太田述正コラム#3813(2010.2.6)
<皆さんとディスカッション(続x736)>
<ΒμμΒ>(「たった一人の反乱」より)
 日本の独立は政治じゃなくて国民の自覚と意思によって初めて成り立つ。
 とにかく、日本は軍事や外交と言ったものに責任とリスクを背負う勇気を持たなければ自民だろうが、民主だろうが自立した国家にはなりえない。
 しかし、日本の国民に日本は属国か?自立した国家か?なんて質問をすることすらしないジャーナリズムの上では国民の覚醒の道は果てしなく遠い。
 国民の覚醒のため、・・・?の情報を流して謝罪することなくいつまでもジャーナリストを続けていられるようなマスコミの改革からはじめていくのがいいだろう。
<μμββ>(同上)
 ・・・
 ん?意味がわからんが。
先ず、マスコミ改革云々云う前に、マスコミそのもの自体が何で食っているんか理解するのが先決だろ。
 わかりやすいぞ、「ポチは見た」。
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/8404/sono26.htm
 まさに昨日のトヨタの見苦しい釈明会見は、トヨタの今までの(日本では)膨大な広告予算の前に大手マスコミはトヨタの欠陥車や事故、不祥事等々に対し沈黙してきた故の傲慢な釈明会見で、これは致命傷になる可能性が大だと危惧する。
 (過去に、三菱車の欠陥や事故は大騒ぎしても、何故かトヨタの欠陥・事故は華麗にスルーしてきたよね)
 国民の覚醒のためには、物事の真贋を見極める普段からの心構えが必要だろ。
 人間は、“考える”ことはホントに重労働で大変であるが故、疑問をもたず“命令に従う”ことに依存し安心する。
 学校教育なんぞさいたるもんで、社会に出ても同様で、誰も疑うことすらしないしね。
 先日発表になった、ホンダやソニーの営業利益修正報告も ただダラーっと見ていると あぁ儲かっているんだな~流石に天下の・・・と感心?するだろーが、利益を出している部門が本業の販売部門ではなく、金融部門なんだぜ。 
 これは、巨大企業の経営基盤の劣化が進んでいるってこと。
 キリンビール飲んで酔っ払ってる輩も、キリン(アグリバイオ)は世界的な花きメーカーなんだぜ。
 ・・・
<μβμβ>(同上)
 毎日新聞(夕刊) 1998年2月4日 <憂楽帳>
http://www.jca.apc.org/usokiji/image2/kiji.jpg
 ・・・
                ↓
 毎日新聞(夕刊) 1998年2月5日 <訂正>
http://www.jca.apc.org/usokiji/image/teisei.jpg
 ・・・
<ΒμμΒ>(同上)
 ・・・
 まず国民は結局のところ、マスコミを通じて情報を知ることが大半なのだから、そのマスコミがスポンサー批判は出来ませんなんていうジャーナリズムの否定を行ってるのなら、それを改革し、スポンサーを恐れない報道組織になってもらうように促さなきゃならん。
 情報の真贋なんていうのは普通の人は中々判断できん。よっぽどネットを使いこなすなりしないとな。それよりマスコミ自体の信頼性を向上させていくのが正しい道だろう。
 ・・・
<μββμ>(同上)
 ・・・
 おそらく、こういう<上杉氏のような>独立系ジャーナリストを使った<小沢氏らからの>検察パッシングは今後もしつこく続けられるだろう。
 検察サイドが大手マスコミや青山氏や検察に”友人”を持つ太田氏を使って検察サイドの情報を流す以上、情報戦の対抗策として当然の措置ではある。
 入れ知恵しているのは佐藤優氏あたり?じゃないかな~。
<太田>
 キミ達の日本のマスコミ批判はあたってる。
 μμββクンが引用した
http://www.geocities.co.jp/SweetHome/8404/sono26.htm
 の中に出てくる、「「金の亡者とヘナチョコたち」これが今のマスコミの、、、いや日本社会の現実だろ?」は、まさにその通りだ。
 だけど、トヨタにも非はあるものの、最近のヒステリックなトヨタ批判は行き過ぎだ。
 米国での批判には、その業病的な人種主義の現れって面もあると思うね。
 英国では、トヨタに好意的で米国に批判的な記事をガーディアンが載せてるよ。↓
 
 ・・・In the wake of a bailout of Detroit’s ailing manufacturing industry last year the US government owns a 60% stake in GM and has a minority holding in Chrysler.
