太田述正コラム#3494(2009.8.31)
<皆さんとディスカッション(続x584)>
<ueyama>
≫若者(20代有権者のことを言ってるのかな?)の利害ってなんですか? 非正規雇用、ワーキングプア、年金、保険。≪(コラム#3492。コマ)
 非正規雇用対策もワーキングプア対策も若者向けに見えなくもないですが、彼ら(政治家)の目は若者ではなく、それを問題視している比較的投票率も高く人口も多い団塊世代以上に対するパフォーマンスでしょう。
 最低賃金の引き上げとか、そういうのは全くもって些末なことです。ueyamaが念頭に置いているのは基本的に1つだけで、世代会計
http://homepage3.nifty.com/~~shimasawa/generationalaccounting.htm
の問題です。
 少し目を通すだけでも、日本の世代会計が異常な状態にあることがわかるはずです。
 これは若者世代、あるいは将来の若者世代の問題であり、現在例えば50以上の方には全くなんの影響もない問題です。
 そのためかどうか、これ自体を問題にしている話を私は今回の選挙で一言も聞いたことがありません(ueyamaは新聞も、地上波のNHKを含む民間放送を一切見ていませんので、割引いてきいてくださって結構です。選挙期間中ずっと忙しかったので、ネットニュースもたまにチェックしていたくらいです)。
 年金・保険の問題なんて完全に爺婆様方のための議論でしょう。
 年金を受け取るのも爺婆様なら、保険の適用を受けるのも(青年は病院にかかることが少ないことから)ほとんどが高齢者に金が回っていると予測されます(こちらは想像です)。
 40年後、50年後に今決めた制度がまともに運用されているなんてこの人口分布予測を見るだけでも
http://www.a-lab.co.jp/research/population/15.html
http://www.kisc.meiji.ac.jp/cgi-isc/cgiwrap/~kenjisuz/table.cgi?LG=j&TP=po04-02&RG=&FL=
http://www.kisc.meiji.ac.jp/cgi-isc/cgiwrap/~kenjisuz/table.cgi?LG=j&TP=po04-03&RG=&FL=
http://www.kisc.meiji.ac.jp/cgi-isc/cgiwrap/~kenjisuz/table.cgi?LG=j&TP=po04-04&RG=&FL=
夢物語であることがわかるでしょう。
 そして、この予測を見ればわかるとおり、今以降、加速度的に(生産も行っていない)爺婆様方は少ない数の若者に寄生(言葉が悪ければ訂正します)するようになるわけですが、そのとき、そんなに生産性があがっていますでしょうかね。
 「移民の受け入れ」という話を持ち出せばなんとなく解消されるかもしれない気になりますが、若者世代が出稼ぎに日本にきてしまう移民元の国は大丈夫でしょうかね。
 (上記典拠を見ると、韓国の将来がすごく不安ですね。日本よりも加速度的に「15~64歳」といういわゆる生産人口が減る予測のようですし)
≫若者の投票率が比較的高かった時は、政治家は若者の利害を代弁していたと思ってるの?≪(コラム#3492。コマ)
 相対的に若者の投票率が高かった時がいつありましたでしょうか? 
 20代は昭和44年以降(それ以降は元気な70歳以上の方が増えたんですねぇ(笑))はずっと最低を保っています。
 しかし、典拠はちょっとめんどくさくて示せませんが、比較的昔の20代というのは数も多く、それなりに声が大きく、代議士のセンセ方も今よりは声を聞かざるをえない状況にあったことは確かでしょう。
 それにしても、冷静に考えると50年後の高齢者って今のueyamaのような世代なんですよね。絶大な権力を持ってるなぁ(笑)
≫そう思っているのなら、実際に一票を投じたらどうです。≪(コラム#3492。太田)
 ueyamaが投票しないのは全く別の理由です。あまりお気になさらないようお願いします。
<コマ>
 若者の利害問題は世代会計。年金・保険は若者ではなく高齢者のための議論。昔は20代の数が多く、政治家も声を聞かざるを得ず、それゆえに20代の投票率が今と比べて高かった。
 要約するとこういうことを言ってるんだと思う。
 あの、世代会計って、年金、社会福祉、医療等を利益と負担を世代ごとに計算して、損得を明らかにしたものというのはわかってるよね?
