太田述正コラム#3913(2010.3.28)
<皆さんとディスカッション(続x786)>
<遠江人>
 最近の皆さんとディスカッションを読むにつけ、読者とのやり取り自体は太田さんにとって取るに足らないこととは思いますが、やはり他人から悪意を受けることがあると、気がつかないところでストレスが溜まっていくものではないかと思います。
 そのストレスを少しでも解消することができればと思い、太田さんとueyamaさん他とのやり取りについて、以下のとおり少し考えてみました。少しでも太田さんのお力になれれば幸いです。
 特定のことについて議論等をしている途上で、情報として自分は知らないというような単純なことではなく、自分の理解や枠を超えているというような意味で自分には「理解できないこと」もしくは「分からないこと」に対することがあったとします。ここで重要なのは以下の二つの分岐のうち、どちらに行くかということだと思います。
1.自分には-
「理解できないことと」「理解できる」
「分からないということを」「分かる」
2.自分には-
「理解できないことと」「理解できない」
「分からないということを」「分からない」
 この違いは、
A.謙虚<さ>
B.理解力
C.その人の人生観等
の総量で決まるといったところでしょうか。
 自分にとって、想定外なもの、理解を超えているもの、未知なるもの、恐怖を伴うもの等、これら及びこれらに相対した自分自身を、的確に把握した上で受け入れることができるかどうか、これができなければ、これらの「理解できないこと」「わからないこと」と正面から相対することはできないのではないでしょうか。
 2.である場合、曲解をするか、何を言ってるんだと相手に非難が向かうか、(無意識的に)自分を超えた何かを「勝手に」感じて、まともに「把握」をできずに流されてしまうか、どれかでしょうか。
 ということは、1.の「気づき」がない人には、言葉で何を言っても無駄なのかもしれません。
 「善意」とは「何か」を「理解できない分からない」のはまだいいとして、「そのことを」(致命的なことに)「理解できない分からない」から、(意識的無意識的も含め)あのような「反論」しかできないのではないでしょうか。端的に言ってあれがueyamaさんの限界ということです。
 以上、仮説です。
 ところで以前、Cさん(バグッてハニーさん)のときには、私が太田さんにお送りしたメールの中で「Cさんは、性格はいいのだと思います。同じ投稿子でも、どこかの誰かさんと違って相手を傷つけることだけを目的とした言動や卑怯な振る舞いは一切ありませんから。太田さんがCさんを気にかけて心配しているのも、一番の理由は、そのへんにあるのではないでしょうか。」と記したところ、太田さんから「<バグってハニー>さんは、私自身の分身じゃないかという思いがしています。」とのご返事をいただき、やっぱりそういうことなんだよな、と分かっていたこととはいえ確認ができてスッキリしました。
 残念ながらその点においてはueyamaさんとCさんとは少し違うかもしれませんね。・・・
<太田>
 ご心配いただき、恐縮です。
 ただ、私はUeyamaさんへのカウンセリングやそれに伴う「反響」を大いにエンジョイしており、決してストレスにはなっていません。
 退職して選挙に出た後、特に最近は、もっぱらバーチャルな世界だけで生活しているものですから、TV出演もそうですが、こういう非バーチャルな世界とたまに関わる機会は大切にしたいと考えてます。
 今回も、私のアマ社会人類学者としての血が騒ぎましたねえ。
<Ueyama>
 ・・・<コラム#3909で太田さんが自分について書いたこと>一応ちゃんと読んでみた。心配してたほど特に憤らなかったけど、
→それまで断片的にしか読めなかったのは、こわかったんだねー。だけど、実際読んでみたら、太田サン、親切なオジさんだと分かったろー。(太田)
≫ちなみに、「「侮辱」とは、他人の人格を蔑視する価値判断を表示することをいう。その態様を問わない。抽象的な事実を示すことによって軽蔑する行為は、名誉毀損ではなく侮辱である。」
 uには軽蔑する意図は全くなかったんだけど、それでもやっぱり罪に問われちゃいますかね?
