太田述正コラム#6135(2013.4.9)
<皆さんとディスカッション(続x1864)>
<太田>(ツイッターより)
 サッチャー英元首相死す。
 英国流社会主義を粉砕し英国を再生させたが彼女の原理主義的資本主義は行き過ぎ。
 しかし、化学者転じて弁護士、そして議員、更には英国史上初の女性首相となり、かつ良き妻、まあ良き母親として家庭生活もまっとうしたのは驚異。
 日本の女性の中から第二のサッチャーよ出でよ。
→昨日から今日にかけてのサッチャー記事を・・今日のはガーディアンのだけ目を通したが、馬も食えないほどの分量なんで、斜め読みどころか、チラ見程度がやっとだけど・・読んだ。そのうち、ほんのちょっとだけ紹介するね。↓
 <コラム#5269でも紹介した、社会なんてものは存在しない↓、という語録はサッチャリズムの本質を表してるね。彼女自身、いわゆる友人は皆無だった。だからこそ、夫は彼女にとって不可欠な存在だったわけだ。>
“There is no such thing as society. There are individual men and women and there are families.” 1987
・・・
 <カリグラの目を持つがマリリン・モンローの口も持つ(ミッテランの評)。↓彼女の女性的魅力を余り語る人がいない中で貴重な証言だ。>
 ”She has the eyes of Caligula but the mouth of Marilyn Monroe.” French President Francois Mitterrand
 <映画のスター的にふるまうことだってできた(彼女の内閣の報道官経験者の評)。↓これも数少ない同様の評だ。>
 ”She was always an attractive woman. She had not merely a film star’s attractiveness; she could also behave like a film star when she chose to do so.” Sir Bernard Ingham, her Downing Street press secretary
 <1948年に某社が彼女の求職を断った理由↓。確かに友人ができないわけだ。>
 ”This woman is headstrong, obstinate and dangerously self-opinionated.” ICI personnel department assessment, rejecting job application from the then Margaret Roberts in 1948
http://www.bbc.co.uk/news/uk-politics-10377842
 <彼女の非・・というか反・・人間主義は、英国からコミュニティを放逐してしまい、その結果、もはやこれを回復するのは不可能だって。↓>
 ・・・the sense of community evaporated. There turned out to be no such thing as society, at least in the sense we used to understand it. Whether pushing each other off the road, barging past social rivals, beating up rival soccer fans, or idolising wealth as the only measure of virtue, Brits became more unpleasant to be with. This regrettable transformation was blessed by a leader who probably did not know it was happening because she didn’t care if it happened or not. But it did, and the consequences seem impossible to reverse.・・・
http://www.guardian.co.uk/politics/2013/apr/08/margaret-thatcher-hugo-young
 なお、サッチャーの下で具体的に英国がどう変わったかが、数字等で一望できるよ。↓
http://www.guardian.co.uk/politics/datablog/2013/apr/08/britain-changed-margaret-thatcher-charts
<太田>(ツイッターより)
 「墓地不足の中国「墓が高くて死ねない」 日本を手本に…」
http://j.people.com.cn/home.html
 数日、日本ヨイショ記事が途絶えて心配してたら・・。努力賞!
<TT>
≫ここ、よく考えると何を言っているのか分かりません。もう少し詳しく説明してください。≪(コラム#6133。太田)
                         
 他の精神病一般にも言えま すが、誰かが「精神病質者である」のは、社会で「活躍」できてしまっているからこそ発見され名付けられる、という精神病概念の成立プロセスはひっくり返せないだろうということです。観察されて結果的に病(的)とされる行動が「その人特有の病因や気質によるもの」という病因論にどの程度還元されるのかによって社会の「改革」は随分 違ったものになると思います。
→「精神障害」は、社会生活に支障が生じている場合に認定されるものであること
を考えると、ここは依然、意味がよく分かりません。(太田)
 太田さんは常習的凶悪犯たる彼らを隔離するほかないと書かれていますが、例えば特定の(脳神経等の)生理的特徴をつきとめてその特徴を持つ人自体を隔離や監視の対象にするということでしょうか?あるいは精神病質的行動を制御できさえすれば良いということでしょうか?
→正直、そこまでつきつめて考えていませんでしたね。(太田)
 いずれにせよ、精神病質者が活躍できない社会を構築するとして「相対的に被害が小さくなるように被害者のためのセーフティネットを作る」以上の改革が必要だろうとは思います。
 仮に行動分析学の行動随伴性で分類しても、
1、精神病質的行動をとれば(本人にとって)嫌なことがある。(正の罰)
2、精神病質的行動をとれば良いことがない。(負の罰)
3、人間主義的行動をとれば良いことがある。(正の強化)
4、人間主義的行動をとらなければ嫌なことがある。(負の強化)
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%9A%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%88%E6%9D%A1%E4%BB%B6%E3%81%A5%E3%81%91#.E8.A1.8C.E5.8B.95.E9.9A.8F.E4.BC.B4.E6.80.A7
 1や4については「悪いのは精神病質者特有の病因や気質である」という見方の度合いで、人を懲らしめるのか、行為を懲らしめる手段として人を懲 らしめるのか、制御の意味は変わってくるでしょう。
 また、社会への適応を軸に考えれば、(精神病質者を含めた)精神障害者と周りの人々がうまく付き合おうと努める(譲歩す)べき程度の問題といえます。太田さんが、
「要は、精神障害者は、その弱点を強みに変えることができるということを自覚して、本人や周りの人々が、精神障害とうまくつき あって行けばよい、ということです。
 ただし、そうはいかない唯一と言ってよい精神障害者が精神病質者ではないでしょうか。」(#5486)
と言われているように、精神病質者が「精神病患者」と「矯正すべき犯罪者」のグラデーションの真ん中辺りにいることも扱いを難しくしているように 思います。
 精神病質者に対してはほとんど本人にその行動上の努力や制限を課し、犯罪者と同様の扱いをする、ということはどのように可能でしょうか?
→言及されているシリーズは、原理主義的資本主義の犯罪性ないし危険性を特定の観点から指摘したものですが、私のイメージとしては、compassionate conservativismならぬ、人間主義的資本主義の世の中にすることにより、精神病質者を経営者の座から「隔離」することができるのでは、というものです。
 まあ、色んな観点から議論ができそうなので、少なくともテーマの一つに、このシリーズを取り上げるというのはアリかもしれませんね。(太田)
<太田> 
 こりゃいかん。報道が事実だとすれば、皇太子一家はオワっとるよ。↓
 「暴言事件で皇太子ご一家の護衛警官増員 スキー客から不満も・・・」
http://news.livedoor.com/article/detail/7574187/
 こりゃいかん。完全に金正恩は狂っとるよ。↓
 「開城団地の操業が完全中断 北朝鮮労働者ら出勤せず・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/09/2013040900795.html
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/04/09/2013040900482.html
 韓国と北朝鮮の比較だ。余り知られていない比較も載ってるよ。↓
http://www.guardian.co.uk/world/datablog/2013/apr/08/south-korea-v-north-korea-compared
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太田述正コラム#6136(2013.4.9)
<太平洋戦争における米兵のPTSD(その8)>
→非公開