太田述正コラム#6470(2013.9.24)
<皆さんとディスカッション(続x2031)>
<太田>(ツイッターより)
 iphone5をOS7に更新してから調子が悪い。
 Siriに語り掛けると後でやり直してくれと言ったかと思えば、本日はタイマーをセットしたのに警報が鳴らなかった。
 旧OSの時にはCIMカードを時々認識しなくなった。
 (CIMカードに埃が付いたらしい。)
 まだスマホは真に実用的とは言い難い。
<ihatovo>(同上)
 cim じゃなくて、sim ですぜ、兄貴(^_^)
<太田>(同上)
 
 オーミステイク!
<太田>(同上)
 「経済界、日中関係改善に一歩 中国10社首脳が集団訪日…中国最大の国有コングロマリット「中国中信集団(CITIC)」の…会長、国家ファンド「中国投資(CIC)」の…社長…ら…」
http://digital.asahi.com/articles/TKY201309230337.html?ref=comkiji_txt_end_kjid_TKY201309230337
 これ、「経済界」じゃないぜ。「中国政府」だろ?
<神聖キュウシュタニア帝國皇帝>(同上)
 聖書の文言に拘らず、神すらも否定している<者もいる(コラム#6468)>のに、リベラル・キリスト教徒ですか?
 キリスト圏に於いて、キリスト文化の影響を受けている、世俗的アメリカ人にしか思えませんが・・・。
<太田>(同上)
 そう思うのも無理はないです。
 「日支戦争をどう見るか」シリーズで、まさにこの中心的テーマが展開され始めるのがコラム#6361であり、11月中旬から逐次公開して行くので、その折、ぜひ読んでください。
 私自身にとっても目から鱗であり、あの頃の興奮が蘇ります。
 <既に公開されている関連コラムとしては、6382、6390、6394、6396、6398、6410、6426、6432があります。読んでも隔靴掻痒の感が残るかもしれませんが・・。>
<HpxoD8Mw>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
 22日付けの、皆さんとディスカッション2029の毎日jpの記事
< http://mainichi.jp/select/news/20130921k0000m010107000c.html >
読んだけど、自民最悪ジャン。
 結局究極の形での対米従属が完成するだけなんだな、自民党政権は。
 アメリカの戦略の補てんをするための経済植民地・ATM・慰安所・技術提供の役割に加えて、出兵もするのか。
 ついにアメリカのために国民の命も献上する時が来たようだ。
 やっぱり、安倍自民によって脱保護国の第一歩なんて幻想だった。
 早くやめちまえ、真性売国奴ども。
<太田>
 その切磋琢磨が宗主国の奥の院の心を揺さぶり、我らが安倍首相、名誉米国人の認定を受けたぞ。
 彼、このたび、米保守系ハドソン研究所から、米国人以外では初めて、ハーマン・カーン賞を授賞される運びとなり、ロナルド・レーガン、ヘンリー・キッシンジャ、ディック・チェイニーらこれまでの錚々たる受賞者達と肩を並べることになった。↓
http://blogs.wsj.com/japanrealtime/2013/09/23/abe-first-non-american-to-win-conservative-hudson-institute-award/?mod=WSJBlog&mod=WSJ_Japan_JapanRealTime
<HS>
 ・・・昨年より購入した書籍で・・・興味深<く、太田さんに読んで欲しい>と思った本を列挙します。・・・
1.里山資本主義 藻谷浩介、NHK広島取材班
2.文明崩壊 上下巻 ジャレド・ダイアモンド
3.内心、「日本は戦争をしたらいい」と思っているあなたへ 保坂正康、東郷和彦et al
3.外務省ハレンチ物語 佐藤優
4.インテリジェンス人間論 佐藤優
5.政治の修羅場 鈴木宗男
6.暴力団 溝口敦
7.続暴力団 溝口敦
8.北朝鮮 平岩俊司
9.ウルトラダラー 手嶋龍一
10.世界経済史 中村勝己
11.いざ志願!おひとりさま自衛隊 岡田真理
12.勝ち続ける意志力 梅原大吾
13.闇の奥 コンラッド
 本のタイトルから、内容が想像できない、或いは何故これを自分に?と太田さんが思われるであろう本について軽く紹介していきます。
1.この本は、持続可能性のある社会についての本です。人間主義や人間主義型企業について、現場の取材を通して語っています。私個人的には「地域格差」(広い所では南北問題、狭い所では岩手などの地方での医療過疎etc)は人類の課題だと思っています。この本の書評はリクエストしたいです(笑)
9.一時期、手嶋が太田コラムで話題になりましたね。彼の処女作です。
11.女性の社会進出や女性の安全保障意識についての軽いエッセイです。
12.先日、任天堂の山内博さんが亡くなりましたが、任天堂の商品のコンセプトはどれも人間主義的でした。
 著者の梅原大吾は「格闘ゲーム」のファンのうち、知らぬものはいない人物です。
 彼が、「ゲーム」を通じて日々学んだこと、課題としている事を綴っています。
 正直言って、イノベーションとブラッシュアップの連続です。
 「ゲーム」を究極に突き詰めると得られる境地は、想像以上に教訓に満ちていて、学ぶ部分があると感じました。
 立ち返って、そういった「世界」を作り出した山内博の素晴らしさ、人間主義の普遍性で、コラムが書けないでしょうか。
13.太田さんのいう、糞ったれな欧州の人種差別的な面を如実に表している小説です。
 著者のコンラッドはポーランド貴族の出身で、イギリスに帰化しました。
 作中のコンゴ川流域はベルギー王室の私有地でした。
