太田述正コラム#3149(2009.3.13)
<皆さんとディスカッション(続x424)>
<志士>
 <太田さんの>日本の教育改革全コラム拝読させていただきました。・・・
 今は商店主ですが、前職市職員の時に、平の私が私立高校移転プロジェクトの担当を市長特命され、将来の40億のプロジェクトには先進性と本物の哲学<が>必要と<いうことで、>たまたま当時東大合格者数一位だった桐陰学園を視察・・・しましたが、約20年前にもかかわらず、完全能力別クラス、授業はビデオライブラリー化され、つまづいた生徒用の補習ビデオも・・・整備されて<い>ました。情操教育のため、公営会館並の施設で芝居、講演を生徒に観せるなど<に>も取り組んで<い>ました。・・・
 <その>先進性に同伴した学校関係者は衝撃を受けておりました。・・・
 ・・・日比谷と灘の違いにありますように、今の教育<で>一番欠落<しているの>は徳育<であると思います。>
 <この欠落を補った>システムをいち早く構築することがこの国の将来の命運を分けそうです。
 日本・・・は、国民の足元をみるがごとく教育支出を減らしてます。・・・
 太田様なら強い牽引力と提言力で一灯照隅から万灯照国が可能ではないでしょうか。
 別段ですが、世界一表現力の多様性を持ち人情の機微に触れられる日本語力が低下することにも歯止めをかけたいものです。
<太田>
 かなり手を入れさせていただきました。
 今後、投稿される時の参考にしてください。
<santa>
 <フィリピン人で「不法」滞在している>カルデロン一家の件を新聞各紙が最近よく取り上げていますね。
http://www.mb.com.ph/node/198570
http://www.gmanews.tv/story/152403/DFA-to-help-Pinoy-family-facing-Japan-deportation
を見ますと、日本のマスメディアの報道は非常に恣意的ですね。
 「マスゴミ」と言われるのがよくわかります。
 どうも日本では外国人がらみの法律運用は、マスメディアの取り上げ方のおかしさも手伝って、歪められがちだと思います。
 <太田さんがコラム#で在日と部落民について指摘されていたことに引っかけて言えば、>日本人が逆差別を受けている、法治が歪められているという感情が払拭されない限り、日本政府や日本の国家機構への国民の軽侮と嫌外国人という負の連鎖が進行するでしょう。
 是々非々で法律を運用しなければ国家が揺らぎます。
 イギリス及び欧州の移民政策や、不法滞在者対策や罰則等、最新の潮流はどのようになっているんでしょうか。
 帰化や国籍取得に関しても、イギリス・米国といったアングロサクソン諸国(戦争を常に念頭に置いていそうな感じがします)とドイツやフランスといった大陸欧州ではその傾向がはっきり分かれそうな気がします。
 コラム#3141ですが、日本で真にエリートたらんとすれば自由民主主義や日本の価値観を理解する必要があると思います。良い学校に入学することと彼等がそれを体現できるかは全然別だと思いますので。
 彼等が自国に帰って自国の政治体制をまともにできればと思います。
<太田>
 ヒアヒア。
<中学受験組>
 <コラム#1247「子供の近視はよくなるのか(続々)(その2)」を読みました。>
 成人女性です。中学受験勉強で、小学6年の段階で左右0.1程度でした。現在、左目-8.5 右目-7.5で、電車内での読書のせいか乱視も強いです。
 10代の終わり頃から眼精疲労に悩まされ、現在はパソコン画面を見るのに限界を感じることがあります。目を酷使しても、近視になりにくい児童もいますが、遠視気味か近視気味かの違いなのでしょうか。
 自分の経験から、視力低下の著しい子供はアカデミックな職業に就くにはハンデがあると思います。難関校の受験を知能検査で代替とするには無理があるかもしれませんが、難関校の生徒でも視力がさほど悪くないケースもあります。やはり、生来の目の質が良いのでしょうか?
