太田述正コラム#5661(2012.8.15)
<皆さんとディスカッション(続x1634)>
<太田>(ツイッターより)
 「ロンドン五輪、メダル獲得数とGDPの間に高い関連性…」
http://j.people.com.cn/94476/7908378.html
 人民網よ、そんなの当たり前じゃん。
 女性が最も生殖力がある16~20歳の時の子宮の平均ヨコ・タテ比が黄金比(1:1.618)であることが分かった。
http://www.guardian.co.uk/science/alexs-adventures-in-numberland/2012/aug/14/golden-ratio-uterus (←黄金比も分かり易く説明されてる。) 
 体の外側ではザラだが、内側では初めての発見とか。
 だからどうしたなんてヤボは言いっこなし。
<bj/bIxoO0>(「たった一人の反乱」より)
≫何をどうすればこういう<太田サンのような>結論に行き着くのかが解らない・・・≪(コラム#5659。太田)
 近代化(独立の維持)、あるいは、独立戦争(独立の回復)を果たせなかった民族としての心の隙間を埋め合わせるための恒例行事になっちゃってる、という分析かな。
 子供の頃に買ってもらえなかったおもちゃを、過去の思いを取り戻すかのように、大人になって収集しちゃう人いるでしょ。
<p3VfGZr30>(同上)
 民主主義を日本に教えたのはアメリカ(←嘘ね)・戦後の経済復興はアメリカのおかげ(部分的には本当) とか言われたら、・・・アメリカへの憧れを持つ日本人が出・・・<る一方で、>それとは裏腹に反米感情を持つ日本人ても不思議じゃないじゃん?
 それと同じ。だから反日。
 上みたいなことがあっても日本人の場合元寇とか近代化とかの他の歴史を思い出すことで補償できてトラウマほどにはならないでしょ?
 朝鮮にも中国軍を撃退したとか中国様を困らせてやったとかあるんだろうけど、それは地理的に北朝鮮史になる。
 韓国人があまり北朝鮮に気兼ねすることなく精神的補償として使える歴史は白村江と秀吉。
 だから、さらに反日。
 これは半分冗談なんだけど、北朝鮮は中共を困らせる、韓国は日本を困らせる。
 どっちがより困らせられるか、北と南で競ってんだよ、たぶん。
 だから、もっともっと反日。
 いつ反日が止むかだけど、韓国人が「尖閣列島が日本領のように、独島は我が領土」って言えばいい。
そう言えば、自由民主主義陣営として中共に対峙することになって世界から支持されるし、「過去中国に対峙したのは北だが、今対峙しているのは自分たちだ」ってな感じで精神的補償を得られて下火にはなるんじゃないかな。
 そのためには日本が独立して、安全保障上は韓国を全面的に支持するってならないとだめだけどね。
<iG0/JI5h0>(同上)
 李大統領「天皇、来韓望むなら心から謝罪するべき」
http://www.japanese.joins.com/article/537/157537.html?servcode=200§code=200
 そもそも独立運動で亡くなった方で誰よ?
 安重根はテロリストだし、三・一運動はどうみても暴徒鎮圧だし、韓国光復軍は結局一戦も交えず犠牲者はいない・・・。
 犠牲者数なら李承晩による済州島四・三事件の方が圧倒的に多いぞ。
 朝鮮独立運動については↓
ja.m.wikipedia.org/wiki/朝鮮独立運動#section_2
 済州島四・三事件については↓
ja.m.wikipedia.org/wiki/済州島四・三事件
 済州島民からすりゃ日帝統治なんぞ屁みたいなものじゃないか?
