太田述正コラム#3265(2009.5.10)
<皆さんとディスカッション(続x482)>
<唯我独尊>
≫強毒性の鳥インフルエンザ用対策を弱毒性(と言われています)の豚インフルエンザに適用している気がして違和感を感じます。≪(コラム#3263。文十郎)
 このインフルエンザには未知の部分が多いようです。
http://www.asahi.com/international/update/0430/TKY200904290182.html
 インフルエンザに詳しい菅谷憲夫・けいゆう病院(横浜市)小児科部長は「今回のウイルスは今後、重い症状を起こすように変化する可能性がある。一方で、あまり広まらないで世界から消えてしまうこともありうる」と語る。
 弱毒性でも死者が多数?
http://ee-news.seesaa.net/article/118291998.html
 1918年ころ、「パンデミック=伝染病感染爆発」を引き起こした「スペインかぜ」のインフルエンザ・ウイルスのタイプは、弱毒性ということです。(スペイン風邪は世界的に流行し、4000万人という死者を出したとされている)
 南半球ではこれから冬に向かい、流行が懸念されています。
http://www.asahi.com/international/update/0505/TKY200905050117.html
 「流行は季節に関係なく」という見方もあるようです。
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090508/151049/
 いずれにしてもウィルスに打ち勝つために、日頃から丈夫な身体づくりと健康な精神の維持を心がけましょう。まずはできることからコツコツと。
<太田>
 ・・・Underlying conditions like asthma, diabetes, heart disease or tuberculosis appear to put swine flu victims at greater risk of hospitalization or death・・・
 ↑こんなこと、当たり前のように思いますが?
 Some of the serious cases involve healthy young people, and the reasons for that are still unexplained. Many of the patients went into rapid decline and died of viral pneumonia, not bacterial pneumonia・・・
 ↑こいつは心配ですね。
 (以上、下掲↓による。)
http://www.nytimes.com/2009/05/09/health/09flu.html?hpw=&pagewanted=print
<ΑδΑδ>(「たった一人の反乱」より)
 SHANE FITZGERALDの釣りの件、こちらが詳しいです。
http://nofrills.seesaa.net/article/118876414.html
 釣られた新聞を調べましたけど、
Independent
http://s02.megalodon.jp/2009-0509-2209-31/tinyurl.com/pg4zq7
→釣られた最終パラグラフを削除したのみ
BBC Music Magazine
http://s02.megalodon.jp/2009-0509-2211-37/tinyurl.com/o2j559
→記事全削除して逃亡
Indian and Australian newspapers
不明
 Guardianのみが元記事上で訂正&解説してますね。
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2009/may/04/journalism-obituaries-shane-fitzgerald
 ネタとしては、やはり、フシアナトラップに引っかかって、紙面で私怨を晴らした毎日新聞にはかなわないですねw
http://ja.wikipedia.org/wiki/Fusianasan#.E6.AF.8E.E6.97.A5.E6.96.B0.E8.81.9E.E3.81.AB.E3.82.88.E3.82.8B.E6.89.B9.E5.88.A4
http://miwayama.exblog.jp/386737
<太田>
 情報提供に深謝。
<けんちゃん>
 –防衛省職員再教育–
 太田述正様が防衛省の改革に腐心されていることを知り、長い間防衛施設局の職員と1979年に発足した思いやり予算の工事に関してお付合いのあった者として提言させていただきます。
 当時日本には確か8の施設局があり、其々思いやり予算の基で米軍の施設改善工事を行って居りました。毎年少しずつ増額され、小生の勤務していた基地でも100億円に近い予算が計上され米軍の要求した施設整備が行われるようになりました。
 米軍との設計会議、工事進行のための打ち合わせ等を米軍、局と交互に場所を変えて定期的に行っておりました。ところが、本庁を除き、局には(貴殿の居られた仙台局を別として)英語を理解する職員が一人も居らず、通訳、翻訳は米軍側に任せた状態であり、通訳によっては、局側の要望事項は取り上げず、適当に誤魔化したり、米軍の都合の良い事ばかりを通訳していたこともありました。
 何度か親しい職員に思いやり事業が今後も続くようであれば、防衛省の方で専門の通訳官を雇い入れ各局に配置してはどうかと、再々進言したことがあったが、聞き入れられず、多分現在でも防衛省の英語の達者な職員は採用されていないでしょう。
 小生が思うに、外務省を除いては、日常的に日本の公務員が外国人と公式に接触するのは、思いやり予算が存在する限り、防衛施設局の職員が一番多いのではないかと思います。
 貴重な日本人の税金で、米軍施設を整備する以上全て相手任せでは日本政府の独自性が無く、米軍言いなりになっている状態です。英語と聞けばしり込みし、米軍の施設の企画規定書、設計基準、マヌアル等についても全然知識が無く、又は知ろうともしない。
 交渉相手の手の内を学ばずして、正論を述べることには成らず、寧ろ完全に舐められてしまっていた。勉強不足のため、折角建設した施設が完成時点では不要になり多大な損失を蒙った事例もあります。
 日本政府を体表する公務員だと胸を張り、毅然とした態度で米軍側と交渉のできる英語力のある職員を是非採用してはどうかと思います。
 莫大な思いやり予算を考えると、十数人の優秀な渉外官を雇用することで防衛省改革の一歩とはならないでしょうか。
 又英語が出来る、出来ないに関わらず、業者には横柄な態度を取りながら米軍人には屈辱的な態度で望む姿を見て同じ日本人として大変恥ずかしい思いをしたことがあります。
 防衛省職員の職責に対する自覚を深め、日本人公務員としての気品と誇りを持つための再教育が必要ではないでしょうか。
<太田>
 防衛省関係者からの体験を踏まえたご提言に感謝します。
 私は、1996年だったかに、当時の外務省北米局梅本和義安全保障課長(現北米局長)に、外務省が当時の防衛施設本庁や地方の防衛施設局にキャリアを出向させるべきだと説いたことがあります。
 梅本君は、確かにその通りだと言っていましたが、全く実現されていません。
 防衛省(庁)同様、外務省も、汗をかく仕事から逃げ回っているか、ということです。
<ΑΑδδ>(「たった一人の反乱」より)
 <おーたん、>そろそろ<音楽といった>知らない事(専門外)について恥ずかしい発言すんの、止めた方がイイ。
<ΑδΑδ>(同上)
 「一人で題名のない音楽会」、楽しいですよ
<δδαα>(同上)
 音楽紹介はアクセントとして今後も続けて欲しい。
<Hiroaki ○○|? >
 こういうのは如何でしょう:
桑田圭祐によるビートルズ空耳
http://www.youtube.com/watch?v=SyJuVj_VezE
http://www.youtube.com/watch?v=cXehlyhoWP4
http://www.youtube.com/watch?v=H_RJye30mVY