<太田>
 当時の私の結論は、小学生時代に急速に視力が低下した場合は、年齢が若ければ若いほど急速に視力を回復できる可能性がある、ということだったと思います。
<ちんみ>
 –米国からの侮蔑ーったって–
≫「独立」から逃げ回る上に、米国に日本が払うべき軍事費と血を最大限肩代わりさせようとしてきた日本の小汚い限りの属国戦略を、宗主国米国が軽蔑し、怒りを募らせ、日本搾取の度合いを次第に強めてきたっていうのが日本の戦後史なんだよ≪(コラム#3147。太田)
 太田さんが常々仰る、米国が日本に対し独立を促しているが、それに対し日本が逃げ回る~ これ吉田ドクトリン墨守することでの米国に対する意趣返しだろーし、米国だって馬鹿ぢゃない=日本が独立宣言なんぞしない(できない)ことは百も承知の上での、徹底した対日搾取の方法なことは わかったうえでのことなんでしょう。
 いわば、心配したふり、親切のふりをしているが確信犯。
 米国に節操なんぞこれっぽっちもないし、期待なんぞはもってのほか。
→私のこれまでの経験では、(日本人以外で)世界で一番節操があるのがイギリス人であり、イギリス人以外のアングロサクソン諸国人と米国人がそれに次ぎます。ちんみさんの認識は、恐らく経験不足からでしょう、歪んでいます。(太田)
 利益の最大化と株主優遇のアメリカ社会の、破綻した金融工学はじめ、切羽詰り苦しくなってきたら な何と!時価会計ルールの放棄、 いずれ破綻がわかっていても止まらない構造的詐欺商法の数々…
 今まで散々日本に対し、偉そうにぬかしてきた、「自己責任原則」の放棄を恥ずかしげもなく自ら行っている。 厚顔無恥ってこのこと。
 更に、日本の郵貯や年金もよこせと云っている。
 こんなやつに搾取され続けても黙っている日本。(口答えすら許されないのだろう)
 『強い影響力(恐怖)を持つ米国が、日本に独立を促している~なんて言葉に頷くことはとても出来ない。』
→私を信頼して頷くのですよ。さらば道は開けん。(太田)
映画「オリバー・ツイスト」のユダヤ人・フェイギン。
泥棒の大元締め・プロデューサーであり、浮浪児を拾ってきては泥棒の技を教え込み「いい子だ!私の子供たち」と、自主的に盗みを働かせて上がりをいただく姿…。
フェイギン=アメリカ 浮浪児=ニホン
 宗主国の持つ権力により、対米追従・宦官政治に日本を落としいれこれを継続しているのも米国であろーし、それに甘んじ安寧し、おとなしい羊の群れのようになっている日本。
 それにつけても我が日本のふがいなさ、世界恐慌をつくり出し混沌の世をつくり出している米国に怒りを感じます。
→米国に怒りを感じているヒマがあったら、日本の「独立」のために戦おうじゃありませんか!(太田)
<ζθκ>(http://society6.2ch.net/test/read.cgi/mass/1196337365/l50x
≫だけど私に言わせれば、佐藤のケースだって「国策捜査」なんかじゃありませんよ。 そもそも、「国策捜査」なんて存在しえないのですよ≪(コラム#3147。おーたん)
おーたんがどうおもおうが、佐藤優に対する当時の検事調べ前哨戦に於いて、「結論は決まっているんだ」、「これは〈国策捜査〉なんだから」との、取調べ検事である西村氏の言葉(国家の罠・218P)が書かれている。
 この本を読んだ当時、取調べ検察官の実名を晒し、しかも 結論が決まっている
検察自らの“国策捜査”の言葉…これショックであったし、これにより国策捜査の言葉が広く世に知られることになった。
この西村氏や拘置所に対する細やかな分析にも驚いたもんだ。
検察に対する“意趣返し”、西村検事が早期保釈を勧め、佐藤優がそれに抵抗するという、奇妙な保釈闘争もあり、拘留日数も512日という長期にわたった。
拘置所に長期拘留されても平気な輩がときどきいるが、この佐藤優の 拘置所つれずれ日記ともいえるこんなん書くほどの余裕(懐の深さ)があってのもんだな。
 怪僧 ラスプー“ちん”
http://x51.org/x/04/06/1535.php
<θζκ>(同上)
 <おーたんはどうせ、>検事自身も国策捜査の意味を知らずに使っているのでしょう、とか何とか言うよ。
<太田>
 ペケ。
 恐らくあなた達2人は、警察や検察による取り調べを受けたことがないんだろうけど、自分を守ることに必死になっている被疑者を落とすのに、取調官がブラフを使ったり、ウソついたりするの当たり前でしょうが。
 「国策捜査」だの、「結論は決まってる」なんて言ったとすれば、その口さ。
 それを真に受けるなんて、佐藤もトロイねえ。
 ところで私は、「国策捜査」という言葉で佐藤達が言いたかったのは、「時の政権の政策としての捜査」ということであろうと思っていたのですが、どうやら違うみたいですね。
 「検察の政策としての捜査」ということのようなのですが、そんなの当たり前じゃん。
 政策とは、どの施策にどれくらいのメリハリをつけて資源を割り当てるか、ということですが、前のコラムでも申し上げたように、検察がこのような意味で政策的に捜査に当たるのは当然だと思いませんか? 