 若者に限った話じゃないし、年金こそ世代会計の本丸中の本丸。
 だって賦課方式なんだから。
 将来的には非常に難しいけれど、積立方式への移行が必須だろうね。
<ueyama>
>昔は20代の数が多く、政治家も声を聞かざるを得ず、それゆえに20代の投票率が今と比べて高かった。
 違います。今よりは相対的に人口が多かった、といっているだけです。その他はまあその通りですね。
>あの、世代会計って、年金、社会福祉、医療等を利益と負担を世代ごとに計算して、損得を明らかにしたものというのはわかってるよね?
 ueyamaが出している典拠を読んでいるならこんな言葉がでてくるとは思えません。
>将来的には非情に難しいけれど、積立方式への移行が必須だろうね。
 なくせばいいだけですよ。
<太田>
 感覚的には、私もそう思うな。
 ついでに、生活保護制度も止めて、傾斜をつけた負の所得税方式一本にする。
 前提として、所得を国が完全に捕捉できるようにする必要があるけどね。
 ただし、公務員に対しては恩給制度を復活する。
 公のために生命の危険を顧みず奉仕する人を、引退後報いる、という原点に立ち戻った上で、どの範囲の公務員に恩給制度を適用するかを決定するわけ。
 全(中央・地方)公務員に適用する、というのは単純明快ですが、当面、その是非の判断は保留しておきます。
<ξξΑΑ>(「たった一人の反乱」より) 
 <今回の総選挙、>余裕で70%越えの投票率になるかと思ったけど、「現行制度下では過去最高」と言えど、今一でしたね。
 「衆院選小選挙区の推定投票率は、69.27%(毎日新聞調べ)で、「郵政選挙」となった前回05年(67.51%)をやや上回り、現在の小選挙区比例代表並立制が導入された96年以降では、過去最高となる見込みだ。」
http://mainichi.jp/select/today/news/20090831k0000m010210000c.html
 (典拠↑を差し替えた。太田)
「衆議院議員総選挙投票率一覧」
http://www.promised-factory.com/100years_after/house/turnout-r.html
 民主が勝ちすぎて、議席が自民に流れちゃ困るんで、比例は共産に初めて入れちゃったw。
 「近畿ブロックで民主は、比例名簿1位に重複候補を44人並べ、その下に単独候補8人を擁立。しかし、重複候補41人が小選挙区で当選。単独候補が全員当選しても比例区の当選者が足りなくなった。みんなの党は比例票で1議席を得る計算だったが、比例区に唯一立候補の大阪9区の吉野宏一氏が復活に必要な有効投票総数の10分の1を得ることができなかった。この結果、自民の谷公一、谷畑孝両氏と公明の赤松正雄氏の計3人が「棚ぼた」で議席を得た。
 一方、東海ブロックでも、みんな<の党>が比例で1議席を確保するはずが、唯一の候補である静岡1区の佐藤剛氏が復活当選に必要な得票に届かず、民主の東海ブロック41位の磯谷香代子氏が当選した。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0831/TKY200908310039.html
 (典拠↑を差し替えた。太田)
 ああ、やっぱり、民主は比例で勝ちすぎましたね・・・
≫前提として自身が腐敗している場合は、他者の腐敗を暴きたてるようなことは仕返しが怖すぎて出来ないと思ってるんですけど、そもそもそこが間違ってるんでしょうかね? ≪(コラム#3486。ΞΑΞΑ)
 野中広務が関西テレビに出て、細川政権の時の状況を「自民内にも同じ傷を持っている者もいたので、追及は甘くなってしまった」というようなこと、また、武村正義は、「自民は徹底的に粗捜しをしていました」というようなことを述懐してたよ。
 たぶん、このこと↓だと思う。
 「さらに細川自身の佐川急便借入金未返済疑惑が野党・自民党に追及される。
細川は熊本の自宅の門・塀の修理のための借入金で既に返済していると答えていたが
返済の証拠を提出することが出来ず、国会は空転。政権は一気に下り坂に向かった。」
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%B0%E5%B7%9D%E8%AD%B7%E7%86%99#.E7.B4.B0.E5.B7.9D.E5.86.85.E9.96.A3
 甘い追及でも細川内閣を退陣に追い込めたってことやねえ。
 脛に傷を持っているであろう自民政治家も落選したことだし、今後自民は、死に物狂いで鳩山新内閣を退陣に追い込むんちゃうかな?
