太田述正コラム#5745(2012.9.26)
<皆さんとディスカッション(続x1675)>
<太田>(ツイッターより)
 「…何度も繰り返し定着させることで…脳内のタンパク質<を>形成<し、>…長期的な記憶を形成できる。…逆に言えば、この定着のプロセスを故意に中断することで、人の記憶を<消去す>ることができる…その方法<が>発見<された。>」
http://j.peopledaily.com.cn/95952/7959819.html
 読むとがっかり。
 「安倍氏、自民新総裁に…決選投票で石破氏を逆転…」
http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20120926-OYT1T00783.htm?from=top
 よほど石破に人徳がないってことなんだろな。
 間接民主主義の直接民主主義と比較してのメリットここにありって言いたいところだが、残った選択肢が安倍と石破じゃあどうしょうもないね。
 喜ぶ野田首相?
</Xl3dRyC0>(「たった一人の反乱」より)
 日台、尖閣で水鉄砲対決!
http://www.dailymail.co.uk/news/article-2208305/Senkaku-Islands-Japan-Taiwan-boats-attack-spray.html#ixzz27U8zt99B
 平和だね~。
<太田>
 それにしても、英デイリーメール紙、大きく、しかもふんだんに写真(、そして動画)を使った記事を掲載したもんだねえ。
 関連記事だ。
 そもそも、そんなことができるところに、日本の存在感の低下があるねえ。
 (米国書籍禁止令どころか、英国書籍禁止令だってありえないだろ。)↓
 「「反日に名を借りた洗脳教育だ」と中国人反発 日本書籍禁止令で政府批判・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120926/chn12092608080002-n1.htm
 やっぱ、投稿がオモシロイ。↓
http://www.guardian.co.uk/books/2012/sep/25/japanese-books-removed-sale-china-row-islands
 中共の人々は、家畜並みの扱いを当局から受けてるね。↓
 「・・・多くの中国人は、今回の反日デモで日本大使館・領事館への投石行為だけでなく、日系工場や料理店・スーパーに対する投石・放火・器物破壊・商品略奪といった犯罪行為が大規模に発生していたことを、知らされていません。・・・」
http://blogos.com/article/47282/
 こんな無意味な話を持ち出すなんて、中共当局もつらいねえ。↓
http://blogos.com/article/47282/?axis=&p=2
 覆水盆に戻らず。↓
 「・・・中国人経営者たちは「暴走したのは一部の若者で、大半の中国人は、破壊行為を恥じている。日本人に『中国は恐ろしい』と思われたら、本当に悲しい」と口をそろえた。」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/world/news/CK2012092602000101.html
 領土問題は存在しないというタテマエであった以上は、正規の「外交的根回し」はできなかったろうし、「事実上の根回し」をやったかどうかいかんにかかわらず、中共当局は野田政権が島の購入を善意で行ったことは十分すぎるほど分かってたはず(コラム#5743)だから、こんなアホなことを言っちゃあいかんぜよ。↓
 「・・・電撃的ともいえる石原都知事の東京都による土地買取方針に野田民主党政権がそれに先んじて地主から国が買い取ることを決め、外交的根回しも不十分なまま、中国国家主席との会談で中国側が反対を表明したその直後、それを実行したことで中国国家主席の面目が丸つぶれといった外交的稚拙さが、今回の「官製」反日デモを招いた一面もあるでしょう。
 それにしても実効支配している尖閣では日本からことを起こす必要は現状ではまったくなかったにも関わらず、中国にきっかけを与えてしまったことは残念に思います。・・・」
http://blogos.com/article/47282/?axis=&p=2
 「・・・ 尖閣国有化を、もし日本政府が何の展望もパイプも持たずに衝動的に意思決定したのなら本当に困ったものです。・・・少なくともこれまでのところ考察し尽くされた決定だったとは言えそうもありません。・・・」
http://www.nikkeibp.co.jp/article/tk/20120925/324381/?ml
 元外務官僚の宮家邦彦、
http://spysee.jp/%E5%AE%AE%E5%AE%B6%E9%82%A6%E5%BD%A6/1093471/
前段についてはその通りなんだけど、ここで引用した後段で吉田ドクトリン墨守者である馬脚を露呈しちゃったねえ。
 尖閣問題での中共の攻勢が日本をより米国の側に押しやるってんだからな。属国以上に属国になるこたあできないんだよ宮家クン。↓
 
 ・・・Kunihiko Miyake, research director at the Canon Global Institute in Tokyo, says such an escalation remains unlikely in the near term, given the strength of Japan’s navy — officially known as the Maritime Self-Defense Force — and its alliance with the United States.・・・“China will not use force, because it would lose,” Miyake said.・・・
 “I’m sure China is making a big mistake. The harsher they are and the more assertive, the more they push us to America’s side,” Miyake said. “I personally thank them.”