 このことに関連しますが、田原総一郎が、日経ビジネスのコラムで、
 「・・・佐藤優さんが逮捕されたの<は>国策捜査であり、検察ファッショの一種であった。 こうした場合、例えば、鈴木宗男さんや佐藤優さんが逮捕されたときは、事前に「鈴木宗男、佐藤優はいかに悪い人間で、いかにいかがわしいことをしているか」ということを、検察が新聞やテレビに散々リークして、一定の世論をつくったところで逮捕に踏み切る。・・・ 佐藤優さんは、<今回の小沢秘書逮捕は>「検察ファッショではないと思う」との見方を示している。 彼は、「もしも検察ファッショならば、もっとバランスのとれたやり方をするはずである。これは、検察上部の慎重さ、あるいは臆病さに苛立った、現役検事たちのクーデターではないのか」と言っていた。 さらに佐藤さんは、「これは2・26事件だ」とも言った。・・・」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090312/138612/?P=2
と言っているところ、検察情報等をもとに、メディアが、公開捜査より前に容疑事案について報道するケースと、公開捜査後に報道するケースがある、というだけのことであり、ことさら前者を「国策捜査」、後者を「非国策捜査」に仕分けした上で、後者を更に「トップダウン捜査」と「クーデター的(ボトムアップ)捜査」に仕分けする、なんて言葉遊び以外の何物でもありません。
 守屋と佐藤はどちらも、役人として法やルールを犯した容疑をかけられていて、その裁判が継続中であるという点で何ら違いはありません。
 それなのに、守屋はメディアの袋だたきに遭ったまま、しかし佐藤は今やメディアの寵児、てのはちょっとバランスの失し方が尋常じゃありませんね。
 ちなみに私は、守屋は擁護したけれど、(次元は違うが、)佐藤は批判してきた(コラム#1419、1420、1424、1427、1429)ところです。
 ところで今、外務官僚で論壇で活躍しているの佐藤くらいじゃないですかね。
 これは外務省キャリアの無能さと日本の論壇のレベルの低さの両方を物語って余りあるものがあります。
<深雪@邦人返せ北朝鮮>
≫ロッキードは、アメリカの国益に立ち向かった角栄サンをアメリカがさしたと思っています。≪(コラム#3135。テリー中島)
について、本論とは離れますが、小長某通産次官(当時)ご自身が『あれは自分と角栄さんとで仕組んだ』とかいているようです。
以下、紹介いたします。ご一考を。
*********(以下、引用)******************************************************
田中ロッキード事件は米国の陰謀であり、田中が動いた自主的な資源外交を警戒した米国が、ついでに田中を失脚させてしまったという噴飯モノの陰謀説がある。
これは小長某通産次官(当時)が田中と打ち合わせて仕組んだ。小長自身が書いている。「(田中と)相談の結果、これでいこう」となった、と。巷で、この米国陰謀説を流したジャーナリストも多く、その筆頭は田原某だろう。
 
(「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成21年(2009年)3月9日(月曜日)通巻第2520号より抜粋引用おわり)
<テリー中島>
そうでしかたか。いろいろ見方があるのですね。
自分に自ら毒を盛るバカはいないと思いますが、そうであったなら、それ相当の理由があるはず。
自分の政治生命と引き換えにした何かがあると。
それならば、角栄氏の名誉挽回・再評価が必要。
先週のサンプロの田中眞紀子氏の発言はすごい。鬼気迫るものがあったので、まことしやかには田中氏の自害説は信じがたいものがありあすが。
<深雪@邦人返せ北朝鮮>
自害というより、アメリカに嵌められたと言ったほうが、角栄さんの黒さが目立たないということなのではないでしょうか。
ちなみに、サンデープロジェクトのCMスポンサー「カナフレックス」の右下に、西松建設の名前が付いてますよ。
真紀子さんが出演した日の冒頭のCMがそれです。
田原さんの小沢擁護ぶりと西松のCM。解りやすくて笑っちゃいました。
ミクシィ日記でそれを指摘しましたら、私の友人がビデオで確認してくれましたから、間違いないです。
<太田>
 そう。米国もまた、時の政権の政策としての「国策捜査」など、日本同様、ありえない国なのですよ。
 ニクソン大統領を、時の司法省特別検察官が追い詰め、辞職に追い込んだこと(典拠省略)を思い出して下さい。
 それにしても深雪さん、切り込み方といい典拠の付け方といい、お見事です。
<エコーズ ◆ixwmAarxJ2>
 太田さんはコラム#3145において、「今回の秘書逮捕に際し、小沢は危機に際してのその無能ぶりをさらけだしました。」と書かれ、小沢の「異常な手法、不公正」発言が、「(自分の不始末で)民主党が負った傷を深めてしま」ったという認識を示されていますが、実際の世論の反応はそうでしょうか。
 以下は、各社の世論調査の結果です。
http://www.fnn-news.com/archives/yoron/inquiry090309.html
衆議院選挙が近い時期の国政をめぐる捜査は不適切だ。
思う 46.9
思わない 39.9
わからない・どちらともいえない 13.2
http://www.tv-asahi.co.jp/hst/poll/200903/index.html
今回の政治献金をめぐる検察の強制捜査について、公権力の乱用だとか、捜査が政治的に中立でないとの批判があります。あなたはそう思いますか、思いませんか?