 This leaves it with an apparent conflict of interest as it stands in judgment over a foreign rival.
 The US transport secretary, Ray LaHood, has come under fire for over-reacting to Toyota’s difficulty ? he was obliged to perform a swift U-turn on Wednesday after initially advising owners to stop driving all of the 8.1m v¬ehicles affected by the global recall.
 David Champion, director of automobile testing for Consumer Reports magazine, said the core problem of faulty Toyota accelerators had been linked to 19 deaths in a decade, amounting to two a year of the 40,000 people killed annually on ¬American roads.
 ”I find it a little odd that we’re going to have a Congressional hearing to look at those two deaths out of 40,000,” said Champion.・・・
 Compounding the sensitivity of the crisis, Toyota is deeply unpopular with America’s leading car plant union, the United Auto Workers.
 The union demonstrated outside the Japanese embassy in Washington last month in protest at employment of non-union workers and the closure of a factory in California.
 Experts, however, point out that Toyota’s speciality in small cars means that it competes relatively marginally with GM and Chrysler, which are stronger in larger automobiles and trucks.
 The direct rivals most likely to benefit are Ford, which has taken no US government aid, and Asian manufacturers Hyundai and Honda.・・・
http://www.guardian.co.uk/business/2010/feb/05/toyota-united-states-reaction
 ガーディアンは、トヨタに好意的で米国に批判的なコラムも載せてるな。↓
 ・・・motoring journalists are tweeting in support of Toyota, and indeed some Toyota dealerships are experiencing a “positive backlash” with loyal customers rallying to back them.・・・
 Many of the hundreds of recalls listed sound far more serious than the possibility of the throttle pedal sticking. For example, I have selected a few faults at random, “risk of fire, brakes may fail, wheel bearings could fail, possible loss of steering.” Few of these recalls were run in the glare of media attention and hysteria associated with the recent Toyota case.
 In the past there have been attempts to label manufacturers with the most recalls or the most vehicles affected as somehow careless or irresponsible. I’ve always taken the view that cars are incredibly complex machines used in a wide range of extreme environments and, despite extensive testing ahead of launch, some faults are inevitable. Recalls can be evidence of responsible manufacturers.・・・
 I can’t help thinking that some of the backlash and problems Toyota has found are due to them recently becoming the global leader. Some people just don’t like to be overtaken.
http://www.guardian.co.uk/commentisfree/2010/feb/05/toyota-recalls-hysteria
 ただし、米国でも、CSモニターはトヨタに好意的な記事を載せてるからね。↓
http://www.csmonitor.com/Money/2010/0205/Toyota-recall-Great-cars-poor-consumer-relations
<βμβμ>(同上)
 太田さん、
≫不起訴処分がどうしても腑に落ちないって? だって起訴すりゃ、小沢は失脚し、日本の政治に大激震が走る≪(コラム#3811。太田)
↑これ、逆に日本の隷属状態を天下に知らしめるチャンスでないのか?
 現在の政治に大激震が走ったとして、何が不都合なの? 
 予算・・・だって強引に通すだろ。
<太田>
>日本の隷属状態を天下に知らしめる
ことは、検察の仕事じゃないよ。
<βμβμ>(同上)
 田中、小沢と、米国の威光を軽くみる輩が米国の命によりいとも簡単に失脚させられる状態は、無残にも殺されたフセインのイラクとどこが違うのか?
