太田述正コラム#2821(2008.9.30)
<皆さんとディスカッション(続x261)>
<FUKO>
 「某巨大掲示板」(コラム#2819)で探してみました。
(引用はじめ)
2006年 MA Convocation Ceremony(修士授与式)
http://www.columbia.edu/cu/gsas/pages/alumni/main/convocation/
ここのDegree Candidatesから入って
Political ScienceのところにShinjiro Koizumiってあるぞ。 (引用終わり)
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/giin/1222340468/より。
<太田>
 ありがとうございました。
 びっくりしたなあもう。進次郎氏がコロンビア大学で政治学の修士号をとったことも事実のようですね。
 だけど、ちょっと次の表を見てください。
 世界の大学の政治学科の最新ランキングです。
1 コロンビア
2 ハーバード
3 スタンフォード
・・・
9 プリンストン
10 エール
11 カリフォルニア大学(バークレー)
12 ミシガン(州立)
13 シカゴ
14 ロサンゼルス
15 LSE(英)
16 ジョージタウン
16 エセックス
18 MIT
19 オックスフォード(英)
・・・
22 バーミンガム(英)
23 ケンブリッジ(英)
・・・
 以上、
http://www.politicalstudies.org/pdf/psr/hix.pdf
(9月29日アクセス)による。
 コロンビア大学の政治学科は世界一なんですよ。
 どのようにして進次郎氏は、入学を認められるような、外国人としては高い英語力と、GREの成績を確保したのか、そして、どのようにして修士号(MA)を獲得したのか。
 私の30年以上前のスタンフォード大学での政治学履修経験を思い起こすと、確か、A4で20枚程度以上のペーパーを9本出してそれが全体としてABC評価でB+以上なら修士号がとれたけれど、これだってそう楽ではありませんよ。
 進次郎氏に奇跡が起こったのか、それとも、まさか?????
 これから進次郎氏は厳しい詮索の目に晒されることになるけれど、果たして乗り切れるのでしょうか?
<海驢>
 太田さま、コラム#2815における中山(前)国交相の発言問題について少々気になった点がありましたので、以下、愚見を述べさせていただきます。
≫→旧文部省のゆとり教育方針等が学力の低下を招いたことをこれまた棚に上げて責任転嫁とは恐れ入りやの鬼子母神ですね。≪(コラム#2815。太田)
 もちろん、旧文部省も責任は免れないのですが、「ゆとり教育」はもともと日教組の発案・提起であり、当初、文部省は「学力低下になると見向きもしなかった」そうです。
<以下、引用:ゆとり教育 – Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%86%E3%81%A8%E3%82%8A%E6%95%99%E8%82%B2
経緯
1972年(昭和47年) 日本教職員組合が、「ゆとり教育」とともに、「学校5日制」を提起した(2007年7月1日放送TBS「報道特集」にて 槙枝元文元委員長発言)。
1977年(昭和52年)~1978年(昭和53年) 学習指導要領の全部改正 (1980年度〔昭和55年度〕から実施)
 ・学習内容、授業時数の削減。
 ・「ゆとりと充実を」「ゆとりと潤いを」がスローガン。
 ・教科指導を行わない「ゆとりの時間」を開始。
<引用終わり>
 ここで登場している「槙枝(元)日教組委員長」は、産経・阿比留記者のインタビューに対して以下のような発言もされており、なかなか興味深いです。
<以下、引用:槙枝日教組元委員長「教育荒廃の責任の半分は日教組」:イザ! 
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/228548/
私(阿比留記者) 戦後教育が荒廃した責任は日教組にあると思うか
槙枝氏 教育を荒廃させ、ダメにした点だが、日教組と文部省の両方に責任がある。私が委員長をやっている時代、日教組の出した方針に文部省は譲らなかった。だが、今やっている学校5日制は、1972年の日教組大会で私が提起したものだ。当時は、文部省は学力低下になると見向きもしなかった。
<引用終わり>
≫第一、実際に「データをたどってみると、成績トップの秋田の日教組の小中学校組織率が5割超で全国平均(34.1%)を大きく超えるなど、全体的な相関関係はうかがえない。」(http://www.asahi.com/politics/update/0927/TKY200809260383.html。9月27日アクセス)らしいじゃないの。もう批判する言葉もないね。≪(コラム#2815。太田)
 当該朝日新聞の記事は、中山元国交相の発言「日教組が強いところ」=組織率と置き換えていますが、「高齢の影響力のある教員の組織率はまだまだ高く、日教組に共産党系の全教を合わせると、左派系労組の組織率はまだまだ高いのです。<引用:中山国交相の辞任と日教組の味方、公明党:イザ!
