太田述正コラム#4313(2010.10.14)
<皆さんとディスカッション(続x983)>
<Fat Tail>
 コラム#4311<で>・・・日本型経済体制に関し、解説をいただき有難うございます。
 最近手に入れた『防衛庁再生宣言』の該当部分も未読であり、いただいたコメントを参考にしつつ、日本型経済体制について更に考えてみたいと思っております。
 さて、読み始めた『防衛庁再生宣言』ですが、第一章に収められている「ITをめぐるドタバタ劇」の中で、ある幕僚幹部から派遣された自衛官が、「自分の派遣元の自衛隊の意向を受け、その自衛隊と内局とのネットワークを介した情報交換を困難にする意図をもって」、妨害行為とも取れるような行動を(正確には、防衛庁全体の利益にそぐわないようなグループウェアを推薦)取っていますが(P.23参照)、その狙いと背景事情を教えていただけますでしょうか。
 いくら陸海空三軍(自衛隊)の統合運用がほとんど顧慮されてこなかったにせよ(コラム#58参照)、敢えて情報交換を困難にする意図が理解出来ません*。
*遠因は、「内局は,これら統合的部分,共同部分および共通部分のあり方を所管しており,内局キャリアが仕事を全くと言っていいほどしていないため,統合的・ 共同的側面において,自衛隊では徹底的に手抜きが行われて」いるため(P.42)、という構造的要因であろうことは推測できます。
<太田>
 この話、『実名告発 防衛省』でグループウエァ名や会社名を明らかにした形で再度とりあげています。
 その中で、陸上・・とここで初めて明かす・・「幕僚監部から派遣されてきたIT通の自衛官が担当プロジェクトチームに勤務していたが、この自衛官もまた熱心に<日立の>グループマックスの採用を主張した。ところがこの自衛官の出身幕が採用していたのは<IBM(旧ロータス)の>のノーツだった。これは一体どういうことか。–担当自衛官は出身幕の意向を忖度して、あえて内局にグループマックスを採用させ、内局(グループマックス)と自分の出身幕(ノーツ)との間のネットワークを介した情報交換を困難にしようとしたフシがあったのだ。常識では考えられないようなことだが、防衛庁における背広組と制服組の反目には、これほどまでにすさまじいものがあるという例である。」(21~22頁)と記したところです。
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4252に関し)ブルーカラーの子でたたきあげのイーストウッドという女誑しの映画俳優
http://en.wikipedia.org/wiki/Clint_Eastwood 
が市長になり、大映画監督となり、米国を根底的に批判する娯楽映画を次々と世に問う。
 拍手喝采。
<太田>(同上)
 (コラム#4253に関し)日本の戦前史は宝の山だ。
 プロもアマチュアも、歴史学者も他の分野の人文社会学者もどんどん参入して研究して欲しいな。
 そこから、支那も英国も米国の本質も見えてくるんだから堪えられんぞ。
<太田>(同上)
 (コラム#4254に関し)英国の植民地統治と比べても、日本の植民地統治はすばらしかった。
 台湾じゃ、現在、与党の国民党と野党の民進党のどっちが明治維新の継承者かを巡って論争が起きてる
http://www.taipeitimes.com/News/editorials/archives/2010/10/11/2003485061
けど、どっちがより英国的かといった論争がウガンダやジンバブエで起きるなんてことはおよそ考えられない。
<いち>
 たかじんのやって委員会<の>大田さんの動画の読者コメントです。
 色々意見があり面白いです。↓
<ぞう>(2010.10.11)
 正論の太田述正氏・・・。
 大田氏のコラムを読んでるとその労力と優秀さが良く解ります。(難しすぎてあまり理解できてないと思いますが・・・)
 休みもとらずまさに命掛け!
