太田述正コラム#4235(2010.9.5)
<皆さんとディスカッション(続x945)>
<太田>(ツイッターより)
 「独立」なくして小沢だろうが誰だろうが宗主国米国サマに逆らうなんてこと不可能さ。
 小沢の場合、それに加えて不祥事を米国サマに洗いざらいつかまれてる弱みもあるしな。
 ただし、普天間に関しては、ボクが小沢だったらやるウルトラC的腹案(!?)あるよ。
 この「腹案」誰かあててごらん。これまでの太田コラムをきちんと読んでりゃ答えは分かるはずだよ。
<bonkers_blunder>(同上)
 日本自身の海兵隊創設でしょうか?
<太田>
 ノー。
 そんなの既に既定路線でっせ。↓
 「・・・陸自が「水陸両用部隊」への改編を検討しているのは、九州南部を担当する第8師団(熊本市)の一部や、第15旅団の中の普通科連隊。陸上での有事対応や災害派遣といった通常任務に加え、占拠された離島に海から近づいて上陸・奪回したり、後続部隊のための陣地を確保したりする機能をもたせる考えだ。モデルは米海兵隊。・・・」
http://www.asahi.com/politics/update/0830/TKY201008300422.html
(8月31日アクセス)
 小沢は、つい最近も「海兵隊の実戦部隊はいらない。米国も前線に置く必要がないから引き揚げている」「沖縄にいるのは2千人」などと・・・発言」
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100905/plc1009050252000-n1.htm
してるよね。
 私、集団的自衛権行使に踏み込むことで、在沖米海兵隊の海外移転なり廃止なりを迫るしかないって鳩山政権の時に言ったけど、(ありえないが、仮に)小沢が首相になった場合、彼の持論の国連の傘の下での自衛隊の海外派遣論をベースにすると、純理論的には、
 一、自民党政権末期に概成していた、集団的自衛権行使の禁止の緩和案を即時断行する。
 二、朝鮮有事(グアム等への北朝鮮核ミサイル発射を含む)には、日本は、(現行の政府憲法解釈に反して、)集団的自衛権を発動するとの秘密誓約を行う用意があると米国に伝える。
 三、国連の傘の下での自衛隊の海外派遣を可能にする政府憲法解釈変更を、首相生命をかけて行い、その上で、自民党の同意が得られれば、アフガニスタンに自衛隊の後方支援部隊を派遣する、と米国に伝える。
 四、その代わり、普天間(及び岩国)を含む在日米海兵隊全基地を閉鎖し、在日米海兵隊を全面的に日本から撤退させるよう米国に要請する。
 以上で、普天間問題は解決します。
 ただし、そのための条件があります。
 沖縄が、これまでのマッチポンプ戦略を放棄し、これからの累次の選挙で普天間の県内移転反対を貫き通すことです。
 私としては、このような中途半端な形での政府憲法解釈変更はやって欲しくないのですがね・・。(これでは、例えば台湾有事の際、日本は何もできません。)
 じゃ、菅首相が留任となったらどうすればいいのか。
 沖縄が日和れば、時間はかかっても、辺野古移転という流れが確立するでしょうが、そうじゃない場合、普天間の恒久化を前提に施策を講じるしかないでしょうね。
<唯我独尊>
≫恩給制度復活なくして天下り根絶ありえず! うー、すり切れたレコードになってきた。≪(コラム#4233。太田)
 多くの高級官僚は、リタイア後も地位(権威)とお金の二つを同時に得ることで満足を得るのではないでしょうか。
 ポストを与えないで、恩給だけでは不満が爆発し、再び良からぬ画策をすると思います。
 ということで天下り制度は読売巨人軍と同様、永遠に不滅だと激しく確信しています!
<太田>
 実態をご存じないから、そんな的外れなことをおっしゃる。
 天下りした官僚OBの大部分は、仕事をすることを禁じられ、時間だけ勤務先に拘束されるという地位(権威)もへったくれもない屈辱的な毎日を送っているんですよ。
<εδδε>(「たった一人の反乱」より)
 国債のほとんどは銀行が持っている。
 投資が活発化すれば銀行は国際を市場に売り、現金に換えてその現金を投資にまわす。
 市場で国債はどこが買うのか?