 ノムヒョンは済州島民に謝罪してるんだな。
 彼の輝きを初めて見た思いだ。
 しかしそんな彼も末路はアレだしな。
 明博も末路はアレかね。
<太田>
 関連記事だ。
 昔の人はエラかった。↓
 「・・・1962年に行われた日韓の折衝で、伊関佑二郎・日本外務省アジア局長(当時)が「竹島は無価値だ。日比谷公園と同じくらいの大きさなのだから、爆破してしまえば問題はなくなる」と発言した・・・
 <恐らくこのことを踏まえ、>65年、ディーン・ラスク米国務長官(当時)が日韓の仲裁を目的に朴正煕氏と会談した際、朴正煕氏<は>「小さなことだとはいえ、腹が立つ問題のひとつが竹島問題。解決のため、島を爆破したい」と語った・・・。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/6855266/
 日本帝国臣民経験のない韓国人は劣化したってことね。↓
 「韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領は14日、「(天皇は)韓国を訪問したがっているが、独立運動で亡くなった方々を訪ね、心から謝るなら来なさいと(日本側に)言った」と述べた。・・・<また、>李大統領は、1990年に当時の盧泰愚(ノ・テウ)大統領が来日した際、天皇が述べた「わが国によってもたらされたこの不幸な時期に、貴国の人々が味わわれた苦しみを思い、私は痛惜の念を禁じえません」との「お言葉」にも触れ、「『痛惜の念』なんて言葉一つ持って来るなら(韓国に)来る必要はない」と語った。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201208140296.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201208140296
 「U-23韓国代表MFのパク・チョンウがロンドン・オリンピック3位決定戦のU-23日本代表戦後に竹島の領有権を主張するメッセージが書かれた紙を掲げた問題で、イギリス紙『インディペンデント』は・・・「パク・チョンウは日本との試合で政治的メッセージを掲げた」、「日本が『竹島』の領有権を主張していることを考えれば、控えめに言っても無作法な行いだった」とし、行動を痛烈に批判した。・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/6854708/
<TA>
 太田さんに質問です。
 フォーリン・アフェアーズ・リポート 2012 No.8
 戦略的ビジネス外交の薦め――途上国経済を支配する中国企業への対抗策をアレキサンダー・バーナード/ グリフォン・パートナーズマネージング・ディレクター
http://www.foreignaffairsj.co.jp/shop/shop-FAR1208.htm(ただし要旨のみ)
 ↑からの引用です。↓
 「2011年10月19日、アフガニスタン政府は、鉱物・資源省とともに活動している米軍事顧問の助言もあって、中国の国有企業(中国石油天然気集団公司=CNPC)に同国北部の石油資源の開発権を与えた。3年前にも、同じく中国の国有企業であるCMGC(中国冶金集団)が、世界有数の資源埋蔵量をもつとされるアフガンのアイナック銅山の開発権を獲得し、この時も、アメリカ政府はこの契約を黙認している。
 だが、こうした中国の資源ビジネスの勝利に米議会と政策コミュニティは大きな衝撃を受けた。もちろん、中国が新興市場で重要な戦略資源を買い漁っていることは誰もが知っている。だが、多くの人は、(タリバーン以降の)アフガン国家の建設に何の貢献もしていない中国が資源開発の恩恵を独占し、一方で、国家建設に最大の貢献をしてきたアメリカが開発面で取り残されている現実に憤慨している。
 だが、これは驚くべき展開ではない。そもそもアメリカは、新興市場国で中国と競い合っていけるような戦略などもっていないからだ。中央アジア、中東、アフリカ、さらには近隣のラテンアメリカにおいてさえ、米企業は中国国有企業との入札競争で敗れている。
 ワシントンは米企業に最低限の支援しか与えていないだけでなく、過剰な規制と報告義務を課しており、これが、米企業が新興市場で基盤を築くのを妨げる障害になっている。アメリカ政府は、形ばかりの支援をすることはあっても、民間企業のために政府の影響力を用いることにはほとんど関心がない。
 動機はそれぞれに違うが、民主党も共和党もビジネス外交を展開することに嫌悪感をもっている。リベラル派(民主党)は、「政府に対する企業の影響力が高まること」を警戒し、保守派(共和党)は、「連邦政府は市場に介入すべきではない」と考えている。・・・
 歴史的にみれば、外国における民間の商業利益を保護・促進することに、アメリカが消極的だったわけではない。・・・
 だが、20世紀後半になると、米政府の優先課題は西側諸国の間の絆を強め、ソビエトを封じ込め、世界の安定を維持していくことへとシフトしていく。・・・
 ワシントンは、ソビエト崩壊後はさらに商業外交から遠ざかっていった。指導者たちは、米企業の利益促進にワシントンの影響力はもはや必要ないと判断し、世界唯一の超大国として、そうした商業利益を超えたところに自らを位置づけるべきだと考えるようになった。
 アフガニスタンとイラクでの戦争によって、政府が民間利益への後ろ盾を提供することへのためらいはさらに大きくなっていった。事実、「(アフガンやイラクに対する)侵攻は、政府に近い米企業の利益にワシントンが配慮した結果だ」という批判を打ち消そうと、ジョージ・W・ブッシュ政権は、現地での米企業の利益を促進するイニシアティブをすべて放棄した。
 2007年にアイナック銅山の開発に関する国際入札を表明した後、アフガンのハミド・カルザイ大統領はブッシュとの会談で、米企業の責任者がアフガン政府の入札に参加していることを明かし、「私は米企業が入札プロセスでいい結果を手にできることを期待している」と外交辞令を述べた。ブッシュはこの発言に苛立ち、「米政府が望んでいるのは入札プロセスの透明性が確保されることだけで、どの企業を選ぶかはアフガン政府の自由だ」と反論した。
 「アメリカは透明性が確保されることだけを気に懸けるべきで、それ以上のことを働きかけるのは不適切だ」とする立場は、たしかに、説得力をもっている。だが、中国、インド、ロシア、ヨーロッパ各国など、アメリカのライバル企業の政府は、自国企業が有利になるようにと、アフガン政府に政治的に働きかけた。
