太田述正コラム#4706(2011.4.25)
<皆さんとディスカッション(続x1183)>
<太田>(ツイッターより)
 (コラム#4704に関し)五百籏頭真の専攻は「戦前史」というより「戦後史」とすべきだったな。いずれにせよ、彼は吉田ドクトリン墨守者であり、戦後昭和時代の化石のような人物だ。自民党にも民主党にも覚えが目出度いなんて絶句しちゃうね。
 (コラム#4532に関し)チャーチルには5人の子供がいるが、米国人妻のクレメンタインは全く子供の面倒を見ず、夭折した次女以外でまともに育ったのは末っ子(女)だけ。長女は自殺、長男と次女は飲んだくれだった。
http://bit.ly/PVT3e
 (http://on.ft.com/fPalwlからヒントを得た。)
<ΞεεΞ>(「たった一人の反乱」より)
 ~放射能汚染の真実・北半球全域にわたり、放射性物質の降下地点で人々は死んでいます。
 死ななければ、子どもたちは知的・医学的障害をもって生まれてきています。
 これがいまだに続いており、まだ終りではないのです。
 ↓チェルノブイリ・百万人の犠牲者 動画+日本語キャプチャー 知的能力に影響 西側世界の目に触れるのは初めての資料
http://www.universalsubtitles.org/en/videos/zzyKyq4iiV3r/
 チェルノブイリ事故の最大の教訓は汚染されたすべての生物に影響を与えたことです。
 例外はないのです。
 放射能は遺伝子に甚大な影響を与えるのですよね?それについてはどうお考えですか?
 これは改善する見込みのない話です。
 一度遺伝子が損傷を受けると、何世代にも引き継がれます。
 ですから、こういった損傷が人、鳥や植物の遺伝子に起きていて、それぞれの種を増進することは無いでしょう。
 具体的にどの様な遺伝子損傷のことですか?
 脳や心臓、肺への影響、腕のない子供、水頭症の赤ちゃんです。
 鳥の場合は、羽毛とくちばしの変化、脳の大きさなどがあります。
 これらの鳥はあまり利口ではなく、汚染されていない鳥に比べそれほどよく生きていません。
 植物も永久的に変ったのも分かっています。
 難しいことではないのです。放射性同位体の行き先は明らかです。
 ヨウ素は甲状腺に、ストロンチウムは骨や歯に蓄積します。
 特に胎児に影響が及ばれます。
 セシウム137は心臓と筋肉に蓄積されます。
 これは謎ではありません。
 これを知っている為、どんな悪影響がでるのかを予測できます。
 そして、結果はまさに予測通りであり、それを本で証明しました。
<太田>
 チェルノブイリ原発事故による死者が100万人にのぼるとの主張の計算根拠は出てこないけど、一見の価値はあるねえ。
<ΞεεΞ>(「たった一人の反乱」より)
 4月23日 今何をすることが必要か 小出裕章
・(東電が工程表を発表したが内容はどうか?)工程表通りに収束するなら嬉しいが、出来ないと思う。問題は二つ。一つは作業現場の過酷な被曝環境のせいで作業がスムーズには続けられないこと。
 ロボットは線量測定ならできるが、冷却システムを構築するといった専門的なことは人間でないと無理。汚染水の処理が進まずいたちごっこの現状では難しい。(※二つ目の言及は無し)
・(世間では収まっているという印象もあるように思うが、実際の原子炉の状況はどうか?)とても改善に向かっているとは思えない。
・(最悪のシナリオは?)私が描く最悪のシナリオは原子炉がメルトダウンして水蒸気爆発するというもの。その可能性は否定したいが、自信をもってそうならないと言える状態ではない。
・(地上波等では最悪のシナリオに言及する人はいないが?)そのようだ。
・(事態改善のため何をしたらいいか?)やらなければいけないのは冷やすこと。今できるのは外から水を入れることだが、あふれてきてしまう。そこから抜けようとすると循環式の仕組みを作るしかない。
 東電の工程表の一部にもなっている。が、作業環境が現状では悪すぎるため、それを何とかする必要がある。
・(今の微妙なだましだましの状況が何年も続くようになるのか?)その可能性はある。http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/04/23/newstar-apr23/
<εΞεΞ>(同上)
 原発労働の実態
http://www.youtube.com/watch?v=92fP58sMYus
http://www.youtube.com/watch?v=pJeiwVtRaQ8&feature=related
http://www.youtube.com/watch?v=mgLUTKxItt4
 なんか放射能の影響を発ガン性があるかないかで議論する向きもあるけどそれだけじゃないっつーのがわかる。
 政府も専門家もスルーしてるけどね。
<太田>
 身につまされるねえ。
 ところで、放映された英国や、原発に一番依存してるフランスじゃ、どうなってんだろね。
<ΞεεΞ>(「たった一人の反乱」より)
 <先ほどの続きだけど、>政府等の、直ちに健康に影響が無い云々の話で安心させられて?いる場合ではないよな。
 直ちに健康に影響=急性疾患・・・このまま原発が無事収束したとしても、大多数はそれ以外の怖ろしい被爆による影響がこれから表面化して、さらにそれが永く続き改善することはないという・・・。
 放射能とは関係ないが、田中釣具店の娘田中好子(キャンデース)は兄弟もガンで死んでいたぞ。
 被爆者は、遺伝子損傷のまま何世代も疾病や障害に苦しみ続けなければならんのか。 子供をつくることを断念せよと?