<トンヌラ>(同上)
 しゃべりが聞きづらい、顔が生理的に受け付けない、もっと詳しく知りたいという方は・・・
 太田氏の↓のコラムをどうぞ。
 海兵隊不要論について詳しく書かれています。
無惨なるかな日本(その4)
http://blog.ohtan.net/archives/50954710.html
無惨なるかな日本(その5)
http://blog.ohtan.net/archives/50954708.html
無惨なるかな日本(その6)
http://blog.ohtan.net/archives/50954706.html
無惨なるかな日本(その7)
http://blog.ohtan.net/archives/50954705.html
無惨なるかな日本(その8)
http://blog.ohtan.net/archives/50954704.html
<ぬえ>(2010.10.12)
 悪いんですが…。
 太田さんがここで言っていることは、ネットで見て、すべて知っていました。
 聞きたかったのは、それではどうするかって言うことです。
 自分としては、小沢が土地を買って、手をこまねいて待っている場所への移動は絶対しないで、アメリカも日本の領土と太鼓判を押している尖閣列島に基地を作るのがベストと思います。 
 周りに住民もいないので騒音・危険で迷惑になる者はおらず、毛唐かぶれの姉ちゃんがレイプされることもなく、領土問題でも強力な「布石」になること間違いなしです!
 無人島は、他にもたくさんあります。そちらでも良いです。 反基地で騒いで、不労所得で生活しているような不道徳な者に餌を与えてはいけません!!
<FourtyOne>(同上)
 理解出来ません。
 防衛キャリアか何か判らないけど、どういうわけかさっぱり理解出来ないというか心に刺さらないというか。
 米軍が駐留している事による抑止力についての納得のいく解説が無いし、グァム等へ移設するならそれと平行して必ず検討されなければならない日本としてどう防衛していくか、その代替案についての話もないし、あげくの果てには金払って出ていってもらう?
 何言ってんのこの人?って感じです。
 キャリア組ってこの程度なの?
→お二方には、日米安保があって米国が日本に核抑止力を提供していたら、日本独自の軍事力などなきに等しくてもよい、ということをまず理解してもらわなきゃいけませんねえ。
 (陸続きの韓国でさえ、韓国に米軍が駐留しておらず、また、吹けば飛ぶような韓国軍しかいなかったにもかかわらず、米軍が救援に駆けつけたため、北朝鮮は韓国を征服できなかったことを思い出しましょう。いわんや、日本は島国ですぜ。)
 なお、「抑止力についての納得のいく解説」とおっしゃるが、米軍が日本に全く駐留していないよりは若干なりとも駐留してる方が核抑止力の信頼性が高まる、という以上でも以下でもない、ということです。
 その上で、日本「独立」後に日本が保持すべき軍事力をどうするかは、国民的論議の中で決めればいいのです。(太田)
<ぞう>(2010.10.13)
 普天間飛行場の今と昔。
 一目瞭然ですね。
http://nihonhakusho.blogspot.com/2010/04/blog-post_22.html
→デヴィ夫人がらみで、本コラム(#3963)で一度登場した写真ですな。
 なんで、こんなに彼女人気あるのかね。(太田)
<1回だけのふっかつさんだーす>(2010.10.14)
 結局は断絶された国民の歴史認識。
 トンヌラさん一押しの太田さんプッシュの気持ちはわかるが、まだまだですな。
 断片的解決は同じ事のくりかえしもしくは、それ以上悪化。
 結局は歴史認識、断絶した歴史を取り戻し、一般国民の自力と自浄作用に期待するしかないのよ。
 多くの日本人の歴史認識の下に政治家、【官僚】、社会、メディアが育つのだから。
 <以下、意味不明の長文が続くのですが、省略させていただきました。(太田)>
<ミュンヘン>
 ・・・ニコニコ動画を拝見しました。
 カジュアルな服装の太田さんは見慣れていないので、少し違和感がありましたが親しみもわきました。
 ブログやmixiのアイコンの笑顔の写真は非常にいいと思います。
 最近、ある方のブログの影響で人相に興味があるので、私自身も常に笑顔を心がけております(笑)。
 「私の考えはいかに形成されてきたか」では、たまたまスタンフォードや英国国防省の大学校に留学して、それが結果的に非常によかったとのことを言われていましたが、それを聞いて最近流行?の「セレンディピティー」という言葉を思い出しました。
