太田述正コラム#4857(2011.7.9)
<皆さんとディスカッション(続x1258)>
<太田>(ツイッターより)
 連日、リンゼイ・アン・ホーカーさん殺害事件の産経電子版報道を読んでんだけど、検察官の被告人質問の被告側弁護人によるそれと比較しての出来の悪さが気になる。
 被告人の両親は医師で金持ちのようだから、東京の一流弁護士をつけているのに対し、検察庁は千葉地検に・・。
 そうは思いたくないけどね。
 リンゼイ・アン・ホーカーさんの父親、ウィリアムさんの調書の読み上げと証人尋問に目を通してごらん。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110708/trl11070818380013-n1.htm 以下 
 このイギリスの一庶民(http://ameblo.jp/axolotl/entry-10385673765.html)の陳述には、本裁判の検事達やホーカー家の弁護士も真っ青の鋭さと冷静さがある。
<太田>
 上記証人尋問の後、市橋被告の腰が抜けたこと
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110708/trl11070819160015-n4.htm
が、ウィリアムさんの「鋭さと冷静さ」の証明だ。
<ΑΑζζ>(「たった一人の反乱」より)
 「菅政権の犠牲者がまた1人
 東日本大震災:お墓にひなんします 南相馬の93歳自殺・・・」
http://mainichi.jp/select/weathernews/20110311/news/20110709k0000m040149000c.html
<ΑζΑζ>(同上)
≫一見もっともらしいが、絶対に危険には近寄らない、という田原総一朗のような人物が、日本では評論家として生きていけるのだろうね≪(コラム#4855。太田)
 まったく、その通り。田原はジャーナリストもどき。報道の自由を金に換え、日本の民主主義を売って生きている守銭奴。
 もっとも重要な「オフレコにしろ。しなけりゃ、その会社は潰す。」と脅した部分を巧妙に書いていない。
≫いくらなんでも、テレビカメラを前にして暴言を吐くほど愚かではないだろう。なにしろ「社会党の麻生太郎」なのである。「マスコミは自分が親しみを込めて言っていることをわかってくれる」と思い込んでいたのだろう。ところが、マスコミはそうは受け取らなかった。≪(コラム#4855。田原総一朗のコラムの引用)
 脅せば書かない、報道しないと経験的にわかってたんだよ。
 田原さんがずっと、そうしてきているようにね。
 ところが他のマスコミが脅しに屈して報道しない中、東北TVには通用しなかった。
 で、ユーチューブに転載、評判になって隠せなくなった・・・なんて経緯はどっかで見た流れだなぁ。
 ホント、田原の底意地の悪さ・情報を巧妙にコントロールしようという意図が見える記事だね。
 田原は読者や視聴者を馬鹿だと思ってるんだろうな。
 だいたい「オフレコで書くな。書いたら潰す。」と脅した時点で自分の吐いた言葉が暴言だってわかってるってことじゃない。
 ほんと田原の糞を味噌といって誤魔化そうとしているのがみえみえな記事だな。
<ΑζζΑ>(同上)
≫聞いたことがあるようなないような話だが、誰か情報持ってない?↓
 「・・・1937年に日本軍による南京大虐殺が起きた直後の38年1月、日本の広田弘毅外相が在米日本大使館に宛てて送った機密公電の一節だ。・・・」≪(コラム#4855。太田)
http://www.han.org/a/half-moon/hm043.html
の最後に引用されてるティンパレーのやつでしょう。
 ああ、ティンパーリですね
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%8F%E3%83%AD%E3%83%AB%E3%83%89%E3%83%BBJ%E3%83%BB%E3%83%86%E3%82%A3%E3%83%B3%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%AA
<太田>
 そのテインパレー(ティンパーリ)と「日本政府公電」とどう関係してんの?
<たろう>(2011.7.8)http://blogs.yahoo.co.jp/turitarou2008/35011155.html
 ・・・ワルシャワ蜂起をみて国防とは何かを考えてみた。・・・
 哀愁のある音楽と映像(たった3分です)
 ワルシャワ市民を称えようではないか。
http://www.youtube.com/watch?v=5yOEJNBj8nM&feature=player_embedded
以下引用~
ワルシャワ蜂起(その1)
太田述正コラム#0453(2004.8.26)
 ・・中略・・
ワルシャワ蜂起(その2)
太田述正コラム#0454(2004.8.27)
 ・・後略・・
<太田>
 これつくったの、やまもとさんかなあ。↓
http://www.ohtan.net/report/pdf/ohtan-blogtitle.pdf
 
 それでは、記事の紹介です。
 米国が、シリア反体制派支持の姿勢を明確に打ち出した。↓
 Syria slammed the U.S. government for inciting violence after tens of thousands of Syrians in the city of Hama defied a security crackdown and joined nationwide protests Friday—boosted by an unexpected visit to their city by the U.S. ambassador to Syria.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424052702303544604576433970346763238.html?mod=WSJ_World_LEFTSecondNews
 有性生殖は、遺伝子組み換えによって、寄生生物(の遺伝子組み換え)に対抗するために、単性生殖よりも有利なので、動植物間で増えたんだってさ。
 面倒くさい限りであるところの人間の恋愛沙汰は、すべて、そんな即物的なメリットを享受するための「コスト」だったってことのようだ。↓
 ・・・sex evolved because it lets organisms reshuffle their genes into new combinations to stay a step ahead of parasites. ・・・
 Parasites create a situation where, in spite of the disadvantages of sex, it is good for an organism to reshuffle its genome with that of another.
