太田述正コラム#8367(2016.4.30)
<皆さんとディスカッション(続x2979)>
<太田>(ツイッターより)
 「…中国メディアの今日頭条はこのほど、国の発展をはかる重要な尺度として、経済のほかに「人文関懐」が挙げられると説明、日本社会の隅々にはっきり認めることができる人文関懐の実例をいくつか紹介している。
 記事が用いた「人文関懐」とは、日本語にすれば「人道的配慮」、「人間としての思いやり」という意味合いだ。
 人文関懐という言葉は2007年の中国共産党第17回全国代表大会報告で初めて使用された。…」
http://www.msn.com/ja-jp/news/other/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E3%81%AE%E6%80%9D%E3%81%84%E3%82%84%E3%82%8A%E3%81%AB%E8%A8%80%E8%91%89%E3%82%92%E5%A4%B1%E3%81%A3%E3%81%9F%EF%BC%81%E4%BA%BA%E9%81%93%E7%9A%84%E9%85%8D%E6%85%AE%E3%81%AE%E3%81%82%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AF%E7%99%BA%E5%B1%95%E3%81%97%E3%81%9F%E5%9B%BD%EF%BC%9D%E4%B8%AD%E5%9B%BD/ar-BBsoCZK#page=2
 この分では、「人間主義」という私の言葉じゃなく、「人文関懐」が世界を席巻することになるだろうね。それもまたよし。
 AFPが、先般の日経の習・李確執論記事と同趣旨の記事を配信。
 習が李克強(や胡錦濤)の出身母体の共青団に(正当なものではあるが)批判を行っているのは、この2人以外の5人の政治局常務委員が交代する来年の党大会をにらんでの画策だろうってさ。
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2016/04/30/2003645179/1
<太田>
 それでは、その他の記事の紹介です。
 ツイッターが中共関係だったので、まず、定番の、中共官民の日本礼賛記事群紹介から。↓
 「・・・参考消息はこのほど、熊本地震によって崩壊した道路がわずか1週間で元通りになったと伝え、その復旧の速度と作業効率の高さに対して、中国や台湾で驚きの声があがったと伝えた。
 記事はまず、「地震で崩壊した道路を普及させるのに必要な時間はどれくらいだろうか」と疑問を投げかけつつ、極めて大きな地震だった熊本地震では「わずか1週間で道路が復旧した」箇所があることを紹介し、復旧前と復旧後の実際の様子を写真で伝えた。・・・
  熊本地震の被災地における道路復旧の速度に対し、記事は「神速」であると伝えつつ、台湾や中国のネット上でも「敬服せざるを得ない」、「なんて凄い国だ」などと驚きの声があがったと伝えている。」
http://www.msn.com/ja-jp/news/national/%e3%81%93%e3%82%8c%e3%81%9e%e7%a5%9e%e9%80%9f%ef%bc%81%e7%86%8a%e6%9c%ac%e5%9c%b0%e9%9c%87%e3%81%ae%e8%a2%ab%e7%81%bd%e5%9c%b0%e3%81%ab%e3%81%8a%e3%81%91%e3%82%8b%e9%81%93%e8%b7%af%e5%be%a9%e6%97%a7%e3%81%ae%e9%80%9f%e5%ba%a6%e3%81%ab%e9%a9%9a%e3%81%8d%ef%bc%9d%e4%b8%ad%e5%9b%bd/ar-BBsoGy7?ocid=iehp
 「2016年4月27日、中国におけるグループ企業の平均寿命は7~8年で、中小企業の平均寿命は3年を超えない。統計によると、世界にある100年を超える長寿企業は、日本が2万2000社余り、米国は歴史こそ短いが1100社ある。これに対して中国はたったの10社余りで、最も古い企業は明代の嘉靖9年(西暦1530年)に創業された六必居だ。
 無数の企業家が生まれ、同じように会社を興し経営をする。それにかかわらず、なぜ日米中三カ国でかくも大きな差が生じるのだろうか。社会的環境要素を除き、筆者は次のいくつかの点から分析を試みたい。
 1つ目は、本業への専念という観点だ。100年もの間続く企業は、その本業だけに専念してきた企業だ。・・・西暦578年創業の世界最古の企業、日本の株式会社金剛組は、40代以上にわたり寺院の建築だけに専念してきた。それに対し中国の企業はどうか。起業して間もなく不動産を始めたかと思えば金融に手をだし、儲かることなら何でもやるといった様だ。
 2つ目は、極めるという観点だ。・・・
 3つ目は信用だ。日本の帝国データバンクが4000社を対象に行った調査によると、漢字一字で「長寿の秘訣」を表した場合、最も多かったのが「信」で、次が「誠」であった。
 4つ目は、コア競争力<(研究開発)>だ。・・・
 5つ目は、人材の安易な選抜だ。中国には「富は三代続かず」という古い言葉があるが、日本では子孫の不孝による企業の衰退を防ぐため、多くの家族企業が徳と才能のある養子を選んで継承しているのだ。・・・
 6つ目は資本の慎重な運用だ。上場は企業の知名度を高め、企業規模を拡大させるため、 多くの起業家が上場をひとつの目標に掲げる。しかし、日本では長寿企業のほとんどが非上場企業なのだ。・・・
 「小企業は社長に頼り、中企業は制度に頼り、大企業は文化に頼る」。企業の発展は制度のデザインと文化の創造と切っても切り離せない。しかし、企業が速い発展を目標とし、お金儲けを唯一の目標としたとき、深い企業文化の蓄積が望めないだろう。当然100年企業にもなりえないだろう。(提供/人民網日本語版・翻 訳/MI・編集/武藤)」
