太田述正コラム#15113(2025.8.7)
<皆さんとディスカッション(続x6339)/映画評論404:イントゥ・ザ・ブルー>
<XVZujK0/(ladqYjOv?)>
中央政府が脳死した実感から非エリートがエリートの支持に従わなくなった。
しかしその前はずっと従ってきたのに安倍総理の時代がやってきてモリカケ問題で官僚組織も殺されました。
非エリートがエリートに従っていたのも民主主義ではないですか?
民主主義的にエリートに従って脳死に至り、危機感から、民主主義的にエリートに従わずとんでもない無能を知事に選んだ、ということになりませんか?
<太田>
常に定義が何であるかを考える習慣を身に着けてください。
この場合は、「民主主義が機能する、機能しない」の定義が問題になります。
「非エリートがエリートに従っていたのも<形の上では>民主主義」ではあるけれど、それは「民主主義が機能していない」一事例である、と、私は指摘しているところ、それが違うとおっしゃるのなら、ご自身の「民主主義が機能する、機能しない」の定義を明らかにする必要があります。
なお、この際ですから、史上最初の、しかも、依然、意義を失っていないところの、民主主義批判を振り返っておきましょう。
古代インド等に自然発生的な民主制はあったけれど、意識的に民主制を導入したのは記録が残る限り、古典ギリシャのアテネ(アテナイ)が最初の事例です。↓
「クレイステネスが現れ、前508年に画期的な改革を実施してアテネの民主政は成立した。・・・
<それ>は徹底した直接民主政であり、民会や民衆裁判所における多数決による決定、公職者(役人)の抽選制や公職者に対する弾劾裁判などによって市民の権利と義務の平等化を図り、独裁政治の出現を予防するシステム<だった。>・・・
専制君主政や貴族政ではない、「民主政治というスタイルをギリシア人が最初に発見し、意識化し、制度化した<。>」
https://www.y-history.net/appendix/wh0102-082.html
しかし、その少し前に、共和制(混合政体)が、記録が残る限り、最初に、古代ローマで生まれています。↓
「古代ローマは紀元前6世紀に王を追放して王政ローマから共和政ローマに移行し、執政官(元首)・貴族(元老院)・平民(民会)による統治(混合政体)が行われたが、彼らは衆愚政治を意味するデモクラティアとの名称を避け、レス・プブリカ(共和国)と自称した。」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%B1%E5%92%8C%E5%88%B6
これらを踏まえて、プラトンやアリストテレスは民主制批判を展開するのです。↓
「プラトンは”無学(貧乏人)がソクラテスを死刑に追いやった”と思い込み、民主制を心底軽蔑します。故に、プラトンは市民選挙<・・直接民主制(太田)・・>には反対でした。”無学が金持ちを怖がらせるだけだ”と異議を唱えた。」
https://blog.goo.ne.jp/lemonwater2017/e/fe85393f73643e19258cb0866f1ec199
「アリストテレスによれば、国家体制には、王制、貴族制、共和制、僭主制、寡頭制、民主制があり、特に最初の3つの体制が正しい。なぜなら公共の利益を考える体制のみが正しい政治体制であるからだ。」
https://www.philosophyguides.org/decoding/decoding-of-aristoteles-politik/
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<属国の悲哀。↓>
「合意優先が裏目に 対日15%追加関税 文書作成せず政府説明より高関税に・・・」
https://www.sankei.com/article/20250807-AJ7NOJLWNFI3NNIDBAWZGG37QY/
https://japanese.joins.com/JArticle/337263
<こちらはまあ、それでいいんだけど・・。↓>
「トランプ氏に刺さったZAITOU 安倍政権も駆使した「お家芸」・・・」
https://mainichi.jp/articles/20250806/k00/00m/020/112000c
<属国日本には恐喝などする必要ないわさ。指示するだけよ。↓>
「NYT、韓・日・EUとの交渉に言及し「トランプの“グローバル恐喝”だった」・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/337200
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<むしろ、ウクライナ、ピンチ?↓>
「トランプ氏、来週にもプーチン氏と会談を計画 ゼレンスキー氏交え3者協議も・・・」
https://www.sankei.com/article/20250807-V6RRAW5C7NIRRCDGCVLHC4TCSQ/
妄想瘋癲老人米国。↓
<トラの尾を踏んだスイス。↓>
「教えるように話してトランプ大統領の怒り買ったスイス・・・ケラーズッター大統領がパルムラン副大統領兼経済相と・・・39%の関税施行2日後に控え米国へ・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/money/other/%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E3%82%88%E3%81%86%E3%81%AB%E8%A9%B1%E3%81%97%E3%81%A6%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E3%81%AE%E6%80%92%E3%82%8A%E8%B2%B7%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%82%B9-%EF%BC%93%EF%BC%99-%E3%81%AE%E9%96%A2%E7%A8%8E%E6%96%BD%E8%A1%8C%EF%BC%92%E6%97%A5%E5%BE%8C%E3%81%AB%E6%8E%A7%E3%81%88%E7%B1%B3%E5%9B%BD%E3%81%B8/ar-AA1JYkIX?ocid=msedgntp&cvid=9b7e56d7fabe485f9f321b15988d86f7&ei=8
<トラと戦うことにしたインド。イスラム圏からの石油だけに依存するワケにはいかないしなあ。↓>
「インドに25%の追加関税、計50%に…トランプ氏が大統領令署名「ロシアから原油購入している」・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/money/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AB%EF%BC%92%EF%BC%95-%E3%81%AE%E8%BF%BD%E5%8A%A0%E9%96%A2%E7%A8%8E-%E8%A8%88%EF%BC%95%EF%BC%90-%E3%81%AB-%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%97%E6%B0%8F%E3%81%8C%E5%A4%A7%E7%B5%B1%E9%A0%98%E4%BB%A4%E7%BD%B2%E5%90%8D-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%81%8B%E3%82%89%E5%8E%9F%E6%B2%B9%E8%B3%BC%E5%85%A5%E3%81%97%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B/ar-AA1K1Ceq?ocid=msedgntp&cvid=57d871fe79e44e25c6994f673c387df5&ei=13
