太田述正コラム#4121(2010.7.10)
<皆さんとディスカッション(続x888)>
<ΓΓΓΓ>(「たった一人の反乱」より)
≫太田思想<は、>・・・「大日本帝国」時代のように、隣国から他国へと関心を持とうぜ、ってことかなと。 ≪(コラム#4119。ΓΑΑΓ)
 属国状態では、かつてのような視点で隣国を見ることはほとんど不可能じゃなかろうかね。
 属国民が隣国の心配なんぞ沙汰の限り。
 自国がこの体たらくだからこそ周りがああなのであってね。
 朝鮮台湾に関わっても、逆に果たして彼等の目に属国日本はどう映っているかということを考えないと足元見られるだけだろうねえ。
 今は「外国」だもん。
 「日本独立後」ならなおさら日本国内で激論になるだろうね。
→確かに、「大量移民受け入れ」と「独立」については、鶏が先か卵が先かの議論がありうる。だけど、「独立」については、そもそも「属国」たる認識が現在の日本人の間でほとんどないのに対し、「大量移民受け入れ」については、経済界を中心に結構声があがっている。後者からまず先鞭を付ける方が自然かもよ。(太田)
 これは「歴史認識」を振りかざしてきた朝鮮台湾の(中共に事大)連中にも大いに責任があるんじゃないかねえ。
 日本のコミットを受け入れるくらいなら日本と一戦交えようくらいに思うだろうよ。
 そのほうが自然だろう。
 太田史観をかの連中はどう感じるかというのは全くの未知数だが興味深い。
→これは、ボク自身、興味あるところだな。(太田)
 当の日本人一般は、朝鮮台湾<人にとって、>旧日本帝国の版図だったこと自体が・・・大迷惑で、悪いことばかりだったという教育を受けてきている。
 なおさら「旧帝国臣民」という名目が優先理由としては受け入れらないんじゃないのかね。
→韓流にいかれちまってる日本のオバサマ達や李登輝友の会なんてのに入れ込んでる日本の男性諸氏を見てると、そうでもないんじゃないかい?(太田)
 ましてや朝鮮台湾(この両者には温度差があるが)の側<から>は日本人の「傲慢さの表れ」と受け取られかねないんじゃないの?
→とにかくやってみりゃいいんだよ。おかしくなったら止めりゃいい。(太田)
 現在すでに日本人が逆差別されてるようなザマだし。優遇する理由にはしたかあないね。
 移民受け入れにいいとこ取りなんか有り得ないでしょ。
 建前としては日本はイスラミックすら移民に門戸を開いています(でも日本の法を遵守させるぜ)ってことにして法整備しないとマズイんじゃないのかなあ。
→「日系人」だけに門戸開いちゃってて、どこからも文句つけられてないんだから、それほど心配することないわさ。(太田)
<takahashi>
≫二世紀頃(弥生時代後期)にあったのは<古墳じゃなくて>墳丘墓じゃない? ≪(コラム#4119。ΓΑΑΓ)
 すまん、2世紀じゃなく3世紀だ。
 少々、誤解を受けたかもしれないが、基本的に大陸南部あるいは半島南部から渡来した人々が縄文人と混血しつつ、日本の支配者層を形成していったことや古墳時代以降の日本と三国時代の朝鮮南部が同一文化圏とみる太田さんの考え? を否定しているわけではないんだ。
要点は、日本の支配者層を形成した帰化人のメインストリームは中国南部から海を渡ってきた海洋民族であり、サブは高句麗や百済等の朝鮮半島の亡命勢力と秦漢楚等の亡命勢力じゃないかということ。
 下記の3つの疑問点に解答しようとすると、こんな結論になるわけだ。
1.渡来人の文化レベルは高かったはずだが、その供給地である朝鮮半島より倭国の国家形成は早く、国力(軍事力を含む)は巨大だったのはなぜか?
 土地や戦乱の影響なども考慮するべきだが、その最大の理由は中国南部を出自とする渡来人とその農業の形態にある。また、稲作の一部は朝鮮南部から伝わった可能性もあるが、DNAの研究から明らかなように日本→朝鮮南部がメインじゃないかな。このように考えれば、倭国が早くから強国として誕生した理由が説明がつく。
http://tahyuka.hp.infoseek.co.jp/rekiikako8-inasaku.html
2.任那日本府はあったのか?
 韓国南西部で前方後円墳が発見されていることは、韓国の学会でも最近、ようやく認めている。
 ‘百済に服属した倭人官僚の墓’という見解だ。百済に服属というのは勿論、ジョークとしか言いようがなく韓国の人文科学の限界を露呈している。
 大和朝廷は朝鮮南部を支配したのは確実でそこに任那日本府を想定するのは当然だ。日本の学者がはっきり言わないのは韓国の学者を相手にするのが面倒だからだろう。
 このことは倭国が農業の生産性が高く、早くから強国であったことを証明していると思う。
http://shanghaireal.jugem.jp/?eid=194
3.天皇家のルーツはどこに?
