太田述正コラム#5981(2013.1.22)
<皆さんとディスカッション(続x1787)>
<太田>(ツイッターより)
 TVで中東問題専門家が、アルジェリアの事件で日本人が主たる標的になったのは、「交渉」に応じるのが日本だけだからであり、安倍首相の攻撃中止要請が火に油を注いだ、(要するに安倍首相はひどいことをやった)と言っててその通りだと思ったが、日本人だけが人質になった<場合>は人命第一ででよいとか、軍事的にテロ対策を講じるのは愚の骨頂だ、みたいな発言が続いたのには呆れ果てた。
 そんなことし<て>たら、今後、日本人だけがイスラム世界等のテロリストの標的にされちゃうぞ。
 戦後3分の2世紀経過し、日本人はもう回復不可能なくらい安全保障音痴になっちゃったのかもね。
 ああ、情けない。
<CAKKIMA>(同上)
 ベルモフタール司令官率いる覆面団の手先が日本にいると思うと・・・・ガクガクブルブルですね。
<uK3aSr+CO>(「たった一人の反乱」より)
 アルジェリアのテロリストに日本人が恨まれる理由は何だろう。
<6YNUf57b0>(同上)
 自民党・公明党の小泉純一郎政権で、イラクへの自衛隊派遣を実施したことで、イスラム社会(のテロリストの間)で、日本がアメリカの属国であると判断された。
 以前はイスラム社会は総じて親日的だったが、自公の小泉政権の極端な対米追従政策のせいで、日本が戦前から築いて来た「過去の遺産」が無に帰し、テロリストから日本が敵視されることになった。
 自公政権による「自衛隊のイラク派遣」さえ無ければ、日本のイスラム社会での評価が失墜することは無く、今回のテロ事件で日本人が最優先の標的として射殺されることも無かった。自公政権の悪しき政策が招いた犠牲。
 皮肉にも「自衛隊の海外派遣」では日本人を守ることは出来ず、左翼どもの主張する「自衛隊の海外派遣反対」を含む「憲法9条の遵守」の方が、結果的に、海外でのテロ攻撃から日本人の命を守ることが出来た…ということだ。自公政権の9条を無視した海外派遣の代償は余りに大きかった。
<S6zaVE4nO>(同上)
 10年前のことを今頃持ち出すのはちと強引ではないかなあ。
 これまでこれだけのことは起きてないんだから。
<odkEvqkK0>(同上)
 <uK3aSr+COクン、>金持ちだから。
<NOrXYaB00>(同上)
 <6YNUf57b0クン、>70年前の事を未だに持ち出してる国がお隣にいるじゃない。
<太田>
 odkEvqkK0クンが正解。
 一人の人命は地球よりも重いなんて世迷言を口にする指導者がいて、しかも、カネはたっぷり持ってるんだから、(その真偽はともかくとして、)大義のため、そしてその大義を達成するために必要なテロ資金を稼ぐため、に人質誘拐をやってると主張してる連中にとって、日本人の人質をとることほど合理的かつボロイ商売はないってことさ。
 (かつては日本人への敬意が、この論理を抑制してたが、現在の日本人がかつての日本人とは違う(下出)ことが浸透して来た結果、敬意が軽蔑に変わっちゃったってことだろな。)
 こんな災厄を自らに招いたのは、現在の日本人に安全保障感覚がないせいだ。
 安全保障感覚とは、命の軽重判断ができるということなんだな。
 自衛隊員一人の人命まで地球より重けりゃ、自衛隊は戦っちゃいかんちゅうことだから、自衛隊なんてない方がマシだし、属国でいるしかあるまいし、これからは日本人がテロリストによって次々に人質にされるのを甘受しなきゃなるまいて。 
<太田>(ツイッターより)
 「米国はここ数カ月の間「釣魚島の最終的な主権帰属問題については特定の立場を取らない」「釣魚島が日本の施政権下にあることを認める」との2点を口にし続けてきた。これに新たに「日本の施政権を害するいかなる一方的行動にも反対する」が加わった。…日本に強引に巻き込まれて、一時の衝動のために中米関係の大局をかき乱してはなおさらにならないと米国に忠告する。」
http://j.people.com.cn/94474/8100235.html
 米国の強い姿勢は中共当局に本件で微温的姿勢に転じる口実を与えたので、彼らは内心ホッとしているけど、それを隠して苦言を呈してるんだからね。
 ヨチヨチ。
<太田>
 中共当局が、本件で、世論や軍部の動向に神経を尖らせている様子が見て取れるな。↓
 「環球時報は、・・・「釣魚島は中国の国防力の有効範囲内にある」として「万が一、米国が戦術的に介入するのであれば、絶対に勝機をつかむのは難しいだろう」と主張。さらに「(釣魚島問題で)米国が泥沼にはまったりメンツをつぶしたりすることのないよう願う」と続けた。また「米国は中国が立ち上がることを軍事的に防ぐことはできないだろうし、中国は米国の発言を恐れることはないだろう」とも主張した。
→ウソでもよくもまあこんなことを言ったもんだわね。(太田)
 ただし、同紙は「米国は中国の重要な相手」とし、尖閣問題が米中の対立に発展することは望んでいないことを示唆した。・・・
→これがホンネ。(太田)
 中国中央軍事委員会の許其亮副主席は先ごろ、洛陽と青島の駐屯部隊を訪問した際「戦争で勝利することに、全ての焦点を合わせるべき」と述べた、と中国軍機関紙「解放軍報」が21日付で報じた。同紙は20日付の1面記事でも「戦争の準備のためには、平和続きで習慣化した軍の鈍い姿勢から改めなければならない」と報じた。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/22/2013012200440.html