<KT>
 幸福実現党が一人も当選してなくて(小選挙区280人、比例代表区36人)笑いました。
 wiki早すぎる(笑)。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B9%B8%E7%A6%8F%E5%AE%9F%E7%8F%BE%E5%85%9A
<太田>
 額賀福志郎も
http://sankei.jp.msn.com/election2009/board/hireiku-03.htm
浅尾慶一郎も
http://sankei.jp.msn.com/election2009/board/hireiku-04.htm#e09h161
比例で復活当選しちゃった。
 ガックリ。
 太田昭宏代表、北側一雄幹事長らが落選し、選挙区での当選がゼロに終わった公明党、そして、綿貫民輔代表と亀井久興幹事長が落選した国民新党は、壊滅したと言っていいんじゃないかな。
http://www2.asahi.com/senkyo2009/news/TKY200908310061.html
http://mainichi.jp/select/today/news/20090831k0000m010263000c.html?link_id=RTH02
 今後は、事実上、自民党、民主党、共産党の3党鼎立時代になるのか、自民党も壊滅して、民主党、共産党の2党並立時代になるのか、というところですね。
 この日経ビジネスの記事↓は、自民党壊滅説だな。
 「・・・ 森喜朗など閣僚級の政治家の多くをクライアントとして抱え、延べ650人の当選記録を積み上げてきた選挙コンサルタント会社、政治広報センターの代表を務める宮川隆義(自宅療養中)は、8月中旬に発売された週刊誌で、こう指摘している。
 「『自民党は政権に復帰できるでしょうか』。(中略)自民党議員や関係者から、そう聞かれることが多い。私の答えは決まっている。『できません。少なくともあと20年はムリです』。本当を言うと20年どころか、このまま自民党が露と消えるかもしれない、とさえ思っている」
 これは、「民主291議席、自民128議席」という宮川の予測に基づいた話。実際はそれを下回っただけに、宮川の自民党への印象はさらに深刻なものとなっているはずだ。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20090830/203767/
 (なお、この記事の下掲↓のくだり、私はそうは思わないけど、面白い分析ではある。
 「・・・かつて、自民党に「角福戦争」と呼ばれる対立があったことは、あまりに有名だ。田中角栄と福田赳夫が1972年の総裁選で争って以降、3回にわたって総力戦を繰り広げた。
 田舎から出てきて学歴のない田中角栄は国土の均衡な発展を主張し、バラまき行政を行った。他方、東京大学卒で大蔵官僚出身のエリート、福田赳夫は競争主義、対米追従を掲げた。細かな違いはあれど、前者は今の民主党が掲げる政策に、後者は自民党の政策に、ほぼ一致する。
 時が過ぎ、平成の世。2000年に森喜朗が首相となると、以降、小泉、安倍、そして福田の息子と、4代にわたって福田派の“後裔”が自民党を仕切り、田中派の色が残る勢力は、駆逐されていった。
 それを取り込みつつ地力を蓄え、拡大していったのが、田中角栄に寵愛された小沢が中枢に座する民主党である。
 小泉に外され、自民党を後にした田中角栄の娘、田中真紀子は、ついに選挙公示直前の8月15日、小沢が築いた民主党へ合流することを表明した。中枢に福田派が残る自民党、対して“田中派のプリンス”が築いた民主党に、田中真紀子が入ったことは、象徴的だ。
 近年、角福戦争の延長戦よろしく、猛烈な追い上げを見せた福田派勢力。自民党のある若手議員は、「民主党政権の独裁が続くような事態となってしまえば、田中派勢力が、延長戦のリベンジを果たしただけ、ということになってしまう」と危機感を滲ませる。・・・」)
 以下↓のような選挙結果を見る限り、自民党には、もう党を再生させる活力は残っていないんじゃないかな。
 「09衆院選】世襲は民主10%、自民46% 当選者の内訳・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090831/elc0908310739105-n1.htm
 「女性当選者数は54人に達し、・・・すべての当選者に占める割合は11.3%で初めて10%台に乗った。女性議員は増加傾向にあるものの、依然として男性優位の状況に変化はない。
 ・・・民主党から40人が当選。自民党は8人・・・でいずれも前職だった。」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2009083101000035.html
 「・・・民主党の当選者の平均年齢は49.4歳で、56.6歳の自民党より7歳ほど若い。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/politics/election/090831/elc0908310739105-n1.htm
 ワシントンポストがこんな↓事実誤認のうっかりミスを犯すなんて興ざめもいいところです。
 ・・・The grand strategist behind the win was Ichiro Ozawa, a former LDP power broker. He was the Democratic Party’s founding leader until he was forced to resign this year in a campaign finance scandal. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2009/08/30/AR2009083000854_pf.html
 これに比べると、ニューヨークタイムスの記事↓は大変できがよろしい。
 ・・・Political analysts expect Japan to remain a close American ally, but one that is more assertive and less willing to follow Washington’s lead automatically.