 作品では主人公(著者の投影)はフランスの船に乗り、これらの残虐な光景を目にしましたが、コンラッドはイギリスの船に乗り換えて英語を学び、イギリス国籍を取ります。
 この辺りが、非常に太田さんの主張(アングロサクソン人間主義論)とマッチすると思った次第です。・・・
<太田>
 「解説」を加えていただいたものの中で、9の手嶋サンのは、積極的なウリ言葉が書いてなかったこともあり、そそりません。
 残りのものの中では、佐藤優、鈴木宗男ご両名を私が丸っきし評価していないのはよくご存知だと思います。にもかかわらず、3、4、5の何がウリなのか、お聞かせいただきたいところです。
 8は、誰が書いたものであれ、データ不足は否めないはずで、読む気になりません。
 6、7は興味ありますね。
 10もひょっとしたら面白いのか、と想像されます。
 ジャレット・ダイヤモンド(2)はもういいやって感じですね。
 とりあえずは、こんなところです。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 労働コストが鰻上りの中共から逃げ出して米国へと戻る米企業がどんどん増えている。もっとも、こりゃ、ある意味じゃウィンウィン状況だけどね。↓
American companies are increasingly “reshoring” manufacturing operations from China to the US・・・
http://www.ft.com/intl/cms/s/0/e14d6cae-249d-11e3-8905-00144feab7de.html?siteedition=intl#axzz2fleqlhQb
 これとも関連し、中共からたまには「良い」ニュースを。
 中共の高速鉄道は大成功を収め、これが、他のしばらく前までの高度成長発展途上諸国と違って、中共の高度成長にさしたる陰りが見えていない最大の理由の一つだってさ。↓
 ・・・China’s high-speed rail system has emerged as an unexpected success story. Economists and transportation experts cite it as one reason for China’s continued economic growth when other emerging economies are faltering. ・・・
http://www.nytimes.com/2013/09/24/business/global/high-speed-train-system-is-huge-success-for-china.html?ref=world&_r=0&pagewanted=all
 <2年前のあの大事故以外に目ぼしい事故が起こっておらず、モノスゴーク安全な鉄道だって評判が確立しつつある。↓>
 ・・・While the crash is still talked about in China today, statistics suggest that China’s high-speed trains have actually proved to be one of the world’s safest transportation systems so far.・・・
http://www.nytimes.com/2013/09/24/business/global/despite-a-deadly-crash-rail-system-has-good-safety-record.html?ref=world
 メルケルのドイツは、かつての日本の顔色がなくなるほどのエコノミックアニマルなんだね。↓
 <軍事を蔑ろにして武器輸出に血道を上げている。↓>
 ・・・The Federal Republic’s flourishing weapons trade — coupled with the country’s profound anti-war consensus — remains a central paradox of her foreign policy.・・・
 <世界5大武器輸出国だが、防衛費はフランスの3分の1まで落としている。↓>
 Germany was one of the top five global suppliers of conventional weapons from 2008-2012. ・・・
 France spent three times as much on defense as Germany in 2011・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/09/23/home_alone_germany_angela_merkel_foreign_policy?page=full
 印パ分離独立の際、約50万人が死んだが、その1年後にハイデラバードで藩王を始めとするイスラム教徒と多数派のヒンドゥー教徒の衝突で前者を中心に27,000~40,000人が虐殺された。(全ては、現在進行形の「英国の植民地統治」シリーズで明らかにされる、英国の手抜き統治に責任がある。(太田))↓
 When India was partitioned in 1947 about 500,000 people died in communal rioting, mainly along the borders with Pakistan. But a year later another massacre occurred in central India・・・Hyderabad state・・・, which until now has remained clouded in secrecy.・・・
