太田述正コラム#15239(2025.10.9)
<皆さんとディスカッション(続x6401)/映画評論450:私のちいさなお葬式>
<fWaW436Q>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
コラム#15237 にて、コメントありがとうございます。
おっしゃいますとおり、そもそも資質を欠いてると私も思います。
今でこそ長老風になってますけど、地盤看板鞄で永らえてるだけで党内でも非主流の方が長いくらいですもんね。
同じく地盤看板鞄の小泉氏と変わらない・・・
やっぱり不肖の孫でしたかね。
いずれにせよ、調子に乗って解散に打って出てもらい、壺議員ともども地滑り的敗北で下野していただくことを願う次第です。
<nFLdyupw>(同上)
≫実際には、応神天皇による東征は、筑紫・・邪馬台国所在地?・・から出発し、宇佐(宇沙)に向かい、そこから水軍で瀬戸内海を通って行われた、と、私は見ているのだが、日向国から出発したことにしたため、豊国と筑紫国の行程の順序を逆にせざるをえなくなった、と、私は想像している。≪(コラム#15215。太田)
神功皇后の伝承をネットで調べると、北九州にはいくらでもあるが、応神天皇が成長した後に北九州にいた伝承は存在しないんですよね。
太田さんは、応神天皇達が神話を創造したと主張されてますが、当事者が自分の業績を消すのはどうも説得力がないように思います。
失敗を消す、業績を盛るならあると思うのですが。
⇒かなわんわー。元々のハナシは、シングル「母」が亡くのうて「子」にバトンタッチしまひた、ちゅう、どこんでもありそうなもんやでー。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%BF%9C%E7%A5%9E%E5%A4%A9%E7%9A%87
バトンタッチしてから、まんだその「母」が徘徊しとったら怪談やおまへんか。
私の説は、邪馬台国がヤマト王権に積極的に吸収合併された、というものであるところ、同様、卑弥呼らの後継者を含め、吸収合併された側が自分の旧勢力圏で「業績」を残すワケないでしょが。(太田)
<太田>
安倍問題/防衛費増。↓
<こーゆーのこそ、自分が何言ってんのかすら分かってない高学歴バカという。↓>
「加藤登紀子 高市早苗新総裁に「戦争をしないで」と要望 「沖縄の人が心配していた」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c9a15afc686af86ec024b0f64d5097fb9709dbc4
<荻生田反対理由が旧統一教会癒着でないところからして、創価学会は宗教団体じゃあないね。↓>
「公明党、連立離脱の可能性…「さすがに、看過できません」党関係者が憤る“・・・裏金問題<の>・・・萩生田氏の重役起用”と“麻生氏の暴走”・・・
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E5%85%AC%E6%98%8E%E5%85%9A-%E9%80%A3%E7%AB%8B%E9%9B%A2%E8%84%B1%E3%81%AE%E5%8F%AF%E8%83%BD%E6%80%A7-%E3%81%95%E3%81%99%E3%81%8B%E3%82%99%E3%81%AB-%E7%9C%8B%E9%81%8E%E3%81%A6%E3%82%99%E3%81%8D%E3%81%BE%E3%81%9B%E3%82%93-%E5%85%9A%E9%96%A2%E4%BF%82%E8%80%85%E3%81%8B%E3%82%99%E6%86%A4%E3%82%8B-%E8%90%A9%E7%94%9F%E7%94%B0%E6%B0%8F%E3%81%AE%E9%87%8D%E5%BD%B9%E8%B5%B7%E7%94%A8-%E3%81%A8-%E9%BA%BB%E7%94%9F%E6%B0%8F%E3%81%AE%E6%9A%B4%E8%B5%B0/ar-AA1O43qK?ocid=msedgntp&cvid=68e65927214147a99476f5d9a7012cc1&ei=53
<高市女史は、エセ「保守」であるだけじゃなく、確信的ウソ付きだったのね。サラリーマンちゅう父親を含め、彼女の親の顔が見たいわ。↓>
「高市早苗氏、旧統一教会の教義や教祖は「分からない」…「接点議員」気にせず登用する「鈍感さ」のナゾ・・・
文氏の妻、韓鶴子(ハンハクチャ)氏の名前が出ると「あー、『つるこ』って言っちゃ、だめなんですよね」と急に答える一幕もあった。
その高市氏、実は少なくとも1994〜2001年に複数回、教団と関わりが深い日刊紙「世界日報」に登場している。2001年1月の紙面では、議席の一定割合を女性に充てる「クオータ制」について「大反対」と持論を展開した。
安倍晋三元首相の銃撃事件後の2022年8月には、高市氏は教団系の雑誌「ビューポイント」に出ていたと会見で認めた一方、「旧統一教会と関わりがあると知らなかった」と述べている。・・・」