<太田>
 歴とした独立国であったイラクと属国の日本を同一視するなんて、当時のイラクに失礼だど。
<βμβμ>(同上)
 米国が日本の宗主国であり、それに逆らうことさえできない状態にある“属国・日本”であると、普段何も考えず鼻糞ほじって屁をひっている平和(属国・家畜)呆けした我々日本人が、はて?~ と、考えるチャンス。
 昨日の報道で、これから近々に小沢は米国に赴くとの報があったのと、・・・亀井の今までの言とは全く異なる米国に対する媚米の急転回発言・・・まさに、ここ数日の間に、小沢と亀井の対米姿勢を変化させた“理由”は何であるのか・・。
 ロッキード事件での立花の後日談そのものの、日本の中枢を担っている政治家たちの「日本の政治を動かしているのは米国」との発言。
 で、結局のところ小沢は命乞いを、亀井は勢力拡大のために、宗主国に土下座をしたってことになるんでないか。
 小沢の政治生命と今更日本の激震程度と引き替えに、日本が独立する切欠となるのであれば、小沢の役割は充分に価値があるとおもうが。 
 結果、必要悪?とでも。
 ま、今まで報道されなかった、米国と追米への売国政策のことが、どんどん浮上すればよいとおもう。
<太田>
 ここんとこは、冴えてるじゃん。
<Chase>http://blogari.zaq.ne.jp/fifa/
 –張鼓峰/ノモンハン事件の歴史的意義–
 太田述正氏の次書の編纂にあたって、全体のイメージを構築するために気づいたことを逐次メモしておきたい。
 太田述正氏の次書で、目次案にある
1938年 張鼓峰事件(ハサン湖事件)/1939年 ノモンハン事件(ハルハ川戦争)「年号と()は、Chaseが追加」
のコラム(非公開)(「張鼓峰/ノモンハン事件」シリーズ(その1~その5)」。#3774,#3776,#3778,#3780,#3782)は、考えさせられるところ大であった。
 私は、日支戦争の最中、ロシアとの小競り合い?に巻き込まれて敗走した云々の漠然とした認識を持っていた。
 がしかし、太田史観(コラム#2900「19世紀末以降の日本史をどう見るか」も参照)によれば、そもそもジョージケナンよりずっと以前に日本帝国は、ソ連の封じ込めを満州を通じて行っていたのであり、大戦後の歴史の顛末からすれば、自由主義圏の日本が直接ソ連と戦ったことは大賞賛に値することであったとのこと。
 これまで、私自身の中で、いわゆる15年戦争(家永氏の呼称)の理解が、なんだかすっきりしなかったのは、問題設定を、ずるずると引きずられ過ぎた支那に置きすぎてしまい、本題の?ソビエトの脅威が脇役になっていたことに原因があった。
 とりわけ、日本が、自由主義圏の先兵となった戦ったという大文脈を認識していなかったため、同時代における帝国主義国家間の小競り合い程度とイメージしてしまっていた。
 別稿としたいが、太田史観によれば、支那との戦争は、米国の逸脱行動(deviant behavior)の理解がなければ、正鵠を射た認識に至らない。
 日本の歴史の教科書、一般向けに刊行されている歴史書で学んでも、筋が通った理解ができなかったことの原因はこのことによる。
 閑話休題。
 驚くのは、秦氏等の著書を見ると、ソ連崩壊後に刊行された歴史文書によれば、張鼓峰事件(ハサン湖事件)/ノモンハン事件ともに、日本は互角以上に戦っていたこと「昭和史の論点」(文春文庫)。
 赤軍に比べ劣勢にあった日本帝国の装備からすれば驚嘆すべき結果である。
 かくして、張鼓峰事件(ハサン湖事件)/ノモンハン事件(ハルハ川戦争)は、太田述正氏の慧眼によって、帝国主義時代の単なる国境紛争から、近代から現代に連なる自由主義の戦いの嚆矢として歴史の光が当てられたことになる。
 太田テーゼ#42?
“張鼓峰/ノモンハン事件は、近代から現代に連なる自由主義国家群の戦いの嚆矢”
<太田>
 ご苦労様です。
 細かい点から、ノモンハン事件の相手方はあくまでもソ連ですから、その呼称を括弧書きで入れるのなら、「ハルハ河事件」でしょう。
 次にもうちっと大きい点ですが、太田テーゼ#42については、専制的ロシアに対する自由主義的国家群の戦いの一場面、ないしは、共産主義ロシアに対する自由主義的国家群のの戦いの最後(2回目)でしょうね。(嚆矢(1回目)はシベリア(等)出兵です。)
 ところで、次著の前書きと後書きはともかくとして、私が補わなきゃならない欠缺部分、後どんなところがありましたっけ?
 それでは、その他の記事の紹介です。
 『メガトレンド』の著者として名高いジョン・ネイスビッツが奥さんのドリスと中共についての共著を上梓し、インタビューに答えています。↓
 Doris Naisbitt: The Western system is a multi-party system, the justification for governing is to be elected. Party A has to make Party B look bad and vice versa. It’s a constant tug-of-war. In China, the government deliberates and makes up its mind. They have discussions too, and they are very smart people — very well educated and prepared. They set one goal. Then they all pull in that direction, creating a framework for the people within which they can try to reach that goal. The big advantage is: If the government is not sure whether something will work or not, they have special zones in which they can try it out.