  ・・・between 27,000 and 40,000 died・・・
http://www.bbc.co.uk/news/magazine-24159594
 そのインドは、人間開発指数でベトナムと比べてすら、はるかに低い状況。(これも、英国の手抜き統治に責任がある。(太田))↓
 ・・・India ranks 136th in the world for human development, with Vietnam 127th. When the figures are adjusted for inequality, India sits 21 places behind Vietnam. To understand why, consider that life expectancy in India was about 66 years in 2012, while in Vietnam it was over 75. Children in India can also expect a year less schooling than their Vietnamese counterparts. ・・・
http://www.foreignpolicy.com/articles/2013/09/23/can_indias_economy_keep_growing?page=full
 エジプトの下級裁判所がイスラム同朋会を非合法化した。↓
 Egypt’s Muslim Brotherhood is banned・・・
 <しかし、同会はその大部分の歴史を通じ非合法であり、今春合法団体化したばかりだから、何ちゅうことない、本来の姿に戻っただけ。↓>
 The very concept of banning the Brotherhood is odd, some analysts said, because the organization barely exists as a legal entity in the first place. The Brotherhood survived underground for decades by keeping its finances and network of social service organizations in the names of private individuals, far from the reach of the government and courts.
 It was only after much prodding by human rights and civil society groups that the Brotherhood finally registered as a legal entity this spring.・・・
 <大体からして幹部は全員逮捕済みなのであり、これは、単に同会弾圧が終わったことを宣言したに過ぎない、と見ることもできる。↓>
 “There’s no more that can be arrested, so I think this is more of a political, symbolic ruling by an incompetent court to simply say, ‘This is the end.’”
http://www.washingtonpost.com/world/middle_east/egyptian-court-bans-muslim-brotherhood/2013/09/23/87ced17a-245e-11e3-9372-92606241ae9c_print.html
 画家のダリも(エドワード8世の奥さんになった)シンプソン夫人もナチシンパで、交流があったが、後者に至っては、ナチスドイツの駐英大使だった当時のリッベントロップ(後に外相)と愛人関係にあったんだって。(いまだに英王室が続いてるのは奇跡に近いって思うね。)↓
・・・An FBI investigation in 1941 suggested Wallis Simpson shared Dali’s strange attraction to Nazism. She was said to have given information to Joachim von Ribbentrop, the Nazi foreign minister, during the German invasion of France. The FBI was told she had a relationship with Von Ribbentrop in London in 1936, and that he sent her 17 carnations every day to mark the number of times she slept with him.・・・
http://www.theguardian.com/artanddesign/jonathanjonesblog/2013/sep/23/salvador-dali-nazism-wallis-simpson
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太田述正コラム#6471(2013.9.24)
<英国の植民地統治(その4)>
→非公開