太田述正コラム#2566(2008.5.24)
<皆さんとディスカッション(続x144)>
<びり江>
 「総理になって欲しい有名人」(オリコン調べ)で太田光が1位になったそうです。
「太田総理」の影響が大だとか。国民て馬鹿ですね。
<太田>
 お気持ちは分かります。
 しかし、細川さんまでの総理だって中には太田光未満の人物がいたけど、細川さん以降に至っては、太田光未満の人物ばかりじゃないですか。
 そういう意味では、こんなメンメンを総裁に選んできた自民党議員達はみんな馬鹿ですし、その自民党議員達をずっと選んできた多くの国民はもっと馬鹿でしょう。
<コバ>
 日本人は、早急にお上に対する信頼感なる幻想を捨て去らなければならない(コラム#2562)、というのは非常に説得力があるのですが、お上の腐敗や退行を毎日毎日ニュースで見てるというのに、自民党や公明党が日本人によって淘汰されようとする気配が全くありません。
 警察や法務省は怖いなんて言ってるアングラサイト(
http://www.nikaidou.com/2008/05/post_1256.html
)を読むと、日本人はお上への信頼感(という幻想)とともに、畏れも抱いているのではないかと思います。時代劇見てても悪代官に叩頭しまくってる日本人ですし、自分も警察とかお上の人は怖いなと思いますし…。
 でも昔の人たちは一揆をたくさん起こしてたんだし、今の日本人にはワシントンのエージェントたる自民党公明党を政権から引きずりおろす投票一揆を望みたいところです…。
<太田>
 悪代官に震え上がっても、最後は黄門様が登場して一件落着、ってのが定番じゃないですか。
 引用されたサイトに出てくる交通取り締まりをやってるお巡りさんへの信頼感だってなんだかんだ言っても高いんじゃありません?
 絶対賄賂きかないしね。
 それはそうと、投票一揆の前に、デモ隊が国会や霞ヶ関を連日のように取り囲む、デモ一揆が起きそうものですが、その気配もありませんねえ。
 
<スワン>
 今日、あるフランス人から「フランス人成年男性には1年の徴兵がある」と聞きました。その人は、徴兵制を肯定的に捉えていました。
 中国には徴兵制はありますか?
 日本に将来、徴兵制が敷かれる可能性はあるのでしょうか?
<太田>
 徴兵義務は、独立国家においては、中共のように憲法上規定があろうが、米国のように憲法上規定がなかろうが、国民の当然の義務です。
 しかし、特定の独立国家において現実に徴兵制(draft)が敷かれているかどうかは、別問題です。
 中共では一度も徴兵制が敷かれたことがないのに対し、米国は、南北戦争の時、第一次世界大戦の時、及び第二次世界大戦参戦直前からベトナム戦争の頃、しか徴兵制を敷いてはいません。
 (以上、
http://en.wikipedia.org/wiki/People’s_Liberation_Army
http://en.wikipedia.org/wiki/Conscription_in_the_United_States
 私の知る限り、憲法(解釈)上、国民に徴兵義務を課すことが禁じられている国は世界広しといえども日本だけです。
 日本が将来徴兵制を敷くかどうかにかかわらず、このような憲法を改正するか憲法解釈の変更(判例変更が必要です)を行わない限りは、日本は半国家のままであるということです。
 では、日本は将来徴兵制を敷く必要が出てくるでしょうか。
 少子化やヒトの面での開国の今後の進展いかんによる、としかお答えできませんが、軍隊の構成員の補充のための狭義の徴兵制より、有事において国民の各層のマンパワー面での協力を義務づける広義の徴兵制の導入・・こちらは憲法改正ないし憲法解釈変更なくしても導入可能と思われる・・の方が重要だと思います。
<遠江人>
 –日本のWeb文化から垣間見える縄文的文化?–
Wikipedia利用率、米国より日本のほうが上 Q&Aサイトも好き? – ITmedia News
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0805/23/news135.html
 以前ブログ投稿数世界一は日本という話題がありましたが、Wikipedia利用率も相当なものですね。
 ユーザー同士が助け合うQ&Aサイトの利用率の高さについては、見知らぬ人同士でも助けたり助けられたりすることを特別なことではなく自然なこととして身に付けている現代日本人の感覚が、江戸時代の庶民の助け合いの精神を彷彿とさせます。
 まさに日本特有というか縄文的文化の表れという感じでしょうか。
<太田>
 なるほどね。
 話題は変わりますが、英BBCラジオのクラシック部門(
http://www.bbc.co.uk/radio/
を開けて、Open BBC Radio Player をクリックし、Classicalを選択する)が、今週何と13ものチャンネルを一斉に使ってショパン大特集をしているのに昨日になって気づき、時間切れ直前なのであわてて昨夜から聴いています。
 ノクターン全曲、バラード第一番等、ごちそうさまでした。
 19世紀から今日までのさまざまな著名なピアニスト・・ポーランドの大統領をやったパデレフスキーを含む・・が登場するので、それぞれの演奏を聴き比べるのも一興でしたし、ナチスがポーランドを占領した時にポーランド人に(熱烈なポーランド愛国者であった)ショパンの曲を演奏することを禁じたとか、銃殺される直前、ユダヤ系ポーランド人の女性(Natalia Karp)がピアニストであったことに気付いた人がいてナチ将校の誕生パーティで演奏を命じられ、ショパンのノクターン(Op 27 No 1)を弾いて死を免れた、なんて話も身につまされましたね。
 ところで、まぐまぐから最近コラムが届かないという無料読者の方がいらっしゃいます。
 自分も同じだという方がおられたらご連絡ください。
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太田述正コラム#2567(2008.5.24)
<ミヤンマーに人道的介入?(続々)(その2)>
→非公開