太田述正コラム#3881(2010.3.12)
<皆さんとディスカッション(続x770)>
<AT>
≫太田コラムがらみで読者の投稿を活性化するために、その結果少しでも読者数を増やすためにはどうすれば良いか≪(コラム#3879。TT)
≫私等への誹謗中傷を目的とすることが明白な投稿でない限り、いかなる投稿も、ご本人と私と他の読者のためになるのであって、「自我の肥大」であろうが何であろうが大歓迎です。≪(コラム#3003。太田)
 太田さんに対して質問したり、ましてや意見を述べたりすることは、正直言ってかなりの勇気がいるのですが、それらの相手をすることは、太田さんにとって大して負担となる行為ではないと理解しても良いのでしょうか。
 「チラシの裏にでも書いてろ!」というような内容でも、玉砕あるいはぼろくそに言われる覚悟さえあれば、投稿しても構わないのでしょうか。
 私ごときの駄文・愚考・愚見に太田さんを煩わせても良いものか・・・太田さんとの「距離感」を測りかねております。
 例えば、こんな投稿はどうでしょうか↓
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≫だから、軍隊も官僚機構も民意を強く意識せざるをえない存在でした。そこへ、日本が深刻かつ長期にわたる有事状態のもとにおかれます。当時の日本国民の圧倒的多数は、緊急措置として、軍隊や官僚機構に国策立案の主導権を委ね、議会はこれをチェックする役割に甘んずることを期待しました。軍隊、官僚機構、そして議会は、そのような民意に積極的に応えようとしました。≪(コラム#0048。<先の大戦中の日本の民主主義(続き)>)
≫戦後「も」民主主義だからこそ、広範な日本国民は、戦前の「失敗」に懲りて自らの国家ガバナンス能力について自信を喪失しているわけです。繰り返しますが、戦前から民主主義だったけど、当時の世界で、最も民主主義による国家ガバナンスが機能していた、数少ない国のうちの一つが日本だった、という認識を普及させることは、優先順位が最も高い課題なのですよ。≪(コラム#3003。太田)
 次著(コラム#3695)において近代史を積極的に盛り込もうとされている意味が良く分かりませんでしたが、この「民意」という要素がキーワードなのでしょうか。
 近代史の再考を意図した著作は、多数出版されていると理解しています。太田さんの次著では、これが「民意」によるものであるとする視点が、他の著作とを分けるものということなのでしょうか。
 仮にそうであれば、「『防衛庁再生宣言』140~147で詳述・・(中略)・・次著では、このもともとの記述を再録したいと考えている」(コラム#3869)とは、その重要性に比して、いかにも不十分なものであるように思われます。これまでの定説を覆すための論述を、たったの8ページで「詳述」とするのは、少し無理があるのではないでしょうか。
<太田>
>次著(コラム#3695)において近代史を積極的に盛り込もうとされている意味が良く分かりませんでしたが、この「民意」という要素がキーワードなのでしょうか。
 あのー、私が日本は「独立」すべきだ、日本を「独立」させたい、と思っていることはご存じですよね。
 今まで出た3冊の拙著の最初のものは、選挙で立候補するにあたって、私自身を売り込むためのものであり、一昨年出た2著は、どちらも私が企画を立てたものではありません。
 そうだとすれば、私自身が再び企画する次著は、当然、日本「独立」の日本人向けプロモーション本、ということになります。
 さて、「独立」するには、宗主国である米国がいかにダメか、「独立」していた当時の日本がいかにまともであったか、を明らかにしなければならないでしょう。
 その場合、後者に関しては、戦前(戦中を含む)の日本の政治における自由民主主義性と経済における日本型経済体制の確立に伴う高度成長についての説明が重要になってくる、ということです。
 なお、戦前の日本の自由民主主義性については、私は、基本的に外国及び日本の研究者の研究成果に拠っており、私の説明に飽き足らない方は、直接私が引用している原典にあたっていただくことになります。
<Ueyama>
