太田述正コラム#3147(2009.3.12)
<皆さんとディスカッション(続x423)>
<志士>
 <コラム#2763「米国人による感覚的イギリス論」を読みました。>
 謹啓、太田先生、イギリス家具やイギリス車にも日本文化に通じる物を感じます。
 王室や皇室を有し伝統があり、階級が無いことが品格と名誉を大切にする国民性を醸成するのでしょうか?
 日本は17条憲法、イギリスはマグナカルタと古い規範律を持つなど実に両国の比較は興味深いです。
 日本文化に日本人以上に日本化する外国人がたまたま英国人であることはその共通性証ではないでしょうか。
 コラムで先生がおっしゃっていた英国人と日本人、確かに似ております。
 このブログは何か精神の深い部分に響く味わいと共鳴を覚えます。
 <次いで、コラム#3060「東大生とオバマの読書傾向比較」を読みました。>
http://blog.ohtan.net/archives/51344389.html#comments
 日本の高級官僚や大企業の経営首脳陣、国策の命運を預かる政治家を最も輩出する東大を頂点とした旧帝国大学や私学の雄、早慶など日本の命運を預かる頭脳の最終教育学府に対して、その頂点東大を卒業され、高級官僚としての道を歩まれ、世界の覇者たる米国のシステムおよび文化に卓越した博識をお持ちの太田様に日本の指導層養成大学への提言を拝聴したく思います。
<太田>
 太田述正ブログの初期画面の右下の方に「カテゴリー別」という欄がありますが、その中の「日本の教育改革 (28)」に列記されているコラムをお読み下さい。大学の話だけじゃありませんがね・・。
<K1>
 大田先生のメルマガは、なかなか変化に富んで良いですね。
 或るときは、オナニーの話であったりしながら、また或るときは、天下国家の国防論であったり、そして、本日<公開されたコラム#コラム#3060「東大生とオバマの読書傾向比較」>の高度で難しい内容の論調であったりします。
 そこで、読者を代表しての提案ですが、現代の若者は難しい漢字は読めないだけではなく、その意味も正確に理解することが出来ません。
 例えば、「不謬感の危険性」の意味を今時の東大生にも理解できる人はいないでしょう。
 と言うわけで、末尾にでも注釈を入れられたらいかがでしょうか。
 出なければ、折角の高論が無駄になります。
 以上お願いも込めてご意見を述べさせて頂きました。
 今後のご活躍を期待しています。
蛇足:民主党を応援されるのは良いですが、小沢だけは止めた方が良いですよ。
 あれは、東北の国税詐欺師、強欲狐ですから。
一読者 拝
<太田>
 もっとやさしい言葉を使ってコラムを書けというお叱りと受け止めましたが、オンライン辞書も充実してきていることから、読者の方で対応していただくと助かります。
 なお、私の名前は「大田」ではなく「太田」ですのでお間違えなきよう。
 最後に「蛇足」についてですが、これは私ではなく読者向けのお言葉ということですよね。
<θσζ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 太田はハリーポッターが好きそう。
<太田>
 ナインナイン!
