太田述正コラム#4347(2010.10.31)
<皆さんとディスカッション(続x1000)>
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4347に関し)米国が急速に世俗化しつつあるっちゅうのは大変結構なことだ。
 その米国でのティーパーティ(茶会)の動きと中間選挙のこと、いずれ取り上げなきゃなあ。
 まだまだ、オクテでアホな米国から目は離せない。
<bonkers_blunder>(同上)
 そんな宗主国米国に自立を促されているにもかかわらず、自立するのは嫌だと尻尾を振って侮蔑と無視を得る属国日本の愚かさには目も当てられないです。
<chihilo>(同上)
 「国家が生活に介入し過ぎるな。自由が奪われる」と言っているアメリカ国民が夢想している自由を守るためには、国家が介入すべきか否か。
 国民皆保険なんてのは導入した方が良いと思うのですけれど。
 「邪悪な資本家に踊らされて、自由を叫ぶ」ってのは悲しい構図です。
 日本でも自給自足村を作る人達がいますが、ネットや携帯などの科学技術と自給自足を合わせた村が各地に出現し、連携すれば、先進国の生活もゆとりあるものに変わるのかもしれません。
 アメリカ人のアウトドア派には家を作り、水電気を自分で引く人もいるそうです。
→茶会の連中の「主張」についてはともかく、こういう話は典拠が必要です。(ツイッター。太田)
 そのような村と教育を組み合わせれば、色んなことが出来そう。
 引き籠りの若者、不利な経済状況にある人等を社会的文脈のなかに入れてあげれば、救われる人も少なくない。
 オバマも「ネットで受かった」と言っているなら、そういうことをしてアメリカを楽しめば良いのに。
<太田>(同上)
 「ネットで受かった」の意味がよく分かりません。
<chihilo>(同上)
 「ネットで受かった」=「大統領に当選したことに、インターネットが寄与した」という意味でした。
>こういう話は典拠が必要
 「自給自足団体がある」ということの典拠は「TV雑誌ネットなどで見た」ぐらいで、具体的な典拠を挙げられませんが、こういうのは如何でしょう。
http://wearedevelopers2010.blog110.fc2.com/
 「邪悪な資本家に踊らされて、自由を叫ぶ」‐これについては、私の想像です。
 「そうだったら、悲しい」。 ‐「そのような村と教育を組み合わせれば、色んなことが出来そう~~」‐。私の理想です。
<太田>
 ・・・・。
<ΚΚΔΔ>(「たった一人の反乱」より)
 次回、ついに皆さんとディスカッションが1000回の大台に乗るね。
 太田さんお疲れ様。
 これからもますますのご健勝、ご活躍を心よりお祈り申しあげます。
 そしてより一層のご指導ご鞭撻の程謹んでお願い申し上げます。
(何故年賀状風?)
<太田>
 ありがとさん。
<ΚΔΚΔ>(「たった一人の反乱」より)
 「【ハノイ、北京時事】中国の楊潔◆(竹カンムリに褫のつくり)外相は30日、ハノイで行ったクリントン米国務長官との会談で、尖閣諸島問題について「高度に敏感な問題では言動を慎み、中国の主権と領土保全を尊重し、いかなる誤った言論も発表すべきではない」と米側を強くけん制した。中国国営新華社通信が伝えた。」
http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2010103000269
 2chでもスレが立てられてますが、中国政府はあくまで中国嫌いの日本人増加政策に余念がないようですね。
 太田ブログ読者が爆発的に増える予感・・。
<太田>
 日本「独立」への気運の高まり、ないし太田コラム読者の大幅増は、中共当局サンの言動いかんというより、宗主国米国サマの意思(例えば、尖閣諸島問題等であんまりつっぱるなと日本に対して言い続ける)と能力(例えば、尖閣諸島は日米安保の対象ってのは法律的議論に過ぎないことを米前方展開兵力を次々に世界中から撤退させて行くことで日本人に悟らせる)いかんにかかってる部分が大きいな。
<chihilo>
 私はフランス音楽が特に好きです。
 フォーレが弾くフォーレ<のPavane, Op. 50>、ロールピアノによる録音。
http://www.youtube.com/watch?v=xUsGh2xYYQg
 ブレンデルは引退しましたが、たまに弾いているそうです。Schubert Op. 90/3
http://www.youtube.com/watch?v=GkX4MyDeIqI
 <ドビュッシーの>「月の光」はギーゼキング。
http://www.youtube.com/watch?v=r-TRhzo3epU
 マルセル・メイエのクープラン Les barricades myst���rieuses
http://www.youtube.com/watch?v=gTbzKaRoRpw
 フランソワとクリュイタンス率いるパリ管<による Ravel Piano Concerto in G major movt2 > (1000回以上聴いてます)
http://www.youtube.com/watch?v=QvHa0EFddHs
<太田>
 ブレンデルはフランス人だけど、弾いてる曲はドイツ人のシューベルトの作品だし、ギーゼキング(Walter Gieseking)はフランスで生まれているけど音楽教育をドイツで受けてる歴としたドイツ人
http://en.wikipedia.org/wiki/Walter_Gieseking
だから、ちょっとこの二つはフランス音楽とは言えないんじゃない?