“This is what happens when you have a government in Japan that must be responsive to public opinion,” said Daniel C. Sneider, a researcher on East Asia at Stanford University. “It will end the habits from decades of a relationship in which Japan didn’t challenge the United States.”・・・
http://www.nytimes.com/2009/08/31/world/asia/31japan.html?_r=1&hp=&pagewanted=print
 ファイナンシャルタイムスの記事↓は、一見、日経ビジネスの前掲記事でカッコ書きで引用した部分と重なり合うように見えるけど、結論の部分、若干意味不明ながらも、皮肉が効いていて面白い。
 ・・・the DPJ’s emphasis on inclusive capitalism, via income support and regulation, often sounds like a throwback to the LDP of old.・・・
 The book of Japan’s popular rebellions is slim. Radical change has tended to come from above, implemented by modernising samurai in the Meiji period or by America’s occupation forces after the war. Sunday’s upset was the culmination of a drawn-out rejection of the postwar political order. It has been delivered without real conviction and without the intention of catalysing a social revolution. It is a very Japanese revolt but a revolt nonetheless.
http://www.ft.com/cms/s/0/3408ccc2-956e-11de-90e0-00144feabdc0.html
 同紙のもう一つの記事↓も面白い。
 ・・・diplomats say his stress on human rights could be a source of friction with Beijing.・・・
http://www.ft.com/cms/s/0/4ff66ad6-9580-11de-90e0-00144feabdc0.html
<KT>
 武満徹の音楽、とても心地いい曲ばかりでした。
 リンク先の関連動画にある夢千代日記のオープニング曲↓も心地よかったです。
http://www.youtube.com/watch?v=btRtstgfmlc
<MS/KT>
プログラム
9:00 集会所到着、準備
9:30 オフ会開始の挨拶(MS)
9:35 太田さんの模擬講義
    (進行:H氏の誘導質問形式、内容:米国論、属国論(仮))
10:35 質疑応答
11:30 参加者自己紹介
12:00 昼飯休憩(参加費支払いもこの時にお願いします)
13:00 太田コラムマニアッククイズコーナー(KT、景品あり)
13:30 未定
      (この時間帯のコーナーのアイデアがなくて困っています。
       この時間を使って誰か発表したいという方は、いらっしゃいませんか?