https://www.tokyo-np.co.jp/article/441290
<旧統一教会もちったあ、いいことやるねえ。↓>
「「やりました万歳」旧統一教会支部が高市総裁誕生をXで祝福→削除で「なんで消した?」と波紋・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/world/%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%97%E3%81%9F%E4%B8%87%E6%AD%B3-%E6%97%A7%E7%B5%B1%E4%B8%80%E6%95%99%E4%BC%9A%E6%94%AF%E9%83%A8%E3%81%8C%E9%AB%98%E5%B8%82%E7%B7%8F%E8%A3%81%E8%AA%95%E7%94%9F%E3%82%92x%E3%81%A7%E7%A5%9D%E7%A6%8F-%E5%89%8A%E9%99%A4%E3%81%A7-%E3%81%AA%E3%82%93%E3%81%A7%E6%B6%88%E3%81%97%E3%81%9F-%E3%81%A8%E6%B3%A2%E7%B4%8B-%E6%95%99%E5%9B%A3%E3%81%8C%E8%AA%9E%E3%81%A3%E3%81%9F-%E7%9C%9F%E7%9B%B8/ar-AA1O7vYv?ocid=msedgntp&cvid=68e71f9e640c477b969687dc90438e6f&ei=5
<そもそも、記者が無知。私の母親の世代までは、みんな崩し字だったってだけのこと。↓>
「《読めません》麻生太郎からの手紙を晒した自民党議員「失礼極まりない」“愚行”だらけの悪手に批判殺到・・・
達筆な字からその育ちと教養の高さが伺える麻生氏。その一方で、同党議員の教養の低さも露呈してしまったようだ。」
https://news.yahoo.co.jp/articles/494c9568ffbb722e3b3bbb5e2bfa52323492696b
ウクライナ問題/ガザ戦争。↓
<いいねえ。人質さえ取り返せりゃ・・。↓>
「トランプ氏、ガザ和平計画「第1段階」で合意と発表…ネタニヤフ氏「人質が間もなく解放される」・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/world/20251009-OYT1T50045/
妄想瘋癲老人米国。↓
それでは、その他の国内記事の紹介です。↓
すんばらしー。↓
「ノーベル化学賞に北川進氏 京都大学特別教授、多孔性金属錯体を作製・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/fa8fe80bde2472de06fe60338fa6a4ef1a8fae73
「ノーベル化学賞の北川進さん「つらいこともいっぱいだが、30年以上楽しんできた」・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/a0315e07dbe4f378b7f1d7c67c49bda9a22f153e
<MOF=大蔵省、でもあるところ、相通ずるものあるねえ。↓>
「北川進氏らが開発の「MOF」とは…「天然ガス貯蔵」「温室効果ガス分離」に応用期待・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/c463ecd259d98f888a7da061c635638b57d8fbc1
<ガクあるなあ。↓>
「・・・「アイデアは、斬新なほどたたかれる。そこでやめたら終わり。くそっと思ってやり直しては、改良する日々の連続だった」
座右の銘は、中国・後漢書に記された「疾風知勁草(しっぷうにけいそうをしる)」。激しい風が吹いて初めて倒れない丈夫な草を見分けられる、という意味だ。研究の正しさが評価されるまで時間がかかったが、「人の強さも困難に遭った時にわかる」。雑草のような強さを、自身の研究人生に重ねている。」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20251008-OYT1T50157/?from=yhd&ref=yahoo
<口伝される、藩論ならぬ一門論。↓>
「ノーベル化学賞でまた栄誉、「福井一門」の輝かしい足跡…北川進さん「世界を見据えた研究に挑めと言われた」・・・」
https://www.yomiuri.co.jp/science/20251009-OYT1T50013/
<ビールで疲れた脳を麻痺させ、「研究」に勤しんできた私。我が意を得たり。↓>
「ビール手に「良い仕事をしよう」 ノーベル化学賞・北川進さんの素顔・・・」
https://mainichi.jp/articles/20251008/k00/00m/040/252000c
<私の言う、太平構想/徳川吉宗誓約、の後遺症だな。↓>