This reshuffling creates offspring with new gene combinations that are potentially better than older combinations at resisting a parasite’s advances. ・・・
http://www.bbc.co.uk/news/science-environment-14046316
 前に(コラム#4801で)紹介したタキトゥスの『ゲルマニア』についての本の書評がまた出ていた。↓
 <すっかり忘れ去られていたこの本は、一冊しか残っていなかった。↓>
 ・・・Tacitus<’s>・・・“Germania” (published in 97-98) ・・・was largely unread and half-forgotten during the Middle Ages and rediscovered only by Renaissance humanists. “Germania” survived in just one manuscript. ・・・
 <ヘルダーが大いに注目したところから、この本の「悪用」が始まる。↓>
  Drawing in part on their reading of Tacitus, Johann Gottfried Herder (1744-1803) and others began to promulgate a vision of a transnational Germanic people, or “Volk.” The German spirit, or Geist, took on an increasingly mystic and mythic quality.・・・
 <グリムやワーグナーが「悪用」。↓>
 ・・・the “Volkish” program embraced Teutonic folklore as chronicled by Jacob Grimm, the Northern myths as transformed by Richard Wagner into “The Ring of the Nibelung,” and various theories about racial degeneration and ethnic purity. ・・・
 <ついにはナチスのバイブルとなる。↓>
 “Germania” took on a darker identity in the 20th century as “a Bible for National Socialists.”・・・
 <そもそも、ローマ帝国外に住む住民達に関する都市伝説めいたものをタキトゥスが収録しただけじゃないか、という説が有力になりつつあるとさ。↓>
 In the final chapter of “A Most Dangerous Book,” Krebs underscores that less ideologically motivated scholars, from Beatus Rhenanus, a Renaissance contemporary of Erasmus, to Eduard Norden, the leading German Lat¬inist of the early 20th century, recognized that “Germania” is a text deeply grounded in its own time. Many of the characteristics Tacitus ascribes to the ancient Germans, Norden proved, were actually traditional attributes conventionally assigned to all sorts of peoples in early histories and poems. ・・・
http://www.washingtonpost.com/entertainment/books/a-most-dangerous-book-only-in-the-eye-of-the-reader/2011/07/01/gIQAOrwS1H_print.html
 IMF前専務理事の「事件」の三つの異なったシナリオが描かれている。
 強姦(ただしオラルセックス。以下同じ)説、和姦説、折衷(和姦から始まり中途から何らかの誤解により強姦となった)説の三つだ。
 この記事はあきらかに折衷説を推している。↓
http://www.nytimes.com/2011/07/08/nyregion/what-happened-in-room-2806-three-possibilities.html?ref=world&pagewanted=all
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 一人題名のない音楽会です。
 ハメリン特集に戻ります。
 ところが、ハメリン演奏の
Chopin/Godowsky Etude Op.25 No.1 (2nd version) like for 4 hands
http://www.youtube.com/watch?v=vX8x-_K42oA&feature=related
がアクセス禁止になっていたので、Berezovsky演奏の下掲で急遽代替させてもらいました。
Chopin/Godowsky Etude Op.25 No.1 (2nd version) like for 4 hands 2:42~
http://www.youtube.com/watch?v=CThu4kjkFkc&feature=related
 原曲は名曲なので、聴き比べてみてください。(以下同じ。)
 無理やり、できのよい順に並べました。(以下同じ。)
 原曲”Aeolian Harp” Nikolay Lugansky 絶奏!