 John Naisbitt: Trial and error.・・・There are many examples of bottom-up initiatives that are accepted by the leadership and turned into directives for the whole country. It’s a consultative democracy.・・・
 What does democracy mean? Rule of the people. In China, they respond to the people’s wishes. You may not believe that, but a study done by the Pew Research Center found that the Chinese government has an 89 percent approval rating. ・・・
  China is a country without an ideology.・・・
http://www.spiegel.de/international/world/0,1518,675615,00.html 
 ↑中共が抱える最大の問題は、一党独裁下では法の支配を確立できないことです。
 ネイスビッツ夫妻のズレズレ新著は、やはり米国人のどうしようもない国際音痴ぶりを示しています。
 エージェンシー関係の重層構造のメリット(人間主義)を生かしつつ、どう経済をアングロサクソン化して行くか、それが現在の日本の最大の課題です。↓
 
 「・・・日本では社員一人を解雇する際に多額の退職金を支払わなければならないなど、構造調整が難しく、そのため臨時職が増えざるを得ない・・・臨時職の労働者が全体労働者の3分の1以上を占めており、それによって社員教育がおろそかになり、全般的な品質低下につながっている・・・
 サービス分野では、相変わらず規制が厳し<く>・・・建設、輸送、医療サービスの場合、15年間規制緩和が行われていない・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100205000042
http://www.chosunonline.com/news/20100205000043
 とにかく、現在の韓国を形作ったのは日本です。↓
 「・・・サムスン半導体も人材、設備、部品、原料のすべてを日本に依存してスタートしました。東芝、日立から多くの人材を引き抜きました。横浜に研究所をつくり、日本の技術者1500人を集めました。人材に対しては大変な情熱でした。しかしこれと同時に、イ会長は数多くのサムスンの人材を日本の大学に送り込みました。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100205000060
 ルネッサンス期イタリアにおける3「偉人」の関係をご存じの方も少なくないと思いますが、改めてどうぞ。↓
 ・・・Five hundred years after his death, Cesare Borgia still ranks as one of history’s most reprehensible figures: ruthless, power-hungry and peacock-vain. But his reputation as a brute obscures the full human dimensions of this duke who sought to reunite Italy and place himself at the head of a new Roman Empire.・・・
  Borgia was on his way to becoming Machiavelli’s model for “The Prince,” a work that, as Strathern puts it, “shocked the world, revolutionized political thinking, and would ultimately transform humanity’s view of itself.” ・・・
 Da Vinci contributed his considerable gifts to strengthening the duke’s fortresses (curved walls reduced the impact of cannonballs), drawing maps (with the use of his invention, the hodometer, to measure precise distances) and building ad hoc bridges for the duke’s army to cross rivers. ・・・
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2010/01/29/AR2010012902141_pf.html
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<BERNIE>
 太田 さん、投票が終了しましたので、作品を選んで頂けますか?
『機動警察パトレイバー 2 the Movie』 5
『許されざる者』 5
『ウォッチメン』 3
『イノセンス』 2
『ダーウィンの悪夢』 1
『フロスト×ニクソン』 1
『イタリア的恋愛マニュアル』 0
『Mr. Bean’s Holiday』 0
『フォーウェディング』 0
『バンク・ジョブ』 0
<太田>
 了解。
 とりあえず、上からの3本鑑賞してみたいですね。
 お手数ですが、メディアの入手方お願いできますか。借りる費用と送料は支払います。
 ところで皆さん、2月27日のオフ会にご出席を!↓
http://www.ohtan.net/meeting/
 オフ会アンケート(景品付き)、このオフ会までですよ。お早めに。↓
http://www.smaster.jp/Sheet.aspx?SheetID=24100
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 一人題名のない音楽会です。
 以前、コラム#3241と3328でカンパネラのピアノ演奏についてちょっと言及したところですが、この曲について更に掘り下げてみました。
 とてもつきあいきれんという方は。●のついたものだけをご視聴ください。