→「表示」しただけで侮辱罪になります。インディアン・・「法学士」+「述正クン」だどー・・ウソつかない。(太田)
 あ、いや、別にこれは今更びびったとかそんな話じゃないですよ。
→この文章を書き入れたことで、あーたが「びびっ」てることが明らかになったねえ。(太田)
 u<eyama>は太田さんを蔑視も軽蔑もせず、ただ「自閉症」「高機能自閉症」といっただけなわけですけど、これって「侮辱」の要件を満たすんですか?
→イエース! 「蔑視も軽蔑もせず」としか言わなかった以上は、少なくとも冗談で書いたんじゃないという公の自供と認められ、これであーた、いよいよ逃げ場がなくなったぞなもし。(太田)
 まあ、「メンヘル」のほうはあやしいかなーって気はしますねぇ。文脈を無視すれば。
→逆で、弁解がましいあの文脈から、侮辱の意図さえ丸見えだぜ。
 それにしても、大層な「びび」り方だわ。(太田)
<ρββρ>(「たった一人の反乱」より)
 <「たった一人の反乱」での最近のやりとりを>見てると<Ueyama>というヒトが本当に心の病気なんだろうなとしか思えなくなって来るな。
<βρβρ>(同上)
 むしろ日本自体が自閉症に陥っていると思うのですが…。
[引用開始(コラム♯3097より)] 
 要するに、この記者が言う「対米従属外交」なんてもんじゃなくて、日本は戦後、一貫して自主的に米国の属国・・という意味では「二流国家」、「縁辺国家」・・であり続けてきたのであり、これをもってローレスは日本を「自閉症」と形容したのでしょう。
 この「自閉症」日本を象徴しているのが、「陽」の自民党総裁(首相)の麻生太郎と「陰」の小沢一郎民主党代表(次期首相?)ってところでしょうか。
 どちらも、裸の実力でまともな職業に就けるような人物じゃないです。
 ホント恥ずかしいったらありゃしない。
[引用終わり] http://blog.ohtan.net/archives/51333590.html
ということは、私たち平均的日本人も多かれ少なかれ、世界中の人から見れば、自閉症ぎみだといえるのではないでしょうか。
 だからこそ、グローバルスタンダードといえるおーたんや太田コラムと触れることによってその人自身がもっている自閉症的な側面を露呈してしまう人が少なからずいる、 という話だと思います。
 いずれにせよ、日本が独立すればこのような問題は減るのではないでしょうか。
<ββρρ>(同上)
 いや、そういう結論にはならないと思うけどね。
 これは人格とか個性の衝突の範疇の話でしょ。
 「自閉症」てのは当事者間が勝手に言ってるわけだし。
 敷衍して「世界中の人」と日本人の話にもっていくのはどうかな?
