太田述正コラム#6327(2013.7.14)
<皆さんとディスカッション(続x1960)>
<太田>(ツイッターより)
 「…日本の健康医療保険や政府の法律で保証されるハード面の条件のほか、日本のサラリーマンの健康理念も見習うべきだ。その理念とは、バランスの取れた食事、ゆっくり食事を取る時間、腸内の環境や健康を非常に重視することだ。…」
http://j.peopledaily.com.cn/94473/8323591.html
 このように、中共から、日々、ありとあらゆる面で模範として仰ぎ見られる存在である日本。
 それに引き比べ、日本人の方は、自分達の社会がそれほどスゴイってことについて、自覚が余りにもなさ過ぎるっつーもんだ。
 ま、日本が属国であるって認識すらないんだからしゃあないって言えばその通りだが・・。
 「日本軍の狂気を生んだ「持たざる国」の劣等感…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/14/2013071400035.html
 軍縮と海軍偏重による陸軍近代化の遅れ、更には戦争に不向きな縄文人兵士、という制約条件下で旧陸軍はよくやったんだよ。
 大体、当時の日本をファシズムと規定してるだけでこの本はXだ。
<太田>
益川センセみたいな縄文人ばっかしだったんだから、旧陸軍は苦労したわけだ。
 それにしても、天皇制廃止も唱えているとは、彼、徹底した縄文人だねえ。
 天皇は弥生人の総帥だもんな。↓
 「益川敏英博士「日本の平和憲法は改悪の危機」・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2013/07/14/2013071400036.html
<TA>
≫そりゃ、一部のハナシでは?≪(コラム#6325。太田)
 太田さんが「日本の魔法少女物アニメ番組」という、漫画・アニメ全体におけるごく一部のジャンルを例に挙げられた以上、「一部のハナシ」になるのは当然です。
≫少女漫画(的なものが)年齢を問わず、また、男女の垣根を越えて広く読まれているところの、中性文化日本の姿が彷彿としてくるのでは?≪(同上。太田)
 「的なもの」をどう考えるかは置きますが、漫画雑誌における「男女の垣根」は厳然として存在します。↓
 「少年誌も一部の女性購買層を持っているが、少女向けには専門の少女マンガ誌が存在する。・・・男性マンガ誌は割合の違いこそあれ、男女双方に読まれているのに対し、女性マンガ誌は基本的に女性だけに読まれている。単行本になると作品の魅力によって男性読者にまで広く読まれているものもあるが、雑誌だけを考えればほとんど女性の聖域である。・・・
 日本においてこれまで少女マンガは非常に独自のジャンルを築き上げてきた。世界の中でも「少女マンガ」というジャンルは日本にしか存在しない といわれ、非常に興味深い分野である 。裏を返せば日本の特殊性が「少女マンガ」を成立させた部分も少なからずあるということだ。」
http://www.geocities.co.jp/Playtown-Dice/6204/text/Soturon10.html
 念のため、太田さんが「日進月歩の人間科学(続x32)」シリーズ(コラム#6314~。未完、未公開)で主張している(しようとしている)ことを否定するつもりはありません。
 漫画を主張の根拠としようとお考えでしたら、↑の論文、15年前のものでかつナナメ読みしただけですが、参考になると思います。
<太田>
 以下、続く投稿子諸君も、必ずしも、あなたのように、「漫画雑誌における「男女の垣根」<が>厳然として存在」するとは見ていないようですが、あなたとの違いは、いつの時点のことを言っているのかによる違いではないでしょうか。
 そもそも、私は、「カワイイ文化」を「日本」での「新たな中性化手段」と見ているワケで、具体的に例を挙げた2系列の「カワイイ衣服」(コラム#6324)は、ここ最近の現象ですし、コラム#6325で引用した少女漫画に関するウィキペディアからも、このところ、次第に中性化が進展してきているところの、日本の少女漫画の歴史が読み取れますよね。
<eJyWvGag>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
≫少女漫画(的なもの)が年齢を問わず、また、男女の垣根を越えて広く読まれているところの、中性文化日本の姿が彷彿としてくるのでは?≪(コラム#6325。太田)
 少年漫画(的なもの)も年齢を問わず、また男女の垣根を超えて広く読まれてますからねぇ。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK31007_R31C12A0000000/
 漫画に限った話じゃないですけど、女性の方がお金落としてくれるんで、どうしても女性客を意識しざる得ないってのが根底にあるみたいですけど。
<太田>