 (企業利益を促進することに対する)ワシントンのためらいや自制は公正なものだが、そのような態度をとったのはアメリカだけだった。その結果、「政治とビジネスがその頂点において融合している途上国」において米企業は不利な立場に立たされている。・・・
 現地に行けばわかることだが、途上国政府は、アメリカの企業と投資家を三顧の礼をもって迎えたいと考えている。「アメリカのブランド」は依然として力をもっているし、これらの国では、米企業のプレゼンスはワシントンとの関係強化に向けた第一歩として歓迎されるだけでなく、米企業を誘致することは、自国のビジネスの正統性を立証するシンボルとみなされている。・・・」(49~52、55頁)
 アメリカがイラク戦争を起こしたのは石油関連企業の利益のため、などという陰謀論(典拠略)を真に受けていた訳ではありませんが、こういったアメリカの方針は完全に意外でした(太田コラムで取り上げている?)。
 これは、商業主義的帝国主義(18~19世紀)→人種主義的帝国主義(20世紀頭~太平洋戦争まで)→日本型帝国主義(冷戦期)と変遷してきたアメリカの帝国主義(コラム#略)の、さらに変遷した現代版の表出と考えるべきなのでしょうか。あるいは単にソフトパワー(コラム♯429)を重視しているだけなのでしょうか。
 アメリカの対イラク・アフガニスタン商業外交と他の途上国へのそれとを同列に論じるのは不適切かもしれませんが、ご意見を聞かせて頂きたく思います。
<太田>
 日本の帝国主義は、(通常経済目的である帝国主義としては異例なことに、)対露安全保障目的で、そのこともあって人間主義的に推進されました。
 だからこそ、それが植民地経営の形をとった朝鮮半島の場合、しぶしぶ植民地化した上で、しかも予算を持ち出すという形で行われたところです。
 戦後、米国はこの日本の衣鉢を継いだ・・戦後の米国による欧州や日本への経済援助!・・のであり、この米帝国主義マークII・・私は米帝国主義に商業主義的な時代があったと言ったことはないと思います・・は、露の没落以降も惰性的に維持されています。
 ですから、イラク・アフガニスタンでの米国のふるまいは、至極当然のことである、と言うべきでしょう。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 原発政策や対韓、対中低姿勢も響いてるんだろねえ。
 正しい内外政策を貫いている野田首相は、国民に全く分かってもらえないようだ。
 あんなひどい大統領選正副候補に拍手を送る米国民の過半(共和党支持者)を笑えないねえ。↓
 「・・・世論調査では、次期衆院比例選の投票先で、維新は自民の21%に次ぐ16%、民主党は11%だった。・・・
  内閣支持率は、・・・今回の調査で27%に下落した。・・・」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120814-OYT1T00182.htm
 亡命したシリアの前首相が、アサド政権は崩壊しつつあり、その支配地は30%に過ぎないと語った。↓
 Former Syrian PM Riad Hijab, who defected to Jordan last week, has said the Syrian government is collapsing “morally, financially and militarily”.
Speaking in the Jordanian capital, Amman, he said the regime controlled no more than 30% of Syrian territory.・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-middle-east-19254059
 米共和党副大統領候補のライアンは、熱烈なアイン・ランド信奉者だったが、このところ、反アイン・ランドに転向したという。どうやら、ランドの無神論と社会的ダーウィニズムがロムニーとタッグを組んだ選挙には障害になるとふんだらしいって。↓
http://www.csmonitor.com/layout/set/print/Books/chapter-and-verse/2012/0814/Paul-Ryan-does-an-about-face-on-Ayn-Rand
 上が140~159、下が90~99の「並」高血圧の人は降圧剤を飲むとむしろマイナスなんだって。
 ボクの場合は、下が100を超えちゃうので、降圧剤はプラスなんだと一安心。↓
 A new study is turning decades of medical dogma on its head. A panel of independent experts reports this week that drugs used to treat mild cases of high blood pressure have not been shown to reduce heart attacks, strokes, or overall deaths.
 Most of the 68 million patients in the United States with high blood pressure have mild, or Stage 1, hypertension, defined as a systolic (top number) value of 140-159 or a diastolic (bottom number) value of 90-99. The new review suggests that many patients with hypertension are overtreated—they are subjected to the possible harms of drug treatment without any benefit. ・・・
http://www.slate.com/articles/health_and_science/medical_examiner/2012/08/blood_pressure_drugs_for_mild_hypertension_not_proven_to_prevent_heart_attacks_strokes_or_early_death.single.html
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太田述正コラム#5662(2012.8.15)
<欧米帝国主義論再考(その7)>
→非公開