 まあ太田さんには褒めてもらえるかもね。ご苦労サマです。
<太田>
 Ueyamaさん、カウンセリングの効果も顕著に出てきたようだし、「たった一人の反乱」の自浄作用も働き始めたようだし、私という人間、及び私のコラムについても、その理解、読者も深まったようだ。
 こんな目出たいことはないね。
<kt2>
≫結局、コラム#3564でのやりとりで、あなたが言ってたことを水増ししただけのすり切れレコード投稿だね。 しかも、典拠が依然ついていない。≪(コラム#3911。太田)
 省略した理由は書いた。
≫どうせ、別サイトへの自分の投稿をコピペしたんだろ。 心底がっかりしたよ。 これを、いわゆる「荒らし」って言うのかな。≪(同上)
 心療内科の問題については別サイトに投稿したことがあるが、コピー・ペーストしたわけではない。その他はオリジナルだ。
≫最後に、あなた、前回も軍事に言及してたし、唐突に軍事版への投稿の話を今回持ち出してるが、それこそ全く軍事に無知なあなた、そんな恥ずかしいことは、これからは止めることだね。≪(同上)
 当方も「唐突」だと思う。
≫異論があるのなら、きちんと論じなくっちゃ。≪(コラム#3907。太田)
 と言われたので、軍事板で、何で医療について論じなくちゃならないのか、と思いながら書いていた。
 「軍事に無知」かもしれないが、だからこそ、国民の生命が失われるような軍事的脅威が本当にあるのか、国民の生命を守るために自衛隊は必要なのか(自衛隊は国民を守るのではなく国体を守るものだ、などは今回は無しで)、実際には脅威など無くて軍事利権のために脅威を煽っているだけではないのか、と疑問に思って、以前問うたが、納得の行く回答が得られなかった。
 21世紀になって、まさかわが国に対し侵略戦争など無いだろうと。
 仮にあったとしても、無人島(尖閣)を占領されるくらいのことだろうと。占領されたら国際社会に不法行為を訴えればいいだけのことだと。
 当方と同じような疑問を持っている「軍事に無知」な国民は多数いると思う。生活していて生命の危険を感じるような軍事的脅威など無いからだ。
 一方で現実に失われている多くの生命がある。だったら、そちらへの対策を優先すべきではないか。
 当方の考えは間違いですか?
 「荒らし」だと思うのなら無視するなり、削除するなり、して下さい。
<太田>
 本当に日本の防衛問題に関心があるのなら、過去の太田コラムの関係バックナンバーを読むべきだし、仮に少しでも読んでるなら、その類の質問が出てくるわけがない。
 少なくとも、太田FAQ
http://wiki.livedoor.jp/veg_tan/
の中の「安全保障論」のところくらいには目を通してから質問を。
 と書いてから、この太田FAQ見たら、「太田述正掲示板への投稿に関して」ってところでズッコケちゃった。
 ま、そこ、読んでみてね。
 (なお、どうでもいいけど、太田述正コラムは軍事板じゃないからね。)
 その上で、また質問して下さい。
 それでは、記事の紹介です。
 いつの間にか、日本の銀行のシティー化が進行してたのね。脂汗・・。↓
 「・・・昨年までの10年間をみると、日本の銀行による国内向け融資は10%強、約50兆円減った。逆に海外向け融資残高は2・3倍、約1・4兆ドル(1ドル=100円換算で約140兆円)増えた。銀行は国内金融業務を大幅に縮小し、減らした分の2・8倍も海外向け融資を積み上げてきた。・・・」
http://sankei.jp.msn.com/economy/finance/100328/fnc1003280817000-n1.htm
 憲法に規範性なし、と考えるほかないでしょ。ネッ。↓
 「・・・戦争放棄と戦力不保持を定めた憲法九条に関しては51%が改正は不要と回答。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2010032802000076.html
 これは笑える、しかし深刻なコラムだ。↓
 「・・・ 日本は、今も生後20カ月未満の米国産牛肉だけを輸入している。米国産牛肉を排斥するのは、日本で生後21カ月の米国産牛のBSE感染が発見されたためだ。不合理だということは日本政府も承知だが、自国の畜産農家のために、無謀な基準をひたすら保ち続けているのだ。日本で36頭目のBSE感染牛が発見されたというニュースはわずか1段分の小さな記事にとどめておきながら、輸入された米国産牛肉からBSE感染の危険性が高い骨片が発見された時は1面トップで大々的に報じ、米国産牛肉をゴミ扱いするのが日本のメディアだ。
 他国に対し、これほど不合理な仕打ちをしておきながら、自国だけが無事なわけはない。今や、日本は「ゼネラルモーターズ(GM)やフォードもリコールしたのに、なぜトヨタだけ…」と悔しがっていることだろう。だが、もらった分だけ返すのが経済と通商の法則だ。結局、トヨタ問題は世の「ことわり」通りになっている。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100328000028
http://www.chosunonline.com/news/20100328000029
 同じ朝鮮日報の「金正日の代わりに死ぬ人々」↓も読むに値するコラムだよ。
http://www.chosunonline.com/news/20100324000030
http://www.chosunonline.com/news/20100324000031
 我々がデカイ脳を持つに至ったのは偶然の産物であり、我々は20万年にわたってそのデカイ脳を生かしてこなかったとさ。↓
 ・・・Until 200,000 years ago, there had been a gradual increase in brain size among hominins, starting three million years ago. Then, abruptly, there was a remarkable increase of about 30% or so.