       ohtan_off2″_at_”yahoo.co.jp に連絡ください。)
14:50 休憩
15:00 フリーの議論
16:20 一次会終了&二次会場へ移動
<太田>
 オフ会出席ご希望の方は、下掲↓のフォームでどうぞ。
http://www.ohtan.net/meeting/ 
<MS>
 –冊子について–
 ・・・内容について希望を募ってみましたが、反応はありませんでした<ので、>私の考えで、・・・自分なりに本の全体のストーリーを考え・・・、下記のような内容で冊子(次回出版作)を作りたいと考えています。
 <今後、>コラム・ナンバー埋め<ることにな>ります。
 ただし、三の項目は対応するコラム・ナンバーがないかもしれません。また、太田さんのおっしゃられていることと若干違う気もします。弥生モードから縄文モードへの転換を人間主義の観点から(弥生・縄文モードという言葉を使わないで)説明してみました。、
 縄文・弥生モードはその検証自体が一大研究分野だと思うので、本の主張のメインの論拠に組み込んでしまうと論駁されやすくなるかもしれないと心配しています。
 三の項目を弥生モードから縄文モードへの転換、四を縄文の顔をしたアングロサクソン化とすれば、現在の太田コラムの枠組みの中で本質的には同じことが言えると思います。 が、理解が不十分だったり、自分の考えと太田コラムの内容がごっちゃになったりしているかもしれないので、できれば太田さんの方で問題点など指摘していただけると助かります。

1. 題名
  開国論
2. 概要(仮)
一、
 戦後日本は一貫して軍事を放擲することで国家ガバナンスを放棄しつつ、ひたすら経済的利益のみを追求してきた。このことが今日に至るまで自民党を中心とした政官業癒着体制を温存してきた最大の原因である(#????)。
 総選挙における民主党の大勝により、ついにこの癒着体制が音をたてて崩れ始めたかのように見える。しかし、この選挙においても、最大の原因である軍事の放擲に関しては、ついぞ主たる論点になることはなかった。このことは現在日本における軍事に対する無関心ないしは強い忌避感情と、その必然的結果としての外界への無関心、そして、それと表裏一体の内向きな思考・行動様式をあらわしている(#????)。
二、
 かつて日本もその大正時代においては、アジアの小覇権国として人・物・カネのグローバル化、立憲君主制、民主主義制の確立などのルールの明確化など、軍事力を背景にした開かれた国づくりを推し進めた(#????)。
 ところが気がつけば日本人は再び内向きな思考・行動様式に陥り、これまた人種差別という深刻な精神疾患を抱える米国と矛を交えることになってしまい、その覇権を失うことで深刻な自信喪失に陥り、軍事を放擲したまま現在に至る(#????)。
三、
 このような日本人の軍事への強い忌避感情と内向きな思考の原因は、彼らの人間主義的なものの見方にあると考えられる(#????)。
 人間主義社会では、集団の規範に同調する強い傾向を示す(#3489)ため、集団内においては意見の異なる他者を力を持って屈伏する必要性があまりない。
 一方では非人間社会化した集団と軍事力を背景にせず付き合うことは不可能であり(#????)、このことが人間主義社会に強い精神的なストレスをもたらす(#????)。往々にして人間主義社会の集団は、このストレスから手っ取り早く逃れるため、非人間主義的な外界との付き合いをさけ、内向きな思考・行動様式に陥る(#????)。
注:三に限っては、????に対応するコラム・ナンバーがないかもしれません。
四、
 現実の世界においては、外界と遮断され人間主義社会が存在することはあり得ないため、内向きな傾向は時として先の大戦のような悲劇的結末をもたらす。
 そのような悲劇をさけるための唯一の方法は、大正時代に目指された日本の開国を徹底的に行うことである。また、その過程において、自らの潜在意識における人間主義の「人」の範囲を着実に拡大し、それと同時に、世界、就中アングロサクソン社会中、非人間社会化した部分の矯正をしていくことである(#3491)。その過程において軍事力は残念ながら必要なものであるという現実を、日本人は受け入れなければならない。

 冊子に関しては、上記のような概要のあと順番に各コラムを並べたらどうかと思っています。出版物にするときはつながりを考えて修正しないといけませんが、今回それをする時間はちょっとなさそうです。
<太田>
 MSさん、このまとめを読むと、私のコラムを素材として、MSさんがコラムを書いたって感じですね。
 オフ会出席者に「冊子」・・引用されたコラム#3489や3491は未公開コラムですが使っていただいていいです・・を配布した上で、このまとめを若干敷衍する形で、MSさんが、オフ会の13:30からの時間枠の冒頭、若干お話をされたらいかがでしょうか。その際、太田FAQ作成の苦労話等を織り交ぜてもらってもよろしいかと思います。
 この講演を踏まえて、私を含め、出席者で議論をする、というわけです。
 15:00からの時間枠でも、他の出席者に、別テーマで同様のお話をやっていただけないものでしょうかね。
<田吾作>
 既にご存知かも知れませんが【ル・モンド】に「新疆ウイグル、2009年」という
記事があります。
http://www.diplo.jp/articles09/0908-2.html