≫その映画に興味がない読者にとっては「コンテンツとしては弱い」のは仕方ない≪(コラム#3879。TT)
 ueyamaは「有料読者向けコンテンツとしては弱い」といったんですよ。有料コンテンツとして成り立ってないんじゃないか、という話です。無料のコンテンツなら太田さんが映画を見てそれに対する感想を書くのも、評論するのも、なんだってかまわないと思います。
 確かに間口を広げるという意味で十分な効果をもたらしそうですけど、それを無料ならまだしも有料コンテンツとして配信するのはちょっと違いませんか? 仮にueyamaが大好きな映画ばっかり評論してもらったところで、やっぱり「有料読者向けコンテンツとしては弱い」という感想は変わらないと思います。
 まあ、しばらくすれば無料で配信されるわけですけど。
 そういえば書評については以前太田さんにやれって言ったときも、時間の都合で無理でしょうけどって書いた記憶がありますね。
<太田>
 あなたは、自分と同じような(目的関数/効用曲線、及びリスク選好を持った)存在として私を見、また、自分と同じような存在として平均的他者を見る、という誤りを犯しています。
 まず、前者の例から行きましょう。
 「仕事」に関し、あなたは、私があなたと同じ自由業/自営業者で、違うところは、私は仕事と趣味が一致しているけれど、自分は仕事と趣味が一致していない、という点だけだと思ってるでしょ。
 そうじゃないんだな。
 私は「革命」家・・「」がついているのは非合法活動はしないように努力しているから・・であり、テロリストなんかと同様、そんな職業はないから、要するに無職です。
 私のコラムは、「革命」のための情宣パンフレットであり、強いて言えば、権力を掌握するまでのレーニンの著作のようなものです。
 レーニンは、生活のためにこれら著作を書いたわけじゃありません。
 私の現在について言えば、年金だけでは餓死しかねないので、本当は一刻も早く全コラムを以前のように無償に戻したいところ、やむをえず、便宜的に一部を有料にし、ただし有料コラムの大部分(名誉毀損やプライバシー侵害の懼れのないもの)についても、一定期間後公開することにしている、ということです。
 ですから、最初から公開しているコラムと有料コラムの間に、私からすれば、何の差異もないのです。
 こういうわけで、私の見るところ、あなたの主張は、要するに、私の「映画評論」が、あなたの言うところのストーリー批判であって、「映画評論」の名に値しない、ということに尽きます。
 しかし、TTさんが指摘したように、私は単にコラムの一つを書いているに過ぎないのであって、「映画評論」の場合、それが米国映画であれば、そこからいかなる米国の実態が読み取れるのか、あるいは制作者が訴えたいことは何であってそれは米国が抱えるいかなる問題にからんでいるのか、といった視点から、読者の米国理解を深めるのが主たる目的のコラムなのです。
 だから、批判をするなら、読者の米国等への理解を深めるのが目的なら「映画評論」的なコラムはその手段として不適切である、或いは、○○という映画に対する私の「評論」のこことここは間違っている、といった批判をすべきでしょう。
<Ueyama>
≫トヨタ的なものを一切日本から一掃すべきだ、ということになりかねませんよ。 いや、まさにそうすべきだ、と思っているのかもしらんけどね。≪(コラム#3879。太田)
 そうすべきだ、といっています(笑)
≫なお、富の再配分を個人に内発的にやってもらう、という「幾分夢想的」な考え、恐らく何らかの典拠があるんだろうと思うけど、典拠明らかにしなくっちゃ。≪(同上)
 これについては、比較的ueyamaが恵まれた環境で生活しているので、富の再配分を自分が内発的に行っている、という実体験に基づいた話です。・・・
 内発的に行っているのにそれに関係なく税金や保険金として再配分用の金が強制的に持っていかれることに対してずっと違和感を持ってますし、同じようにそれなりに稼いでいる知人は「税金や保険料を納めている」という理由でueyamaのような行動は一切起こしていませんが、「仮にそれがなくなっても何もしない?」って聞けば、「やらなきゃ社会が絶対に成り立たないからやるだろうね」って答えが返ってきました。当たり前の話じゃないでしょうか?