http://www.washingtonpost.com/world/asia_pacific/senkaku-dispute-reinforces-military-shifts/2012/09/25/73b3a81a-0749-11e2-858a-5311df86ab04_story.html
 そんなこと、米メディアに言ってもらわなくたって常識だろ。↓
 「「右傾化」→「普通の国家並み」 米メディア、尖閣対立で日本側対応分析・・・」
http://sankei.jp.msn.com/world/news/120926/amr12092611290003-n1.htm
 君塚陸幕長は、島嶼防衛のことなど陸自はほとんど考えてこなかったというけど、日本の領域防衛のことなどほとんど考えてこなかった、更に言えば、そもそも、「防衛」(=戦争)のことなど余り考えてこなかった、というべきか。
 (より正確には、アジア大陸の大平原での戦争を漠然と想定して装備を調達し訓練を行ってきた、ということだろうね。(富士演習場や矢臼別演習場の地形を思え。))↓
 ・・・Eiji Kimizuka, Chief of Staff, Japan Ground Self-Defense Force:
“Until now, we haven’t paid much attention to island defense. Our capability for landing, amphibious tactics — the area of expertise for the Marines — is severely limited. I hope these drills will help us make strides.”・・・
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2012/09/25/can-japanese-troops-defend-islands/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
 ロサンゼルスタイムスが、中共や台湾側の主張に沿った記事を掲載してるね。
 菅沼説には具体的根拠が示されていないが、いしゐのぞむさん等、何かご存じの方がおられたら、できれば同説への反論についても併せて、ご教示ください。↓
 ・・・The border between China and Liuqiu was an underwater trough to the east of the islands, making them clearly part of Chinese territory, wrote Japanese scholar Unryu Suganuma, in a study published in 2000. “There was no ambiguity about the Diaoyu islands being part of Chinese territory; these eight islets belonged to the Middle Kingdom, period!” Suganuma wrote.・・・
 <「尖閣」って、英国人水夫が”Pinnacle Islands”と名付けたのの邦訳なんだって。↓>
 The name Senkaku was a translation of “Pinnacle Islands,” which British seamen had been using as a nickname for the islands because of their steep rock formations.・・・
http://www.latimes.com/news/nationworld/world/la-fg-china-japan-islands-20120925,0,216163.story
 ところで、太田コラムの批判(コラム#5743)を受けて(?)、尖閣問題で産経が台湾批判を展開したな。↓
http://sankei.jp.msn.com/politics/news/120926/plc12092603080005-n1.htm
<TA>
 昨日、コラム#5743での「台湾機密費問題」に関する太田さんへの質問についてですが、私の質問の仕方が抽象的であったため、太田さんに上手く伝わらなかったようです。申し訳ありませんでした。改めてお聞きします。
 「そもそも、中共が台湾に攻撃を仕掛けること自体が日本に「独立」を促すことになるでしょうね。」(コラム#5195。太田)
 ↑私はこの言を、「台湾有事の際、日本は台湾に軍事介入するはずだ。」ぐらいの意味と解釈したのですが、コラム#26、#33での「台湾機密費問題」を知るに、日本(政府)に、果たしてそんな類の意思があるのか、大いに疑わしくなりました。
→集団的自衛権行使を禁じる憲法第9条の政府解釈は、(政府にたとえ軍事介入したいという意思があったとしても、)朝鮮有事だろうが台湾有事だろうが中東有事だろうが、日本が軍事介入するのは禁止だ、ということです。
 ですから、「大いに疑わしくな」ってもらっては困ります。(太田)
 「周辺事態」や「台湾有事」でググってみたのですが、政府がそういったものに関し公式に表明したものは探せませんでした(単に探し方が悪い、という可能性も大いにありますが)。一応↓
 「・・・台湾海峡をめぐる有事に備えた日米共同作戦計画は存在するのか。複数の日本政府関係者は「一切存在しない」と明言する。・・・」