「ノーベル賞受賞者、京大卒10人目 東大卒抜く・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E%E5%8F%97%E8%B3%9E%E8%80%85-%E4%BA%AC%E5%A4%A7%E5%8D%9210%E4%BA%BA%E7%9B%AE-%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E5%8D%92%E6%8A%9C%E3%81%8F-%E7%94%9F%E7%90%86%E5%AD%A6-%E5%8C%BB%E5%AD%A6%E8%B3%9E%E3%81%AE%E5%9D%82%E5%8F%A3%E5%BF%97%E6%96%87%E6%B0%8F%E3%81%AB%E7%B6%9A%E3%81%8D-%E5%8C%96%E5%AD%A6%E8%B3%9E%E3%81%AB%E5%8C%97%E5%B7%9D%E9%80%B2%E6%B0%8F/ar-AA1O4Bz4?ocid=msedgntp&cvid=e99802e2e0314a38c683c8a9f57e61d9&ei=13
<「多数」?。ウソこけ。↓>
「・・・日本のXなどSNSでは、韓国にマウントをとるような祝福コメントも多数みられた・・・」
https://www.msn.com/ja-jp/news/opinion/%E7%9B%B8%E6%AC%A1%E3%81%90%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%99%E3%83%AB%E8%B3%9E-%E9%9F%93%E5%9B%BD%E3%83%A1%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%A2%E3%81%8C%E6%A0%BC%E5%B7%AE%E3%81%AE%E8%A6%81%E5%9B%A0%E3%82%92%E5%88%86%E6%9E%90/ar-AA1O5wpF?ocid=msedgntp&cvid=68e6e03215704bf0b862536ed9bd1603&ei=10
<通常私が見るWeb上の頁でノーベル賞受賞ニュースを報じてきたところの、英米主要メディア、今年は報じてないが、例外がこれ。↓>
A long ‘journey’ for Nobel chemistry winner born to Palestinian refugees–Omar Yaghi, 60, a U.S. citizen born in Jordan, said he was raised with a dozen others in one room.・・・
https://www.washingtonpost.com/world/2025/10/08/nobel-prize-palestinian-omar-yaghi-chemistry/
<日本でも報じられてる。↓>
「「才能はどこにでも」 パレスチナ難民の両親持つ研究者がノーベル賞・・・」
https://news.yahoo.co.jp/articles/93e6971972710fda8491bc879c3ebb8892ab0163
日・文カルト問題。↓
<ついに朝鮮日報が、高市、坂口スルーを克服。
きっかけは、坂口、北川各氏の連続受賞で、報道しないわけにいかなくなったか。
まずは、高市女史。↓>
「史上初の自民党女性総裁 高市氏当選2日後にトランプ氏が祝意投稿「知恵と強さを持った非常に尊敬されている人物」・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/09/2025100980018.html
<次いで北川氏。
でも、そんなレベルのハナシじゃねーだろー。↓>
「・・・韓国では最高水準の人材が医学部に集まっている。その結果、韓国の病院の医療サービスは世界最高レベルに発展したが、新薬・ワクチン・研究開発など、より大きな付加価値を創出できる分野では、逆に質的低下に直面している。有能な医師は多いものの、有能な医学者が足りないからだ。」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/09/2025100980011.html
<なんで、邦語版と英語版で載せる記事が違うんだよー。
(それはそれとして、AI翻訳の出来いいねえ。韓→英、は、易しいのかしら。)↓>
Japan Celebrates Double Nobel Wins as Chemistry Prize Crowns Kitagawa–Haruki Murakami Emerges as Frontrunner for Literature Prize Amid Rising Expectations・・・
· This article has been translated by Upstage Solar AI.