 当然、ハーマイオニー(エマ・ワトソン)の方だわさ。
http://news.livedoor.com/article/detail/4044168/
<θκζ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
 ・・・現在の、覇権の力も無くなり国家破綻寸前の米国が、搾取し放題のおいしい保護国日本に“親切に”そろそろイイカゲン独立をしなさい~なんぞと考えているなんて、どーしてもおもえない。 
 獲物は、骨までしゃぶり尽くすってのが、米国流の金融システムと資本主義<なのだ。> ・・・
 で、田中角栄が宗主国米国様に相談なしに(承諾なしに)行った日中国交… 総理自らが外交したことが(つくられた)事件の原因であり、故に嵌められてなにも云えず、宗主国の影響力の大きさをまざまざと見せ付けられ、延々とその後も怒りをかわないように との、米国の顔色を伺う対米追従の宦官政治になってしまったんだと感じている。
 角栄本で追いつめ出世した立花隆も、その後閣僚たちにか囲まれて、日本を動かしているのは本当は米国なんだ…といわれたと述べている。
<太田>
 田中の件の真偽はともかくとして、日本が米国からの「独立」を果たさない限りは、基本的なところで宗主国米国の言うことを聞かなければならないってのは当然でしょが。
 そして、「独立」から逃げ回る上に、米国に日本が払うべき軍事費と血を最大限肩代わりさせようとしてきた日本の小汚い限りの属国戦略を、宗主国米国が軽蔑し、怒りを募らせ、日本搾取の度合いを次第に強めてきたっていうのが日本の戦後史なんだよ。
 それくらい、解説してあげなくても自分で分からなくっちゃ。
<ζθκ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
ロッキード事件での田中角栄の逮捕容疑は外為法違反だけど、西松建設で最初に捕まった社員の逮捕容疑は外為法違反。
いや、いや、因果はめぐるものですね~。
「秘書がやりました」「記憶にございません」というのも?
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%83%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%83%89%E4%BA%8B%E4%BB%B6
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/080605/crm0806051919031-n1.htm
現在は上記のように2、30年前のデジャブ。
・・・(<それが>事実かどうかはともかく)<現在の>市場原理主義的改革による格差拡大<に対して嫌気がさしたとしても、>4、5年前はホリエモン、村上ファンドの騒動。15~20年前のバブルもその前の高度成長期ももう来ない。60年前の戦中戦後に学ぶものなどない(はず)・・・。
何日か前<の太田コラムで>紹介されたFTの記事
http://www.ft.com/cms/s/0/bb19e224-08f0-11de-b8b0-0000779fd2ac.html
では日本が懐古趣味になっているのが指摘されていたけど、過去のどのあたりから学ぼうかと考えると、思い切って明治以前へ、というのも分かるような気がします。
(そう考えると武士道を唱えた数学者にして作家の藤原先生<(コラム#2277、2767、2774、2776、2779)>は先見の明が・・・あるわけないか。)
いやはや、前後視界不良ですな。
<太田>
 皆さん、もっと太田述正掲示板に投稿しましょう。
 2ちゃんへの投稿だと、コラムに転載する場合、ハンドルネームを私の方で考えなきゃいけないということ一つとっても面倒です。
 さて、小沢秘書逮捕事件の記事から紹介を始めましょう。
 ・・・「国策捜査」が初めて記事中に登場するのは、平成8年5月30日の朝刊(東京本社発行版)。バブル崩壊の不始末で巨額不良債権を抱えて破綻した住宅金融専門会社(旧住専)をめぐる不正融資事件を伝える記事だった。・・・
 公的資金投入の批判をかわし、金融機関処理や不良債権処理を推進するためには、「政府主導の国策による経営陣らの刑事責任追及が露払い的役割として、必要になった」との指摘がマスコミ論調などに出た。こうして、「国策捜査」という用語がこの時期、初めてマスコミに登場したわけだ。・・・
 「国策捜査」がさらに汎用化したのは、鈴木宗男衆院議員と佐藤優・外務省元主任分析官(起訴休職)をめぐる同省関連の一連の事件だった。
  佐藤氏は公判で、「特定の政治的ターゲットの中に何としても犯罪を見いだし、作り出すことだ」と「国策捜査」を自ら定義。「国策捜査は大きな必然性の中から生まれる。日本の政官の関係を変えようと象徴的事件を作り出して断罪し、時代のけじめをつけるのが目的だった。検察は職務を忠実に遂行している」と主張した。」
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090311/crm0903110923006-n1.htm
(3月11日アクセス)
 「国策捜査」の対象となった佐藤が、今回の小沢の件は「国策捜査」ではないと言っているのですから、その通りなのでしょう。
 だけど私に言わせれば、佐藤のケースだって「国策捜査」なんかじゃありませんよ。
 そもそも、「国策捜査」なんて存在しえないのですよ。(指揮権が発動されない限りにおいて)検察の独立が担保されている以上、検察が政治の意向を受けて動くなんてことはありえないのです。
 要は検察も時間や人手やカネの制約の中で捜査しているのですから、ゴマンとある被疑事件の中で、何に資源を集中するか、証拠がどれくらい得られそうかとか法律違反の程度等様々な要素を勘案する過程で、佐藤のケースのように有力議員や外交官がからむケースとか、今回のように野党第1党の党首がからむケースは、優先されがちである、というだけのことです。