 日本銀行です。ちなみに日本銀行が買った国債は実質、無利子になる。(実質、その分、借金チャラね。)
 一方、投資の活発化は税収を拡大させる。
 財政運営は何の問題も起こりません。
 高橋洋一氏が述べているように現在の日本並みに国家財政と比較して国債を発行している例はナポレオン戦争後のイギリスか第二次大戦後のアメリカぐらいしかありません。
 そして過去の歴史において両国はその後、国家財政が破綻するどころかより一層の発展を見せるわけです。
 ちなみに政府が今、発行している国債のうち300兆円近くは日銀保有なので、本来、この300兆円分を借金にカウントするのはおかしい。
<太田>
 マロンさんもキミも、まともな典拠をつけてくれー。
 Fat Tailさん、ここ数日の国債論議の中締めをお願いできません?
<δεδε>(同上)
 「小沢氏はこの間、検察の不起訴で「不正がなかった」ことが証明されたと繰り返してきた。しかし正確には、刑事事件として立件するに足る証拠が認められなかったということだ。 」
http://www.asahi.com/paper/editorial.html
 刑事事件に足る証拠が見つからない以上、小沢氏に「不正はない」といわれても仕方ないだろ。
 日本のジャーナリズムなんか信用しちゃダメだよ。官僚の詭弁を推敲する思考力なんかないんだから、
 間違えた情報をそのまま流す。典拠としての価値無し。
<太田>
 
 「民主党の小沢一郎前幹事長が、自らの資金管理団体の土地取引事件で、検察審査会の議決により「強制起訴」となれば、訴追に応じると明言した。」ってこの社説で書いてあるの、信用するなっての?
 ボク、そこまで日本の新聞不信、とりわけ私に不祥事追求で(赤旗を別にして、全全国紙中、唯一、)全面的に協力してくれた朝日に対する不信には陥ってないんでねえ。
>刑事事件に足る証拠が見つからない以上、小沢氏に「不正はない」といわれても仕方ないだろ。
 小沢関連の2つの検察審査会という公的機関の判断は氏素性不明の私人たるキミの判断とは違うようだぜ。
<δεδε>(同上)
≫平等な社会
 一.竪穴住居の大きさはどれも同じくらいで、死者は区別なく共同墓地に埋葬。
  (略
みんな同じような葬られ方から,縄文時代は身分や貧富に区別されない「平等社会」という事が分ります.」
 つまり、個人の墓じゃなくて共同墓地だったわけだが、これは墓がなかったということにはならない。≪(コラム#4153。太田)
 この形式の墓では誰が誰の祖先であったかわかりませんよね。
 それぞれの家系の祖先を敬うのではなく、共同体の祖先を一体化して祭っていたと考えられますよ。
 これは血族集団と祖先崇拝を分けて考える重要な資料なのでは?
<太田>
 例えばだな、モーツアルトは亡くなって共同墓地に葬られたが、これは当時のウィーンの慣習に従ったものだった。
 しかし、それだけでもって、18世紀末のウィーン(オーストリア)と縄文時代の日本が似通っていた社会だった、ということにはならない。
 誰も埋葬には立ち会わないのが普通だった・・ただし、モーツアルトの場合、例外的に数人の音楽家達が立ち会った・・とすれば、到底「共同体の祖先を一体化して祭っていた」わけではなさそうだもんね。
 また、オーストリアに関しては、同国に君臨したハプスブルグ家にせよ、同国の貴族達にせよ、みんな個人の墓に葬られた(典拠省略)んだから、全くもって平等社会なんかじゃなかったわけだ。
 (以上、モーツアルトの墓の事実関係は、以下に拠った。
http://en.wikipedia.org/wiki/Wolfgang_Amadeus_Mozart#Final_illness_and_death
 共同墓地があったってことで分かることはただ一つ。
 縄文時代の日本でも18世紀末のウィーンでも、人が死ねば、(恐らくは全員)墓に葬られたってことだけさ。
<δεδε>(同上)
 ・・・書き込み規制でホンット長い間、<太田スレにも>書き込めなかった。
 別にアラシをしたわけではない。三宅氏の脱税疑惑について書き込みしてから頻繁に規制される。
 まあ2ちゃんも当局の監視下にあるということかな。
 自由な言論の場である2ちゃんも終わったね。
 多分、また書き込み規制に巻き込まれると思うから、2ちゃんへ投稿するのは今回で終わりかもな。
 縄文・弥生論についていろいろ書き込みたかったが太田スレともお別れか。
<太田>
 そういう時こそ、太田掲示板に、いらはいいらはい。
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4002に関し)クレイギーの話やこの内蒙工作の話を次著に盛り込むとすると、次著の構成、もう一度考え直す必要がありそうだ。難産じゃ難産じゃ。
<太田>
 それでは、記事の紹介です。
 こりゃオモロイ。中共でも調査してみたいなあ。↓
 
 「・・・米国イリノイ大のエド・ディーナー教授は・・・130カ国・地域の13万人余りを対象として、幸福に関する世論調査を実施したが、その結果、韓国人の幸福度は5.3ポイントで、対象国の平均値5.5よりやや低かった。とりわけ「物質的価値の重要性」を問う調査で韓国は7.24を記録し、米国の5.45、日本の6.01より高い数値となった。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100905000017
 「・・・<これは、>韓国人の無意識の中にある・・・巫教の・・・現世的物質主義・・・から来たといえる。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20100905000018
 ↑シャマニズム≒現世利益主義≒弥生時代≒朝鮮南部との共通性、という認識でいいんだろうか。
 イスラム世界、就中アラブ世界の停滞性の根本原因はアラビア語にあり?↓