 「・・・「週刊少年ジャンプ( 以下、ジャンプ)」は、少年誌のみならず、全マンガ誌で最多の売り上げを誇る。一般に「少年誌」というと、10代の少年を主要な読者層としてターゲッティングしているイメージがある。しかし、実は「ジャンプ」読者はほかの雑誌と比べても女性読者が多い異色の存在だ・・・ジャンプでは「異性との恋愛」は、ほぼ触れられない・・・」ですか。
<d4/cLwGI>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
<≫カワイイ文化にあっては、欧米から輸入された「魔女」はその性的パワーや魅力を、下掲のようにカワイく減殺された上で、世界に再輸出までされています。≪(コラム#6324(未公開)。太田)>
 魔法少女ものと言えば、魔法少女まどか☆マギカでしょう。
 「様様な賞を受賞しており、2011年には第15回文化庁メディア芸術祭アニメーション部門で大賞を、2012年には第11回東京アニメアワードでテレビ部門優秀作品賞を受賞。2013年にはグッズの売り上げ総額が約400億円に達し、国内外をつなぐ経済圏を作り上げつつあると日本経済新聞が報じた」
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http://ja.wikipedia.org/wiki/%25E9%25AD%2594%25E6%25B3%2595%25E5%25B0%2591%25E5%25A5%25B3%25E3%2581%25BE%25E3%2581%25A9%25E3%2581%258B%25E2%2598%2586%25E3%2583%259E%25E3%2582%25AE%25E3%2582%25AB&q=%E3%81%BE%E3%81%A9%E3%81%8B%E3%83%9E%E3%82%AE%E3%82%AB&sa=X&ei=4yThUZrFJ8eDkwW-5oHwCA&ved=0CCIQFjAB
 魔法少女まどかマギカに対する著名人の反応まとめ
http://matome.naver.jp/odai/2132930291073745901?guid=on
 キーホールTV等を使ってまどかマギカを英訳なしでを視聴する海外の熱狂的なファン
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http://kaigaianime.blog.fc2.com/blog-category-47.html&q=%E3%81%BE%E3%81%A9%E3%81%8B%E3%83%9E%E3%82%AE%E3%82%AB%E6%B5%B7%E5%A4%96&sa=X&ei=OCzhUdqCHoW0kQXhroH4Cw&ved=0CBwQFjAA
 爆笑問題太田とまどかマギカ脚本家虚淵玄の対談「一番大きいのは魔法少女ものなんですけど、オモチャを売らなくていいっていう。この縛りの無さが」
http://www.google.co.jp/gwt/x?gl=JP&hl=ja-JP&u=http://numbers2007.blog123.fc2.com/blog-entry-2433.html&q=%E8%99%9A%E6%B7%B5%E3%80%82%E5%A4%AA%E7%94%B0&sa=X&ei=ji3hUdbHE9HOkAW-kYGwDw&ved=0CCUQFjAC
<GPHwOZNw>(同上)
 <昨日の>ディスカッションで名前が挙がったプリキュアシリーズは大きなお友達をその射程に捉えた作品とみる向きが強い。
http://www.yukawanet.com/archives/4183245.html
 そもそも、逆に大人を視聴者層に含めようが、おっさんが主人公になるのは稀で、アニメ・マンガ・ゲームの登場キャラクターは全体的に年齢が低め。
 (↓は、アニメキャラの年齢の若干定量的なデータ。最後に向かうにつれ、年齢が高くなる事に注意。)
http://matome.naver.jp/odai/2133073874709168101?&page=1
 補足:海外ゲーマーの疑問「なぜ日本RPGは23~40歳を年寄り扱いする?」
http://blog.livedoor.jp/fairypot/archives/51837320.html  )
 海外だと、年齢層を反映して、主人公はタフなおっさんになるのが通例。
http://www.4gamer.net/games/105/G010549/20100901101/
 例えば、典型的な洋ゲーの主人公↓。
http://www.ea.com/jp/mass-effect-3
 少女や中世的な少年が好まれる中で、<d4/cLwGIクン>の示すアニメが近年で一番売れたテレビアニメになった訳だから、太田さんの言は大筋間違っちゃ無いと思うな。
http://www.nikkei.com/article/DGXNASFK0301M_U1A800C1000000/