http://news.infoseek.co.jp/article/recordchina_RC_132884/
 ちらほらとTV等で報じられていることの全貌が分かるな。↓
 「海外出張経費について、ロンドン市から返信あり!文字通り、舛添知事の豪遊とケタ違いだった・・・」
http://blogos.com/article/173926/
 日本じゃ、葬式は、第一次弥生モードの時に始まり、(第二次縄文モード(江戸時代)には、武士という弥生人系が統治者だったの(?)で、その被治者への檀家制度の「押し付け」もこれあり、第二次弥生モードにおける家制度の「押し付け」があって、維持されたが、)第三次縄文モード(現在)、第一次縄文モードないしは縄文時代に回帰する形で消滅しつつある、と見たらどうだろうかな。↓
 「・・・基本、鎌倉時代頃までは、葬送を行うのは血縁者だけなんです。穢れの問題があるので。あとお金があって、ある程度使用人が雇えるような人しか 埋葬しない。一般の人は、鳥辺野(とりべの)とかに遺体を置いて遺棄葬をする。・・・
 ところが、室町時代以降になると火葬をする宗教者が出てきたり、遺体を埋葬するっていう発想が広がった。と同時に、・・・村の仕組みが発達してきて、共同で埋葬しよう、お葬式をしようっていう仕組みが次第にできていく。ある意味、お互いさまにやりましょうというのが、だんだんと構築されていく・・・
 その共同体が、村だったり町人社会だったりの地縁、明治民法での不安定な「家制度」、戦後は会社が葬儀の面倒見る時期を経て、今は儀礼的には葬儀社に頼りつつ、責任の所在としては、家族が、個人があくまでも見ていくことになっている。その傾向がどんどん進んでいる。・・・
 90年代以降になると・・・死者を記憶し追悼するのが、もう家族以外は基本的にはしなくていいっていうふうに<な>った・・・
 直葬といって、もう葬儀をやらない方法も出てきました。・・・」
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/report/15/227278/040700047/?n_cid=nbpnbo_mlsp&rt=nocnt
 当然だが・・。↓
 「戦時中の一九四四年八月、東北帝国大学(現東北大)の熊谷岱蔵(たいぞう)総長が、大学の進むべき方向について教員に尋ねたアンケート結果が東北大に残っている。作家の阿部次郎教授や仏文学者の桑原武夫助教授らが、軍事中心、文系軽視の方針に異議を唱えていた。・・・」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2016043090070907.html
 初耳の話じゃないが、朝鮮日報が取り上げたことを嘉す。↓
 「がん闘病の母が娘に遺した「生きる力」=『はなちゃんのみそ汁』–日本の実話の映画化『はなちゃんのみそ汁』韓国公開–がん闘病の母親が4歳の娘にみそ汁作り教える
「妻との時間を忘れないように本にした」–「中学2年生になった娘は今も明け方にみそ汁作り」・・・
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/04/29/2016042901116.html
 日本型経済体制・・エージェンシー関係の重層構造・・が、韓国じゃ、十分定着することのないまま、現在に至っているってことだよ。↓
 「・・・2014年ベースで世界トップ100に入る自動車部品メーカーを国ごとに見ると、日本が30社で1位、次いで米国(25社)、ドイツ(18社)と続く。その大半は大手完成車メーカーに属していない独立した企業だ。これに対し、韓国は5社にすぎず、このうち大企業系列でない企業は「ゼロ」だ。
 ほかの業界でも状況は同じだ。大企業に属していない製造企業のうち、売上高が1兆ウォン(約960億円)を超えているのはソウル半導体、ヒューマックスなど数えるほどしかない。大半の中小・中堅企業は垂直系列化という韓国特有の産業構造から抜け出せず、特定の大企業への納品会社にとどまっている。・・・」
http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2016/04/29/2016042901119.html
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 一人題名のない音楽会です。
 Julia Fischerの3回目(最終回)です。
Mendelssohn Violin Concerto(コラム#3382(庄司)、3434(庄司)、5265(庄司)、5335、5811(庄司も)、6464、7279(庄司)) 指揮:? オケ:? Henselの弟の作品だよー。
https://www.youtube.com/watch?v=MOsjjCzC65Q
Tchaikovsky Violin Concerto in D major, Op 35(コラム#5807、6339(庄司)、6492、7751、7835(庄司)) 指揮:? オケ:Ankara Youth Symphony Orchestra ←先ほどアクセスしたら削除されてました! 過去のを聴いてください。彼女、シックな肩紐付黒色のドレスを着て演奏していましたね。なお、上のメンデスゾーンの時は同じ黒色のドレスでも肩紐なし。
https://www.youtube.com/watch?v=b0V4mqnqtGU
Mendelssohn Streichquartett e-Moll op. 44 Nr. 2 2nd Mv.(コラム#7723)
https://www.youtube.com/watch?v=4l6a65l9x8k
(完)
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太田述正コラム#8368(2016.4.30)
<一財務官僚の先の大戦観(その18)>
→非公開