 逆に、検察、ひいては法務省の省益に反するようなケース、すなわち天下りの捜査なんてのは知らぬ顔を決め込む、ということもありうるわけです。
 
 「・・・<小沢秘書逮捕事件がらみで>>東京地検特捜部は、ゼネコン各社側から小沢代表側 への献金システムの全容を解明するため、代表の地元・岩手県など東北地方の建設業者らから、参考人として一斉に事情聴取を始めた。・・・」
http://www.asahi.com/national/update/0311/TKY200903110285.html
(3月12日アクセス。以下同じ。)
 公共事業の予算がどんどん減らされる一方で談合の取締も強化され、ゼネコンも政治献金どころじゃなくなってきています。彼らはどんどんしゃべってくれることでしょう。
 ところで、
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090312/crm0903120143002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090312/crm0903120146003-n1.htm
を読むと、小沢の錬金術は政治資金を得るためというより、私財を蓄えるのが目的だったのではないかと言いたくなりますね。もっと早く、これほどまでにおぞましい政治ゴロ小沢(コラム#2950)についての記事が書かれなかったのはどうしてだ? 聞くのもヤボだけどね・・。
 「<民主>党の中堅・若手議員約20人が11日、党本部に駆け付けて小沢氏を激励し、代表続投を直訴した。・・・ 党本部に駆け付けたのは、2007年の参院選で初当選した谷岡郁子議員や、小沢氏に近いグループ「一新会」のメンバーを中心とする衆院議員ら。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2009031202000110.html
 なんでこのアホを絵に描いたような議員全員の名前を報道してくれないのかなあ。
 以下、それ以外の記事です。
 たまたま多くが中共の記事になりました。
 現在中共で山岡荘八の『徳川家康』の翻訳本がブームになっているところ、人民網がこのことを取り上げて、またもや日本ヨイショ記事を掲げました。
 それにしても、江戸時代の日本がネオ儒教(コラム#995~997等)的「調和」社会とは、恐れ入りやした。
http://j.peopledaily.com.cn/94476/6611686.html
 しかし、この「調和」という言葉、中共のネチズンの間では、自由な言論を抑圧する、一種の呪いの言葉にすり替わって用いられているようですよ。
http://www.nytimes.com/2009/03/12/world/asia/12beast.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
 ニューヨークタイムスによる中共のblack Jailに関する記事(コラム#3141)に触発されたような記事が、ワシントンポストに出ました。
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/03/10/AR2009031003725_pf.html
 知能(IQ)は環境要因によって、すなわち一時的記憶能力向上訓練によって上がりうることが分かったようです。
 ・・・I.Q.・・・scores were rising by three points per decade in many countries, and even faster in some countries like the Netherlands and Israel.・・・
 What might be changing? One strong candidate is working memory, defined as the ability to hold information in mind while manipulating it to achieve a cognitive goal・・・
 The I.Q. improvement was larger in people who’d had more days of <working memory> practice, suggesting that the effect was a direct result of training.・・・
 Research on working memory training, as well as ・・・observations, raise the possibility that the fast-paced modern world, despite its annoyances (or even because of them) may be improving our reasoning ability. Maybe even multitasking ? not the most efficient way to work ? is good for your brain because of the mental challenge.・・・
http://judson.blogs.nytimes.com/2009/03/10/guest-column-can-we-increase-our-intelligence/
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太田述正コラム#3148(2009.3.12)
<自由主義とは何か(その1)>
→非公開