太田述正コラム#7156(2014.9.2)
<現代哲学におけるアングロサクソンと欧州(その7)/私の現在の事情(続x41)>(2014.12.18公開)
 <従って、>分析哲学モードで研究すると、我々の哲学的探究の範囲(range)を制限してしまう、との主張は、もはや何の根拠もなくなっている。・・・
 典型的には、分析哲学は、科学によるそれらの諸発展と諸変貌(transformations)と相俟ったところの、常識的諸直観として理解された経験、及び、論理的推論(logical inference)の標準的諸規則として理解された理性(reason)に訴える。
 <確かに、>いくつかの大陸哲学的諸アプローチは、常識と科学的経験の見せかけ(veneer)を突き破るところの、経験の特権的領域(domain)へのアクセスを主張している。・・・
 <また、>他の大陸哲学的思想は、理性の本質的活動を、思想の論理的組織化(regimentation)ではなく、知的想像力の創造的行使(exercise)であると見なしている。・・・
 <しかし、>その明晰性へのコミットメントから、分析哲学はいかなる哲学的諸観念にとっても効果的な共通語として機能するのだ。・・・
 (例えば、後期ハイデッガーや1960年代以降の殆んどの主要なフランスの哲学者達のもののような)驚くほど曖昧(obscure)な大陸哲学の著作は、その創造的諸変貌からくるところの、抽象的詩の一種を、哲学的諸概念に関して生み出しているところの、文学的表現の一形態なのだろう。・・・」
3 終わりに
 私が文明論的アプローチを旨としていることは、皆さん、ご承知の通りです。
 そして、いかなる文明であれ、それは、比較的単純な原理で動いているはずである、と私が考えていることもご存知の方が多いことと思います。
 その理由ですが、どんな社会においても、複雑なことを理解できる人間なんて殆んどいないのであって、支配者だって、当人がたまたま複雑なことを理解できる知的エリートであったとしても、被支配者達が当然視しているところの、その文明の「比較的単純な原理」に逆らうような統治を行うことは不可能に近いはずだからです。
 いや、特定の社会における知的エリートでさえ、当人が支配者であると被支配者であるとを問わず、無意識的に、自分が属する文明の「比較的単純な原理」に羈束されている、とまでは言えなくても、強い影響下にある、とも私は見ているのです。
 そういう視点で、古典ギリシャに始まる、いわゆる欧米哲学史を見れば・・私は、古典ギリシャは「欧米」の範疇には入れるべきではないと考えているわけですが、それはさておき・・、古典ギリシャに始まった演繹科学が、次第にアングロサクソンに始まった経験科学によって浸食、代替されて行った結果、20世紀初頭において、なお演繹科学として生きながらえることができていたのは、(科学ではないところの法学を別にすれば、)哲学と数学だけになっていたところ、爾来、数学と経験科学を用いて哲学を科学から追放しようとする営みである分析「哲学」と、哲学を科学の一環として死守する欧州哲学との間の闘争が始まり、前者が後者にほぼ勝利を収めたのが現在の状況である、という風にかねてより感じており、この私の感覚がもっともらしそうであることが改めて確認できた、と思っています。
 なお、この勝負がここまで長引いたのは、キリスト教、ないし、それを支えたスコラ哲学、もしくはその代替物である民主主義独裁の諸イデオロギー・・ナショナリズム、(ドイツ観念論哲学が生み出した)マルクス主義・ファシズム・・の反動的桎梏が欧州の知的エリート達を呪縛してきたからでしょうね。
(完)
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            –私の現在の事情(続x41)–
 昨日、ノンフライヤーまがいのエアフライヤー(コラム#6811。3月2日入手)が起動直後に停止し、うんともすんとも言わなくなっちゃったのです。
 そこで、メーカーの「ティー・エム・アイ」のサポートセンターに電話をかけたところ、「この電話番号は現在使われていません」というわけで、今度はネットで調べた同社のHPに書いてあった本社(市外局番)に電話をかけたのですが、同じエラーメッセージが・・。
 そこで、買ったヨドバシカメラにかけて調べてもらったところ、この会社が倒産していた(!)ことが分かりました。