http://abirur.iza.ne.jp/blog/entry/734039
)」等の意見も勘案すると、「都道府県全体の組織率」のみを説明変数とする分析は不適切な気がします。
 日教組の問題点は、よく言われる「反日偏向教育」もあるのでしょうが、「教職員の昇進等人事に対してヘゲモニーを有している等の「実効支配力」」や、「地方公務員法が勤務時間中に組合活動に専従する「在籍専従」制度も認めていることを利用した不正就労、政治活動」等が挙げられると思いますので、これらも説明変数として分析してみる必要を感じます。
 民主党支持母体の一角を占める官公労絡みの「闇」もわりと深いようですので、安定的に政権交代が可能な状況を実現するため、この辺もうまく整序化できると良いのですが。
<太田>
 組合がゆとり教育的なものを要求するのは当たり前であり、それを採用した旧文部省当局の責任は免れないでしょう。
 それにしても、改めて中山氏の単細胞的な話し方にはあきれます。
 「文科省がそれまでの「ゆとり教育」を反省し、学力向上へ本格的に舵(かじ)を切ったのは中山文科相のときからだ。」(
http://sankei.jp.msn.com/politics/situation/080929/stt0809290323002-n1.htm
。9月29日アクセス)だというのにね。
 
<ライサ>
 エッセー 1(コラム#2819)について。
>「初老を迎えようとしている私ですが、身につまされますねえ」
>「・・I think I now understand why former classmates often meet again years
later and fall in love.・・」
 貴方の心のマドンナが居たのなら別ですが、少なくとも太田さんはこういう風にはならないですね。いわゆる「同期の桜」とか「同じ釜の飯を食った仲間」という関係に比重を多く置いて生きてきたとは思えませんから。通常は同窓・同期などに懐かしさを感じるのは、同じ時代の空気を吸った、同じ経験、体験をした等、お互いに分かり合える共通の要素が他の人との関係に比べて、より多くある事が、原因ではないかと思います。
 私の祖母は現在93歳ですが、通常は老人としての自覚は在りません。何かを、若い人と比較したとき初めて、そのことについては自分が老人であることを、自覚するようです。通常、老人は自分の老化には比較がない限り気がつかないようです。
 アインシュタインの相対性原理では在りませんが、物質が光速に近づけば近づくほど、そのものは縮まるそうですが、それは外から見て縮まっているのが分かるだけで、物質(そのものに知覚があるとして)そのものは自らが縮んでいることは気が付かない(と言うより、計りようが無い)と言うのに似ていると思います。老化も光速もどちらも時間の流れに関係しています。
 初老を迎えようとしている貴方は、今現在は、現在の自分が未来の自分を想像してそう感じるのでしょうが、たぶん、未来の時点での貴方は、何も感じていないかも知れません。
<太田>
 私の今までの経験に照らせば、自分自身は外見も内面も青年時代のままだと思っています。そして、青年時代からずっと年一回以上会ってきた友人は外見も内面も全く変化していないように見えるけれど、何十年ぶりかであった友人は年相応に老けて見える。しかし、話し込んでいるといつしか、彼もまた外見も内面も青年時代のままであることに気づく、といったところです。
 残念ながら、青年時代に周りにほとんど女性がいなかったため、断言はできませんが、40年近くを経て、例えば高校時代に同級生だった女性に会って話し込む機会があれば、彼女と恋に落ちるかどうかはともかくとして、青年時代のままの彼女に気づくことだけは、恐らく間違いないでしょう。
 
<ライサ>
 エッセー 2(コラム#2819)について。
>「・・・襟を正さざるを得ませんよね・・・」
とおっしゃいますが、
>My father, as  
以後は、東条英機の 「戦陣訓」 本訓其の二第八「名を惜しむ」の「生きて虜囚(りょしゅう)の辱(はずかしめ)を受けず、死して罪禍(ざいか)の汚名を残すこと勿(なか)れ」の方がより純粋に聞こえるのは気のせいでしょうか。
 乃木希典の日露戦争時の息子達に対する行動も思い起こさせます。彼の場合は個人的面が強いかも知れませんが。そして二つとも、直接的には勿論国全体としての大きな行く末を苦慮してでの物ではないのは明らかですが。
 アメリカ全体の(共産圏との戦争を含めた)外交交渉や世界戦略が極めてやりにくくなるし、父親として自分の情も影響するかも知れないし、国民の感情を考慮に入れた対処もしなければならない。良い意味ではそうでしょうが、悪く取れば、大統領候補としてのある種の、ゆがんだ功名心、立身出世欲やわがままも全く無かったと言えるかどうかは考えてみるのも面白いかも知れません。
>「戦後の日本人、とりわけ政治家はぬるま湯の中につかっているようなものだ、と改めて思います。」
 ぬるま湯に冷水を注ぎ込まれて、ぬるま湯を維持できなくなり冷めてしまって、自殺した政治家も居ますが。
 「ぬるま湯」、これは、とりわけ二世三世議員に当てはまるのではないでしょうか。何しろ、地盤・看板・鞄の三バンセットの遺産を相続税無しで受け継ぐんですから、議員職を、ぬるま湯につかっていると誤認しても仕方がありません。不公平だったらありゃーしない!