 天皇家は日本で誕生したのでルーツを語るのはナンセンスかもしれないが、ルーツが朝鮮と言われる少々、違和感がある。
 ナショナリズムもからむのでやっかいだが、まず天皇家の形態は中国・朝鮮と違って異質な印象がある。
 前にも言ったように邪馬台=やまと=大和であるので、大和朝廷のルーツは邪馬台国にある。
 卑弥呼とその後継者壱与(いよ)は女性でありシャーマンだ。
 天皇家では今でも新嘗祭等の行事を行っているが、千年以上も続いているのは驚異じゃないか。
 このことからみても天皇家の性格は、少数民族のシャーマン、もしくは酋長のように思える。
 個人的見解だが、卑弥呼は南方系の顔立ちをした海洋民族だと考えている。
 以上から、天皇家のルーツをあえて言うなら、中国南部を想定すべきだと思うわけだ。
 個人的に、中国南部を強調するのは嫌韓だからじゃなく(笑)、稲のDNA研究と日本の稲作の歴史が朝鮮半島より古いことが念頭にあるからだ。
 反対意見はいくらでもあると思う。
 邪馬台国=北九州説だって、まだ信じている人は多いのだから。
<太田>
 議論していただきありがとう。
 だけど、読者には、太田コラム中、歴史の話は読まないという人が結構少なくない中で、古代日本史なんて全く関心がないって人が多い印象を受ける。
 古代日本史は、戦後日本を考えるにあたって、ある意味、不可欠な話題なんだけどね・・。
 それでは、記事の紹介です。
 「米国は、軍事的な対中包囲網を着々と形成しつつある」とコラム#4119で記したところ、人民網がこの話、さっそくとりあげてたな。↓
http://j.peopledaily.com.cn/94474/7059926.html
 結局、米国内でつかまったロシア・スパイ「団」が、4人の米英「スパイ」とウィーンで交換されたことで、どうして「団」が一網打尽にされたかが分かったというものだ。
 もともと、交換要員に目されてた一山いくらの連中だったってこと。↓
 ・・・In this case, the U.S. probably got the better deal, at least insofar as the 10 Russians hadn’t uncovered any confidential information in the decade they were tracked by the FBI. The four men released by Moscow, on the other hand?an arms-control researcher, a military intelligence officer, a foreign intelligence officer, and a former KGB agent?were convicted of spying for the U.S. and Britain and had real access to state secrets. The numbers may be lopsided one way, but the talent appears to have tilted in the other direction. ・・・
http://www.slate.com/id/2259935/
 
 オバマの安全保障に係る腹心中の腹心が、40歳のイケメンのデニス・マクドノー(Denis McDonough)なんだってよ。↓
 ・・・Forget Secretary of State Hillary Rodham Clinton or Defense Secretary Robert M. Gates. When it comes to national security, Mr. Obama’s inner circle is so tight it largely consists of Mr. ・・・Denis McDonough・・・, a 40-year-old from Minnesota who is unknown to most Americans but who is so close to the president that his colleagues ? including his superiors ? often will not make a move on big issues without checking with him first. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/07/10/world/10mcdonough.html?ref=world&pagewanted=print 
 オランダで、未成年の少女が男に誘惑され売春婦に仕立てられることが横行してるんだって。↓
 ・・・In the Netherlands they’re called loverboys, these men who captivate schoolgirls and then send them out on the streets, young men who meet 13, 14 and 15-year-old girls outside their schools or online, through social networks like Facebook, and who then make them dependent on their attentions, their affection and drugs, until it’s too late and the girls belong to them.・・・
 ・・・what is perhaps most shocking is that these are not girls from broken homes and socially deprived environments who are sliding into and disappearing in the underworld, but girls from the center of society・・・
 Women are made submissively dependent with drugs, violence and sometimes affection, to ensure that they do their pimps’ bidding. But the idea that young men are systematically seeking out schoolgirls to groom them to become prostitutes is a new phenomenon that has overwhelmed parents, teachers and the police.・・・
 Aid organizations estimate that about 1,500 young girls fall victim to this form of prostitution every year. ・・・
http://www.spiegel.de/international/europe/0,1518,705104,00.html
 父親は、赤ん坊が夜泣きしても、目が覚めないか目が覚めないフリする者が多いってさ。あなたはどうだった?↓
 ・・・Half of fathers hardly ever or never get up in the night to tend to their crying babies, a survey shows.
 Only a quarter wake up when the baby cries and a fifth wake up once the mother is already awake・・・
 ・・・the lack of sleep and resentment this caused in new mothers often lead to relationship problems between couples. ・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/health/3638756.stm
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 一人題名のない音楽会です。
 バッハに引き続き、今回はモーツアルトの小特集です。
アイネクライネナハトムジーク。1958年8月、ザルツブルグに短期ピアノ留学をしていた時に、人形劇を鑑賞したところ、テーマミュージック的に使われていたのがこの曲です。
http://www.youtube.com/watch?v=Qb_jQBgzU-I&feature=related
ピアノ協奏曲第20番 K.466 グルダ
http://www.youtube.com/watch?v=VtTqpqGIIYU&feature=related 以下
ピアノ協奏曲第21番第2楽章 Andante 映画『Elvira Madigan(みじかくも美しく燃え)』でテーマ曲として使用。この曲には2年前の信じられないような私の思い出がまとわりついているのですが・・。
http://www.youtube.com/watch?v=df-eLzao63I
ピアノ協奏曲第23番第2楽章 ホロヴィッツ(コラム#3261)
http://www.youtube.com/watch?v=Y85rKEEkmHw&fmt=18
交響曲第40番第1楽章 Slovak Philharmonic Orchestra
http://www.youtube.com/watch?v=aZD9nt_wsY0&feature=related
歌劇『魔笛』より「夜の女王」 (コロラトゥーラ(コラム#3953)の傑作曲の一つ)Luciana Serra?
http://www.youtube.com/watch?v=rxGy83aipbY&feature=related 
レクイエム(コラム#3977、3981) バーンスタイン
http://www.youtube.com/watch?v=2XkzN4Ntfiw&feature=related 以下
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太田述正コラム#4122(2010.7.10)
<映画評論5:サルバドル/遥かなる日々(その2)>
→非公開