「インドは関税引き上げを覚悟、経済的打撃の抑制に大慌て・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%89%E3%81%AF%E9%96%A2%E7%A8%8E%E5%BC%95%E3%81%8D%E4%B8%8A%E3%81%92%E3%82%92%E8%A6%9A%E6%82%9F-%E7%B5%8C%E6%B8%88%E7%9A%84%E6%89%93%E6%92%83%E3%81%AE%E6%8A%91%E5%88%B6%E3%81%AB%E5%A4%A7%E6%85%8C%E3%81%A6-%E5%BD%93%E5%B1%80%E8%80%85/ar-AA1K1cOB?ocid=msedgntp&cvid=f6bd0948754741dfa94839731f7b4b94&ei=21
<トラ、やりたい放題。↓>
「トランプ氏、半導体関税「100%」米国に工場なら「課されない」 対米投資求める・・・」
https://www.sankei.com/article/20250807-PC6NE64JCNJS7CDMTIHKVFBKMI/
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
とにかく、米国で本件に関する報道が増えているのはいいこと。↓
Hiroshima at 80: As Japan’s commitment to nuclear abolition wanes, activists dig in・・・
https://www.csmonitor.com/World/Asia-Pacific/2025/0806/hiroshima-atomic-bomb-japan
Nagasaki Book Tells Survivor Stories and US Thinking 80 Years After Bombing・・・
https://www.newsweek.com/2025/08/22/nagasaki-book-tells-survivor-stories-us-thinking-80-years-after-bom
I Survived an Atomic Bomb. It’s Time to End the Nuclear Threat.・・・
https://www.nytimes.com/2025/08/06/opinion/hiroshima-nagasaki-anniversary-nuclear-weapons.html
Even Hiroshima’s Pacifist Cause Is Losing Believers–Eighty years after the atomic bombing, some Japanese think that peace for peace’s sake is no longer enough.・・・
https://www.nytimes.com/2025/08/06/world/asia/hiroshima-japan-nuclear-peace.html How Meeting a Hiroshima Survivor Gave Me Hope・・・
https://time.com/7307598/us-japan-hiroshima-anniversary/
Hiroshima survivors fear rising nuclear threat on the 80th anniversary of atomic bombing–Hiroshima is marking the 80th anniversary of the U.S. atomic bombing of the western Japanese city・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2025/08/05/japan-us-hiroshima-atomic-bombing-survivors/2bdf2f5c-7250-11f0-84e0-485bb531abeb_story.html
日・文カルト問題。↓
<ご愛顧に感謝。↓>
「日本列島を席巻した「鬼滅の刃」「国宝」、韓国ファンは「映画観光」も・・・」
https://www.donga.com/jp/article/all/20250807/5771245/1
<健闘を祈る。↓>
「韓国サッカー界のレジェンド、日本の発展を評価しうらやむ=韓国ネットは協会の問題点を指摘・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957961-s39-c50-d0195.html
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<人民網より。
ご愛顧に深謝。↓>
「物販から体験販売へ 日系企業の対中投資が静かにサービス業へシフト・・・」
http://j.people.com.cn/n3/2025/0806/c94476-20350006.html
<ここからは、レコードチャイナより。
同じく。↓>
「中国で感染拡大のチクングニア熱、日本のある製品・・キンチョウの「蚊がいなくなるスプレー」・・が「効果ある」と注目・・・香港メディアの香港01・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958032-s25-c30-d0052.html
<総体継受、継続中。↓>
「中国のSNS・小紅書(RED)に・・・、「日本の教科書のデザインは本当に良い」との投稿があり、反響を呼んでいる。・・・「まるで画集」「美しすぎる(涙)」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958073-s25-c30-d0052.html
<一種の総体継受、継続中。↓>
「日本の特殊詐欺被害額がすでに600億円に=・・・中国のSNS・微博(ウェイボー)・・・「他山の石」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b957894-s25-c30-d0193.html
<片面的日中交流人士モノ。↓>
「<卓球>橋本帆乃香は「カットの女王」、・・・中国国営の中央テレビ(CCTV)のスポーツチャネル・央視体育・・・が孫穎莎との対戦に警戒感・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b958085-s25-c50-d0052.html
–映画評論404:イントゥ・ザ・ブルー–
今回の「『イントゥ・ザ・ブルー』(・・・Into the Blue)は、2005年製作の<米>映画<で、>1977年製作の『ザ・ディープ』のリメイクで、西インド諸島バハマを舞台に、美しい海中映像を交えながら展開するアドベンチャー作品である」
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%88%E3%82%A5%E3%83%BB%E3%82%B6%E3%83%BB%E3%83%96%E3%83%AB%E3%83%BC
ところ、一種の観光映画で、暇つぶしにはなるクラス。
助演女優のジェシカ・アルバは既にお馴染み(コラム#14533、14945)だ。
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太田述正コラム#15114(2025.8.7)
<丸橋充拓『江南の発展–南宋まで』を読む(その27)>
→非公開