 ・・・the students <that> could read Hebrew well,・・・all used both left and right hemispheres to tell Hebrew letters apart.
 The same thing has previously been found with English letters.
 The good Arabic readers, however, only used their left hemispheres to tell Arabic letters apart. ・・・
 ・・・Characters in English and Hebrew are easier to tell apart because there are clearer differences between them than there are in Arabic.・・・
 The particular characteristics of Arabic make it hard for the right hemisphere to be involved. When you are starting something new, there is a lot of [right hemisphere] involvement.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/health-11181457
 米国で、過去の黒人差別と義務教育における水泳教育の欠如が以下を生んだ。↓
 ・・・68.9% of African-American children with no or low ability to swim
57.9% of Hispanic children
41.8% of white children ・・・
African-American children aged 5 to 14 3.1 times more likely to drown・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11172054 
 母親はもとより、父親も自分の子供を溺愛するのは、単にオキシトシン分泌のせい。
 ただし、溺愛の仕方は母親と父親とで異なる。こっちの方は文化的インドクトリネーションによる違い?↓
 ・・・Oxytocin levels at 6 weeks, they found, were just as high in new fathers as they were in new mothers (partners appear to “match” each other in the production of the hormone), and the levels rose over the next four and a half months.・・・
 Women with the highest levels of oxytocin were most likely to demonstrate what the journal article calls “affectionate parenting behaviors” while men with the highest levels were most likely to demonstrate “stimulatory parenting behaviors.”・・・
 women more often cooing and cuddling and men tickling and tossing. ・・・
http://parenting.blogs.nytimes.com/2010/09/02/why-mothers-and-fathers-play-differently/?pagemode=print
 米国でもかつては激しい反カトリシズム感情があった。↓
 ・・・Perhaps the closest parallel to today’s hysteria about Islam is the 19th-century fear spread by the Know Nothing movement about “the Catholic menace.” One book warned that Catholicism was “the primary source” of all of America’s misfortunes, and there were whispering campaigns that presidents including Martin Van Buren and William McKinley were secretly working with the pope. Does that sound familiar?
 Critics warned that the pope was plotting to snatch the Mississippi Valley and secretly conspiring to overthrow American democracy. “Rome looks with wistful eye to domination of this broad land, a magnificent seat for a sovereign pontiff,” one writer cautioned. ・・・
http://www.nytimes.com/2010/09/05/opinion/05kristof.html?ref=opinion&pagewanted=print
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太田述正コラム#4236(2010.9.5)
<大躍進政策の真実>
→非公開