https://www.chosun.com/english/world-en/2025/10/08/VKKU2K5FN5C5RMK62WNT3XET4M/
<同じく。↓>
「・・・キム・ジャホン崇実大化学科教授は日本の相次ぐノーベル賞受賞について「失敗を甘受して基礎科学に着実に投資してきた結果」と評価した。」
https://japanese.joins.com/JArticle/339561
<こういう記事で「バランス」をとる中央日報。↓>
「機内での児童ポルノ画像閲覧が発覚…日本サッカー協会技術委員長解任・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/339550?sectcode=610&servcode=600&cloc=jp|main|
「元交際相手の韓国人女性の家に侵入して性的暴行を加えた日本人男…玄関のドアまで壊した・・・」
https://japanese.joins.com/JArticle/339559
<文カルト健在。↓>
「「独島は日本の領土」と落書きし有罪に、韓国の国旗毀損罪とは=韓国ネット「国外追放でいい」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961701-s39-c30-d0195.html
<同じく。↓>
「ChatGPTの「竹島」に関する回答が物議=韓国ネット「オンライン上でも独島が奪われる」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961635-s39-c10-d0035.html
<そうかもねえ。↓>
「・・・ 駐クウェート北朝鮮大使代理を務めたリュ・ヒョンウ氏は「北朝鮮では在日コリアンには主要な職責を担うチャンスが与えられない」として「高容姫氏の出身成分(親の血統や社会的背景を基準に分けられる北朝鮮の階層・身分)が知れ渡れば、北朝鮮社会にとっては核爆弾級の波及力となるだろう」との見方を示した。
さらに「金正恩総書記が何の業績もないのに20代で後継者になれたのは、白頭血統というたった一つの理由のおかげだ。ところが、生みの親が在日コリアンだという事実が知れ渡れば、正統性を揺るがすだけでなく、北朝鮮の世襲体系が根幹から揺らぐことになる」と指摘した。・・・」
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2025/10/06/2025100680007.html
中共官民の日本礼賛(日本文明総体継受)記事群だ。↓
<引き続き、正常な反応。↓>
「中国のネットユーザーからは「日本がまたノーベル賞。祝福しよう!」「(日本は)本当にすごい。1つの国が2つも立て続けに重要な賞を受賞」「受賞ラッシュが止まらない」「日本は本当に『強い』」「これについては日本は確かにすごいと言わざるを得ない」「敬服する。おめでとうございます!」「基礎科学の分野では日本は確かにアジアトップだ」「これこそ正に『はるかにリードしている』ということだ」「日本は2001年に『50年で30のノーベル賞』を目標に掲げた。わずか半分の期間でもう達成しつつある」など、感嘆と称賛の声が上がった。
また、「MOFがついに受賞か」「3人の科学者が開発した『分子スポンジ』MOFは、炭素や水素の貯蔵などに新たな道を切り開いた。化学の素晴らしい成果の創出は、人類の未来に力を注ぎ込むものだ」などと評価する声も。・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961750-s25-c30-d0052.html
<まあまあ。↓>
「<サッカー>数多くの代表選手育てた馬明宇氏「日韓との差は開く一方。自慢するのも恥ずかしい」・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961709-s25-c50-d0192.html
<総体継受、進捗中。↓>
「杭州に本物丸パクリの「駿河屋」出現、中国ネット騒然・・・」
https://www.recordchina.co.jp/b961714-s25-c30-d0193.html
–映画評論450:私のちいさなお葬式–
今回の『私のちいさなお葬式』(Karp otmorozhennyy(Frostbitten carp)、英題:Thawed carp)は、2017年のロシアのドラマ映画で、監督はウラジーミル・コット(Vladimir Kott)で、主演女優はマリーナ・ネヨーロワ(Marina Neyolova)
https://eiga.com/movie/91585/ ※
https://en.wikipedia.org/wiki/Thawed_Carp
であり、秀作の喜劇的タッチのほのぼの芸術映画であり、芸達者な俳優を揃えたことを含め、こういう映画を生み出せたところの、ソ連崩壊後のかつてのロシア、と、現在の精神を病んだ悪鬼のようなロシア、との落差に目が眩む思いがした。