 幾分夢想的、と書いたのは、ueyamaよりもずっとずっと恵まれている日本人がほとんどそういうことをやってなさそう、という漠然とした世間イメージです。
<太田>
 ここのくだりは、後者の例なんだな。
 日本には自発的再配分(慈善団体への寄付等)をする文化もそれを促進する制度もないし、仮にそれらがあったとしても、国による再配分もまた欠かせません。
 平均的他者は、ケチである上、咎められないと思えば平気でウソついたり法律違反を犯したりするようなエゴイストだからです。
 そのような前提の下、自発的再配分を促したり、国による再配分を効率的・効果的に実施するためにいかなる制度設計をするか、という議論をしなきゃならない、ということです。
 あなた自身が自発的再配分をやっているかどうかということと、制度をめぐる議論とを混線させてはいけません。
 
<Ueyama>
≫ベーシックインカムなるものと生活保護とどこが違うんですかね。≪(同上)
 ベーシックインカムは給付先が限定された生活保護とは全く性格の異なるもので、「全ての(日本)住民に対して金をばらまく」という考え方です。その代わり(基本的に負の所得税もそうですが)生活保護も年金もナシです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%99%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%AB%E3%83%A0
http://en.wikipedia.org/wiki/Basic_income
≫行政コストの低減やただ乗り/モラルハザード回避等の理由から、私が負の所得税一本化論者であることはご存じだと思います。≪(同上)
 もちろん、だからこそ現行制度だけでなく、負の所得税をわざわざ挙げています。だけど、負の所得税ってのは現行制度と同じで、所得隠しのモチベーションになりますよね、確実に。ただ乗り、モラルハザードが起こる原因になりそうです。
 それに対してベーシックインカムは「全ての人間」に対して一律に配られる金であるため、所得を隠したり財産を隠したりしてもインセンティブは全く得られない制度です。
 太田さんは「所得を正確に把握した上で」(これ、記憶です)とおっしゃっていましたが、本当にそんなことが可能だと思いますか? 今以上に「所得を正確に把握」なんてして「行政コストの低減」に資するほどの効果が得られるでしょうか。
<太田>
 このくだりも後者の例なんだな。
 実質個人経営の中小企業なんて、脱税のやり放題であるのが実情です。
 あなた(や私・・エヘン!・・)と違って、平均的他者はそんなもんです。
 どんだけこういう脱税の捕捉がむつかしいかは、鳩山首相や小沢幹事長が、これまで脱税でとっつかまってないことだけからも想像つくでしょ。
 消費税を、全企業に適用するとともにインヴォイス方式に改め、かつ、国民総背番号制を導入し、更に、タックスヘイヴン対策を一層講じ、国税庁に社会保険料徴収をやらせるといったことをやれば、脱税は激減しますよ。
 私が事実の指摘のみならず、主張についても典拠を付けるように皆さんに口を酸っぱくして求めているのは、私の主張は、そのほとんどが平均的人間(他者)を前提に提起されているところ、私の主張をめぐる議論の場が特異な個人的主張によってかき乱されるのを避けるためなのですよ。
 なお、あなたは日本型経済体制がお嫌いのようだけど、日本型経済体制の最大の特徴は、お互いの違いを十分わきまえた(或いは十分わきまえようと努力する決意を持った)同士が長期的関係を取り結ぶことを重視するところにあります。
 それがどうしていいかと言うと、ちょいとキツーい言い方をすれば、あなたが他人(私や平均的他者)と自分との違いに目をくれずに議論を提起したことによって、あなたと私と、更には平均的読者の貴重な時間を空費した、という今回のやりとりのようなことを、最初から回避できるからです。
 もちろん、日本型経済体制にはデメリットもあります。
 私が何度も言っているように、例えば、軍事には適用できないことがそうです。
 また、外国人に、日本への投資や日本への就業、移民を躊躇させることもあげられるでしょう。
 ここが悩ましいところであり、私としては、グローバル・スタンダードなる、アングロサクソン・スタンダードをもっと導入することで日本の経済全体に占める日本型経済体制の割合を減らす必要があると考えているわけです。
<ββΟΟ>(「たった一人の反乱」より)
 個人的に、この太っちょアンちゃん、ミエミエのスタンドプレーと醜い自己顕示欲(こいつだけではないが)好きになれん。
http://blog.goo.ne.jp/55yasuji/e/ce5224985781ad1140ce18069a874dd0?fm=rss
国民新党:   9                  S→下地ミキオ
 日米合意直後に小沢一郎氏が購入した土地は、辺野古から10KM南西に離れた宜野座村のものですが、今回明らかになった9人の土地が辺野古、キャンプシュワブ、大浦湾近くであることが事実なら、キャンプシュワブ陸上案はそれだけでぶっ飛ぶことになります。 ・・・
<太田>
 うんだうんだ。
<ββΟΟ>(同上)
≫こう言っちゃ悪いが、バッカじゃないの。2ちゃんの諸君↑も戦災被害者の皆さん↓も。みんなみんなマゾか? センチメンタリズムに耽ってるヒマあったら・・・・・虐殺した米国に対して抗議の声をあげろっての≪(コラム#3879。太田)
↑釣られて言うけど、太田さん、年がら年中それも四六時中、それこそ朝から晩までセンチメンタリズムに耽っているほど、それと米国に虐殺の抗議を声を大にして吠えるほど、ゆとりのある?生活をしているヤツはそうはいないだろ~。