http://www.youtube.com/watch?v=bg04O-CuYEE&feature=related
 原曲 Pollini 完璧
http://www.youtube.com/watch?v=fRqynzR_8Ts&feature=related
 原曲 Sokolov 同上 しいて言えば、途中、音がややこごもった感じ
http://www.youtube.com/watch?v=nB9pAWCXU9s&feature=related
 原曲 Wilhelm BACKHAUS すばらしいが・・
http://www.youtube.com/watch?v=4vqwEiiJHVU&feature=related
 原曲 Georges Cziffra しいて言えばやや荒削りな感じ
http://www.youtube.com/watch?v=58K9oTcIiEA&feature=related
 原曲 ルービンシュタイン 伴奏(左手)がやや不鮮明
http://www.youtube.com/watch?v=C90Mz4hvAzI&feature=related
 原曲 ALFRED CORTOT 同上+右手の演奏がいささかぶっきらぼう
http://www.youtube.com/watch?v=T09OvyzM0Xo&feature=related
 原曲 Ignace Jan PADEREWSKI 歴史的価値はある(コラム#4471)が、右手の演奏がいささか頼りない
http://www.youtube.com/watch?v=GDvzzvZxNEA&feature=related
 原曲 Valentina Lisitsa 通奏低音として掲げた 弾き流している感じがしてしまう
http://www.youtube.com/watch?v=GOe670xcKhk&feature=fvwrel
Chopin/Godowsky Etude Op.25 No.2 (1st version)
http://www.youtube.com/watch?v=8zcS9owpCk4&feature=related
もアクセス禁止になっていたおり、代替もありませんでした。
 原曲 Sokolov ほぼ完璧
http://www.youtube.com/watch?v=WGmH0w1rsTA&feature=related
 原曲 Gyorgy Cziffra 歯切れイイー
http://www.youtube.com/watch?v=8W3s8gUzaWo&feature=related
 原曲 Wilhelm BACKHAUS すんばらしーが強いて言えば速すぎるし軽すぎるか
http://www.youtube.com/watch?v=JOgZDRSHF9o&feature=related
 原曲 Nikolay Lugansky 無難
http://www.youtube.com/watch?v=o3jFfvkwIcs&feature=related
 原曲 Maurizio Pollini やや歯切れが悪い
http://www.youtube.com/watch?v=cm7VtX1kfbs&feature=related
 原曲 Valentina Lisitsa 通奏低音として掲げた
http://www.youtube.com/watch?v=-o2lYktVy3I
Chopin/Godowsky Op.25 No.4 (2nd version) ‘Polonaise’
http://www.youtube.com/watch?v=E92jND9ArK4&feature=related
もアクセス禁止になっていたおり、代替もありませんでした。
 原曲 Tamas Vasary 一番しっくりきた演奏
http://www.youtube.com/watch?v=iMTz-S8gkbY&feature=related
 原曲 Nikolay Lugansky 上記に近い
http://www.youtube.com/watch?v=a3FhBWEk2s0&feature=related
 原曲 Pollini ほんの少し重たい
http://www.youtube.com/watch?v=LqopGyxnzeM&feature=related
 原曲 Gyorgy Cziffra やや機械的
http://www.youtube.com/watch?v=5E5jtDdGVo4&feature=related
 原曲 Sokolov 大変結構だが、0:41にミスタッチあり
http://www.youtube.com/watch?v=uoPHuOcCzyM&feature=related
 原曲 ALFRED CORTOT  やや散漫
http://www.youtube.com/watch?v=0hdf1B3NLOA&feature=related
 原曲 Berezovsky 遅過ぎる!
http://www.youtube.com/watch?v=ah16vrD2314&feature=related
 原曲 Valentina Lisitsa 通奏低音として掲げた
http://www.youtube.com/watch?v=RA6bZFDsZpM&feature=relmfu
Chopin/Godowsky Op.25 No.5 (3rd version) left hand
http://www.youtube.com/watch?v=SF3XbxQO3ns&feature=related
もアクセス禁止になっていたところ、Berezovsky演奏の下掲で急遽代替させてもらいました。
Berezovsky Op.25 No.5  3:17~
http://www.youtube.com/watch?v=8psWnSGvUFM&feature=related
 原曲 Nikolay Lugansky 完璧に近い
http://www.youtube.com/watch?v=oU7MnH_jLYY&feature=related
 原曲 キーシン 録音品質さえ良ければこれが最高か
http://www.youtube.com/watch?v=BSGI2VG0E_U&feature=related
 原曲 リヒテル 素晴らしいが全曲ではない
http://www.youtube.com/watch?v=aSgQ8eFBNIc&feature=related
 原曲 ホロヴィッツ ユニークな演奏だが立ち上がりのタッチが軽過ぎる印象
http://www.youtube.com/watch?v=7wWmYbMkOjo&feature=related
 原曲 ルービンシュタイン うまいが全般的にタッチが軽すぎる感じ
http://www.youtube.com/watch?v=WnpuhN_MxrY&feature=related
 原曲 Maurizio Pollini 無難な演奏
http://www.youtube.com/watch?v=NkdgFfKIWbA&feature=related
 原曲 CLAUDIO ARRAU 最初のあたり、不協和音が奏でられているような印象を与えてしまっている
http://www.youtube.com/watch?v=NVoE8aXE_Oc&feature=related
 原曲 ブーニン 何かが足りない
http://www.youtube.com/watch?v=MUsjMbz3nFI&feature=related
 原曲 ALFRED CORTOT 速過ぎるし無造作過ぎる
http://www.youtube.com/watch?v=l2Q7FW3bJag&feature=related
 原曲 Valentina Lisitsa 通奏低音として掲げた
http://www.youtube.com/watch?v=2W6me8tYEUw&feature=relmfu
(続く)
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太田述正コラム#4858(2011.7.9)
<支那における自由民主主義的伝統の発掘(その4)>
→非公開