565(2008.5.23)
<ミヤンマーに人道的介入?(続々)(その1)>
→非公開