http://www.nikkei.com/article/DGXBZO57114430Y3A700C1000000/
 話がそれるけど、趣味の世界における女性に対する市場の充実さや女性の活躍をみるに、趣味の分野では男女平等が進んでいるとも言えそうな気がするんだよな。
 だとしたら、構造的女性差別が存在するなかで、女性が思う存分に耽溺できる世界があるというのは、女性の社会進出に対する意欲をそぐ一面があるんじゃないかな。
<N1Qxu9FA>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 それにしても不思議だな、慰安婦問題をでっちあげて日韓関係をこじらせたのは、朝日新聞だと聞く。
 なぜ、不買運動が起きないのだろう?
 つまらん韓流押しでデモされたフジテレビなんかかわいいもんなのにな。
<v1aQEe9Q0>(「たった一人の反乱」より)
 日系市民が珍しく蜂起したもよう
http://sankei.jp.msn.com/world/news/130713/kor13071311230001-n1.htm
<ej8xuLdg>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 記事 在日特権を許さない市民の会ヘイトスピーチ
 「このままではヘイトスピーチはなくならない」 有田芳生と鈴木邦男が抱く危機感
http://blogos.com/article/66210/
 右翼も優しい現代日本。
 数日前の地元紙では、「若者の鬱屈が国家主義へ」とか「中国も韓国も武力で攻撃してもいいという人が増えている」とかなんとか。
 右翼でさえ「ゆるキャラ」なのに、何を言っているんだよと思ってワロタ。
 ただ、少子高齢化が進んで日本人のエネルギーが低下してる気はする。
<太田>
 人間主義と言ってくれたまえ。
 それでは、その他の記事の紹介です。
 韓国の裁判所が米国にも牙を剝いたみたいね。↓
 <最高裁が、枯葉剤によってベトナム派遣韓国兵が受けた被害を認定し、ダウケミカル社等に賠償を命じた。ただし、その一方で、同趣旨の別の裁判については、賠償を命じた高裁判決を破棄して差し戻したってんだから、どーなってんのかよー分からんが。↓>
 South Korea’s highest court on Friday upheld a ruling ordering two US Agent Orange makers to compensate 39 Vietnam War veterans, while sending another decision back to a lower court for review.・・・
 <ダウケミカルは、明確な証拠がないとし、米国の裁判所の諸判決に反している、と述べている。↓>
 Payment is now up to the US firms, but Dow Chemical said in a statement quoted by Yonhap news agency that it disagreed with the Supreme Court’s decision, arguing that the verdict was not backed by clear evidence, citing US court rulings.・・・
 <ベトナム政府は、かねてより、枯葉剤によってベトナム人が何百万人も被害を受けたと主張してきたが、米国政府は頑として責任を認めていない。↓>
 Vietnam says millions of its people have died or suffered from direct or second-generation disabilities as a result of the use of Agent Orange.
Washington has never accepted responsibility for the Vietnamese government’s claim.
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2013/07/14/2003567093
 黒人少年を射殺したジンマーマンに無罪評決。
 (日本とは全く異なった環境下の事件だったが、評決は妥当じゃないか。
 ただ、暴動が起きなきゃいいが。)↓
 George Zimmerman not guilty of Trayvon Martin murder・・・
http://www.bbc.co.uk/news/world-us-canada-23304198
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太田述正コラム#6328(2013.7.14)
<日進月歩の人間科学(続x32)(その8)>
→非公開