太田述正コラム#7711(2015.6.7)
<皆さんとディスカッション(続x2651)>
<太田>(ツイッターより)
 「…米当局は<、収賄疑惑濃厚の>高商務相ばかりでなく、中国側の調査対象として35人をリスト・アップ、その筆頭格に王岐山…党中央常務委員<にして>…党中央規律検査委員会トップで、党幹部の不正蓄財一掃をスローガンにする習近平主席の片腕…を挙げている。
 王氏の配下で党幹部不正取り締まりを担当した公安部長…も含まれる。…」
http://news.livedoor.com/article/detail/10200267/
 FIFA捜査は、この前座としての米捜査能力誇示目的だった可能性があるね。
 根拠レスな捜査をやるはずがないって印象を与えられるワケだ。
 軍事衝突抜きで経済関係も維持した形で米中冷戦が始まったクサい。
 「…日本には韓国にないものが二つある。
 一つは、日本は既に100年前に世界秩序を設計する大国の仲間入りを果たしていることで、その日本と直接戦った米国は彼らの実力や能力を認めているという事実だ。
 もう一つは…米国を守るため命を断たれた<日系の>兵士たちが<いることだ。>…
 米国の日本を見る目と韓国を見る目が根本的に違うことを一番よく知っていなければならないのは、私たち韓国人なのだ。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/06/2015060600402.html?ent_rank_news
 「アベノミクスの成績表が徐々に上向いてきている。…
 韓国経済は、およそ20年の差を置いて日本経済に追随していると言っても、あながち間違っていない。
 韓国の未来に備える視点から、アベノミクスを見るべきだ。…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/06/2015060600385.html?ent_rank_news
 と頑張る朝鮮日報を読んでいると、「韓国製よりも安い日本製出現に韓国輸出企業が悲鳴…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/06/06/2015060600379.html?ent_rank_news
に同情心が。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 武器に転用可能な固体ロケット(補助ロケット)の動向にも目が離せない。↓
 「宇宙航空研究開発機構(JAXA)や三菱重工業などは、4月から次世代の主力ロケットの基本設計に着手した。・・・
 2020年以降、世界の衛星需要は年間20~25基との予想があるが、ロシア、中国、インドを含め世界のロケット開発競争は激化している。日本の総力を結集しないと海外勢には太刀打ちできないだろう。」
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO87732750V00C15A6MY1000/?dg=1
 ブスではないが、確かに美人じゃあない。
 歴代の1位がみなそうだってことは、選ばれる側も選ぶ側も人間主義者が多いってことなのかな。
 それとも、AKBって壮大なニッチなのか。↓
 「さしこ2年ぶり女王返り咲き/AKB総選挙詳細・・・
 私はブスで貧乳でいいところがぜんぜんないです。・・・
 私は落ちこぼれで、選ばれた人間だとは思っていません。・・・」
http://www.nikkansports.com/entertainment/akb48/news/1487962.html
 そんなバカな。
 斎藤は、自分の選挙区でこそ人気があったけれど、世論の動向から乖離していた、ということだろ。
 むしろ、戦時中にもかかわらず、日本の自由民主主義がいかに機能していたかの証左だよ。↓
 「・・・学習院大学の井上寿一教授(日本政治外交史)は、議会と世論のズレを指摘する。戦時色が深まる中でも、36、37年にあった2度の総選挙では軍部と距離を置く民政党が第一党となり、社会大衆党も躍進していた。ところが斎藤除名問題を契機に、近衛文麿らの「新党運動」が加速化。半年を置かず各党は次々と自ら解党を宣言して大政翼賛会へとなだれこんでいった。
 「戦前戦後を通じて、民意というのは案外冷静で、極端にブレることはありません。むしろ政党の方が、そうしたバランス感覚を見誤り、日本を破局に導いたのです」
 除名から2年、日米開戦後の総選挙に斎藤は大政翼賛会非推薦で出馬し、見事にトップ当選を果たした。・・・」
http://digital.asahi.com/articles/DA3S11795640.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_DA3S11795640
 過積載ではなかったし、船長が警報を出していたところでそんなに多くの旅客が助かっていたとも思えないし、政府による救助活動もさほどドジではなかった、といった点が違うだけで、韓国のセウォル号のケースとやっぱ酷似してるね。
 上記の違いは、中共と韓国の人間主義度の微妙な違いによる、とも言えそうだ。↓