→「改めなければ戦争の準備どころではない」=「戦争の準備などもってのほか」と言ってるワケだ。(太田)
 その他関連する記事をドーゾ。↓
http://j.people.com.cn/94474/8101052.html
http://j.people.com.cn/94474/8101962.html
http://j.people.com.cn/94474/8101982.html
<rDRIqGqX0>(「たった一人の反乱」より)
 いしゐ准教授がやってくれたよ!(携帯からなんでGoogle噛ませですまん)
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&u=http://headlines.yahoo.co.jp/hl%3Fa%3D20130121-00000687-yom-soci&ei=fwj9UNzePJCvkgWTgoHwDA&wsc=tb&ct=pg1&whp=30
< http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20130121-OYT1T00687.htm?from=main2 >
<太田>
 ボクが何度も言ってるように、明の時代だろうがなんだろうが、「昔」尖閣がどこに帰属してたかなんて、領有権問題に関しては、どうでもいいことなんだよ。
 下関条約で清から日本に割譲された領域に尖閣が入っていたのか、入っていなかったとして、日本が尖閣の先占を宣言した直前の時点で清は尖閣を清領と認識していたのかどうか、だけが問題なんだわさ。
残念ながら、これまで、いしゐさんは、「日本が尖閣の先占を宣言した直前の時点で清は尖閣を清領と認識していた」としつつも、その典拠を示してくれていないんだな。
 だから、なんでこんな話がニュースになるのか、なんで日本の主要メディアの一つの読売が取り上げるのか理解に苦しむなあ。
<KcUguyb20>(「たった一人の反乱」より)
 <94+z3Gwp0(コラム#5979)クン、>がパクリや産業スパイをしていないとは、言ってないの。そんなの欧米だって
あるに決まってるでしょ。そうではなく規模や質が違うと言いたいだけ。
中国が国家ぐるみで産業スパイをしているのは有名な話だし、パテントでも無法国家で有名。
韓国は日本人エンジニアから技術盗用しているのは、業界では有名な話だし、液晶やプラズマの核心的なパテントの使用料を払わず、訴訟になったのはつい最近の話だよ(典拠はいらないと思う)。
〈あなたも同じ〉論法をされても、誰も納得しないと思うよ。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 「・・・1970年代からは、進学に必要な内申書・調査書で、対外試合の成績が記載されるようになり、部活動は進学の手段として位置づけられてきた。・・・
→へーそうだったの。学業成績以外のことも内申書・調査書に記載されるようになったとすれば、それ自体はいいことだ。(太田)
 部活動は、学校指導要領に具体的な教育内容が示されておらず、放置されている状態だ。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201301210342.html?ref=comkiji_txt_end
→そうだとすりゃ、文科省官僚の著しい怠慢だな。
 高校への体育科の設置の是非はともかく、体育科じゃ運動部活動は必須だろ。それについて、学校指導要領等に指針を示すのは当然じゃないか。(太田)
 このこと、あんまし日本の主要メディアの電子版HPじゃ報じてないね。↓
 「・・・安倍首相の靖国神社参拝について「参拝すべきだ」と回答した人が56.7%、「参拝すべきでない」と回答した人は26.6%だったことを21日、報じた。
 2006年に行われた・・・世論調査では、賛成(43%)と反対(39%)がほぼ互角だった。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/22/2013012200457.html?ent_rank_news
 朝鮮日報サン、「頼り」の民主党も今度の参院選でより「純化」し、改憲派政党にイメチェンするはずだよ。
 既に、日本には基本的に改憲派政党しかないのさ。↓
 「日本で軍隊の保有を禁止している「平和憲法」の改正を掲げる自民党や日本維新の会など改憲派政党に対する支持率が、民主党など護憲派政党の支持率を圧倒的に上回っていることが分かった。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/01/22/2013012200453.html
 戦後の独仏和解をもたらすことに大きく貢献した歌Goettingen(1964年)
http://www.youtube.com/watch?v=Aad4Bm_Y0So
とその作曲者/歌手のユダヤ人女性のBarbaraの物語だ。
 英訳された歌詞も載ってるよ。↓
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-21126353
 時間切れだ。残りは明日。
—————————————————————————————————————————————————-
太田述正コラム#5982(2013.1.22)
<狩猟採集社会(その7)>
→非公開