 ボクは、フランスのクラシック音楽は、シンプルでアモルファスなところがあんまし好きじゃありません。嫌いでもないけどね。
 それでは、記事の紹介です。
 英語もまた「世界」共通語としてはやがて没落するだろう、って話。↓
 ・・・English is likely to go the way of Persian, Sanskrit and Latin and, over many hundreds of years, inevitably die out ・・・
 <即時同時翻訳が早晩可能になる。↓>
 ・・・instant translation between languages・・・
 <母国語として英語を身につける人の割合は増えていない。↓>
 ・・・it’s not being picked up as a mother tongue, it’s not typically being spoken by people to their children.・・・
http://www.guardian.co.uk/technology/2010/oct/31/nicholas-ostler-my-bright-idea
 米国の茶会(ティーパーティー)について知ろうと思ったら、やっぱ英ガーディアンだよな。↓
 <聖書解釈同様に米憲法解釈をするって。↓>
 ・・・Tea Party activists approach the constitution the same fundamentalist way they approach the Bible: literally. The words are sacred and must be taken at face value.・・・
 <米国は大不況下にある。↓>
 This is a recession in which many Americans have lost their homes as well as their jobs. It has also been a recruiting sergeant for the Tea Party.・・・
 <米共和党が茶会に乗っ取られるのは必定だとよ。↓>
 The Tea Party isn’t out to be a traditional party in its own right. Its explicit aim is to infiltrate the Republican party and shift it sharply to the right, recreating it in its image and returning it to the true faith of limited government and fiscal conservatism. ・・・
 The Tea Party is clearly conservative but it is no fan of the Republican establishment, which it blames almost as much as the Democrats for presiding over the inexorable rise of Big Government.・・・
 The Tea Party takeover of the Republicans could be unstoppable. Next stop: the takeover of America.・・・
 <ペイリンおばさまが2012年の米大統領選に共和党から出馬する可能性は大いにあるって。↓>
 The Tea Party says it has no leaders but it certainly has a heroine in Palin. The Tea Party doesn’t have a presidential candidate but it will certainly try to force one on the Republican party when Obama runs for re-election in 2012. Palin is not everybody’s cup of tea, even in the Tea Party, but for the moment she is the only national politician they have. If the signs are propitious(吉兆), she will run.・・・
 <オバマを大統領に選出した米国の「左」旋回、そして現在の「右」旋回。無常の理をあらわす。↓>
 Two years ago, when a black man took the White House and the Democrats swept Capitol Hill, it looked as if a new era of American liberalism had dawned. Then came the Tea Party and with it the prospect of a new age of conservatism. Who would have thought it?・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2010/oct/31/tea-party-sarah-palin-andrew-neil
 ↑米国の世俗化が急速に進展しているところを見ると、仮にペイリンまたは同じ穴の狢が次の大統領選でオバマを破ったとしても、その政権は1期で終わり、再び米国は「左」旋回し、その傾向が見通しうる将来まで維持される、というのが、現時点での私の当たるも八卦の予想だ。
 その間、日本で「独立」への気運が否応なしに高まる、と勝手に期待している。
 ところで、マーク・トゥエイン(Mark Twain<。1835~1910年)の自伝が、彼が自分の死後100年間出版を禁じていたところ、その100年が経過したため、ついに世に出たぞ。↓
 <トゥエインは米国人そのものだった。ただし、私見ではとびきりマシな上澄みに属する米国人だけどね。↓>
 ・・・in the 1890s, he wrote in his notebook: “Are you an American? No, I am not an American. I am the American.”・・・
 <ヘミングウェイは、『ハックルベリー・フィン』は全米国文学の源だと言った。↓>
 Hemingway pronounced in the 1930s that “All modern American literature comes from one book by Mark Twain called Huckleberry Finn”・・・
 <そこで描かれているのは、個人主義と人種<主義>だ。つまり、私に言わせれば、米国のアングロサクソン性(光)と欧州性(影)なんだな。↓>
 Huck Finn is itself an ambivalent story about two of America’s foundational preoccupations, individualism and race.・・・
 <当然、彼は、米国の市場原理主義と<人種主義的>対外政策を厳しく指弾する。
 トゥエインは、オバマにつながる、米国の良心だったんだよ。↓>
 ・・・he denounces Jay Gould, the financier and speculator, for example, as “the mightiest disaster which has ever befallen this country”. He is equally critical of American foreign policy, condemning its imperialist ventures in Cuba and the Philippines and calling its soldiers “uniformed assassins”・・・
 <彼なら、茶会の無知蒙昧さと愚かさを嘆くだろうってよ。↓>
 ・・・although Twain would have sympathised with the Tea Partiers’ anti-tax, small government agenda, he would have loathed their historical ignorance and their susceptibility to manipulation by the same corrupt corporate interests he was railing against.・・・
http://www.guardian.co.uk/books/2010/oct/30/mark-twain-american-sarah-churchwell
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太田述正コラム#4348(2010.10.31)
<重光葵の世界観(その1)>
→非公開