 もちろん太田さんには「運」だけではなく、有り余る才能がおありだと思いますが、それだけではない、周りの人をひきつける魅力を感じます。
 ただ、時々誤解を受けやすいところがおありなのかなあと残念に思いますが、それでけ正直でいらっしゃるのでしょうね。
 あと、防衛庁(省)を辞めて現在のような道を選んだのも、日本政府のおかげで多大な影響を受けた留学をさせてもらったから、その恩返しとして、日本政府にガバナンスを取り戻してあげたいと言われているところでも、思わず胸がじーんときました。
 「きれいごとだ」とおっしゃっていますが、太田さんらしい感謝のしかたであり、律儀なかただと思いました。
 願わくば太田さんには長生きしていただいて、目的が達成できた日本を見届けていただきたいと強く思っております。
 それと同時に若い後継者もどんどん育てていって欲しいです。
 私も願うだけではなく、できる範囲で応援できればと思っております。・・・
<ηηδδ>(「たった一人の反乱」より)
≫ボク自身の時系列的比較に関しては、加齢にもかかわらず、最近の私の顔がマシになってきているというのはホントじゃないかな≪(コラム#4311。太田)
 云、誰が褒めているかは判らないが(家族や近親者と勝手に推測)、自己の心的状態を現在進行形で認識するという“情動の自己認識”を自覚しているってことだな。
“汝、自身を知れ”というソクラテスの箴言だよね。
 一時期、困窮し、こぼしていた頃の顔と比較すると歴然とするんでないか…。
 誰しも人生は山谷凹凸、勿おいらもそーだけど、夜寝床でゆっくりと安心して熟睡できること(状態に)ホント感謝だよね。
 これからも益々いい顔になって欲しいとおもうよ、ヒネオヤジは。 二枚目路線は無理だけど。
<ηδηδ>(同上)
 加齢により、華麗に、彼は、変化したらしい。
 あー、<ηηδδ100が>カキコの“情動の自己認識”てやつは、ネット流行語大賞にもなった有名な台詞のあれ「私は自分を客観的に見ることができるんです、あなたとは違うんです!」
http://getnews.jp/archives/1553
 まぁ、↑これはアレなんだが、要は、もうひとりの自分が客観的に(冷静に)自分のことを見る事が出来るってことで、怒りや感情の波に呑み込まれ難いという謂わばEQのことであると一応補足を蛇足する<。これは、>揚足でも逃足でもない。
<太田>
 それでは、記事の紹介です。
 昨日のハナシの続き。↓
 「・・・正男氏は北朝鮮では禁句とされる「三代世襲」や「北韓(北朝鮮)」などの言葉も堂々と口にした。外交消息筋は、「中国が身辺保障の約束をしていなければ、海外にいる正男氏がそのような言葉を使うのは困難だ」と語った。
 正男氏がインタビューで語った内容も、中国の立場と一致するものだ。中国は、北朝鮮に使節団を派遣して三代世襲を祝福したものの、内部的には「世襲には不満だが、北朝鮮の内政には干渉しない」との立場だ。正男氏も、「世襲には反対だが、(世襲に)内部的な要因があるのなら、それに従わなければならない」と話し、中国と同じ立場を示した。
 テレビ朝日は、「正男氏が、自分が後継者になれば北朝鮮を開放的な国家にする、というメッセージを中国に送ったもの」と分析したが、外交消息筋は、「中国が正男氏の口を通じ、遠回しに北朝鮮にメッセージを送ったようだ」と正反対の見方を示した。・・・」http://www.chosunonline.com/news/20101014000018
 本コラム上での「論戦」と同じ「論戦」がクルーグマンとファーガソンの間で戦わされてるだとさ。↓
 Economic heavyweights Professors Paul Krugman and Niall Ferguson clash again over stimulus spending proposals・・・
http://www.guardian.co.uk/business/2010/oct/13/us-spend-or-cut-debate
 自由の女神への落雷写真。スゴイよう。↓
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-11531637
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太田述正コラム#4314(2010.10.14)
<メアリー・チューダー(その2)>
→非公開