 政治家がぬるま湯に浸かれるのは、総て私たち有権者の所為で在ることも否定できない事実ですが、次期選挙においても、大多数の人間の判断は、ぬるま湯を容認するでしょうね。
 全部自分で思ったことですから、典拠は在りません。
<太田>
 戦いを継続することが無意味な状況下では捕虜になることがむしろ義務であるのが欧米における社会通念です。そもそも命は無駄にしてはいけないし、捕虜になれば、脱走を果たし、あるいは捕虜交換により、再び敵と戦うことができるのですからね。(典拠省略)
 アイゼンハワー父子の話は、だからこそ襟を正させるものがあるのですよ。
<モンブラン>
 太田述正さまに質問です。
 話の腰を折ってしまいすいません
 昨年よりずっとメルマガを読ませていただいているのですが、アングロサクソン国のありように注目していらっしゃる太田さんは、何故、英国に本拠を置く、ロスチャイルド家のような国際金融資本と国際政治との関係について触れられないのでしょうか?
 言い換えれば、なぜ「商売としての戦争」という観点から語られることをされないのでしょうか?
 商売としての戦争とは、単に軍事産業によって利益を得るというもののみならず、2つの集団同士の間の対立・争いを起こして、物資の供給と融資の利息により両集団から富を収奪するという壮大な手法まであります。
 国際金融資本が大きな影響力をもつことができる理由として、基軸通貨ドルを刷っているFRBが「米国政府がその株を1株ももっていない」民間企業であり、それを抑えていることがあげられます。
 少なくともFRBと米国の各メディアがすべて民間企業であり、その所有者が存在する以上、その巨額のお金の蛇口と情報の出口を握っている人物or集団が国際関係に影響を与えずにおかないことは当然に推定できると思うのですが、その点についてどうお考えでしょうか?
FRBが民間企業であるということについて
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%82%A6%E6%BA%96%E5%82%99%E5%88%B6%E5%BA%A6
http://www.apfn.org/apfn/reserve.htm
<太田>
>国際金融資本が大きな影響力をもつことができる理由として、基軸通貨ドルを刷っているFRBが「米国政府がその株を1株ももっていない」民間企業であり、<国際金融資本が>それを抑えていることがあげられます。
なんて話は、例えば連邦準備制度に関する英語版のウィキペディア・・当然日本語版よりはるかに詳しい・・には出てきませんよ。
 次のくだりを読んでごらんなさい。
 ・・・numerous private U.S. member banks, which subscribe to required amounts of non-transferable stock in their regional Federal Reserve Banks・・・
Each member bank owns nonnegotiable shares of stock in its regional Federal Reserve Bank?but these shares of stock give the member banks only limited control over the actions of the Federal Reserve Banks, and the charter of each Federal Reserve Bank is established by law and cannot be altered by the member banks.・・・http://en.wikipedia.org/wiki/Federal_Reserve_System
(9月29日アクセス)
 そうである以上、議論はこれで終わりですね。
 そんな話より、米下院が、ブッシュ政権とオバマ、マケイン両大統領候補が推した金融産業救済法案を否決した(
http://www.nytimes.com/2008/09/30/business/30bailout.html?_r=1&hp&oref=slogin
。9月30日アクセス)ってのはひどい話ですね。
 「米国の政治制度は18世紀に英国から独立し、憲法が制定された時のままであり、現存する世界最古のアナクロ的政治制度であると言っても過言ではありません。」(コラム#304)と申し上げたことがありますが、米国のアナクロ的政治制度の機能不全が、ついに金融面での大混乱を米国内外の実態経済面に波及させてしまったというところでしょう。
 株価も石油価格も大暴落しましたね。
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太田述正コラム#2822(2008.9.30)
<米金融産業救済法案の否決>
→非公開