太田述正コラム#7825(2015.8.3)
<皆さんとディスカッション(続x2708)>
<太田>(ツイッターより)
 「中国、小渕氏緑化事業の成果アピール 日中関係改善演出か…
 日中両政府はこれまで、年1回のペースで相互に記者団を招聘していたが、中国側は12年の日本政府による尖閣諸島(沖縄県石垣市)国有化などを理由に、日本人記者団の受け入れを見合わせていた。」
 そりゃそうなんだけど、安倍内閣の安保法制成立に向けてのけなげなる努力に対して、深甚なる感謝の意を表明してるのさ。
 「担当者は「日本人が木を植えるのを見て感動した。ともに努力した成果が出ている」と語った。」ってんだから、習ちゃんの日本に対する温かい眼差しが官僚機構の末端・・恐らく党員・・まで徹底しているであるねえ。
http://www.sankei.com/politics/news/150802/plt1508020016-n1.html
 東アジアカップでの日本男女サッカー惨敗に意気消沈している君に贈る。
 サーフィンのUSオープンの男子の部で日本人が初めて優勝。
http://www.latimes.com/sports/la-sp-us-open-surfing-20150803-story.html
 また、米女子バスケットボールのプロリーグに初参加した日本人が大活躍。
http://www.nytimes.com/2015/08/03/sports/basketball/ramu-tokashiki-a-japanese-rookie-blossoms-in-the-wnba.html?ref=world&_r=0
 「米NSA盗聴疑惑…菅義偉官房長官は… 「仮に事実なら同盟国として極めて遺憾だと思う」と述べた。…「クラッパー米国家情報長官と連絡を取り合い、事実関係の確認を強く求めている」と説明。… 「機密の取り扱い体制は万全を期している」と述べ、情報漏洩はないとの認識を示した。…」
http://www.sankei.com/politics/news/150803/plt1508030016-n1.html
 「遺憾だ」じゃなく「遺憾だと思う」で笑っちゃった。
 そもそも、泥棒(米諜報トップ)に「あなた泥棒しましたか?」と尋ねるとはねえ。
 産経がようやく本件を報じたかと思ったら菅さんだけの話なんで、ここでもズッコケたでー。
 忠良なる属国人達よ。
<ciel2525>(同上)
 <コラム#7823での>ご回答、ありがとうございました。
<dGxWLFg.>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
BSフジ開局15周年特別番組『戦後70年と“失敗の本質”』
http://www.bsfuji.tv/top/pub/shippainohonshitu.html
第二夜からですが、興味があれば視聴してみては?
<太田>
 この投稿、昨日、取り上げ忘れちゃったんだけど、『失敗の本質』については、『防衛庁再生宣言』で取り上げて以来、本ブログでも、(コラム#128、2034、2938、3241、3398、3841と)何度も言及しており、全く評価していないので、そんな本を手掛かりにした番組など、視聴する気になど到底なりません。
<XbVwfuso>(「たった一人の反乱(避難所)」より)
米兵虐待事件を語り継ぐ催し
http://www.nhk.or.jp/shutoken-news/20150801/3723191.html
日本人は優しくって涙が出るね。
親兄弟やご近所さんを生きながら焼夷弾で焼き殺されたご先祖様の心情も同じように思いやれたらいいのに。
<t9TxQ566>(同上)
NHK世論調査 原爆投下日を7割が不正解
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150803/k10010176121000.html
米国に対し謝罪<要求>や追及をせずに追悼だけしていたら、そりゃ忘れていくわな。
 学者・マスコミ・政治家連中の罪は重いぞ。
<佐藤誠二郎>
 太田さんのブログを初期の頃から見ているものです。
 初めて書き込みをさしてもらいます。
 仕事が忙しいことに甘えて、なかなか日本の「独立」のために何か行動をすることが出来ずに日々を送っていました。
 太田さんのブログもここ何年も見るていませんでした。
 最近やっと、『日支戦争をどう見るか』シリーズあたりまで追いつきました。すごく難しかったですが。
 毎日を弛むことなく、日本の「独立」のために動かれてる太田さんは本当にすごいと思います。
 私は学歴もない、土木作業者で、選挙しか出来ることはありませんが、太田さんのように日本のために生きて生きていこうと思います。
 カンパとかすればいいのですが、安月給で厳しいです。本当にすいません。
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 そんなヒマあったら、世界、とりわけ米国における人種差別禁止を訴えたら?↓
 「人種差別禁止<法案>:審議へ 野党が法案 参院あすから・・・」
http://mainichi.jp/shimen/news/20150803ddm001010180000c.html
 少なからぬご縁があった田村記者の活躍にはエールを送りたいところだが・・。↓
 <じゃあ、君が、それができない日経からもっとできない産経に移ったのはなんでよ?↓>