 Many have argued that if there was a dramatic increase in brain size, there must have been a fantastic advantage that came with it: improvements in tool construction, more complex language and other cultural changes. In other words, they say simple natural selection explains what happened.
 I think they’re fooling themselves. There was very little change in human behaviour at this time, as far as we can see from the fossil record ? certainly not one that is explained by a sudden jump in the size of the human brain. These hand-waving arguments about tiny changes in culture explaining the emergence of such a huge change in brain structure just doesn’t hold water. It’s like arguing that a reptile suddenly developed fully formed wings and then sat around for 200,000 years before suddenly saying: Oh my God, I’ve discovered I can fly. It’s ridiculous.・・・
http://www.guardian.co.uk/technology/2010/mar/28/colin-blakemore-how-human-brains-got-bigger
 Chaseさん、お元気ですか?
 この数字、次著に盛り込む、米国のアジア人虐殺数の補注的トリビアとして使えますね。↓
 ・・・The Bengal famine of 1943 occurred in undivided Bengal (now independent Bangladesh and the Indian state of West Bengal) in 1943. It is estimated that over three million people died from starvation, malnutrition and related illnesses during the famine.・・・
http://en.allexperts.com/e/b/be/bengal_famine_of_1943.htm
 このトマス・フリードマンによる、パレスティナ問題についてのコラムにはうなった。↓
 ・・・In the last decade, the Israeli-Palestinian peace process ? for Israel ? has gone from being a necessity to a hobby. And in the last decade, the Israeli-Palestinian peace process ? for America ? has gone from being a hobby to a necessity. Therein lies the problem.
The collapse of the Oslo peace process, combined with the unilateral Israeli pullouts from Lebanon and Gaza ? which were followed not by peace but by rocket attacks by Hezbollah and Hamas on Israel ? decimated Israel’s peace camp and the political parties aligned with it.
 At the same time, Israel’s erecting of a wall around the West Bank to prevent Palestinian suicide bombers from entering Israel (there have been no successful attacks since 2006), along with the rise of the high-tech industry in Israel ? which does a great deal of business digitally and over the Internet and is largely impervious to the day-to-day conflict ? has meant that even without peace, Israel can enjoy a very peaceful existence and a rising standard of living. ・・・
 Now, in the same time period, America went from having only a small symbolic number of soldiers in the Middle East to running two wars there ? in Iraq and Afghanistan ? as well as a global struggle against violent Muslim extremists. With U.S. soldiers literally walking the Arab street ? and, therefore, more in need than ever of Muslim good will to protect themselves and defeat Muslim extremists ? Israeli-Palestinian peace has gone from being a post-cold-war hobby of U.S. diplomats to being a necessity. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/03/28/opinion/28friedman.html?ref=opinion&pagewanted=print
 the Saban Center for Middle East Policy at the Brookings Institutionで昨年、イスラエルによるイラン核施設攻撃のシミュレーションが行われた。その結果が紹介されている。↓
http://www.nytimes.com/2010/03/28/weekinreview/28sangerintro.html?ref=world&pagewanted=print
 前回のWBCの日韓決勝戦の最終戦の運命の一球のドラマが蘇る。↓
http://www.nytimes.com/2010/03/28/sports/baseball/28korean.html?ref=world&pagewanted=print
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太田述正コラム#3914(2010.3.28)
<ニューディール・大統領・最高裁(その1)>
→非公開