太田述正コラム#2881(2008.10.30)
<皆さんとディスカッション(続x291)>
<大>
 みなさん、本当にどうもありがとうございます。
 自分なりにですがよく理解できたと思っています。
 自分の国を自分で守るということは、文字通り自国への侵害に対して防衛するだけでは全然不十分で、他国と同盟を結ぶことを可能ならしめたり、それによって自国の円滑な経済活動を確保したりすることも必要だからこそ、最低限集団的自衛権の行使は不可欠だ、ということだと思いました。
 個人的にはmoshikaさんとSMさんのご説明がわかりやすくてすごく納得できました。
 moshikaさんのご説明はすごく端的ですっと頭に入ってきました。
 SMさんの「独立における国際社会への軍事的貢献の重要性」なんて、僕自身より質問の趣旨を理解していらっしゃるようで、恥ずかしい思いです。
 KSさんのご説明はさすが天才的回答といわれるだけあってか、僕には難しかったようです。。。
 別にmoshikaさんとSMさんは凡人だと思ったとかいうわけでは全くありませんが。(焦)
 KSさんの場合、文章自体の意味は理解しているつもりなんですが、結局集団的自衛権を行使することは独立国家にとって常識なんだ、と言われている感じがしました。
 国権の発動である戦争の際に自由に動けないなんて独立国家なわけないだろってことなんですかね?
 どうして常識なのかが知りたかったのですが。。。
 頭が悪くてすみません。。。
 太田さんのお話も僕には難しかったので、解釈の仕方があってるかお尋ねしていいですか?
 まず、法理論上では、憲法上集団的自衛権の行使を禁じているから、その行使は極めて困難だ。
にもかかわらず、実態を見ると集団的自衛権のためにしかいらないものを持ってることになる。
 ということは、それを踏まえると
一、同盟国として対等になるために必要なものを憲法上放棄しているのだから、保護国になっちゃってるってことだし、
二、自衛隊保有は「米国から武器を買うことで更に宗主国の歓心を買うためと、無知な米国の選挙民に日本だって宗主国米国に軍事面で全面的に依存しているわけではないという申し開きをするため」のものってことだ。
 ここで、集団的自衛権を行使できるようにするということは、
一、米国と対等の立場に立つということで保護国ではなくなるということになるし、
二、自衛隊の保有も米国その他の国と対等の立場で国際貢献するための出費ということになる。
 それはつまり独立しているという状態だ。
っていう風に読んでみたんですけど、どうでしょうか・・・?
 とにかく、みなさんのレベルには全然ついていけませんが、僕なりにがんばって読んでみました。
 これからも勉強しますので、またよろしくお願いします。
<太田>
 どうも分かりにくくてすみません。
 あなたの受け止め方でよろしいかと思います。
<michisuzu>
 私が核を保有しなければ自衛権を云々出来ないと言ったのは言い過ぎかもしれません。 自衛権を云々するのは勿論どの国でも自由です。
 しかし現実にはアメリカ悪の枢軸とまで罵った北朝鮮に対する態度は一体どうだったでしょうか?
 核保有が明らかになると一夜にしてミスター金になったではありませんか?
 悪魔からミスターですよ?
 逆にイラクは核を保有しなかった(大量殺戮兵器も)為に結局公開処刑にまでなりました。
 この差が結局核保有の有効性となによりの盾なのだという根拠です。
 このあたりの事実を意識的にスルーして北欧諸国の例外的な事実を反論材料としても説得力はないかと存じます。
 核兵器とピストルとすれば丸腰の核不所持国はまともに喧嘩すら出来ないのは明らかではないでしょうか?
 喧嘩も出来ない丸腰の国々が仲裁や平和を謳ってもそれはあまりに能天気な行為ではないでしょうか?
 なんだか拡散した話になりましたね。
<nove>
 michisuzuさん。
 現在日本の「敵国(?)」である北朝鮮は核を保有していると言われてますが(典拠1)、では実際に現在の日本を核を含めて攻撃すると思われますか?
 恐らくしないでしょう。何故か?
 日本のご主人様であるアメリカが核を持っているからです。
 軍隊のない今ですら核攻撃をされる心配がないのに、この先独立し、集団的自衛権を行使できるようになり、太田さんの言われる自由主義国家による同盟に加盟すれば、核保有していることと同様の効果は得られます。
 ただ守ってもらっている現状とは違い、言うなれば「みんなで守る」状態です。
>核兵器とピストルとすれば丸腰の核不所持国はまともに喧嘩すら出来ないのは明らかではないでしょうか?
 それは個々としては事実ですが、
>喧嘩も出来ない丸腰の国々が仲裁や平和を謳ってもそれはあまりに能天気な行為ではないでしょうか?
 その丸腰の国々の中に一国でも核保有国がいれば充分な力を発揮するんではないでしょうか?
 必ずしも核を保有することが必要なのではなくて、核抑止力を得れれば保有する必要はないということですね。
<michisuzu>
 それを言い出せば防衛費はゼロでよいわけですが?
 実際問題そんなことは不可能でしょう。
 共産党が政権を取ったとしても結局世論はそれを許さないでしょう。
 現実的にはアメリカが守ってくれているという錯覚が支配的ですが、果たして本当にアメリカが守ってくれるでしょうか?
 北朝鮮に対するアメリカの態度の急激な変わり方を見て、本当にアメリカが自国に累が及ぶ可能性まであるときに、日本を助けてくれるという印象を私は能天気だと表現したのです。
 北朝鮮があるいはテロ国家が日本を攻撃するときアメリカに対して攻撃の意思が無いときに果たして日本を守ってくれるでしょうか?
 それはNO!でしょう。
 今の現状で不要だから核兵器保持が不要というのは理解できますが、今後とも永遠に核兵器の保持が不要と決め付ける根拠が無いのもまた事実ではないでしょうか?