風刺系つながりで。
タイマーズ《サリン》
(1994年6月松本サリン事件についての歌/河野義行氏を犯人として揶揄)
http://www.nicovideo.jp/watch/sm6151089

95年3月一斉捜査

翌月末リリースのアルバム(EMI)から急遽削除

タイマーズ《プリン》
http://www.nicovideo.jp/watch/nm6425604

タイマーズ《あこがれの北朝鮮》
(1995年頃・ヘルメット・黒眼鏡)
http://www.youtube.com/watch?v=byw8VOJHI10

2002年9月小泉訪朝

忌野清志郎《あこがれの北朝鮮》
(2002年11月・泉谷しげる付き)
http://www.youtube.com/watch?v=LeOpyWVPMr8
<太田>
 「桑田圭祐によるビートルズ空耳 」は凄い! 制作者の才能、恐るべきものがありますね。
 「あこがれの北朝鮮」の最後のやつは、忌野がタイマーズの曲をカバーしたということですかね。
 さて、調子にのって、一人「日曜美術館」も始めることにしました。
 昨日昼過ぎNHK-Hで、クリムトについての番組をちらっと見たのですが、ウィーンの美術史美術館の階段の所にあるクリムト・グループによる壁画のうち、「裸体の若い娘、エジプト」に目が釘付けになりました。
 私が、かねてから美乳・・小ぶりで完璧な形・・の典型であると頭の中で思っていたものが、そこに描かれていたからです。
http://4travel.jp/traveler/mojo/pict/15472230/
 これは、様々な裸婦画の傑作に共通している美乳の姿であり、美術評論家で論じている人がいるに違いないと考えています。
 ご存じの方はご教示ください。
 なお、私はウィーンを、1958年に母親と、1976年に1人で訪問しているのですが、美術史美術館を訪問した記憶がなく、クリムトのこの壁画とは初対面だと思います。
 ・・・
 え!本当にそうだろうか? ルノワールは放漫な裸体を描いたではないか、とおっしゃる方がおられるかもしれません。
 しかし、上記「理論」に到達してから、パリのオルセー美術館で、ルノワールの
1 陽光の中の裸婦(エテュード:トルソ、光の効果)
(Torse de femme au soleil) 1875-1876年
や、
2 大きな裸婦 (Nu sur les coussins) 1907年
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/renoir.html
を見た時、私の「理論」の正しさを確認できた思いがしたものです。
 1は、ルノワールが独自の画風を確立する以前の作品であり、当時の画家が競ってモデルにした女性を描いているので、やや乳房が大きめなのですが、2はまさにルノワールらしい裸体画であり、彼の理想視した女性像がいかなるものであったか、よく分かります。
 オルセー所蔵ではありませんが、
3 髪長き水浴の乙女(長い髪の浴女)
(Baigneuse aux cheveux longs) 1895年
4 横たわる裸婦(泉)
(Baigneuse allongee (La source))1895-97年頃
5  足を組む裸婦と帽子(ブロンドの髪の浴女、座る裸婦)
(Baigneuse aux cheveux denoues) 1904-1906年
(典拠:同上)
等でご確認ください。
<太田>
 放漫→豊満
<ihatovo>
 ohtanさんが誤字などとはありえないので、しまりのない体をつい想像してしまいました(^_^)
<深雪>
 美乳から始<め>る・・・というのはとても太田さんらしい。
▼まず、↓の美乳!。
http://news.bbc.co.uk/2/hi/entertainment/7398949.stm
 これは、1995年にルシアン・フロイドが描いた、裸で寝る女性のポートレート(上の画像)ですが、ニューヨークのクリスティーズで3360万ドル(約35億3千万円)で落札されたそうです。
 ちなみにこれは、存命している美術家が売った絵としては史上最高額。
 この絵画の価値をどこに見るかは、個々の人生観にお任せです。
▼↓は、ヴィーナスの誕生1863(1863年サロン・官展)アレクサンドル・カバネル。