思う 32%
思わない 48%
わからない、答えない 20%
小沢代表と同じような形で建設会社から政治献金を受け取っている、 ほかの国会議員は、違法性を問われていません。 あなたは、問われないことについて、納得しますか、納得しませんか?
納得する    6%
納得しない   83%
わからない  11%
http://news.tbs.co.jp/newsi_sp/shijiritsu/
今回の検察の捜査は適正に行われたと思いますか、思いませんか?
思う 51%
思わない 31%
(答えない・わからない) 18%
 いずれの調査も、参議院予算委員会での野党による漆間巌官房副長官への追及
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090309-OYT1T00391.htm
が、まだ行われていなかった時期のものです。
 今回の捜査に対する国民の不信感を考えると、小沢の検察批判は、「(自分の不始末で)民主党が負った傷を深めてしま」った、と現時点では言えない、と私は思います。
<太田>
 要するに、捜査が不適切だと思わない人の方が多い、という世論調査結果ですよね。
 だとすれば、小沢が捜査批判をしたことは、小沢個人及び彼が代表をしている民主党にマイナスに働いた、ということになるんじゃないですか。ハテ?
 記事の紹介です。
 改めて検察が、小沢秘書逮捕事件は、いかなる意味においても「国策捜査」ではないって縷々弁明してますね。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/crime/090313/crm0903130114000-n1.htm
 小沢が東北地方の談合組織の総元締めだった可能性が強くなりました。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20090313-OYT1T00031.htm
 漆間官房副長官、公務員制度改革つぶしに活躍されてるようですね。
http://mainichi.jp/select/today/news/20090313k0000m010105000c.html
 「・・・<女性差別撤廃>条約と議定書。この二つがセットではたらくことで条約は生きる。条約が前輪なら、議定書は後輪だ。 ところが日本は「選択議定書」を批准していない。女性差別撤廃条約の締約国185カ国のうち、96カ国が批准している。先進国で批准していないのはアメリカと日本の2カ国だけだ。・・・」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
 構造的女性差別国日本の面目躍如たるものがありますね。
 フランスにわたってから1年半も経った日本人女性に au revoir で結んだメールを出して、しばらくして緊急の所用があってメールを出したら、「さようなら」と言ったのになんでだと逆ねじを食わされたことがあります。
 下掲の書評を読んで、その時の呆れ果てた気持ちが蘇りました。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/life/20090311/188780/?top
 オバマが、クラスター爆弾の輸出をほぼ完全に禁止する措置をとりました。これは、事実上米軍による同爆弾の使用禁止につながると受け止められています。
 オバマはエライ!
http://www.guardian.co.uk/world/2009/mar/13/us-national-security-obama-administration
 日本のホワイトデーの話から始まって、先進諸国における男女間のプレゼントのやりとりや、飲み代/食事代の男女負担までカバーした記事が下掲です。
http://www.guardian.co.uk/lifeandstyle/2009/mar/13/white-day-money-dating-equality
 日本映画「東京ソナタ」の映画評が大きく載っていました。
http://movies.nytimes.com/2009/03/13/movies/13sona.html?8dpc&pagewanted=print
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太田述正コラム#3150(2009.3.13)
<海南島沖の米中こぜりあい>
→非公開