太田述正コラム#5953(2013.1.8)
<皆さんとディスカッション(続x1774)>
<太田>(ツイッターより)
 「…中国で稼ぎ、海外で消費するというのが、中国の富裕層の多くにとってすでに生活の一部になっている。…<また、>中国の高資産者(投資可能な資産を1千万元以上保有する人)のうち、海外の資産を保有する人が3分の1に上る…」
http://j.people.com.cn/94476/8081528.html
 人も金も逃げ出してる!
 「中国人記者の日本新幹線乗車体験記…」
http://j.people.com.cn/94475/8082311.html
 静かなるヨイショ記事であることよ。こういう記事を読むと、日本人の人間主義を讃嘆する彼らの気持ち・・その裏返しは中共の人々の民度に対する絶望・・はホンモノじゃないかという気がしてくるんだけど、果たして?
<y7xbUpmo>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 安倍首相が真正タカ派になりそうにないように思えるのは、すぐに韓国に特使を派遣しようとしたり呼ばれてもいないのに訪米しようとしたりすることだ。
<LP+8Xuod0>(「たった一人の反乱」より)
 太田退役中将は最近安倍総理を完全にタカ派になったと高く評価されてるけど、彼の経歴みても勉強にもスポーツにもとにかく完徹したような形跡がないんですよねぇ・・・。
 何となく付属の高校、大学でて形程度にアメリカ語学留学、それでいて大手製鉄会社に短期間多分コネ就職。
 あっと言う間に親父の秘書見習いから死去後代議士当選、あっと言う間に官房副長官から官房長官、与党幹事長から総理総裁。
 今回も周りに推薦されてとかの理由で谷垣、町村に弓引いて総裁になってるし、全て周りのお膳立てがないと何にも出来ない世襲ボンボンにしか見えないのは俺だけなんでしょうか?
<OC1FuIKH0>(同上)
≫どんな人でも、自分の知り合いに働きかければ、その輪がどんどん広がっていくってことが分かっている≪(コラム#5911。太田)
って事なんじゃないの?
 今の政治家なんて、その世襲のボンボンと似たり寄ったりなレベルなんだし、少しでも日本独立を実現してくれそうな奴に期待するしか無いって事じゃね?
 そもそもそれじゃ>508は誰だったら日本独立を実現してくれると思うんよ?
 純化ってスタートラインに立つ事すら次の参院選後なんて言われてるんじゃ民主党には当分期待出来ないし、そんな現状で日本独立へ少しで前進させてくれる可能性があるのは安倍・石破くらいしかいねえんじゃねえの?
 その上でより可能性の高い安倍を後押しするしかねえから安倍押ししてるって認識だったんだけど違うんかな?
<LP+8Xuod0>(同上)
 前回の総理の時もそうだけど、すぐヘタレるから。
<太田>
 ボクはこういう人々を「急進的な国家主義者」とは考えておらず、単に頭のカタイ人々だと考えてるんだけど、それはそれとして、このエコノミスト記事は、安倍首相が同じようなものの考え方の人々でもって政権をつくったことが改めてよく分かるな。
 だから、赤信号、みんなで渡ればこわくないって感じで、参院選後からは、否応なく真正タカ派的政策を推進することになりそうだ。↓
 「・・・<安倍>閣僚中14人は「みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会」という議員連盟に所属している。靖国神社は、戦争犯罪で死刑になった戦時中の指導者を祀り、何かと議論を呼んでいる東京の神社だ。
 また、13人は「伝統的価値観」への回帰を提唱し、戦時中の行為に関する日本の「謝罪外交」を批判する国家主義的なシンクタンク、日本会議を支持している。さらに9人は、学校の歴史教育において日本の軍国主義時代をさらに賛美するよう求める議員連盟に所属している。・・・
  新内閣を「保守的」と表現しては、その真の性質を捉えているとは言えない。これは急進的な国家主義者から成る内閣なのだ。
 安倍氏は、日本の戦後構造を抜本的に作り替えたいという自らの志向を共有する人が、普通の日本人にはほとんどいないことを分かっている。それゆえ、今後数カ月は経済に注力するのも当然だろう。・・・
 堅実な経済運営をしていけば、安倍氏は参議院でも勝利を収められるかもしれない。そうなれば、ここ数年の政権の中でも最強の負託を得ることになる。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36873
<AL3/qrP6>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 政治資金で飲み食い
 麻生副総理資金管理団体
 クラブ・料亭・すし店…3年で6000万円
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-01-07/2013010715_01_1.html
 諜報機関を設立した暁には共産党からスカウトすべきかも?