 戦後の60有余年、核兵器が不要だったことは紛れも無い幸運とその賭けに勝った日本ですが、今後50年日本は同じ賭けに張り続けられるでしょうか?
 決して太田さんの侵略は無いという説を否定しているわけでなく今後のことを考えるとき私は最低限の自前の防衛システムとしての核兵器の保持を支持しているわけです。
<太田>
 熱心な議論をありがとうございました。
 核兵器を持つべきかどうかは、政策論であって、どちらが正しいかという観点から決着をつける問題ではありません。
 私が断定的な言い方を避けているのは、この問題を含め、米国から「独立」した後のしかるべき時に、安全保障政策の一環として国民が熟慮の上決めればよいと考えているからです。
 日本が米国の属国(保護国)であることにすら目をつぶろうとしている国民が多い現状において、まず「独立」へと国民世論を誘うことが先決であると思いませんか?
<ワイズクラフト>
 オフ会、参加します。
 愛知県から参加しますので、一次会の途中からの参加になります。
 縄文弥生モード論を聞きたいです。割と最近のコラム(すいません検索できません)で、弥生モードは世界でめずらしくないが、縄文モードは日本特有という内容だったと思います。すると日本が弥生モードにパラダイムシフトした場合、ありふれた普通の国家になるということでしょうか?それとも縄文モードにはもう戻れないゆえに縄文弥生モードを統合した新たな進化を遂げるのでしょうか?
<太田>
 遠方からの有料読者以外のオフ会参加は初めてですね。歓迎します。
 ご質問についてですが、日本が、日本的な顔(縄文的な顔)をしたアングロサクソンになる、というイメージです。
 現在ちょっと苦慮しているのは、リューヴェン・ブレナーの静的文化(農業文化)と動的文化(ポスト農業文化)論(コラム#2856、2860。未公開)との折り合いの付け方です。
 また縄文/弥生モード論に関連して、世界的に見て、いかなる地域において男女の中性化が進展しているのか、いかなる地域においてその逆が進展しているのか、それがどうしてなのか、にも関心があります。
 というか、これまで中性化の話を、コラム#276、739、747、785、807、872、1513、2354、2602、2606、2642、2780(未公開)、2849、2878(未公開)でたびたび取り上げてきており、そろそろ交通整理が必要だと考えています。
 これはSATOさんの講演(下掲)とも無縁ではない話ですが、どなたか交通整理していただけないでしょうか。
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 オフ会次第を改めて掲げておきます。
代表幹事:MSさん ohtan_off@yahoo.co.jp
≪1次会≫
会費:500円
日時:11月1日(土) 午後1時~5時。
場所:日本橋公会堂第一洋室(24人収容可)
地図:http://www.usknet.com/seminar/nihonbashi_kokaido.htm
その他:1. ソフトドリンクなどをこちらでご用意いたします。
    2. お昼時なので各自のご都合に合わせて、1次会会中にお弁当を食べてくださ     っても結構です。
    3. 部屋の入口に「太田述正氏を囲む会」という案内が貼られているはずです。
    4. 2次会場への移動は、
      地下鉄の利用
       (水天宮前→三越前→日本橋、10分、160円)
       を考えています。
      2次会会場への到着時間は5時20分頃かと思います。
      一次会に間に合わず、2次会に直接行かれる方はご注意ください。
—プログラム—
1. 13:00 – 14:00
 太田述正氏の講演(発表30分、質疑応答30分)
 題目:「私の二冊の本の出版秘話」
2. 14:00 – 14:20
 参加者の自己紹介
 (太田コラムとの関わりについても簡単に話していただけるといいと思います。)
(10分休憩)
3. 14:30 – 15:30
 SATOさんの講演、その後質疑応答。
 講演の題目:「日本アニメの独創性について」
4. 15:30 – 15:50
 太田へのインタビューコーナー
(10分休憩)
5. 16:00 – 16:20
 参加者間の議論
 太田の問題提起を踏まえ、慶応、早稲田を中心に、日本の大学教育の問題を議論する。
6. 16:20 – 16:50
 フリーの議論
7. 16:50 – 17:00
 片付け
≪2次会≫
会費:2,800円(食事+生ビール1杯:追加注文は自己負担です。)
時間:5時頃から2時間半
場所:「居酒屋 せっつ」(東京メトロ銀座線日本橋駅徒歩1分)
地図:http://g.pia.co.jp/shop/23362
その他:1. 簡易分煙します。
    2. ソフトドリンク(ウーロン茶220円、サワー200円)も注文可能です。
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 最後に、昨29日読んだ面白い記事を二つ。
 グルジア側「も」南オセチアで民間人殺戮をやった。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/in_depth/7692751.stm
 一、1972年以来、米国において夫妻のどちらかが不倫している割合は約10%で、夫が約12%、妻が約7%で比較的安定的に推移している。しかし、
 二、60歳以上の夫妻で不倫したことがある者は、1991年と2006年の間に、夫は20%から28%へ、妻は5%から15%へ増大した。これはバイアグラ等の登場によると考えられる。
 三、35歳未満の夫妻で不倫したことがある者は、同様の期間に、夫は15%から20%へ、妻は12%から15%に増大した。これはインターネット・ポルノの普及によると考えられる。
 四、総じて夫と妻の不倫率の接近がうかがえる。これは、女性がホントのことを話すようになったのか、インターネットや携帯の普及で、専業主婦でも不倫し易くなったためなのか、結論は出ていない。
http://www.nytimes.com/2008/10/28/health/28well.html?_r=1&oref=slogin&pagewanted=print
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太田述正コラム#2882(2008.10.30)
<米軍最高司令官としてのリンカーン(その2)>
→非公開