 原子力災害対策本部に無期懲役
http://sakurasaku2001.blog.fc2.com/blog-entry-36.html
 放射線を発散させて、人の身体や財産に危険を生じさせた者は、無期又は二年以上の懲役
 ↑こんな法律があった・・・この構成要件に該当する奴らを早速入獄させねばいかんだろー。
 マスコミが原発事故報道で腑抜けになるワケ(2)
http://www.the-journal.jp/contents/newsspiral/2011/04/post_758.html
 強大な広告圧力でメデイアから恐れられているトヨタが500億円。
 電事連(原子力界・電力業界)のそれは2000億円とその4倍。その威力のほどは想定外(笑)。
 佐藤栄佐久・前福島県知事の反原子力政策への報復といわれる(二審判決で収賄の金額ゼロと認定されても有罪となる)。
 国の原子力政策も検察の捜査も、自分達の方針をごり押ししてくる代物(正当性の無い)。
 原発に付随する交付金や固定資産税や雇用等の“麻薬づけ”で(福島二葉町は2008年から破綻状態)、しかもめちゃくちゃにされ・・・。
 ついでに佐藤栄佐久氏をはめたのも、あの有名な、今ではおしもおされぬ立派な犯罪者である前田・元検事。
 ついでにオザワンを執拗に狙っていたのもこの犯罪者(笑)。
 これって偶然?
<太田>
 たくさん有益な情報提供してくれたことに敬意を表するが、結論部分↓
>ついでに佐藤栄佐久氏をはめたのも、あの有名な、今ではおしもおされぬ立派な犯罪者である前田・元検事。ついでにオザワンを執拗に狙っていたのもこの犯罪者
で、それぞれに典拠が付いてないのが玉に疵だな。
 
 それでは、記事の紹介です。
 本日は、大震災関係のその他の記事があった!
 原発はまだまだつくれそうだね。↓
 「東京電力福島第一原子力発電所事故を受け、統一地方選後半戦では原発が立地する自治体で安全対策や是非が争点となったが、原発反対派の目立った伸長はみられなかった。
 東京電力労働組合の組織内候補も、厳しい逆風の中、開票された選挙では全員が当選した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/election/local/2011/news1/20110425-OYT1T00204.htm
 次はアラブ革命関係、と言っても、リビア革命の話だけ。
 
 反体制派がミスラタ全市を確保+クウェートが反体制派にカネ。↓
 Rebel leaders said they had consolidated their control of the western city of Misurata on Sunday・・・
 Kuwait had donated about $180 million to the governing council.・・・
http://www.nytimes.com/2011/04/25/world/africa/25libya.html?_r=1&ref=world&pagewanted=print
 非アラブ人たる原住民、ベルベル族の地であるリビア西南部で反体制派が先週チュニジアとの国境の関所を体制派から奪還した。ベルベル族は、カダフィによって、徹底的に差別され弾圧されてきた。↓
 ・・・the Nafusah Mountain range, which rises out of the desert at the Tunisian border as a sudden, hazy shadow and runs several hundred miles east in a narrow chain, is hardly a rebel stronghold. Rebel fighters in the region estimate their ranks at just a few hundred ill-equipped and untrained young men.