<太田>
 いつも、情報提供、ありがとうございます。
 
<ξΑξΑ>(「たった一人の反乱」より)
 ・・・イラン映画は日本でも大人気(子供が主人公の映画が多いので、特に女性が好んでいる)だし、イランの映画監督が来日したり、草の根では交流が進んでる・・・。 <(っこラム#3490参照。)>
<ξΑΑξ>(同上)
http://www.amazon.co.jp/%E3%83%AD%E3%83%93%E3%82%A4%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E8%AD%A6%E5%91%8A%E2%80%95%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E9%87%8E%E6%9C%9B%E3%81%AE%E3%81%AA%E3%81%8B%E3%81%AE%E6%97%A5%E6%9C%AC-%E5%B2%B8%E7%94%B0-%E6%B2%BB%E5%AD%90/dp/4420310251
の中にもイランの親日ぶりが異常だったと書かれている。
 サンケイの記者だっけ。イラ・イラ戦争の時に日本の援助があったとか無いとか
 日本とイスラムの関係は↓の日露戦争と日土関係ー20世紀における日露戦争の記憶に詳しい
ttp://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E6%97%A5%E9%9C%B2%E6%88%A6%E4%BA%89%E3%81%A8%E6%97%A5%E5%9C%9F%E9%96%A2%E4%BF%82%E3%80%8020&lr=
 ここから東トルキスタン問題も戦前からの人的なつながりがあるらしいということを感じさせるね。
 「ロシアから来たタタール人ムスリム、青年トルコ党の元将校および情報部員、さらにはトルコから来たオスマン帝国の忠臣すらもが自国ではもはや歓迎されず、日本の庇護のもとに移住者集団を形成した。
 それは、戦争中は最後まで自らの任務を全うした汎イスラム主義者や汎トルコ主義者、さらには左翼の革命的イスラム主義者まで含む多様な人々であった。
 国外追放された青年トルコ党のリーダー、エンヴェル・パシャの主導で1922年に中央アジアでチュルク語族が起こしたバスマチの反乱の参加者もいた。
 そのほとんどが、イブラヒムなどのタタール人が住んでいたボルガ川沿いのカザンおよびバシキール地域の出身であった。
 10万人の白系ロシアの亡命者とともに約1万人のタタール語族が極東に定住した。
 1920年代と30年代に約1,000人が日本に移住し、イギリス領インドやオランダ領インド諸国から来たムスリムとともに大きなイスラム社会を作った」
 「このトルキスタンの反乱は簡潔に言えば、かつての青年トルコ党員である多くの国の汎イスラム主義者がアフガニスタンから新疆に結集して参戦したものであった。この計画は結局、日本当局内に意見の相違があって内陸アジアへの直接侵攻を断念したことで消滅した。」
<太田>
 明治期の日本人は、まともな諜報活動をやってたってことですよ。
 イランって言えば、イスラエルのイラン核施設攻撃が目前に迫ってるってコラム↓が出てました。
 イスラエルが米国の意向を無視して、これまでどれだけ軍事行動をやってきたかが併せて紹介されてます。
 ・・・Iran has until late September to respond to the latest international proposal aimed at stopping the Islamic Republic from developing a nuclear weapon. Under the proposal, Iran would suspend its uranium enrichment program in exchange for a U.N. Security Council commitment to forgo a fourth round of economic and diplomatic sanctions.
 But if diplomacy fails, the world should be prepared for an Israeli attack on Iran’s suspected nuclear weapons facilities. As Adm. Michael Mullen, the chairman of the U.S. Joint Chiefs of Staff, recently acknowledged: “The window between a strike on Iran and their getting nuclear weapons is a pretty narrow window.”
http://www.latimes.com/news/opinion/commentary/la-oe-zenko30-2009aug30,0,4989051,print.story
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太田述正コラム#3495(2009.8.31)
<イギリス大衆の先の大戦観(その2)>
→非公開