コット(Vladimir Konstantinovich Kott。1973年~)は、ロシア人の監督、脚本家、制作者、編集者で、the directing department of GITIS (workshop of B. G. Golubovsky)、及び、the directing faculty of the VKSR (workshop of V. I. Khotinenko, P. K. Finn)、卒。
https://ru.wikipedia.org/wiki/%D0%9A%D0%BE%D1%82%D1%82,%D0%92%D0%BB%D0%B0%D0%B4%D0%B8%D0%BC%D0%B8%D1%80%D0%9A%D0%BE%D0%BD%D1%81%D1%82%D0%B0%D0%BD%D1%82%D0%B8%D0%BD%D0%BE%D0%B2%D0%B8%D1%87
ネヨーロワ(Marina Mstislavovna Neyolova。1947年~)はロシア人女優だが学歴は不明。
https://en.wikipedia.org/wiki/Marina_Neyolova
ところで、この映画で、盛んに「恋のバカンス」・・1963年4月に発表されたザ・ピーナッツ歌唱の日本の歌謡曲<で>作詞・岩谷時子、作曲,編曲・宮川泰・・
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%81%8B%E3%81%AE%E3%83%90%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%82%B9_(%E6%9B%B2)
が使われている。
「ソビエト連邦国家テレビラジオ委員会(ゴステレラジオ、国営放送局)のヴラジーミル・ツヴェートフ東京特派員が本曲を気に入り、ソビエト連邦本国に持ち込み積極的に展開、1965年に人気歌手ニーナ・パンテレーエワがロシア語歌詞で歌い大ヒットさせた。
< https://www.youtube.com/watch?v=r6_aMyf-xrE&list=RDr6_aMyf-xrE&start_radio=1 >
(『恋のバカンス』からの直訳ロシア語タイトル「カニークルィ・リュブヴィー (Каникулы любви)」は既にザ・ピーナッツの名とともに人口に膾炙していたが、パンテレーエワのバージョンのタイトルは Песня о счастливой любви(ピェースニャ・ア・シスリーヴァイ・リュブヴィー=幸せな恋の歌)であった。。その後は「カニークルィ・リュブヴィー (Каникулы любви)」のほうが世間に通用するタイトルの座に収まっている)。歌はその後も度々リバイバルされ、ロシア人の中にはこの曲が日本で作られた曲であることを知らない人さえいるほど、現在のロシアでも世代を超えた有名曲となっている」(上掲)というのだが、この映画の音楽を担当したルスラン・ムラトフ(Ruslan Muratov。1960年~)は、ロシア人歌謡曲作曲家、映画音楽作曲家
https://en.wikipedia.org/wiki/Ruslan_Muratov
というのだから、かつて大流行した「恋のバカンス」については、幼児期に聞き入ったことがあり、その後作曲家になってからは、邦語タイトルも含め、詳細を知るに至っていてむしろしかるべきであり、・・ちなみに、ルスランはカスピ海近くのアストラハン生まれ(上掲)でルスランってのはテュルク系の名前だ
https://en.wikipedia.org/wiki/Ruslan_(given_name) ・・その折に、邦語で恋と鯉は発音が同じであることを「発見」していた彼が、それをこの映画の企画段階で脚本家2人に伝えた結果が、ロシア語タイトルの「冷凍鯉」、そのココロは「鯉のバカンス」・・英題が「解凍鯉」になっているのも面白い。要するに、釣られて叩きつけられ仮死状態になり冷蔵庫の冷凍室で冷凍された鯉が自然解凍後蘇生し最終的に川に戻されてこの鯉の「バカンス」が終わる・・、であるところのこの「喜劇的タッチのほのぼの」映画の脚本となった可能性が極めて高い。
こう書いてから、※に出てくる一般観客の映画評群の中に、この映画の原語タイトルに注意を喚起していたodeonzaさんのを読み返したら、そのタイトルが「鯉のバカンス?」となっていることに気付いた。
彼がそのことを本文中では触れなかったのは、さすがに自信がなかったのだろうが、いやいや、私に言わせれば、まことにお目が高いのだ。
鯉は、人間と違って、雄と雌が番を作ることも交尾することもなく、受精した卵からふ化した稚魚達も、一匹一匹が自力で餌を探して食べ、天敵から身を守って成長していくわけであり、このバカンス中の鯉は、ムツカシイ親子関係や近所づきあいや師弟関係に翻弄される人間達を、さぞ、物珍しく見ていたことだろう、と、我々・・といっても日本人ならいざしらず、ロシア人の中のおっそろしい日本歌謡通だけ・・が想像させられるところの、ニヒリズムを通奏低音とする映画であるわけだ。
だから、愚にもつかない邦語タイトルをつけた日本のプロモーターは、まことにもって困ったものなのだ。
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太田述正コラム#15240(2025.10.9)
<岡本隆司『中国」の形成』を読む(その12)>
→非公開