 It came as a shock, then, when they captured a border crossing near Wazen last week, a strategic victory for the beleaguered rebel forces that thrust the desert region under the world’s gaze. ・・・
  Colonel Qaddafi has long harbored antagonism toward the Berbers, a non-Arab ethnic group of mostly Ibadi Muslims in a country that is majority Sunni.・・・
 Colonel Qaddafi has forbidden citizens from giving their children Berber names, disallowed the teaching of the Berber language in schools and banned Berber festivals and holidays. ・・・
http://www.nytimes.com/2011/04/25/world/africa/25western.html?ref=world&pagewanted=print
 リビアの旧王族のサヌーシ一族の動静が報じられている。
 <1937年頃に「偉大なるサヌーシ」なるスンニ派の組織が創立された。↓>
 <In Libya, there was> an Islamic revivalist movement of orthodox sufis, established in the Arabian desert by Sheikh Mohammed ibn Ali Sanusi – aka the Grand Sanusi – in 1837.
 It spread right across north Africa and went as far west as Senegal through a network of zawiyas, or religious lodges.
 In 1856, the Grand Sanusi founded a zawiya in Jaghbub, which grew to become the headquarters of the Order and Africa’s second-greatest university after al-Azhar in Cairo.
 <リビアが1951年に独立した際、一族の一員が国王に奉戴された。↓>
 When Libya achieved independence under a constitutional monarchy in 1951, it was no coincidence that a member of the Sanusi family – Idris – became king.
 The family and the Order had won lasting respect by providing education to the masses and mediating difficult local tribal and trade disputes.
 The Idris monarchy proved a benign institution for Libya during its 18 years, though nationalist detractors criticised it for being ineffectual and too pro-Western.
 <1969年にカダフィが権力を握ると、サヌーシ一族は徹底的に弾圧された。↓>
 Muammar Gaddafi toppled King Idris in 1969 and sought to marginalise the Sanusis with a vengeance.
 Idris’s heir and his family were first imprisoned then sent into exile in London, having been forced to watch their house being burnt to cinders by the regime.  
 Then, in 1988, Gaddafi sent the bulldozers into Jaghbub and the great zawiya was razed to the ground. ・・・
 <今でもこの宗派の旧本拠地に同派の(同一族たる)聖職者がいる。↓>
 ・・・Sheikh Mohammed Sanusi, the local imam in Jaghbub – a tiny desert oasis in eastern Libya・・・<of this> Sanusi Order・・
 <また、一族で反体制派政府の一員として活躍している人物もいる。↓>
 Ahmed al-Zubair Ahmed al-Sanusi is a member of the Transitional National Council.
 <彼は、世界最長の政治的囚人歴を持つ。↓>
 Now 77, he was the world’s longest-serving political prisoner, languishing behind bars from 1970 to 2001・・・
http://news.bbc.co.uk/2/hi/programmes/from_our_own_correspondent/9463380.stm
 <また、ロンドンで亡命生活を送ってきた皇太子(国王は彼の大叔父)がカダフィ後の政府で役割を果たしたいと語った。↓>
 Mohammed El Senussi, the exiled crown prince of Libya, made an appearance at the European Parliament in Brussels on Wednesday morning・・・
 ・・・the last King of Libya was El Senussi’s great uncle Idris al-Mahdi al-Senussi.・・・
 “Whether people want a constitutional monarchy or a republic, I will do my best,” he told・・・. ・・・
 ・・・he would help the opposition organize “free and fair elections, it is my task to serve the people.”・・・
http://blogs.wsj.com/brussels/2011/04/20/libyan-prince-im-ready-to-be-king/?mod=WSJBlog&mod=brussels
 残りの記事です。
 昔の属国ってホントに惨めだったんだねえ。↓
 「・・・<朝鮮半島から支那への>恥辱の歴史は、5世紀初めまでさかのぼる。高句麗・新羅から中国の北魏に、女子を送ったという記録がある。貢女の献上が最も盛んに行われたのは、高麗後期から朝鮮王朝時代にかけてだった。・・・」
http://www.chosunonline.com/news/20110424000023
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太田述正コラム#4707(2011.4.25)
<日進月歩の人間科学(続X19)>
→非公開