<AL3/qrP6>(同上)
 ただの内部告発の受け皿か?
<太田>
 もうちょっと分かりやすいやりとりをして欲しいなあ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 予定通り、参院戦で民主党の「純化」が完成しそうだよ。↓
 「維新・みんな、民主を敬遠…野党選挙協力に暗雲・・・
 松井氏は7日、記者団に対し、日本教職員組合(日教組)出身の輿石東参院議員会長を名指しし、「協議は絶対に無理だ」と言い切った。
 維新の会は、公立学校の校長公募など日教組が反発している教育改革を進めている。
 みんなの党幹部も「選挙協力は維新の会とだけにして、民主党とは戦う」と語る。」
http://www.yomiuri.co.jp/election/sangiin/news/20130108-OYT1T00213.htm?from=top
 コラム#5903で紹介したフォーリンポリシー論考とは話が真逆じゃん。
 だれか、土地勘のある人、日本の暴力団は親民主なのか親自民なのか教えてちょーだい。↓
 「自民党復活を反社勢力が大歓迎!・・・」
http://news.infoseek.co.jp/article/spa_20130108_00364599
 諸君、この北村淳論考のさわりを読みながら、どこがオカシイか、考えてみてくれたまえ。
 最後に考える際のポイントを付けておいたからね。↓
 「・・・中国がアメリカに対して弾道ミサイル攻撃を仕掛けた場合、発射から着弾まで30分前後はかかるため、それらの多重BMDを順次繰り出して敵のミサイルを迎撃する構想がアメリカの弾道ミサイル防衛戦略である。ところが、中国の東風21型や北朝鮮のノドンが日本攻撃のために発射された場合には、5~7分で着弾するうえ、BMDも二重であるにすぎない。また、PAC-3は局地的範囲(最大でも半径30キロ程度の半球状の範囲)を防衛する兵器であるため、それ以外の目標に対して接近するミサイル弾頭に対しては無力である。・・・
 自衛隊は対日攻撃を仕掛けた相手に対して反撃するための長射程ミサイルや爆撃機そして強力な対地攻撃力を持った軍艦などは保有していない。したがって、中国や北朝鮮が対日弾道ミサイル攻撃を実施する場合には自衛隊軍事施設が最優先の攻撃目標にはならないのである。その代わりに、原発(原子炉ではなく制御施設など関連施設)をはじめとする発電所や変電所、石油備蓄基地や石油精製所、LPG関連施設など社会的インフラをはじめとする戦略目標の方に攻撃優先順位が与えられるのである。・・・
 現状の航空自衛隊による36セットのPAC-3という保有数では、米軍関連施設ならびに航空自衛隊基地と防衛省を“自衛”するという目的ならば十分であるが、日本の防衛という目的にとっては話にならない数である。・・・
 要するに、攻撃側が攻撃目標を選択することができる実戦においては、日本のBMDは海上自衛隊が運用するイージスBMDの双肩にかかっていると言っても過言ではない状況と言える。
 稚内から与那国島まですべての日本領土を東風21型やノドンの攻撃から防御するには(「防御態勢を固める」ということで、「ミサイルを撃墜する」ことと同義ではない)、理想的には4隻のイージスBMDシステム搭載駆逐艦が必要であるが、3隻でもなんとかカバーできなくはない。
 ただし、イージス駆逐艦は敵の格好の攻撃目標である。そして、中国海軍・空軍はイージス駆逐艦を攻撃するための多種多様の手段を保持している。
 そもそもイージスシステムは敵の空からの攻撃から味方の艦隊を守るための強力な防衛兵器なのであるが、弾道ミサイルに対する厳戒態勢に投入している際には、その他の防空能力が制限されてしまう(現在改善中)。したがって、虎の子のイージスBMD搭載駆逐艦を、中国海軍や空軍の攻撃から防衛するためにもう1隻のイージス駆逐艦を配備しなければならない。
 もちろん、空からの攻撃だけでなく潜水艦による攻撃などにも備えなければならないため、実戦でのイージスBMDによるミサイル防衛態勢には、イージス駆逐艦を中心に警戒護衛用に駆逐艦と潜水艦を数隻それに哨戒機を数機投入する必要がある。・・・
 中国軍が保有している対日攻撃用長射程ミサイルは、弾道ミサイルよりも長距離巡航ミサイルが数量的にははるかに多く、その数はますます増加しつつある。
 長距離巡航ミサイル1発あたりの破壊力は弾道ミサイルに比べると小さいとはいえ、命中精度は極めて高い。なによりも製造コストが高価で配備数が少ない弾道ミサイルの場合には、10発・20発といった単位での飽和攻撃(短時間に一斉にあるいは連続してミサイルを発射する攻撃法)が限度であるのに対して、コストが低く配備数が多い長距離巡航ミサイルの場合は100発・200発といった単位での飽和攻撃を敢行することができる。・・・
 日本に対して長射程ミサイルをはじめとする軍事攻撃を加えた外敵には、対日軍事攻撃は最悪の選択肢であったと思い知らせるだけの痛烈な報復攻撃を実施する防衛力を日本自身が手にすることこそが、日本が短時間のうちに中国や北朝鮮などの長射程ミサイル攻撃を抑止する唯一の手段なのである。・・・」
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/36856
