太田述正コラム#4183(2010.8.10)
<皆さんとディスカッション(続x919)>
<mootiez>(ツイッターより)
ふと気がついたけど、太田さんは一つもフォローしていないね。
 情報収集は外国メディアの一次ソースだけと決めてるのかしら?
<太田>
 時間がないからねえ。
 ただし、読者から提供される日本人等の論考には目を通し、その多くはコラムに仕立てている。
 太田にコメントさせたいと思う論考等があったら、現物なりコピーなりを送ってくれたまえ。
 頻繁に送ってくれた読者は、半年単位で名誉有料読者扱いにさせてもらうよ。
<きよきよ>
 –日韓併合100年にあたっての菅談話について–
 太田さんは日韓併合100年にあたっての今回のいわゆる菅談話
http://www.chosunonline.com/news/20100810000014
についてどのような見解をお持ちですか?
 村山談話を踏襲した内容であるため、ウヨクの人には大いに不満が残る内容(親米の談話なのですが)なのでしょうが、太田さんの過去コラムを勘案すると、今回の談話も(政府の本心は別として)韓国(ひいては同盟する米国)に配慮し、相変わらず米国の世界観や歴史観を受け入れ続けている「親米(というか保護国)政権」の表れというところで
しょうか。
 自民党から政権を受け継いでまだ1年弱、現段階で「米国と自由・民主主義という基本的価値は共有しつつも、独自の世界観や歴史観を持った独立国」としての発言ができる段階まで日本が成熟していない(準備が整っていない)ため、今回は村山談話の踏襲に甘んじても仕方がないといったところでしょうか。
 「<元朝日新聞論説委員の高成田享氏が、>「日本で「親米」と「保守」を両立しようとすれば、不本意ながら、第2次大戦における日本の指導者の戦争責任を追及した東京裁判を認めるしかないし、朝鮮半島の植民地支配や中国への侵略を認めた「村山談話」も、そして「河野談話」も認めるしかないのだと思います。
 国内向けには、東京裁判は不当で、村山談話も河野談話も間違っているから見直すべきだと主張しておいて、米国に対しては、東京裁判は認めるし、村山談話や河野談話で日本は謝罪している、というのを使い分けるのは無理だと思います。
 論理的な矛盾をすっきりさせて「保守」を貫くには、・・・米国と距離を置いて自主独立の保守を主張するしかないと思います。
 逆に、「親米」が国益にかなうというのであれば、村山談話も河野談話も認めるということから出発するほうが現実的ということでしょう。」と指摘しています。
 この指摘をより一般的な形で言い換えると、日本は、米国の保護国として米国の世界観や歴史観を受け入れ続けるのか、米国と自由・民主主義という基本的価値は共有しつつ
も、独自の世界観や歴史観を持った独立国になるのか、選択を、遅ればせながらつきつけられている、ということになろうかと思います。」(コラム#1686)
<太田>
 当時は高成田君に若干配慮したんだけど、この際、誤解がないようにしておきましょう。
 彼の雑駁な2値的指摘はおかしいんだな。
 村山談話は不当でも何でもないのであって、むしろ、もっとひどいことを植民地でやった米国等の欧米帝国主義国全部が、村山談話のラインより更に深く謝罪をするように、米国に促すべきなのです。
 東京裁判は不当だけど、それは、東京裁判の正当性を認めれば、戦前の日本と同じようなことを戦中と戦後に東アジアでやった・・戦争犯罪を先の大戦でしでかし、日本型帝国主義戦争と戦争犯罪を朝鮮戦争やベトナム戦争でしでかした・・米国も、論理必然的に断罪されなければならなくなるからだ、と米国に説明すればいいのです。
 太田史観を米国民に吹き込まなきゃならないので、一朝一夕にはいきませんが・・。
 河野談話は、政治的談話であって、(裏付けられた)事実に立脚したものではない、と米国に対して主張し続ければいいのです。(強制連行を裏付ける事実は発見されていない、日本では裏付けられた事実に立脚しない謝罪が行われることがある、と「事実に基づいて」説明する。) 
 以上のような主張をすることは、反米でも何でもないのであって、私に言わせれば、むしろ米国のためになることであって親米的いとなみだと思いますよ。
 なお、今回の首相談話