http://www.salvastyle.com/menu_neo_classicism/cabanel_venus.html
 これは右のマネの作と同時出品され、その官展で特選に選ばれた絵画です。
 アカデミックでまた類まれなるクラッシックな美は、誰が見ても心地良いものでしょう。オルセー所蔵です。
▼↓は言わずと知れた、エドゥアール・マネの『草上の昼食』。
http://www.salvastyle.org/menu_impressionism/view.cgi?file=manet_herbe00&picture=%91%90%8F%E3%82%CC%92%8B%90H&person=%83G%83h%83D%83A%81%5B%83%8B%81E%83%7D%83l&back=manet_herbe
 こちらも小ぶりな美乳ですが、サロンから拒絶され官展に落選し、落選作品が展示された落選展で民衆に公開されると、来場者の殆どが「堕落した恥ずべき作」「批評家をからかい、混乱させるために描いた稚拙で厚かましい作品」などと言われ、当時の社会から大ブーイングを受けた作品です。これもパリ・オルセー所蔵。
 音楽や絵画や文学といった芸術で古典が尊ばれるのは時代の厳しい鑑賞眼に堪えて残った物だからですが、こう見ていきますと、時代の空気というものがいかに気まぐれなものかが実感されます。
 小ぶりの美乳は古典になり得ますか、見ものです。(ぃゃ、触れものかもですが。)
<太田>
 「草上の昼食」じゃ、よく見えないので「見もの」にもなってませんが、それはともかく、「見もの(鑑賞用)」か「触れもの(愛玩用)」かは、確かに、that is the question ですねえ。
 ところで、小ぶりの美乳は、欧州美術における古典的な美そのものであると私自身は考えています。
 遡れば、ヘレニズム時代のアンティオキアのアレクサンドロス(Alexandros of Antioch)の「ミロのビーナス(Venus de Milo。BC130~100)」がそうです。
 この彫刻は、知らない人がいない、モナリザと並ぶルーブルの至宝です。
http://www.louvre.fr/llv/commun/detail_image.jsp?CONTENT%3C%3Ecnt_id=10134198673237785&CURRENT_LLV_NOTICE%3C%3Ecnt_id=10134198673237785&FOLDER%3C%3Efolder_id=9852723696500817&bmLocale=en&&newWidth==680&&newHeight==1744
 こりゃ絵画じゃなくて彫刻じゃないか、第一これ欧州文明以前のものだろって?
 はいはい、それでは、
 北欧ルネッサンス最大の画家デューラー(Albrecht Durer)の「アダムとイブ(Adam and Eve。1507)」、
http://www.oilpaintingshere.com/Nudeoilpainting/Adam-and-Eve-1507/3731
 イタリア・ルネッサンスに屹立する画家ティツィアーノ(Tiziano Vecelli)の「ウルビノのビーナス(Venus of Urbino。1538)」、
http://employees.oneonta.edu/farberas/arth/Images/110images/sl9images/titian_venus_urbino.jpg
 更には、これもオルセー所蔵ですが、
 フランス新古典主義の画家アングル(Jean Auguste Dominique Ingres)の「泉(The Source。1856)」、 
http://www.ibiblio.org/wm/paint/auth/ingres/ingres.source.jpg
をご覧下さい。
 何かご疑義は?
 ギリシャ・ローマ文明及び欧州文明における裸体美術、就中女性裸体美術の政治的意味について語るのは、別の機会に譲ります。
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太田述正コラム#3266(2009.5.10)
<テロリズムの系譜(その1)>
→非公開