 「中国の長江(揚子江)で6月1日、乗客ら458人を乗せた旅客船「東方之星」(2200トン)が転覆した事故では生存者が14人しかおらず、400人以上が絶望的な状態だ。・・・ 建造時と比べると、客室部分が2層ほど加えられており、最上階は水面から10mも高く、水面下部分は約3mしかない。通常ならば、客室の高さは6mほどなので、4mも高くなっている。その分、船が不安定になりやすく、強風が吹けば、バランスを崩して倒れやすくなる。・・・
 船長や機関長は全体が見晴らせる最上部の操縦室などにいるはずで、通常ならば、この部分は最も脱出が難しい場所だ。それにもかかわらず、船長と機関長の2人が脱出できたのは、竜巻によって船が転覆することを予測し、我先に逃げたためと推測される。
 事故が起きたのは午後9時半ごろで、旅客は就寝準備中だったとみられるだけに、警報が出されていれば、もっと多くの旅客が助かった可能性もある。」
http://news.livedoor.com/article/detail/10201808/
 ハリウッドが、依然、アジア人の役を白人にやらせていることへの批判的記事だ。
 (ホンネでは、米国はいまだに厳然たる人種主義社会だってことだ。(太田))↓
http://www.bbc.com/news/world-us-canada-33017006 
 サルマン国王は、他国(イエメン)への公然たる武力介入を行ったことで国外に敵を作り、自分の息子、しかも、長男ではなく自分の眼鏡にかなった息子を事実上後継者に指名することで国内・・とりわけ王族内・・に敵を作った。
 サウディアラビアのサウド家支配が崩壊する日は意外に近いかもしれない。(太田)↓
 <王国創始者の息子達の間で、長幼の順に王位を盥回ししていくのは止める時期だとして、サルマン新国王は、次の世代の者を後継者に指名する際、長子継承制への移行を目論むべきだったのに、自分の子供のうちで自分のお眼鏡に適った者で、しかも、まだ、その能力をお披露目する機会が十分なかった者、を事実上承継者に指名する、という愚行を犯した。(太田)↓>
「<サウディアラビア>王国を震撼させたが、サルマン<新>国王は、<一度決めた>皇太子を、彼の異母弟・・・69歳から、甥で人気ある内相たる・・・<(男子の子供のいない!)>王子55歳に挿げ替えるとともに、自分自身の息子であるモハメッド・ビン・ナイェフ王子・・・29歳・・・を副皇太子(継承順位2位)に据えた。・・・
 <しかも、サルマン国王は、権力の一極集中まで、併せて行おうとしている。↓>
 モハメッド王子は、<現在、国防相だが、>・・・王室警備隊も彼の従兄弟・・・から引き継ぐと目されている。
 この変化は、<軍と王室警備隊という>二つの武力組織を国防省の下に統合することになるだけでなく、サウド王家内の力の均衡も変更することになる。・・・
 モハメッド王子は、・・・リヤドのサウド国王大学の法学士であり、<彼の三人いる異母兄のうちの一人とは違って、>王国の外で学んだことがない。・・・
 <彼は、>・・・サルマン国王の三番目の妻の長男だ。・・・
 彼は、水上スキー等、紅海ないしは旅行先で水上スポーツをやることを好む。
 彼は、iPhone等のアップル製品のファンだ。
 <事実上の王位継承者たる王子が日本フェチだというのは悪い話じゃないが、それに悪ノリして日本が彼に肩入れし過ぎると後でひどいしっぺ返しをくらう恐れも。(太田)↓>
 彼は、・・・早い時期からずっと日本大好き人間であり、日本は彼のお好みの国であり続けている。
 数年前に、モハメッド王子が最初の結婚をした時、彼は、自分の妻を2か月間の新婚旅行に、日本とモルディヴに連れて行った。
 (彼は、・・・最近、2番目の妻と結婚した。)
 彼の最も公的な役割は、モハメッド・ビン・サルマン王子基金の運営だ。
 概ね、サウディアラビアの若者の啓発を使命としており、ツイッターとユーチューブの使用についての会議を開催したほか、アラブ文化を展示するための日本流の「マンガ」カートゥーン群の制作を試みてきた。・・・
 <よって、国民の下掲の懸念は、完全に正しい。(太田)↓>
 通常、サウディアラビア人達は異議を唱えることを好まないが、何人かはこの王子の立身出世に懸念を示している。 
 「王家は巨大であり、<構成員達は>統治者たるべく競い合っているところ、若い者が政府を統制する任に就けば、たくさんの諸問題を引き起こすことになる」、と・・・ある中年の男が外のカフェで語った。
 「我々は、将来のことが心配で仕方がない」、と。」
http://www.nytimes.com/2015/06/07/world/middleeast/surprising-saudi-rises-as-a-prince-among-princes.html?hp&action=click&pgtype=Homepage&module=second-column-region&region=top-news&WT.nav=top-news&_r=0
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太田述正コラム#7712(2015.6.7)
<キリスト教の原罪思想のおぞましさ(その6)>
→非公開