http://www.asahi.com/strategy/0417a.html
 集団的自衛権の解釈の問題が絡むという理由から公式に何事かを言うことができないだけなのかも知れませんが、これでは、「親日」と言われる台湾に対しあんまりではないでしょうか。
→日本側が集団的自衛権行使を禁じられていることから、広義の「日米共同作戦計画」には、日本防衛に係るものとそれ以外のものの二種類があり、後者においては、日本政府ないし自衛隊は米軍が戦うのを後方支援するだけです。
 (自衛隊が戦うわけじゃないってことをしっかり頭に入れておいてくださいね。)
 さて、考えなければならないのは、日本は米国の属国であるということです。
 後者に関して、日本政府が宗主国米国に対してつくろうと提案する、なんてことはありえず、つくるとすれば、米国の指示があった場合だけであり、属国政府らしく、それに対してあらゆる面で消極的抵抗をしながら「協力」するわけです。
 思い起こせば、当時の防衛庁で私が共同作戦計画を担当していた30年前に、朝鮮有事の共同作戦計画をつくれとの指示こそ米国からあったけれど、台湾有事については何の指示もありませんでした。
 当時、台湾有事生起の可能性は低い、と米国は考えていたでしょうが、現在はありえない、とはさすがに考えていないはずです。
 にもかかわらず、どうして、今なお、米国が台湾有事の共同作戦計画作成を日本に指示してきた形跡がないのか。
 (他方、間違いなく、米国単独の台湾有事の作戦計画は、30年前も現在も存在するはずです。)
 上記記事の中に出てくる、米台共同作戦計画が存在せず、したがって、(同じく対中配慮から)台湾有事の米日共同作戦計画もまた米国につくる意思がない、という説は恐らく正しいのではないでしょうか。
 そんなことで大丈夫なのかと思われるかもしれませんね。
 確かに問題ではあるけれど、いざとなったら、朝鮮有事の日米共同作戦計画を若干手直しすれば、すぐ台湾有事の日米共同作戦計画が出来上がる、と米国が考えていて、その腹案を常に持っている、という可能性が大です。(太田)
 そしてその「親日」という件も、この機密費のやり取りからは、友情をカネでやり取りしているようにしか見えず、日本に対し凄まじい嫌悪感を覚えました。先の東日本大震災に対する台湾からの義援金も、その額の大きさが、逆に日本への侮蔑の大きさではないかと、嫌な妄想が膨らむのです。
→かつて支那で正統政府を担い、戦後は台湾政府を長く担い、現在もまた担っている中国国民党は、骨の髄まで腐った金権政党だったのであり、その母斑を今でも色濃く残している、ということは否定しませんが、ちょっと考え過ぎでしょう。(太田)
 台湾は、日本の友情を信じているのでしょうか。つまり、台湾有事の際日本が軍事介入をしてくれると考えている(信じている)のでしょうか。
→台湾のしかるべき人々は、日本が米国の属国であるともちろん認識しており、台湾有事の場合は日本の宗主国の米国が軍事介入してくれると信じているわけで、それで十分だ、と思っているはずです。(太田)
 日本の台湾への友情は本物なのでしょうか。すなわち、台湾有事の際、日本政府や日本国民は、軍事介入をする気があるのでしょうか。
→既に冒頭でお答えしました。
 こういった設問自体が成り立たない、ということです。(太田)
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ”signature strikes”というらしいけど、人が集まっただけで米無人機に攻撃される、パキスタンのアフガニスタン国境付近の住民はたまったもんじゃないねえ。↓
 Families are afraid to attend weddings or funerals, it says, in case US ground operators guiding drones misinterpret them as gatherings of Taliban or al-Qaida militants.・・・
 <無人機の攻撃による死者の98%が一般住民だっちゅうんだからひでえ話だよ。
 オバマよ、無人機多用戦略は見直しが必要だね。↓>
 The number of ‘high-level’ militants killed as a percentage of total casualties is extremely low – estimated at just 2% [of deaths]. Evidence suggests that US strikes have facilitated recruitment to violent non-state armed groups, and motivated further violent attacks … One major study shows that 74% of Pakistanis now consider the US an enemy.”・・・
http://www.guardian.co.uk/world/2012/sep/25/drone-attacks-pakistan-counterproductive-report
 諏訪根自子の話題を載せた(コラム#5737)ばかりだが訃報が。黙祷。↓
http://www.asahi.com/obituaries/update/0924/TKY201209240582.html 
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太田述正コラム#5746(2012.9.26)
<イギリスにおける7つの革命未満(その3)>
→非公開