1 パガニーニ『バイオリン協奏曲第二番 第三楽章(Paganini Violin concerto n°2 – III: Rondo ��� la clochette』(カンパネラ(La Campanella=la clochette=鐘))1826年
http://en.wikipedia.org/wiki/Violin_Concerto_No._2_(Paganini)
 すべては、ここから始まったのです。
●Menuhin ピアノ伴奏付。
http://www.youtube.com/watch?v=nz4_XZ_XCM8&feature=related
●Leonid Kogan 同上。私は、メニューヒンの演奏の方が好きですね。
http://www.youtube.com/watch?v=lWaOnqmtr9U&feature=related
Salvatore Accardo オケ伴奏付。
http://www.youtube.com/watch?v=YaxHZxvmSwQ&feature=related
Ricardo Odnoposoff 同上。
http://www.youtube.com/watch?v=TXa94wddQbk&feature=related
2 リスト『パガニーニの主題による超絶技巧練習曲』(Etudes d’Execution Transcendante d’apres Paganini, S. 140) 1838年
 カンパネラのほか、パガニーニのヴァイオリン協奏曲第1番ニ長調第3楽章の主題も用いている曲であり、録音に成功したピアニストが4人だけという、文字通りの超絶技巧曲です。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A9%E3%83%BB%E3%82%AB%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%A9
 下掲はこの曲をピアノに自動演奏させたもののようです。↓
http://www.youtube.com/watch?v=zhvZkTyk-I8&feature=related
3 リスト『パガニーニによる大練習曲第三番第三楽章』(Grandes Etudes de Paganini n°2 – III) (カンパネラ) 1851年
 (1)ちょっと難のある演奏
ブゾーニ(Ferruccio Busoni) 表記はカンパネラだけをもとにリストが編曲した曲ですが、この曲も難易度が高すぎたため、ブゾーニが更に編曲して弾きやすくしたものです。残念ながら、その彼によるこの演奏は、テンポの不必要なゆらぎが気になるし、やかましいし重苦しい。↓
http://www.youtube.com/watch?v=MGp6Hs6Yro0&feature=related
 以下、下に行けば行くほど私の評価が高まります。
辻井伸行 ブゾーニによる上記編曲(以下、Hamelinを除き同じ?)。彼のハンデを考えれば、恐るべき名演奏ですが、そのハンデからどうしてもやや音の歯切れが悪い。彼の弾き方/音色を映像付の例えば下のキーシンやValentina Lisitsaの弾き方/音色と比べてみてください。
http://www.youtube.com/watch?v=v9fo3FoHDBc&feature=related
Yundi Li 一つ一つの音をもう少し大切にして欲しい演奏。だけど、彼人気ありますねえ。
http://www.youtube.com/watch?v=hEnfZjqMSy0&feature=related
Evgeny Kissin 惜しむらくは、最後のあたりが雑。
http://www.youtube.com/watch?v=0bFGrvHcExA
フジ子・ヘミング 極めて低速で思い入れたっぷりの演奏。以上の中では、個人的には最も好きですが、大嫌いな人もいるでしょうね。
http://www.youtube.com/watch?v=3IXxB2wLoxQ
 そのほか、私が良いと思った演奏です。
 (2)良い演奏
   ア 比較的テンポの速い演奏
Gyorgy Cziffra 全般的に速すぎるし音が大き過ぎる。↓
http://www.youtube.com/watch?v=XqKsCGNq6R8&feature=related
Alicia de Larrocha 女性としては高速で見事に弾きこなしています。そんなに大きな音を出す必要がないので、これは比較的女性に向いている曲なのでしょう。↓
http://www.youtube.com/watch?v=R0wmi0y1Geg&feature=related
Valentina Lisitsa 上と基本的に同じ感想ですね。
http://www.youtube.com/watch?v=IaX1j4elJRU&feature=fvw
   イ 比較的テンポの遅い演奏
アリス=沙羅・オット 彼女の演奏をいくつか聴いた中で、この曲のこの演奏が抜きんでています。彼女の美しい容姿も含め、時分の花
http://www006.upp.so-net.ne.jp/takagish/books/book007.htm
的名演奏と言えるでしょう。↓
http://www.youtube.com/watch?v=0-czNkyPQDA&feature=related
KEMAL GEKIC 歯切れが素晴らしく良いが、少々軽快過ぎる演奏か。なお、更なる微妙な編曲を自分でしています。↓
http://www.youtube.com/watch?v=DtS8Yrw12QQ&feature=related
 (3)素晴らしい演奏
●Arthur Rubinstein
http://www.youtube.com/watch?v=hQULyGMhhWs&feature=related
Josef Lhevinne 
http://www.youtube.com/watch?v=5D6VrcW4Sgw&feature=related
●Marc-Andr��� Hamelin 独自の編曲をしたものです。
http://www.youtube.com/watch?v=rsEfbxGtp8M&feature=fvw
 以上、下掲も参照しました。
http://en.wikipedia.org/wiki/La_Campanella
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太田述正コラム#3814(2010.2.6)
<テンプル騎士団(その2)>
→非公開