 何が言いたいかというとだ、例えば糞を拭くのに、カミで拭こうが手で拭こうが はたまた拭かなかろうが、それは各自の自由だってこと、それ(糞の始末)を太田さんは拭き方まで指南している、赤い羽根募金の街頭で声を張り上げている年金おっさんと同じで、余計なお世話ってことだろ。
<太田>
 小さなディーテールに心を奪われること自体を非難するのが私の本意ではないので、そう受け止められたとすりゃ、メンゴメンゴ。
 要は、常に大きな絵から目を逸らせるなってこと。
 それでは、記事の紹介です。
 またまた米国でトヨタ擁護コラムです。↓
 ・・・The trouble, unbelievable as it may seem, is that sudden acceleration is very often caused by drivers who press the gas pedal when they intend to press the brake. ・・・
 We noticed that the complaints were far more frequent among older drivers・・・drivers who had little experience with the specific car involved ・・・and people of relatively short stature. ・・・
Richard A. Schmidt is a professor emeritus of psychology at the University of California, Los Angeles.
http://www.nytimes.com/2010/03/11/opinion/11schmidt.html?ref=opinion&pagewanted=print
 
 With its strong emphasis on technology, the military, strong single-party leadership and a collective national identity that refuses to recognize pluralism, China is displaying increasing ? and worrying ? symptoms of fascism.・・・
→今頃、何を寝ぼけたことを。(太田)
 One of the most peremptory signs of fascism is the state’s negation of individualism and the idea that citizens draw their identity and raison d’etre from the state. Evidence of this emerged earlier this week when Chinese Vice Sports Minister Yu -Zaiqing (于再清) chided 18-year-old Olympic champion short track speedskater Zhou Yang (周洋) for thanking her parents ? but not her country ? after winning gold at the Vancouver Winter Games last month.
“It’s OK to thank your parents, but first you should thank the motherland. You should put the motherland first, not only thank your parents,” Yu told the Southern Metropolis Daily.
→これが「支那の顔した」ファシズムかねえ。(太田)
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2010/03/12/2003467801
 香港は中共の潜在的攪乱要因です。↓
 ・・・There is also concern that Beijing will allow universal suffrage only after Hong Kong passes some sort of antisedition law that could make it illegal to campaign for democracy in the mainland the way Liu Xiaobo did or to call for the independence of Hong Kong, Tibet or the Uighur autonomous region of Xinjiang. In 2003 an antisedition bill proposed by the local government was defeated after a million people took to the streets in protest. Beijing has not formally made the antisedition law a precondition to democracy, but there have been subtle hints that it may be a factor: in December, Chinese President Hu Jintao praised Macau, China’s other SAR, which has passed one. ・・・
http://www.time.com/time/world/article/0,8599,1971283,00.html