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201008100189.html
全く問題ないんじゃないかな。
 こういう話はセクハラと同じで、2者間の関係いかんによって左右されるのであって、オレはそんなつもりじゃなかったと言ってもしょうがありません。
 謝罪だけで済む見きわめさえついたら、大いに謝罪すりゃいいんですよ。 
<きよきよ>
 また、戦後補償問題の再燃を懸念する声
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100810/plc1008100025000-n1.htm
に関しては、日本側から(好意で)部分的に「支援」することはしても、朝鮮側から求められる「補償」に関しては日本政府は応じない姿勢が予想されるのではないでしょうか。
 「韓国人の日本に対する個人請求権問題の寝た子を本格的に起こすようなことがあれば、サンフランシスコ平和条約で日本人が放棄させられた朝鮮半島への個人請求権問題まで再浮上してきかねない・・日米と足並みを揃えつつある韓国に対して意図的に政治的リップサービスを行ったというところだろう。」(コラム#4117)
<太田>
 「談話では、・・・古文書「朝鮮王室(王朝)儀軌(ぎき)」・・・への韓国の所有権を認める「返還」ではなく、引き渡しと位置づけた<し、>政府として未解決の補償問題の存在を認めるような表現は避けた」
http://www.asahi.com/politics/update/0810/TKY201008100186.html
上、(韓国政府と調整しながら進めたのでしょうが、)韓国政府の反応も上々であり、
http://www.asahi.com/special/minshu/TKY201008100214.html
全く心配はいらないでしょう。
<十津川昭和>
≫「構造改革」の最たるものは、吉田ドクトリンの打破による国の自立である。≪(コラム#4181。『防衛庁再生宣言』より)
 これは私の考えと同じ。
 我が国が未だに自衛隊のままで正規軍が持てないのは この吉田茂という売国奴が元凶。
≫日本の戦後政治は、ホンネでは安全保障問題など眼中にないくせに、タテマエ上は安全保障問題を重視するふりをして国会での論争にあけくれてきたのですから・・。これが55年体制であり、自社なれあい体制の本質です。≪(同上。コラム#28より)
 自民党は保守でも何でもない。
 己の利権のためにカルト教団を育成し、これと結託して国益を害してきた利権分配集団にしか過ぎない。
 「村山談話」「河野談話」等々、これを政 府見解として推進してきたのは共産党、社会党、公明党などではなく、政権与党の自民党 である。
 「村山談話」「河野談話」を纏め支持してきたのは、かつて自民党に所属していた民主党 議員らであった。
→両談話は区別して考えるべきなんだな。(上掲の「きよきよ」さんとのやりとり参照)(太田)
 民主党と自民党は兄弟である。
 兄たる本家・自民党での利権分配という相続争いで敗れた故に、弟は民主党という分家を 結成したのである。
→もともと、民主主義ちゅうのは、利権争いを公然とやるのが身上の政治制度だわさ。
 問題は、55年体制の自民党恒久政権の下で、癒着関係が利権争いに取って代わってしまってたことなんだ。(太田)
 兄・自民党はカルト教団たる創価学会と結託して利権分配を独占してきたが、この度の衆院選挙では民主党が社民党・旧社会党で構成された極左集団と結託して利権分配の独占権を手にした。・・・
→「衆院選挙」なんて言ってるところを見ると、1年前の誰かの文章をコピペしただけだな。だから、途中ではしょらせてもらったよ。(なお、社民党が極左集団とはねえ。吹き出しちゃったぜ。)(太田)
 
≫「サヨク粉砕」を果たすべきだと考えるてるわけだから、キミ達は、「ウヨク」=「右」だと宣言してるようなもんじゃないかい。≪(同上。太田)
 日本の既存右翼と保守も粉砕すべきと考えているんだけどね(笑
→だからさあ、キミ達は、「既存」右翼じゃない「真正」右翼なんだろ?(太田)
・戦後一貫として戦後史観(東京裁判史観)を貫いて来たのは自民党
  だからこそ、下記の様な売国行為の数々を行って来た!
   ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
・在日特権というものを作ったのは自民党
 (「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法」(平成3年法律第71号。略称・入管特例法) 所謂、在日に対する 「特別永住資格」
http://law.e-gov.go.jp/htmldata/H03/H03HO071.html
が海部俊樹 内閣のもと、平成3年11月1日に施行された。)
・河野談話を踏襲し続け、それ(河野衆議院議長)を容認していたのは自民党 
・GHQが我々国民に押しつけた占領憲法を護り通して来た自民党
・国籍法を改悪したのは自民党 (麻生太郎)
<太田>
 お疲れさん。
 特段反論がないところを見ると、諸君らは、反自民へと転向してからまだ数年しか経っていないようだが、過ちを改めるにはばかることなかれだ。
 せっかくだから、後一声、ナショナリストの看板もおろしてくれることを期待して待っとるよ。
<じゃが~ >(2009.5.27)http://books.extraone.net/dtl/4906605486.html?ASIN=4906605486
 <『実名告発 防衛省』は、>防衛省の腐敗の原因とタカ派と名乗る政治家の欺瞞を暴く。
 一般的に政治家の口利きや天下り、それを受け入れる民間企業や法人が問題になることが多い。
 特に近年防衛省の問題が多くなっているのは、防衛省の官僚組織である内局が完全に腐敗しきっていることが原因という。
 防衛省とは、シビリアンコントロール(文民統制)を文官統制(=内局統制)と取り違えた組織である。
 防衛省の内局官僚は、世間と交流することも、業界を監督することも、部隊の指揮をすることも無いため、マネジメント能力、英語力、IT能力、危機管理能力全てが無い。
 なれど、戦争はしてはならないと政府と国民に言われながらも予算5兆円をわたされ、宗主国アメリカに従えと指示されて陸海空の自衛隊の実働部隊を統括しているのだから腐敗するのは当たり前だとのこと。
 安全保障を政治の観点にする方策として筆者は何度かの政権交代と天下り禁止(肩叩き禁止)により腐敗を断ち切り、日本を真剣に考える政治家と官僚を育てる必要があると訴える。
 民主党は不安との声もある。しかし現民主党の幹部も与党時代に腐敗しているし、宗主国アメリカに逆らえば、民主党政権でもアメリカにより崩壊させられるので問題ないとのこと。
 日本の安全保障の現実を見せつけられる1冊。
<正直・ひとこと>(2010.7.24)同上
 <『実名告発 防衛省』についてだが、>(政治や軍事・安全保障なんかよく知らんが)税金の無駄使いは許さぬという納税者の「いったい防衛省は何をやっているんだ?」「口利き政治家はけしからん」という感情と「そもそもなぜこういう構造になっているのか?」という疑問に対して、明快かつ論理的な正解を提示してきたのが太田述正氏だ。
 その一貫性と言行一致ぶりは履歴から明らかである。
 本書もその例に漏れない。
 ただし「防衛庁再生宣言」や「属国の防衛革命」(共著)、あるいは太田コラムに目を通している層からすると、ほぼ既知の内容である。
 太田氏の持論全てを是とする読者では無論ないが、ユニークネスな話題が少ないように感じた。
 今回は残念なことに(?)ほぼタイトルどおりの内容だ。
 版元からすれば、当時、かつてのインサイダーによる実名告発はタイムリーに与党批判の材料になるという点を非常に重視した経緯があるのだろう。
 佐高信氏による本書の「解説」を読んでそう感じた。
 太田氏の防衛庁キャリア現職時代に、中村喜四郎防衛庁政務次官(当時)からの「私にしてもらいたいことを聞かせてほしい」との問いに
 「集団的自衛権の問題を何とかしてほしい」(集団的自衛権を認めさせてほしい)
 太田氏の言葉を聞いて中村氏は数秒間沈黙し「君、変わっているね」と答えたという。
 このエピソードに佐高氏は<「解説」の中で>ふれ、
 「この問題について、版元の立場は、まったく違う。それを認めさせてはならないと思っており、それを護憲のある種の生命線と信じている。」(P244)
 「青臭い議論をし、政治家にゴマをすることができなかった著者は~」(同上)
 <この>「解説」はある意味必読である。
 佐高氏は「解説」にあたって太田氏の他著作を読んでいないであろうし、その咀嚼もおそらく試みていないであろう。