 「・・・ワシントンは、プラザ合意後、対日金融緩和圧力を激しく加え、通商摩擦では戦時の対日制裁条項まで持ち出す。中央情報局(CIA)まで動員して日本製半導体のダンピングの証拠を集める。戦勝国対敗戦国の構図さながらである。ナショナリズムの情念に流されなくても、日本人記者であれば、米国の傲慢ぶりを行間に漂わせようと考える。
 他方で、米欧メディアはひんぱんに開かれる米政府高官とのオフレコ会見で情報をもらい、円高を誘発する高官発言を速報で垂れ流し、日本の「不公正貿易慣行」がいかにひどいか、とリポートする。
 <「大英帝国の」じゃなく、「中国共産党の」狡猾さだろ。また、毛の老害期のことをさておけば、「中国共産党体制に好意的」な英メディアは正しい。↓>
 香港返還時では、英メディアは香港が恥ずべきアヘン戦争勝利のたまものであることを一切無視するかと思えば、中国共産党体制に好意的だった。日本人である筆者が着目した現実はといえば、大英帝国の狡猾さと党独裁の北京に監視される香港市民の受難だった。
 FT側は日本発の事案に辛口の記事を連発するだろう。4年前のオリンパスの粉飾決算事件、そして現在の東芝の不適切会計問題では、産業界に低姿勢の日経の甘さとは対照的に、国際金融市場の代弁機関、FTは遠慮会釈ない。
 <代替案を提示できるのならしてごらんよ。↓>
 日経とFTが日本の針路にかかわる政策で一致する場合も少なくない。消費税増税が典型例だ。財務官僚の御用メディア同然の日経は消費税増税を推進し、FTは国際金融市場の利害を意識して増税を安倍晋三首相に催促した。完全にミスリードである。
 <日本衰退の根本原因は、まともに人口減少問題に取り組むことさえできないところの、日本の属国状態/脳死状態にあるんだよ。↓>
 日本経済は増税後、再生軌道から外れ、アベノミクスは正念場だ。喜多会長は、FTと「報道の使命、価値観を共有」していると表明したが、両社が共に日本衰退の道をリードすることだけはごめんこうむる。」
http://www.sankei.com/economy/news/150801/ecn1508010004-n1.html
 ロッテ問題小特集だ。↓
 <朝鮮日報の「韓国人」昭夫に肩入れしたキャンペーン、更に過激に。↓>
 「ロッテお家騒動、一方的主張を垂れ流すKBS・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300537.html
 「ロッテお家騒動:次男会長昇任、創業者は2011年に承諾–格浩氏、「名誉会長は受け入れられない」との意向に従い「総括会長」に…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300831.html
 「ロッテお家騒動:公開動画に見る92歳創業者の「判断力」–4年前に自分で昇進させながら「次男任命したことない」…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300819.html
 「ロッテお家騒動:創業者「次男を会長に任命したことはない」–長男側が撮影した映像で発言、事実と相違も…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300805.html
 「ロッテ創業者がお家騒動を謝罪 「次男許せない」…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300647.html
 「ロッテお家騒動:泥沼の暴露戦、韓国国民をバカにするロッテ…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/03/2015080300803.html
 「ロッテ経営権争い 創業者長男「株主総会では自らが有利」…」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2015/08/02/2015080201121.html
 <日本の企業の話だから、日本のメディアも頑張ってる。
 産経は中立的。↓>
 「・・・重光武雄会長(92)が2日、7月28日の取締役会で自らを代表権のない名誉会長とする人事を決めた次男の昭夫・代表取締役副会長(60)側に対し、「70年間ロッテグループを育ててきた父である自分を排除しようとすることは全く理解できず、許すことはできない」などと批判する映像を公開した。・・・」
http://www.sankei.com/world/news/150803/wor1508030004-n1.html
 <東洋経済はやや昭夫氏寄り。↓>
 「・・・まもなく開催される予定の株主総会が争いの場となりそうだ。宏之氏は自らに友好的な株式を6割以上、昭夫氏は5割以上保有すると主張。ここでも食い違いが見られる。・・・
 韓国中堅財閥の関係者は「今年1月以降、武雄氏と2人の子供たちの間に何があったかは知らないが、結局、まずは長男が継ぐという順番を守るべきと武雄氏が思い直したのかもしれない」と語る。だが「そうだとしたら、あまりにも稚拙な判断であり、今の経営状況に合わない」。・・・」