 修理をする方法がないというので、同等品と取り換えてくれないかと談判したところ、しばらくして折り返し電話があり、現物を受取人払いで送ってくれたら、代金を返却するとのこと。
 で、この製品を梱包しようと思って、冷蔵庫を動かして、裏のコンセントのところを見たら、なんと、コンセントがはずれかけていたのですねえ。
 全く起動しなかったら、コンセントを確認していた可能性がありますが、一旦起動してから停止したので故障だと思い込んだ次第。
 あわてて、ことの次第をヨドバシカメラに伝え、一件落着。
 「現在使われていません」メッセージで思い出すのは、1週間前のことです。
 8月26日に、30日の第3回セミナー用のパワーポイント・ファイルとレジメを八幡市の生涯学習センターに送ったのです。
 当日は月曜で同センターの休館日なのは知っていたのですが、手元に置いておくと、どんどん修正したくなってしまう、ということもあるので、早々と送ったわけです。
 ところが、不達通知がありました。
 そこで、同センターのHPにあった、問い合わせフォームに上記を記して送っておきました。
 翌27日朝、再度、レジメ等を送ったのですが、やはり不達通知が返ってきました。
 その日の15;00近くになっても、音沙汰がないので、今度は、同センターのHPにあった電話番号に電話をかけたところ、「現在使われていません」というので驚愕。
 念のためにもう一度かけたのですが、同じ結果です。
 で、今度は、八幡市の交換・・美しい京言葉のアクセント(当たり前でんがな)の女性でした・・に電話をかけ、ことの次第を説明したところ、その場でセンターにその番号で電話をかけて、電話が生きていることを確かめてくれ、折りかえし、センターから私に電話をするよう取り計らうと言ってくれました。
 (その直後に、この交換の女性、センターと間違えて私に電話をかけてきてしまい、大笑い。)
 そして、電話をかけてきてくれたセンターの館長さんと話をした・・問い合わせフォームは届いていませんでした・・後、三度目の正直でレジメ等を送ったのですがやっぱりダメ。
 で、ふと思いついて、パワーポイント・ファイルとレジメに分けて送ったところ、今度は目出度くどちらも届きました。
 また、試しに、問い合わせフォームをもう一度送ってみたところ、これもまた届きました。
 後で、同市での送受信メールの容量が3MBまでに制限されていることが分かりました。
 結局、26日の問い合わせフォームがどうして届かなかったのか、また、27日に2回かけた電話がなぜ通じなかったのかは分からずしまいでした。
 なにせ、冒頭に記したような、思い込みによるチョンボをやらかす私のことですから、恐らく、トンデモミスを連発した、ということなのでしょうね。
 トンデモミスと言えば・・と話はどんどん遡りますが・・、第2回セミナー翌日の7月20日の神戸での関西オフ会の時のことです。
 私の帰りの新幹線の出発時間を聞かれてチェックしたところ、乗車券は西明石までの往復
http://www.traicy.com/archives/6876021.html
を買ってあったので問題はなかったのですが、特急券(指定席券)が新神戸発ではなく京都発になっているではありませんか。
 私は、新神戸発のを買ったと思い込んでいたので、京都駅発の時間を新神戸発の時間だと勘違いしており、予定を切り上げて早めにオフ会会場から新神戸駅に向かう羽目になってしまいました。
 (切符は東京の大森駅で7月に予約したのですが、(1ヶ月前から予約できるということで、)往復乗車券と行きの特急券を買った上で、その翌日、改めて、帰りの特急券だけを買わなければならず、後者を買う時に、新神戸発の時間を指定しつつ、実際には、うっかり、京都発の特急券を買っちゃっていたのですねえ。)
 新神戸駅で、予定していたのぞみに乗車するためには、一旦解約しなければならず、解約料が発生するが、その10分後だったかののぞみに切り替えれば、解約料は発生しない、とのことだった・・どちらも、京都駅からの座席には最初座れないという、似た状況だったのに、どうしてこんな違いが発生するのか、今だによく分からない・・ので、10分後のやつに切り替えて乗車し、京都駅で、すぐ隣の窓際の席・・コンセントがあるのでパソコンが使える・・に移動して東京に戻った次第。
 
 次はどんなチョンボをしでかすことやら・・。
 コワー。