 そうでなければ「護憲」という言葉と、同じページのすぐ後に(集団的自衛権問答をして)「青臭い議論」と簡単に一刀してしまう表現を書き連ねる愚を犯すはずがあるまい。
 だから、これは同胞たる「左」に対しての自己と版元の立場の「解説」臭が濃厚である。
 (自爆でもあるし、誠に天真爛漫な態度、とも言えよう)
 「左」であっても「米軍サマにひたすら護っていただく」のが「現実的」という潜在意識のなせる業である。
 ちなみに太田氏には「集団的自衛権を認めるか否かは、現代日本において政治家と政治屋を分かつ重要なメルクマール(判断基準)」という旨の金言があるがこれは言論人にもおそらく有効だろう。
 なぜならそれは左右を問わず「自国について、外国に安全保障と外交(自国民の生命)を一方的に預けることを所与の条件と看做すか否か」に他ならないからだ。
A 現状認識に共通する点が多々あるが結論が180度異なる。現実としては抵抗勢力として機能する。
B 現状認識の相違があるが結論と目指す方向性はかなり近い。
 どちらがマシなのか。そしてメルクマール云々がなぜ金言かは太田氏の他著コラム等も読んで、ぜひ諸兄姉のアタマで判断してほしい。
<太田>
 どうもどうも。
 ただ、集団的自衛権のところ、ちょっとズレてるんだな。
 まず、「(自国民の生命)」はとって欲しいな。
 なぜかは、過去コラムで何度も言ってきているので繰り返さない。
 最も大事なことは、キミがあげる理由も間違いではないが、集団的自衛権を認めないということは、人間として最も尊い行為であるところの、他者のために尽くすことを認めないということであり、そんな人間は政治家とは言えない、というのが私の趣旨だってことだ。
 なお、他者のために尽くすことは自分自身に最高の幸せをもたらす、ということも、私が繰り返し指摘してきたところだ。
 話が変わるが、「1949年生まれの芸能人・有名人ブログ(人気順)」というサイト
http://www.talentblog.jp/age/index.php?age=1949
で、高橋真梨子、間寛平、ガッツ石松、松崎しげる、岸部四郎、藤野真紀子、伊武雅刀、山田明郷、松本隆、松本文明各氏に続いて、私が11位とリストの末尾を汚してたな。
 私については、「評論家・ジャーナリスト」と「ジャーナリスト」なる余計な肩書きが入っていたし、ブログから誕生日情報を収集しているのにツイッターからの収集である旨誤記されてたけどね。
 (この誤記は、以下のサイトの誤記をそのまま踏襲したものらしい。)
http://www.talentblog.jp/view/otanobumasa.html
 それでは、それ以外の記事の紹介です。
 100年後の今じゃ、逆になっちゃったんじゃないか。
 因果はめぐる。↓
 「・・・孔魯明(コン・ロミョン)世宗財団理事長・・・は、・・・100年前の・・・国権喪失の原因として、支配層の分裂と国際情勢に対する無知を挙げた。・・・
 日本の指導者層が、世界各国の情勢を紹介した魏源の『海国図志』
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%8F%E6%BA%90 (太田)
を先を争って読み、富国強兵と開化の先頭に立ったのに対し、朝鮮の指導者層がこの本を読んで危機意識を抱いたという話は聞いたことがないと・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100808000005
 めずらしく、日本のメディアがタイムラグなしに人間科学に関する新発見を報じたね。↓
 「・・・メスが少なく競争が激しい環境ではオスの寿命は短くなる・・・
 人間の男女比と寿命の関係を調査し・・・た<ところ、>、繁殖可能年齢に達した段階で極端に男性過多な環境にあった男性は、通常の環境にあった男性と比べ、平均で3ヶ月寿命が短い・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/4937689/
http://wellness.blogs.time.com/2010/08/09/lack-of-mates-may-cut-short-a-mans-life/
————————————————————–
太田述正コラム#4184(2010.8.10)
<映画評論6:バンド・オブ・ブラザース(その2)>
→非公開