http://www.msn.com/ja-jp/news/money/%e6%9d%b1%e8%8a%9d%ef%bd%a2%e4%b8%8d%e9%81%a9%e5%88%87%e4%bc%9a%e8%a8%88%ef%bd%a3%e3%81%a8%e3%81%af%ef%bd%a4%e4%bd%95%e3%81%a0%e3%81%a3%e3%81%9f%e3%81%ae%e3%81%8b-1500%e5%84%84%e5%86%86%e4%bb%a5%e4%b8%8a%e3%81%ae%e5%88%a9%e7%9b%8a%e3%82%92%e3%82%ab%e3%82%b5%e4%b8%8a%e3%81%92%e3%81%97%e3%81%9f%e8%83%8c%e6%99%af%e3%81%a8%e3%81%af/ar-BBljMx2?ocid=iehp#page=2
 大学生の時に広島で被爆した日本人男性の反核運動の生涯を描いた記事だ。↓
http://www.theguardian.com/world/2015/jul/31/japan-atomic-bomb-survivors-nuclear-weapons-hiroshima-70th-anniversary
 以下は、部分的に井上寿一(学習院大学学長)の話も入っているが、基本的には川田稔(日本福祉大学教授)の話だ。↓
 「・・・宇垣<一成>派には・・・満州事変の時に陸軍大臣だった南次郎、参謀総長だった金谷範三、二宮治重参謀次長ら・・・それから、後に首相になる小磯国昭とか、太平洋戦争期に参謀総長を務めた杉山元(はじめ)<といった>・・・人たちが名を連ねてい<まし>た・・・。・・・
 <要するに、宇垣派って、統制派中の外務省寄りの勢力ってことでしょ。(太田)↓>
 宇垣派の考えには3つの軸がありました。1つはワシントン体制の維持。もう1つは、政党内閣と良好な関係を保つこと。そして第3の軸が対ソ防備の強化です。このために、・・・<満蒙>五鉄道<(注)>が重要になるわけです。・・・これを放棄することは宇垣派として<も>受け入れ難かった。・・・
(注)「田中義一内閣が張作霖*と合意した借款鉄道(利権鉄道)。中国国有鉄道の形を取るものの、実態は日本が運営する満鉄の支線に近いもの・・・。張作霖政権が日本から借款を得て、満鉄が請け負う形で敷設する。借款鉄道では、運行主任や会計主任を日本側が握ることができ<る>。この満蒙五鉄道の敷設を張作霖も、息子の張学良も実行しなかっ<ばかりでなく、>・・・南満州鉄道と平行して走る鉄道を敷設<してしまう。>・・・
 <ところが、外務省、すなわち、>浜口・若槻の民政党政権で外務大臣を務めた幣原喜重郎は、満鉄の平行線についてそれまでの抗議を取り下げ<るとともに、>満蒙五鉄道についても張学良政権の自弁鉄道にすると方針を転換し・・・た。自弁鉄道になると、満鉄の請負ではなくなり、日本の利権鉄道ではなくなってしま<う>。・・・
 これらの鉄道は実は、すべて対ソ戦に備えるための鉄道だった・・・。五鉄道は、満鉄線につながる形で北部満州の方向に走<る>。ソ連と戦争になった場合、戦地に兵士や物資を輸送するために重要だった・・・。よって<陸軍は>日本が強い力で支配できる形を望んでい・・・た。」
 <ちなみに、>当時の法規と出兵慣行では、海外派兵をする場合、陸軍内部の決定に加えて、内閣の承認と天皇の奉勅命令が必要でした。満鉄の沿線は関東軍司令部が コントロールしているので、そこでの派兵は海外派兵ではありません。けれども、日本側の借款鉄道沿線に派兵する場合、内閣の承認と天皇の奉勅命令が必要か どうかは必ずしも明確ではありませんでした。ですから満蒙五鉄道を少なくとも借款鉄道として押さえておく必要があったのです。そうでないと、派兵のたびに いちいち天皇の奉勅命令を得る必要が生じますから。・・・
 <前から指摘してるように、外務省は利己主義、陸軍は人間主義ってこと。(太田)↓>
 宇垣派であれ、統制派であれ、皇道派であれ。陸軍に属している限り仮想敵国はソ連で、対ソ戦の準備が最優先です。準備の仕方については党派ごとに違いがあるのかもしれません。けれども、この点では一致している。・・・
 一方、<外務省>のように日中関係を経済中心に深めていこうと考える勢力は、満州でやり過ぎると蒋介石との関係が悪くなり、中国本土の広大な市場をも失いかねないと考える。陸軍に対して「満蒙についてはこれ以上やってくれるな」と望むわけです。・・・
 <英米が一体ではないことも、米ソが癒着していたことも、また、そもそも、米国が人種主義的帝国主義国であることも、分かっちゃいなかった点では、宇垣派ひいては陸軍全体も、外務省も、同程度に国際音痴だったわけだが、当然、外務省の方が職務懈怠として非難されるべき。(太田)↓>
 宇垣派の考えでは、総力戦になった時、まずは日本と満州の資源を使う。それで足りない部分は<米国>や<英国>から輸入することで賄う考えでした。対英米協調が前提ですから。
 もし次期大戦が起こったら、敵味方はどういう組み合わせになるかについてもある程度想定されています。当時、独ソ間で秘密軍事協力の協定が結ばれ ていました。これは秘密協定なのですが、日本もその存在は知っていた。宇垣は、もし次期大戦が起きた時、独ソが提携するならば、日本は米英と手を握る形に なると考えていました。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/275962/072900001/?n_cid=nbpnbo_mlp
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太田述正コラム#7826(2015.8.3)
<意外な取材(その4)/英東インド会社(その5)>
→非公開