⇒・日本は反撃の手段は持っていないかもしれないが、米国は持ってるけん。
 ・「原発(原子炉ではなく制御施設など関連施設)をはじめとする発電所や変電所、石油備蓄基地や石油精製所、LPG関連施設など社会的インフラをはじめとする戦略目標」を攻撃して中共が得られるものは、日本国民の怒り以外に何だらほい?
 米国防省で40年間、戦略立案部局の長を同じ人間がやっているってオハナシだ。
 年功序列じゃない社会の恐ろしさというか、愚かしさというか。↓
 <任命したのはニクソン大統領で現在91歳でなお現役。オバマによる米国防政策の(中共をにらんだ)太平洋志向への転換も彼が主導した。↓>
・・・Andrew Marshall・・・directed the Pentagon’s Dickensian-sounding Office of Net Assessment for the past 40 years・・・. <He is> still active in body and insightful of mind at 91. Richard Nixon appointed him, and he has served every president since. Indeed, Barack Obama’s strategic “pivot to the Pacific” — right or wrong — almost certainly derives from ideas that Mr. Marshall has been advancing for years about the need to respond to the rise of China as a world power.
 <経済的にソ連を追い詰め崩壊させるという戦略も彼がレーガン大統領に吹き込んだ。↓>
 But long before President Obama began to ponder Marshall’s ideas, Ronald Reagan was briefed by him about the possibility of winning the Cold War by bankrupting the Soviet Union.・・・
 <この系として彼が推進したのが、サウディアラビアを焚き付けて石油の増産をさせることであり、石油が値下がりしてソ連は苦しんだ。↓>
 Marshall’s Cold-War-winning concept wasn’t just about arming rebels, either. He also strongly advocated a policy of encouraging the Saudis to produce more oil, so as to reduce the global per barrel price. Russian hard-currency revenues depended quite a bit on oil, so when the Saudis pursued this option, it struck a major blow to Moscow. ・・・
 <軍事革命(revolution in military affairs)も彼が提唱したもの。↓>
 The collapse of the Soviet Union at the end of 1991 provided proof of the efficacy of the cost-imposing strategy. Earlier that same year the lop-sided victory in our first war with Iraq bore out yet another one of Marshall’s big ideas: the notion that a “revolution in military affairs” was getting underway. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/01/07/civil_savant?page=full
 第一次世界大戦の時にハーヴァード大の学生達が競って兵役を志願して欧州で戦ったんだと。↓
 ・・・More than 11,000 Harvard men would see some kind of action in the Great War, the largest number from any American college or university,” notes Mr. Nelson. Harvard also finished first in a less desirable category: 375 perished, killed in action or dead from wounds, accidents or disease.・・・
http://online.wsj.com/article/SB10001424127887323936804578227541875270714.html?mod=WSJ_Opinion_LEFTTopOpinion